事務次官会見

谷口事務次官会見

2009年9月3日(木) 14:00 ~ 14:28
国土交通省会見室
谷口博昭 事務次官

閣議・閣僚懇

 今日は事務次官等会議がございましたが、当省に関係するものはございませんでした。私からは以上です。

質疑応答

(問)八ッ場ダムについてお伺いいたします。前回の会見でスケジュールを勘案して対応を検討したいというご説明をいただきましたけど、現在の検討状況は如何でしょうか。
(答)今、お話ございましたように八ッ場ダム本体工事の契約手続きにつきましては、先般の8月31日の会見でどういう対応が適切なのか考えていきたいと答えさせていただきましたが、本日午前、入札を延期するよう発注者である関東地方整備局長に対して指示を行わさせていただいたところでございます。

(問)延期ということですが、国交省として入札を何時にしたいというお考えをお持ちでしょうか。
(答)今のところは入札手続きの延期を決めたばかりでございますので、先般も答えさせていただきましたが、新しい大臣にご判断・ご指示をいただくということでございますが、これまで八ッ場ダムの治水、利水についての必要性、またその考え方、現在までの事業経緯、また地元の都県知事、首長はじめいろいろな方々のご意見等をご説明させていただいてご判断・ご指示をいただきながら、何が適切なのかというご判断をいただきながらしっかり対応していければと思っているところであります。

(問)入札をするか、つまり建設を続けるのか、それとも中止をするのか。
(答)とりあえず入札を延期したというところであります。ニュートラルというのですか、建設ありきということでなく、今ご説明させていただいた考え方、これまでに至る経緯、また地元の状況、知事・首長の考え方等をご説明させていただいてしっかりと適切なご判断をいただくということではないかと思います。これらを踏まえご判断ご指示に従って、入札のあり方というものも適切に対応させていただければと思っております。

(問)八ッ場ダムの入札については延期ということですが、民主党はこの他にも公共事業そのものを大胆に削減するというような意向を示しておりますが、今後の、八ッ場ダムについては県議や県知事の意向を聞いてとおっしゃってますが、公共事業の全般的な削減が日本経済にかなり影響が出ると思いますが、どのようにお考えでしょうか。
(答)公共事業も予算面では非常に厳しい状況があった訳でございますが、三段ロケット、プラス経済危機対応ということで、四段ロケットという方もありますが、世界同時不況ということもありまして、補正予算も含めて公共事業に対する期待が大きいものがあるかと思います。これにより民需を喚起する、将来的ですね、そのような役割をいただいていると思っております。ところが民主党のマニフェストを見ますと、全体予算という意味では歳入歳出セットということではないかと思っております。非常に無駄が多いという認識のもとで公共事業については厳しいものが予想されます。いずれにしましても、昨日、民主党の代表、実際には岡田幹事長と直嶋政調会長が官房長官にお話になられたということで政権の円滑な移行に対する協力要請ということがございました。また今日、昼の事務次官会議におきましても漆間官房副長官から協力するようにというようなことがございました。当面はインフルエンザ対策、災害対策等が当省に関わりの深い項目であると思いますが、そういうようなことは遺漏のないようにしっかり対応していく必要があると思いますが、民主党からの具体的な要請があればしっかり対応させていただければと思っております。当面は緊急を要するものということで、追々くるのではないかと思っております。今この時点ではございませんが、そう言った要請があればこれまでの公共事業の推移なり役割なり、また補正予算も含めて現在の状況を説明させていただければと思っております。

(問)今、お話のあった補正予算の中でですね、民主党は全省庁46ある基金をですね、一つ俎上に挙げているんですが、その中で国交省で建設業金融円滑化基金というのがございまして、そこについても俎上の一つに入れているんですけど、それについてどのようなお考えをお持ちでしょうか。
(答)今お話いただきました建設業金融円滑化基金でございますが、中小の下請建設企業等の資金繰りの円滑化を図るため、21年度補正予算で措置した金額は96億円ということになってる訳でございます。これにつきましては下請建設企業等が元請建設企業に対して保有する債権を民間の債権買取会社が買い取る際に、下請企業等の金利負担を軽減する等の助成措置を講ずる下請資金繰り支援事業に当てるものとして、7月29日に事業主体である(財)建設業振興基金に交付され、建設業金融円滑化基金に繰り入れられたというものです。債権買取会社においては、既に7月1日から買取りを開始しておりまして、事業実績としましては8月31日までに下請建設企業等から、累計8億1500万円程度の債権を買取り、今後も債権買取額が伸びていくと見込まれているところでございます。補正予算に関わる基金の執行を凍結するという民主党の方針につきましては現時点では具体的な指示をいただいていません。本事業は非常に厳しい経営状況に置かれている中小下請建設企業等の資金繰りを支援するため、平成23年3月31日までの間、緊急的かつ時限的に行われるというものでありますので、民主党にも必要に応じ事業の内容を説明させていただきたいと考えているところであります。

(問)ということは、今のところ民主党から特に指示がないのでこれを止めるという話にはなってないということですか。
(答)緊急性からいって、今のところ考えてません。

(問)今後、止めるという指示があった場合はどうなんでしょうか。
(答)よく説明させていただいた上でご指示に従うというのは当然だと思います。

(問)八ッ場ダムについてそういう対応をとられたところですが、川辺川ダムについても中止を打ち出していますが、国土交通省として当面川辺川ダムに対する対応に変化はありますか。
(答)八ッ場ダムと川辺川ダムは状況が異なるということではないかなと思います。7月24日の質問の時にも答えさせて頂きましたが川辺川ダムにつきましては、「ダムによらない治水を検討する場」を県と共同で設置し、地元の首長にもご参加頂き治水対策を真摯に検討しているということですので、その場の検討状況を見守るということではないかと思います。具体的な措置を今とる段階ではないと思っています。

(問)補正の件ですが、国土交通省で現時点での執行状況は把握されていますか。
(答)毎月末に当初予算分が集計されていると思います。具体的な数値につきましては、手持ちの資料がありませんので会計課に問い合わせて頂ければと思います。先程の民主党からの政権の円滑な移行に関わる協力要請ということで既に発表されているかと思いますが2つございまして、2つ目の「民意に添った速やかな政権移行に必要な事項」の3)に「今年度当初予算および補正予算の予算執行状況に関する情報の開示、新規事業の決定・発注に関する連絡と民主党の要請への協力」ということを言われていますので、当面は財務省による説明での対応となり、私共としては具体的な説明の要請があればご説明させて頂くということではないかと理解しています。

(問)前回の会見で、出来るだけ早く民主党幹部にご挨拶に伺いたいということを話されてまして、その翌日にも民主党に申し入れたとのことですが、その後今日時点の状況は如何ですか。
(答)出来るだけ早くと申し上げたかどうか記憶が定かではありませんが、ご挨拶にお伺いしたいということはお話させて頂きました。月曜日にそういうお話をさせて頂きまして、翌9月1日から事務的にご挨拶に参りたいということで民主党幹部の方に申し入れを行っているところですが、政権の枠組みとかオバマさんと代表が懇談されるとか色々あると思っていますが、今時点のところアポは取れていないということです。

(問)16日に鳩山氏が首相に指名されて翌日にも内閣が発足するということですが、その後にお会いして国土交通省の政策について説明したいということでしょうか。
(答)私の方はご挨拶に行くということですので、先方がどれだけの時間を割いて頂けるかわかりません。そんなに長時間取って頂けないと思っておりますが、ご挨拶に行った時に具体的なお話がございましたらお考えをお聞きして、また時間の許す限りでそれなりの応答になるのではないかと推測しております。具体的な政策については当面政調会長が中心になろうかと思いますが、協力要請という中で、司、司で民主党の政調にご説明させて頂くということではないかと思っています。ご挨拶の時にすぐに詳細な説明をするということではないと思っています。

(問)八ッ場ダム入札を今日延期したということを民主党に伝えたのですか。
(答)伝えておりません。伝えていないと思いますと言った方が良いかもしれませんが、私からは伝えていません。事実関係については河川局なり関東地方整備局に確認して頂いた方がよろしいかと思います。多分していないと思います。

(問)八ッ場ダムの入札延期を関東地方整備局に指示したということですが、東京都や群馬県等関係自治体には併せて連絡なりしたのでしょうか。
(答)私からは今日午前に延期という指示をさせて頂きましたので、明日の然るべき時に関東地方整備局から正式に延期の発表が予定されると思います。そうした状況の中で当然、関係の都県と地元にもお話をするということではないかと思います。

(問)八ッ場ダムもそうですが、民主党が政治主導という風に強く打ち出していて実際八ッ場ダムには今後の公共事業の削減でも現場が相当混乱することが予想されると思いますが、こういう状況についてきちんと説明していくというのが国土交通省としてのスタンスだと思いますが、改めて政と官の関係についてもどのようにお考えでしょうか。
(答)金子大臣も先般の会見で仰っていましたが、世の中では官僚主導みたいなことが言われている訳ですが、就任の時にも申し上げたとおり我々としては大臣にお仕えするということでやって来たと思っています。これも就任の時に申し上げましたが、国民の信頼回復、現場との距離感を縮めるということで国民からの批判を受けないような、また国民の期待に応えられるよう気を引き締めて対応させて頂きたいと思っています。そういう意味では公共事業の批判というものは依然として厳しいものがあるのではないかと思っておりますが、今ご指摘頂きましたように、また私も何回かお話させて頂いておりますが、現場で職員も日々業務を行っている訳ですし、また住民の方々、建設会社、コンサルタントの方々、色々な方々と接触しているということですので、右から左と短期間でやるということではなく、もう少し計画的に現場が混乱しないような環境整備をしていく必要があるのではないかと思っています。そうしたことも挨拶の中で少しお願い出来ればと考えていますが、具体的な施策につきましては司司で党の政調と詰めていくことではないかと思っています。

(問)改めてですが、八ッ場ダムの入札延期に至ったことはどのようなお考えがあったのですか。
(答)先程申し上げさせて頂きましたが、新しい大臣が今月の半ばにも決定されるということで、新しい大臣にきちんと現在までの状況、地元の状況等をご説明させて頂き、適切なご判断を頂きたいということであります。入札のスケジュールはたまたま11日から18日で24日開札となっており、その間に新しい大臣が任命されるということですので、少し見切り発車的に思われても如何かなということで、客観的に方向性を持たずに、これまでの私共の考え方、これまでの経緯また地元の状況、出来ましたら現場も見られておらない大臣であれば現場を見て頂くというようなこともお話し出来ればと思っています。そういう中で、適切に、金子大臣が仰るような言葉でいきますと、国家百年の大計も含めて適切なご判断を頂きたいという意味で、スケジュールも勘案して、午前中に関東地方整備局に延期という指示をさせて頂いたということです。

(問)日本航空を巡る支援の有識者会議が今月開催される予定ですが、国民の生活に影響を与えるようなものもある程度までは継続するのだと思いますが、方向性として大きく民主党の意向を聞いてから流れが変わるという可能性はあるのでしょうか。
(答)スケジュール的にJALの経営改善計画は9月中に答えを出します。大臣のご就任が9月の半ばということでありますが、経営改善計画はかなり大きな決断を伴うということでありますので、粛々と委員会の有識者のご指導、ご指摘を頂きながら当面はJALの方で粛々と有識者のご理解また世間一般から抜本的な経営改善計画をご理解頂くことが前提になるのではないかと思っています。

(問)八ッ場ダムの入札延期ということが正式に手続き的に決まるのは今日なのか明日なのかどちらですか。
(答)明日正式に関東地方整備局で発表するということで、関東地方整備局が発表した時点ということで私は理解しています。

(問)入札延期は明日をもってということですか。
(答)明日、時間は聞いていませんが関東地方整備局で発表した時点と私は理解しています。

(問)高速道路の無料化ですが、具体的な実現に向けた様々な案が内部で検討されていると思いますが、検討状況はどうなっていますか。
(答)今いろいろと検討している最中です。具体的な検討案というものは私はまだ聞かして頂いておりません。

(問)高速千円の政策評価は民主党にも示されることになると思いますが、いつ頃国民に向けて国交省から何らかの形で発表される予定があるのでしょうか。前回の会見でアカウンタビリティも含めて千円の政策評価を国民に向けて示したいと仰っていましたが、その時期はいつ頃ですか。
(答)求めに応じて千円の政策評価も段階的に精度を問わなければご説明するということではないかと思っています。発表の時期については一定の区切りがついた時ということではないかと思っていますが、今この時点で道路局が何時発表するかというところまで詰まっているかどうかを含めて詳細には承知をしていないという状況です。

(問)民主党は速やかな政権移行に向けて官邸に出向いたり様々な情報収集をされているのですが、その中で今年度の補正予算の進捗状況について知りたがっているようですが、国交省案件の補正予算の進捗状況、特に公共事業関係だと思いますが、どの程度既に着手済み、100%だとどの位というのはあるのでしょうか。
(答)先程お答えさせて頂いたつもりですが、この時点で8月末の補正予算の執行状況の数字を持っていないので定かなことは申し上げられません。昨日提出された政権移行への協力要請の中にも2.3)の中にも補正予算の執行状況というのがありますので、財務省がご説明したのか近々する予定なのか定かではありませんが、そういうことではないかと思っています。数字はありませんが補正予算については、当初予算のプライオリティの方が先だということではないかと思っていますので、今年度の補正予算については公共事業全般についてはそれ程高い執行にこの時点ではなっていないのではないかと思います。これから馬力をかけて執行していくということではないかと、そのような状況ではないかと思っています。

ページの先頭に戻る