副大臣・大臣政務官会見

梶山副大臣会見要旨

2013年1月17日(木) 10:31 ~ 10:51
国土交通省会見室
梶山 弘志 副大臣 

質疑応答

私の方から発表報告をさせて頂きます。
ボーイング787型機におきまして、補助動力装置用バッテリーの発火事案、燃料漏れ事案等の不具合が発生していたところですが、昨日1月16日に高松空港において重大インシデントが発生を致しました。
これを受けた国土交通省の取り組みについて説明をさせて頂きたいと思います。
 まず、日本時間の今朝、FAA(米国連邦航空局)からリチウムイオンバッテリーの安全性が立証されるまで、ボーイング787型機の運航を禁止する内容の耐空性改善命令、通称ADが発効をされました。
FAA(米国連邦航空局)では出来る限り早く787型機の運航が再開できるように、製造者や運航者とともに、是正のための計画を策定していくこととしております。
これを受けて国土交通省と致しましては、当該耐空性改善命令を入手を致しました。
同様の耐空性改善通報を発行し、同様の措置をとることと致しております。
 次に省内の連絡会議の設置についてでございます。
国土交通省では昨日のうちに、国土交通大臣をヘッドとする省内連絡会議を設置しました。
運輸安全委員会による原因調査とは別に、ボーイング787型機の不具合に係る情報の収集、原因の調査、及び対策の検討を行うこととしました。
既に昨日の内に2回、今朝も先程まで第3回目の連絡会議を開催致しまして、国土交通省において把握した情報を共有致しますとともに、今後の対応について議論をしてきたところでございます。
また、既に御案内の通り、日本航空のボーイング787型機の2件の燃料漏れについての原因調査を行うため、国土交通省では調査チームを設置し、調査を進めているところでありますが、昨日開催した第2回目の省内連絡会議におきまして、全日空機の重大インシデントにつきましても、本調査チームにおいて原因の調査を行い、必要な対策を検討するように大臣から指示を受けたところでございます。
このため、本調査チームの調査対象を、最近発生したボーイング787型機のトラブルに拡大することとなりまして、航空局では調査チームの人員を8名から12名に増員をしたところであります。
なお当該調査チームの内、4名が昨日の内に高松空港に入り調査を開始致しました。
これまでの調査により、前方電気室にあるメインバッテリーに異常があること、機体前方にある通気弁から後方に向けてすすのようなものが付着している事等が確認されたとの報告を受けております。
現時点での私からの発表は以上でございます。
 このあとやりとりさせていただきますが、万全を期すために技術的な事項につきましては、また事務方からコメントさせていただく場合がありますので、御了承いただきたいと思います。

(問)先程副大臣が言われた改善命令ですが、いつから、対象はどこに、あと具体的にどのような内容か教えてください。
(答)今朝ですね、こういうものが発出されますよという予告がございました。先程会議中でありますけれども、現実にこれが発行されたということであります。
アメリカのFAA(米国連邦航空局)の発行ということでありますから、アメリカのエアラインが対象ということになりますけれども、このボーイング787型機は製造国がアメリカでありますので、この機種を利用しているところは、同様の改善措置が出来るまでそういう命令が出ることと思います。

(問)国土交通省航空局が、耐空性改善通報をいつ出すのでしょうか。
そしてどのような内容なのでしょうか。
(答)今アメリカからの発行を受けて、今検討をしているところです。検討をしているということは、中身についての検討ですけれども、出来る限り早く命令を出させて頂きたいと思いますし、これにつきましては各運航会社に予告を出してますか。
(事務方)ADは、今ここにあるのですが直ちに効力を有するということになってまして、内容は次回の飛行までにバッテリーシステムの改修、又はその他の適切な方法で、適切なアクションをとりなさいということで、改修であるとか他のアクションということについては、FAA(米国連邦航空局)が承認した方法に従いなさいという内容になってまして、具体的なやり方というのは書いてありません。
私どもが出すであろう耐空性改善通報も、同じような筋立てのものになると思いますが、今作業をしております。
具体的にどういう文言になるのかというのは、ここでは申し上げにくいのですが、同じような筋立てになると思います。
(問)今日にも耐空性改善通報を出して、日本のJAL、ANAの787型機の運航停止を指示することでいいのでしょうか。
(事務方)そうです、そういう段取りで計画してます。
(答)これまでは自主的に、JAL、ANAが飛行を止めてました。
これからは行政主導ということに、この文書を以て移ると言うことになります。

(問)日本の当局として出される指示というのは、どのような理由付けで出されるものなのでしょうか。
(答)安全がまず第一だということでありまして、製造国であるアメリカにおきましてもこのような命令が出されたということであれば、過去においてもその機種を利用しているエアラインがある国においては同様の措置が行われているということであります。
(問)対象は日本航空と全日空になるのでしょうか。
(答)このボーイング787型機を所有しているエアラインということになりますので、当然そういうことになります。

(問)先程FAA(米国連邦航空局)でも特に期間を明示されていませんでしたが、見通しとしてどれくらいの期間787型機の運航停止が続くとお考えでしょうか。
(答)今の時点では何とも申し上げようがございません。
昨日の深夜から調査が始まって、今日も9時からまた調査を行っているところでございます。
また、アメリカからも明日調査の方達がお出でになるということになりますので、出来る限り早くということではありますが、まず安全が第一ということで、今の時点で予断を持って申し上げることは出来ません。
(問)明日アメリカからボーイングの方達が来られるということは、一日二日では運航停止は解けないという、それくらいのスパンということでしょうか。
(答)重大事案ですから、FAA(米国連邦航空局)がこのようなことを発出した、それを受けてNTSB(国家運輸安全委員会)、そしてFAA(米国連邦航空局)、更には製造社でありますボーイング社が日本に来るということでありますから、原因究明をしっかりした上で安全運航に資するということで、調査を行うということですが、今の時点で時間に関して申し上げることは出来ません。

(問)確認ですが、バッテリーが改善されるまで国内の787型機を飛ばさないような命令を国土交通省が出すということでよろしいでしょうか。
(答)そう言うことです。もう一度繰り返しになりますが、今朝、米国連邦航空局であるFAAがリチウムイオンバッテリーの安全性が立証されるまで、ボーイング787型機の運航を禁止する内容の耐空性改善命令が出されました。
それと同様の命令を国土交通省からも発出をして、その改善がなされたかどうかアメリカで確認が出来るまでは、やはり同様に飛行が出来ない状況になると思っております。
(問)まだ(国土交通省から)指示は出していませんが、今日中にも出すということでよろしいでしょうか。
(答)出来る限り早く、可及的速やかにということになります。

(問)日本の当局が同様の命令を発出するのは初めてでしょうか。
過去はありましたか。
(事務方)耐空性改善通報というのは日常的に出しておりまして、今回が初めてという訳ではありません。

(問)安全が確認出来るかどうかの判断はFAA(米国連邦航空局)がするのでしょうか。(答)そういうことです。
例えば、FAA(米国連邦航空局)が改善をしたバッテリーに取り替えるとかそのような話が出て、一つ一つ確認するというよりもその改善措置が行われれば、オーケーということに本来はなるはずだということです。
(事務方)若干補足させて頂きますと、本件リチウムイオンバッテリーというのは、日本の国籍の飛行機で2件とも起きているので、我々もFAA(米国連邦航空局)と密にコンタクトを取って、情報交換もしていきます。
もう一つ、日本が787型機50機のうち24機を運航しております。
そういう意味で、どのようなアクションを取ると飛行停止を解除出来るのかということについては、情報共有なり事前の相談なりがあるのではないかと思っておりまして、そういう意味で我々もFAA(米国連邦航空局)とどのようなやり方で飛行停止の解除をしていくのかという相談をしていきたいと考えております。

(問)耐空性改善通報というのは航空法に基づくものなのでしょうか。何に基づくものでしょうか。
(事務方)耐空性改善通報というのは、いわゆる航空会社に対する通達でありまして、形としては行政指導ですが、もし従わなかった場合は航空法に基づく耐空証明の効力の停止を行うという、効力停止を行う予告文書のような行政指導になります。

(問)先程、すすの話がありましたが、もう少し具体的にお願いします。
(答)これはよく調査をしてみないと分かりません。バッテリー液の漏れがあると、そして推測ですがそれが気化して排気口等から出たのではないかという推測はありますが、今日9時からまた調査を進めておりますので、これらに関しましては具体的に調査結果が出てから発表させて頂きたいと思います。
(問)利用者の中にも787型機に対する懸念や不安を持たれている方もいらっしゃったと思いますが、その中で国土交通省としてアメリカの措置に倣って改善命令を出すということですが、梶山副大臣としては利用者の不安の解消などという観点からどのような意義があると思われますか。
(答)年が明けてからずっと不具合が続発しており、そして昨日の重大インシデントにつながったということもありますので、安全に万全を期すという意味で、しっかりと安全を証明した上で、2社(全日空、日本航空)には運航をしてもらいたいという思いです。

(問)FAA(米国連邦航空局)がバッテリーの安全性が立証されるまでの運航見合わせを国交省として従うということは、国土交通省としても原因はバッテリーであるとある程度絞ってきているということでしょうか。
(答)バッテリーは現実に目視でもやはり異常をきたしているということですから、バッテリーを中心に何かしらの不具合があるのだろうという想定は皆さんもされていることと思いますが、ただ電気関係、いろいろ複雑な部分もありますので、全て調査をした上でなければ何とも申し上げようがございません。
この他にも、燃料漏れであるとかいろいろな不具合もありましたが、FAA(米国連邦航空局)の発行した文書によればリチウムイオン電池ということでありますが、国土交通省航空局としましては、燃料漏れも含めて調査の対象となっているということです。

(問)今日にも出される国土交通省航空局からの命令は、昨日の全日空の事案だけでなくて、燃料漏れも含めて出すということでしょうか。
(答)今回のFAA(米国連邦航空局)からの文書を見る限りではリチウムイオンバッテリーの安全性が立証されるまでということになっております。
航空局からの命令の中味につきましては今検討中です。
先程、ほんの数分前にFAA(米国連邦航空局)からの文書が届きましたので、今検討した上で文書を出すことになります。
その中味につきましては、FAA(米国連邦航空局)から発行された文書につきましても事務方からご説明します。
(問)もう一度確認させて下さい。
発行した後に解除する際は、FAA(米国連邦航空局)と足並みを揃えるという理解でよろしいですか。
(答)そういうことです。
FAA(米国連邦航空局)と航空局が連携を取る、またアメリカの国家運輸安全委員会(NTSB)と日本の調査委員会が連携を取る、合同で調査もしていくことになると思いますが、その情報交換の中でしっかりと足並みを揃えて、我が方だけが突出して先に(解除を)行うということはありません。

(問)耐空改善の通報を出すということは、日本航空、全日空の今後の経営展開等に大きな影響を与えることになると思いますが、その辺りについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)これはやはり、経営よりも安全が第一ということです。
その中で、どのように機種の変更も含めて運用をしながら経営をしていくのかというのは、それぞれの会社の課題になると思いますが、まずは私どもとしては安全に万全を期すということしか言え無いと思います。

(問)787型機が運航停止になることによって、便に穴が空いたりお客様にとっての影響があると思いますが、いかがでしょうか。
(答)これはそれぞれの会社で今運用について検討をしているところであります。
出来るだけ欠航は少なくしながら他の機種への運用も含めて、今後について検討をしていますが、今日明日については欠航が出ているところだと思います。

(問)改めてですが、お客様への影響については、各航空会社へ国土交通省としてどのように求めていきたいとお考えでしょうか。
(答)出来る限り、穴が空かないように運用でやって頂きたいということで、機種の変更も含めていろいろな検討をしていると思います。
機種のみならず、クルーの人達の変更もあるでしょうし、その配置も含めて、今鋭意各社で努力している最中であると思っております。
(問)出来る限り、お客様に影響が出ないようにやって頂きたいということでしょうか。
(答)そういうことです。公共交通機関に近い形で今、空の便も動いているわけですから、出来る限りお客様に影響がないような形でやって頂けるものと思っております。

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