副大臣・大臣政務官会見

金子副大臣就任会見要旨

2008年8月21日(木) 15:00 ~ 15:20
国土交通省会見室
金子恭之 

閣議・閣僚懇

 この度、国土交通副大臣を拝命しました金子恭之でございます。熊本5区の選出です。宜しくお願い申し上げます。今回、国土交通副大臣を拝命しまして、非常に国民生活と密接に関係している、人間が生きていくには、衣・食・住というのが必要ですが、その中の「住」、「食」や「衣」にも流通のことを考えれば大いに影響がありますが、本当に人間が生きていく上で安全で安心で快適で、そういう生活を送るために必要な国土交通行政を預かるということになったということで、大変責任を感じる訳ですし、やり甲斐のある仕事だと考えていところです。先日、谷垣大臣が、「この国土をきっちりと守って、我々の子孫に、この美しくそして住みやすい国土を伝えていくというのが、国土交通行政ではないだろうか。」と言われました。私もその通りだと思っています。特に、人々が暮らしていく中で、安全に暮らしていくということもありますし、あるいは生活をしていく上で社会資本整備というのは必要です。あるいは、都会と違って地方においては、経済的な側面、それから地域興しという側面もあると考えています。こういうことを踏まえて、国家国民のために一生懸命努力していきたいと考えています。特に、昨今、皆様方もお思いだと思いますが、テレビを見ていると、よくニュース速報が出てきますが、埼玉県で大雨洪水警報が出たと思ったら、今度は千葉県で、あるいは熊本県、富山県でということで、全国各地で災害が起きている訳です。そういうことも含めて、機敏に的確に対応することが必要だと考えています。今回、国土交通副大臣になった時に、とにかく我が地元でも、国土交通副大臣として、道路の問題、あるいは業務の執行の問題、色々無駄遣いとか言われていますけれども、そういう問題点が指摘されています。あるいは入札談合の問題等々があります。とにかく、私は職員の皆様方が一生懸命努力されているということは十分に認識していますが、今、国民の生活が非常に困窮している状況の中で、もっともっと今言ったことも含めて襟を正し、身を切るところは身を切りながら、国民の信頼を得ることがこれからの国土交通行政にとって重要なことだと思いますし、その信頼感を勝ち取ってこそ、職員の皆様方も、伸々と国家国民のために持っている能力とか手腕を発揮して頂けるものだと考えています。私は谷垣大臣から、災害対策関係、国土関係、そして社会資本整備関係の各種施策について役割を頂きました。一生懸命努力して国民の信頼を得られる国土交通行政ができるように頑張っていきますので、宜しくお願いします。

質疑応答

(問)抱負は今のご挨拶の中であったかと思いますけれども、任期中に何か成し遂げたいということがあれば、是非教えて頂きたいと思います。
(答)先程、谷垣大臣から拝命して、担務と言いますか「君はこれをやりなさい」ということで、社会資本整備と災害対策と国土関係ということで指示を頂いた訳ですが、それともう一つは、道路特定財源の見直しの問題。それから、批判の多い業務執行の見直しについて、しっかりと取り組むようにというご指示がありました。これまでも前大臣、前副大臣を中心にして、このことについては取り組んで頂いている訳ですが、少なくとも年内に見直し作業が進めていかれる訳ですので、そこは私の最大の課題ということで任期内に取りまとめができるように努力していきたいと思います。

(問)熊本の川辺川ダムについて、副大臣の地元の事案でもあるかと思いますけれども、先程、災害の防止というのも一つの大きな仕事だと仰いましたが、なかなか解決しない川辺川ダムの有効性についてどのように思っているかということと、今後、どういった方向で副大臣として業務を推進し対応を決めていくのか伺いたいのですが。
(答)治水対策というのは、先程申し上げましたように、国民の安全を守るという意味で大変重要なことだと思っています。今回、私はたまたま国土交通省の中においても重要案件の一つである川辺川ダムの地元だということで、私も子どもの頃から球磨川の堤防の10メートルから20メートルの所に住んでいまして、大雨が降る度に、危ない思い、怖い思いをしたり、時には避難もしていました。この問題は、もう40年になる訳ですが、少なくとも今の雨の降り方、地球温暖化の状況を見ていく中で、この前も石川県や富山県や神戸であったように、予想もつかないような1時間に100ミリを超える雨、石川では130ミリを超える雨が降っている訳です。これは、本当にこれからこのことがずっと続いていくならば大変なことだと思いますし、もう記者の方ご存じの通り川辺川の流域というのは非常に地形上も雨が降ったのが一気に一箇所に集まって来るという地形でもございますし、3年前の選挙の時も大雨が降って1日お休みをした訳ですが、その時もあと一歩でこれは堤防が切れてしまうのではないかということもありましたし、今年も避難勧告まで含めて毎年毎年このようなことがある訳です。しかしながら、2つの球磨川本流と川辺川が合流する訳ですが、たまたま今回は川辺川の方に関しては多少本流に比べて雨の降り方が少なかったということもあってなんとか私はそのことによって救われたかなと思っている訳であり、そういう意味でも私はダムというものできちんと治水対策をやる、ダムだけではなく、これはダムだけで治水対策をやろうというのは無理な話であり、ダムがあってそれに基づいて河道改修をやったり堤防を造ったり、あるいは宅地の嵩上げをしたりといった、総合的な治水対策をしなければいけないという意味では、1日も早くこれは解決をしないといつも地域住民が危機にさらされているということを考えれば、私は国土交通省としてもこのダムの重要性、この治水対策においては特に川辺川、球磨川においてはこのダムを造ることを基本として総合的な治水対策をやらなければいけないと考えています。

(問)来月9月にも熊本県知事が川辺川ダムを造るかどうかという判断をされると思いますが、それに対して国から何か働きかけるとか、拘わっていくというお考えはありますか。
(答)蒲島知事がご案内の通り選挙を経て今度新しくなられましたが、その時に川辺川問題については第三者の有識者の会議を作ってそこで外国の方々、色々な分野で治水とか環境とか地域興しとか財政とか、そういう方々を入れてそこである程度の議論をして頂くと。それを参考にしながら自分で判断をするといわれていますし、また27日には流域の12市町村の首長から意見を聞くといわれています。また25日には九州地方整備局長が、国としての考え方を知事にお伝えすると聞いています。また来月になりますと9月5日でしょうか、熊本県議会議員全員参加の下で意見聴取会も開かれると聞いている訳でして、そういう意味では25日の日に国の考え方についてはきちんと説明をしたいと考えています。

(問)先ほど仰ってたような考え方、ダムを中心として総合的な治水対策をすべきだというお話しをされるということでしょうか。
(答)はい。

(問)率直に言って、副大臣が仰っていることは今までの旧来の治水行政とあまり殆ど変わりがないと言ったら失礼かもしれませんが、ただ一方で淀川流域委員会のような形で第三者委員会が立ち上がる等、色々と道路の方は今回の見直しということで道路行政は変わらないといけないという話になったと思いますが、河川行政というのはその辺では何かあまり変わっていないような印象があります。特に淀川等で色々と対立が伝えられていると思いますが。
(答)要は先程言いましたように、国民の安全・安心という意味では淀川についても球磨川についても同じであり、きちんと予防的な対策をやらないと大変なことになってしまいます。一度洪水が起きてしまうと長年かけて築いてきたものが一気に無くなってしまう訳であり、そういう意味では淀川についてはこれまでの長い間議論して頂いてある程度意見は出てきている訳ですが、それをいつまで引っ張っていくかという問題もあります。どこかでその意見を集約して国としての姿勢を示すことも私は必要だと思っていますし、川辺川ダムの問題についても今までと変わらないではないかと言われていますが、これが一度災害が起きてからでは遅いのです。私はそのように考えています。ですから、誰がこの地域の皆様方に責任をとるかということが重要だと思っていますし、事実として今、球磨川流域の市町村、議会も含めて早く造ってくれというご意向もある訳です。なぜならば、それは地域住民に責任のある立場の方々がそのように言われている訳ですから、そこは我々としても大きな要因として捉えていかなければならないと思いますし、1日でもこれは早く造ることが、総合的な治水対策をとるということですが、私は必要なことだと考えています。一度行ってみて下さい。

(問)今話題になっている河川整備のこととも関係してくるのですが、丹羽さんのところの地方分権推進委員会が国の出先機関の業務を地方へ移譲するべきだということを大テーマにしています。この件についてはどうお考えでしょうか。
(答)地方分権の中で第1次で対象を絞って、第2次で組織ということで色々とやっているわけですが、道路にせよ、河川にせよそれぞれの役割分担があったかと思います。特に河川においては国で総合的に管理をしたほうが良いところと、県でもきちんとできるというところがあると思います。なぜならば今言いましたように、自然災害というものは万遍なく平均的に起こるわけではなく、今年は例えば東北で起きたら来年は九州という形で全国各地で起きている訳ですから、その時に国が責任を持ってそれを集中的に災害復旧に向けてやるということは必要であろうと思います。しかしながら、今地方分権の流れの中で、では少し見直そうかと、国の管理するところと県の管理するところを見直そうではないかという中で、国としてはある一定のその対象地域というものを候補として出しているところですので、例えば二つの県にまたがる所はどうするのかとか、あるいは一つの県だけであるけれども、もの凄くここは危険度が高いというような部分もありますので、そういった所はこれから地方の皆さん方と話をしながら、本当にきちんと治水対策がとれる体制にしていくことが必要かなと思います。

(問)そうしますと、金子副大臣としましては、丹羽委員長が提唱していた全面的な移譲については違和感があるということですか。
(答)精査をする必要があると思います。全て受け入れるという事ではなくて、そこは重く受け止めながら一つひとつ精査をして、国土交通省としてきちんと責任がとれるような体制として、全部否定する訳ではないです。地方の方々と本当に大丈夫ですかということも含めて議論していくことが必要なのではないかと思います。

(問)例えば、副大臣の地元の熊本県の河川課の皆さんに、そういった能力が無いというふうに思っている訳ではないですよね。
(答)そうではありません。先程言いましたように、管理するには予算が必要なのです。どうやって配分していくかということも一つあるし、あるいは、人的な問題もあります。では、中央にいらっしゃるスペシャリストが地方に分散してしまうのが良いのかどうか、あるいは、さっきも言いましたように予算的なものが分散した中で本当に集中した事業が出来るのかどうかということも考えてみなければと思います。

(問)道路の問題がありましたけれども、おそらく地元の首長とかからも道路整備の要望が強いと思いますが、一方で、政府としての一般財源化を決めて真に必要な道路を絞り込むと大臣は言っています。そこら辺の立場というのはどのようにして秋に向けてやっていくおつもりなのでしょうか。
(答)いずれにせよ、道路特定財源の見直しというものは決定したことですので、国土交通省として閣議決定に基づいて政府与党や関係機関と密接に連絡をとってやるということです。いずれにしても見直すべきものは見直すということでして、道路整備を切望する地域というものは全国各地にあります。私も副大臣に就任して、これだけ道路の要望というものが高いのかということを改めて認識した訳ですので、一般財源化されたからといって道路予算が0になるとか半分にするとかいうことではなく、あくまでも他の事業と同じようにシーリングの枠の中で道路というものは適切に積み重ねて頂いてると思います。真に必要な道路というものはどうなのかと言われるかもしれませんが、そのことも含めて、忠実に誠実に検討を進めていきたいと思います。これは少なくとも、さっき言いましたように生活をしていくために、あるいは命を守るために必要な道路もあるし、この道路さえできれば、なかなか企業の来てくれなかったところに企業が来てくれるという経済的な効果もあるということも考えるならば、一般財源化の中でも道路の今までのやり方も含めて精査しながら、真に必要なものというものをこれから検討していくべきだと思っています。

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