副大臣・大臣政務官会見

津川大臣政務官会見要旨

2010年10月28日(木) 17:11 ~ 17:27
国土交通省会見室
津川祥吾 大臣政務官 

質疑応答

 政務三役会議のブリーフィングを始めさせていただきます。
この間、政務三役会議はございませんでしたので、その件につきましてのご報告はございません。
ただ、この場をお借りしまして一点ご報告をさせていただきます。
大臣からでありますが、日本航空907便の事故に関連して起訴された航空管制官に対する最高裁決定に関する国土交通大臣コメントというものが出されております。
皆様方のお手元にもお配りをさせていただいているところでございますが、このコメントについて報告をさせていただきます。
平成22年10月28日、日本航空907便事故に関連して起訴された航空管制官に対する最高裁決定に関する国土交通大臣コメント。
1、平成13年1月31日に発生した日本航空907便事故に関連して、事故当時の航空管制官2名を業務上過失傷害罪で有罪とした東京高等裁判所判決について、最高裁判所において上告を棄却する旨の決定がなされた旨、当該管制官2名から連絡がありました。
2、安全確保を最大の使命とする航空輸送において、100名にものぼる方々が負傷されたことは誠に遺憾であります。
3、国土交通省としては、本件事故を受けて、これまで、管制官の訓練研修体制・適正検査等の充実、管制支援システム等の整備など、同種事故の防止の取り組みを進めてきたところでありますが、改めて航空の安全を守るべき責任の重大さを認識するとともに、ヒューマンエラーに対するフェイルセーフの充実など、事故の防止に全力を挙げて取り組み、航空交通の安全確保に万全を期して参ります。
以上、コメントでございます。
なお、当該管制官2名が異議申し立てをするかどうかということについては、承知しておりません。
こちらからご報告は以上でございます。ご質問がありましたらお願いします。

(問)空港の需要予測で、北九州の空港の需要予測をした運輸政策研究機構の実績とかなり乖離があるので、もう発注しないというようなことを明言されておりますが、これから発注事務の検討、見直しなどをされると思うのですけども、現段階で需要予測のあり方に関して政務官はどのような形で変更していくのが望ましいか、所見をお聞かせいただければと思います。
(答)現在、航空局におきまして、特にこの北九州の方でありますけれども、需要予測と実際の実績値が大きく乖離をしていると、この乖離についてしっかり分析をするようにということの指示を出して、実際分析をさせているところであります。
これを徹底した上で需要予測のやり方の改善、改良というものが必要だと思っておりますが、改善、改良そのものはこれまでも続けてきたということになっておりますので、これは相当厳しい目で私共はチェックしたいと思っておりますし、多くの専門家の方々のご意見もいただきたいと思っております。
それから、例の機構に対しての発注ということでありますが、一般競争入札では難しいと思いますが、総合評価方式のようなものであるなら、これまでこれだけ大きく外してきたと、それに対して新たな対策を取らずにもう一回やるということは、やはり評価としては相当低くなるだろうなということを申し上げたところであります。

(問)同様に、道路ではB/Cのコストの方の膨張に視点が集まって、歯止めをかける仕組みというものを作るようにというような仕分け人からの指摘がありました。
政務官も実際のその仕分けの中で、建設業界がそれ程コストが膨張することへのリスクに関して見てこなかったのは事実であるというようなことを、私も現場にいたので、ということで御自身の経験も踏まえて発言されてますけれども、このように指摘を受けた所見とどういうふうに歯止めの仕組みを作っていくか、御自身の経験も踏まえて現時点でイメージされているものを教えてください。
(答)歯止めといいましょうか、1つには実際に工事をしていると確かに予期していなかったことが起こってお金が出てくると、今まで予定していなかった仕事、作業が増えて、その分、設計変更してもらいたいんだけどなかなかしてもらえないというのが現場の声ですというのをちらっと申し上げたつもりですが、そういった現状がとりあえず1つ現場としてはあります。
今回の話の中でも、当初の見込みよりもコストが増大をしていくということそのものを否定をされたというふうに私は思っておりません。
そうではなくて、そこに余りにも大きな膨張といわれるものがあるならば、それは例えば、最初に工事を新規採択する段階でB/CのCをあえて小さくしようとしたというふうに疑念を持たれることもあるということだと思っております。
ですから、そもそもそういったことを防止をする考え方の1つは、まず1番最初の新規採択の段階の事業評価の際に、コストを厳密に見なければいけないということがまず1つあります。
もう1つは、御指摘ありましたけれども、元々のコストよりも余りにも大幅に増えた段階で、どこかの段階でそれをチェックする、あるいは見直しをするというような仕組みやルールが必要ではないかという話でありました。
私どもは1つには再評価のタイミングを5年から3年にしたということも御紹介をいたしましたが、今これから検討させていただきたいと思いますが、考えられることとすれば、どこかのラインを引いてそこからオーバーをしたタイミングで、例えば再評価をするというようなことは検討することができるのかなと思っております。

(問)膨張のラインということですね。
(答)そうですね。2倍とか何倍というのか分かりませんけれども、そうなったときにそこをしっかりと再評価をするタイミングとする。
それは3年に1回のタイミングと余りに近いからどうするのかというのもあるかと思いますが、考え方としてはそれが1つあるのかなと考えております。
それからコストが増大をしたことに関しては、それぞれ事情があります。
ですから、それぞれの事情をしっかりと御説明をさせていただくということが必要だと思っておりますので、先ほどもいくつかの例を挙げましたが、いくつかの例だけで全てそれで終わりですということではなくて、基本的に公開をさせていただきたいというふうに思っているところです。

(問)これまで仕分けをする方から、今回仕分けをされる方に立場が変わっての仕分けだったのですが、率直な御感想を教えてください。
(答)立場、座る位置が違っても私の意識としては変わってないつもりです。
国土交通省の中にあっても、仕分けの評価者という立場であったとしても、それは国民の税金を
使わせていただくその使い方の中に無駄がないかどうか、そして情報公開をしなければならないという視点は、私は一緒だと思っております。今日、実際に仕分けの場に行かせていただいて、若干準備不足だったかなと思う反省点がいくつかございます。
これまでの仕分け結果を今回の予算要求の中でどのように反映をしたのかと、金額的にいくらかというものを計算すれば出るはずでありますが、そういったものを準備していかなかったといったところはちょっと反省点のところです。

(問)仕分けの続きなのですが、今日も見させていただいて、一方で、これまで仕分けを2回やってきて、道路の話ですとか、追及されたところとこちらから答えたところと、かなりだぶるところが多かったと思うのです。
そこで仕分けの限界というものも感じたのかなという気がしたのですが、これまで取り組んできているというところもあるのかもしれませんが、また同じ追及が出てくる。
このことについてどういうふうに思われますか。
(答)コスト削減という視点で言うならば、ここまでというのは確かに無いのかなとは思います。我々は少なくとも、道路の関係で言えば、2割削減をして相当切ったという思いが確かにありますが、ではコスト削減が本当に終わったのか、ぞうきんを絞りに絞ってもう一滴も出ないと本当に言えるのかと。
それはやはり我々常にやらなければならない、そこはある意味で今回改めて仕分けをされて、再認識をしたところではあります。
ただ2割カット、1割カットと言われると、どうしようかなと、ちょっとなかなかすぐには思いつかないというのも現実ではありますが、ただそういう指摘はしっかりと、可能な範囲でというふうなコメントも頂きましたが、可能な限りやはり対応させていただかなければいけないなとは思います。

(問)今日の仕分けの関係で、港湾などで10%から20%圧縮というお話がありましたけれども、現実これだけ減らされると結構な額になるかと思うのですが、現実にこれが来年度可能と見ていらっしゃるのかどうかというところをお聞きしたいのですが。
(答)逆に申し上げますと、今の段階で、不可能と申し上げるつもりはございません。
可能かと言われると、ちょっと努力しないといけないと思います

(問)実際、減らされた場合の影響について、今現段階でどう考えていらっしゃいますか。
(答)どういう形で減らすことができるかを相当知恵を絞らなければならないと思いますので、影響がどう出るかもまだ今の段階では判然としておりません。

(問)管制官に対する判決なのですが、一審が無罪で二審が有罪と判断が分かれております。
今日の最高裁の決定の中でも、一人の裁判官の方が、これを有罪にするのはおかしいということで反対意見を述べられております。
それにもかかわらず、禁固以上の刑が確定して、国家公務員法に基づいて失職なさるということになるのですが、 このことについてどうお感じになられるのか、再就職など考えられておられるでしょうか。
(答)確かに今、現実としてお二人の方が異議申し立てをしなければ確定をして、失職をするという形になると、事実としてはそのとおりでありますが、先ほど大臣のコメントも申し上げましたが、司法の判決そのものに対して、我々はコメントする立場にはないと思います。

(問)前の大臣は、力強く、マニフェストに掲げた4年でやる1.3兆円の削減はもう実行したというふうにおっしゃって、今の大臣も真に必要な社会資本整備は必要だとおっしゃっていると。
さらに公共事業については、切れるところまで切ったのにまだやれというのが本日の指摘だったかと思いますが、1割、2割は大きな幅になるかと思いますけれども、どんなところをどうしていこうとお考えですか。
(答)今の段階で道筋は私の中にはございませんが、ただ先ほどのお答えの繰り返しになりますが、ここで終わりというものではないと。
民間企業で考えれば正にそういう発想になります。
ただ、我々は様々な御要望も頂く中で、非常に緊急性の高い真に必要な事業というものが相当残されているという思いはあります。
ですから、そこをいかにして低コストで完成させていくのかと。
これが調整になるのかなと思います。

(問)今日の仕分けでスーパー堤防の廃止という結論が出ましたが、改めて受け止めをお願いします。
(答)スーパー堤防につきましては、政務三役の中でも問題意識というものを持っていました。それから、その見直しをしていく中で、今回仕分け対象になったということもありますから、相当厳しい仕分け結果になるだろうということは予想しておりました。
ただ、仕分けの現場でも申し上げましたが、一つには河川の事業という括りの中でも、大至急やらなければならないということがたくさんあることも事実ですから、優先順位からすれば、そちらの方が優先だという思いも一方でありながら、しかし100年、200年、300年、400年かどうかわかりませんけれども、それぐらい先のことを考えながらも根本的な対策をとるということについて、将来にわたって考えることを今放棄することが妥当なのかどうか、これは一つのポイントだと思っています。
それから、もう一つ技術的なことを言えば、正に仕掛かりの部分がございますので、そこの部分についてもどういった形になるのかは検討させていただきたいと思います。

(問)仕分けの現場でも話があったのですが、スーパー堤防の結論はいったん廃止ということでいったんという言葉が付きました。
そこも、これまでと違ってかなり絞るところは絞って、真に必要なものというのは絞ってきているわけです。
その中で、スーパー堤防を無くしてしまったら、もしくはコスト削減とかほかのやり方でもスーパー堤防はもしかしたら必要かもしれないという思いがあるのかもしれませんが、そこでも仕分けの限界というか、切るには切れないんだと、いったんという言葉の重みということを感じたのですが、そのことについてどのように思われましたか。
(答)なぜ、「いったん」かというところを確認したわけではありませんが、私が申し上げたことを受けていただいたと認識をするならば、将来にわたって永久にこのことを考えないということではないということだと思います。
一方で、今のこの厳しい財政状況の中で優先順位を考えた方が良いのではないでしょうかと。
その中で、いったん廃止をして、より必要な河川、砂防の事業をやった方が良いのではないでしょうかという御指摘は、私はそのとおり受け止めさせていただきたいと思います。

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