副大臣・大臣政務官会見

津川大臣政務官会見要旨

2011年5月26日(木) 18:20 ~ 18:42
国土交通省会見室
津川祥吾 大臣政務官 

質疑応答

政務三役会議のブリーフィングを始めさせていただきます。
本日、政務三役会議を開催いたしまして、報告事項、審議事項につきましてはございませんでした。
その他協議事項として4点ございました。まず、小泉政務官が主宰をしておりますICTを活用した歩行者の移動支援に関する勉強会についてですが、第4回会合を6月3日に開催をして、災害時における場所情報を活用した歩行者移動支援について議論を行うという旨の報告がございまして意見交換をしたところでございます。
この資料についてはお配りをさせていただいているところでございますが、これまでICTを活用した歩行者移動支援については、主にバリアフリーの観点から検討、議論をしてきたところでありますが、今般の震災を受けまして、災害が発生したときにも避難所へ安全に移動することができるように支援することができないかどうか、活用することができないかどうか等について、第4回以降検討を行っていくという旨について報告があったところであります。
2点目は、今後の車両の安全対策について議論をしております交通政策審議会陸上交通分科会自動車交通部会技術安全ワーキンググループの第5回会合を5月30日に開催をするということについて報告がございました。
この第5回の会議で取りまとめる予定となっております交通政策審議会自動車交通部会報告書案が出されたものであります。
これは、まさに第5回の会議の中で決定をいただくものでありますので、その案については今日はお配りできておりませんが、交通事故、死亡事故を減少させていくために検討すべき課題等々についての意見交換を行ったところでございます。
3点目は、自動車基準認証国際化ハイレベル会議で整理をしている行動計画の取りまとめ状況についての報告があったところでございます。次回は6月に第2回の会議開催を予定しているところでございます。
4点目は、バス事業のあり方検討会で検討を行っております高速バスサービスのあり方についての検討状況につきまして報告があったところでございます。高速バス事業につきましては、高速乗合バスと貸切の高速ツアーバスの関係についてこれまでも指摘をされてきたところでありますが、明日、検討会を開いて、このバス事業のあり方の議論をいただき、明日、検討会を開いて、中間報告についても議論をしていただくということになっているところでございます。
その内容について、三役の中でも意見の交換を行ったというところでございます。
 それから、三役会議ではない件でございますが、1点私から御報告でございます。
本日、全国新幹線鉄道整備法第7条第1項の規定に基づきまして、中央新幹線の整備計画を決定いたしましたので御報告をいたします。内容につきましては資料を配布させていただいているように、交通政策審議会中央新幹線小委員会からいただいた答申の通り決定をさせていただいたところでございます。
なお明日以降でありますが、準備が整い次第、全国新幹線鉄道整備法第8条に基づきまして、中央新幹線の建設主体でありますJR東海に対し建設の指示を行うこととしているところでございます。
私からは以上です。

(問)震災関連ですが、がれき処理の問題で、宮城県知事が改めて国直轄事業とするよう要望を出しているのですけれども、国交省として更なる対応を検討するお考えはございますでしょうか。
(答)4県の知事から、がれき処理について仮置き場までは県と市町村で行うので、そこから先については国の直轄事業として行ってもらえないかという要望をいただいていることは承知をしているところでございます。
この要望は、がれき処理の案件でございますので、現在、環境省におきまして対応が検討されているところであります。
ただ、国交省といたしましても、今月の20日に緊急災害対策本部におきまして当面の取組方針が決定をされたところでありますので、関係の建設業団体に対して市町村等から協力依頼があった場合には迅速に対応するように要請をするということで、これは既に要請をさせていただいたところであります。
また、自治体の方から、がれき処理について、特に地元以外の建設業関係業者、広域的な業者はどういったところがあるのかという相談窓口についても設置をさせていただいているところであります。
がれき処理の一層の促進のための取組みを現在進めているところであります。
一方で、現状のルールとしては環境省が対応するということで進めているところでありますが、私自身、あるいは市村政務官も現場に長くおりまして、現在のがれきの状況を見た範囲の中では相当な時間が掛かることが予想されると、自治体としてはそれぞれ御努力をいただいておりますし、環境省としても最大の御努力をいただいていると思いますが、国土交通省としてもできることは全力を尽くしてやってまいりたいと思います。
大臣からもこれからの復興というものを考えたときには、このがれき処理が済まなければ、なかなか現実的に復興を進めていくことができないという問題意識から、環境省等としっかりと連携を行いながら、円滑な処分ができるように国土交通省としても、がれきの処理に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

(問)中央新幹線ですが、今日は政務三役会議では議題になっていないところを見ると、政務三役会議で決めたというわけではなく国土交通省として決めたということでしょうか。
(答)これまでも政務三役会議の中でたびたび協議をしてまいりましたけれども、本日の政務三役会議の中では議題になっておりません。
現在は正式な決裁の手続きも終わっております。

(問)審議会の答申にも盛られていたり、元々、長野県が強く要望していた、国、JR東海、沿線自治体、沿線交通事業者等による検討の場についてですが、改めて国としてどのような対応をするのか姿勢をお聞きしたいのですが。
(答)特に沿線地域の交通体系をどのように作っていくかということに関しては、関係する方々が複数あります。自治体もそうですし、中央新幹線の営業主体もそうでありますが、その他の交通機関の関係者もございます。
そういったところについては、国として今回いただきました答申を最大限尊重させていただきたいと考えております。
まだ詳細が詰まっているわけではありませんが、関係自治体等々としっかりと調整をさせていただきながら、早期にその検討の場ができるように準備をしてまいりたいと思っております。

(問)中間駅の、例えば、建設費、位置について、国としても調整してほしいと答申に書かれているのですが。
(答)駅については、まさに自治体と事業主体との間で協議をしていただくというのがまず第一義的にあるべきものかなと思っています。
ただ、その二者だけではなかなか結論が見えないということもあり得るかと思いますし、そういったときには、しっかり国としても間に立つような形での関わり方をしていかなければならないと思っています。

(問)昨日の国土交通委員会でも議論になったり、パブコメの結果でも、今回の大震災を受けた社会的状況の中で、この大プロジェクトを進めていいものかどうか、再検討をした方が良いのではないかという、反対、慎重的な意見がかなり多かったのですが、それでもこのような決断をされた理由、考え方を教えてください。
(答)今回、パブリックコメントを3回実施して、慎重に国民の皆様方の声を頂いた上で、答申を頂いたと理解をしております。
震災、特に、地震対応についての問題点というところについても、この中で議論を頂いたと理解をしておりますし、それを受けた上で、今回答申を頂いたと我々は理解をしておりますので、それについて、パブリックコメントの中で慎重な意見があったのはもちろん事実でありますが、それを含めた中で検討をしていただいた結果として受け止めているところです。

(問)高速道路料金の関係ですが、今日の一部報道で、震災の罹災証明書があれば、高速道路料金が無料になるというような記事が報道されています。今、政府内で最終調整を進めているかと思いますが、その中にはその案というのは一応含まれているということでしょうか。
(答)被災者の方々に対して、東北地方の高速道路を無料で使っていただくということの中には、特に一つの問題点として、今回避難された方々が大変広域に避難されていらっしゃるということがございます。
全国に避難されている方々が地元に帰るための負担を少しでも軽減するようにということで、今、御指摘を頂いた対策についても検討をしているところでありますが、詳細はまだ決定をしておりませんので、最終的にどうなるのかということについては御勘弁いただきたいと思います。

(問)この財源の考え方としては、高速道路無料化について今まで残っているものがあるかと思うのですが、それを調整して財源を捻出するという考え方でしょうか。
(答)最終的にどうなるかは申し上げられませんので、今なんとも言えませんが、調整させていただきたいと思います。

(問)ダム検証についてですが、福岡県の伊良原ダムと五ヶ山ダムの継続方針が少し前に出たと思うのですが、福岡県が何を言っているかというと、一人当たりの使用水量を積み上げたのではなくて、給水する1日最大水量を人口で割ったということを言っていて、今現在、例えば、一人1日304リットルなのが、将来354リットルに増加するということがおかしいのではないかということが先日の有識者会議で指摘されたことについて、積み上げではなくて、最大給水量を人口で割ったものでと、要するに、鉛筆なめしましたということを認めているわけなのですが、これはなぜ差し戻さずに、継続となってしまったのでしょうか。
(答)差し戻しではなく、報告を頂いて、有識者会議でも検討を頂きました。
その検討を頂いた中で、特に、利水の計画について、現場で検討をしていただいた中でも指摘を頂いているというところについて、指摘を頂いたけれども、そのままの計画で出てきているけれども、これはどういう考え方かということで、有識者会議の委員の方から指摘を頂きまして、改めて福岡県に回答を求めて、回答をいただいたところであります。
その回答の中で、特に利水の問題につきましても、どのようなかたちで見積もったのかということについて回答をいただいております。
基本的にその考え方が、1つの計算のあり方として間違っていないということを、有識者会議の委員の先生方が認めていただいたところでありまして、最終的に答申通り継続すべきものとしてお答えいただいたところであります。

(問)人口が減って節水技術も発達していっている中で、そのまま350リットルに増加しますよということは明らかにおかしいと思うのですが、昨年、政務官は、明らかにおかしいケースは政務三役が差し戻す箇所があるから大丈夫だと言っておられたと思うのですが、どうなのでしょうか。
(答)これについては、1つの考え方として妥当だろうと判断をしたところです。

(問)人口が減っても、節水意欲が高まっていても、増えるということで妥当だという考え方ですか。
(答)水道事業者側として、どのように水が必要だと考えるかという計算の仕方としていただいたものだと思っています。

(問)ちなみに4月26日に有識者会議の完全公開を求めて、市民団体が申し入れをされたと思うのですが、その時に、これについては差し戻すということを津川政務官がおっしゃられたと聞いたのですが、なぜそうならなかったのかということと、有識者会議の完全公開、今マスコミは入れるようになっていますけれども、政務官に言っていただいたように公開しても何の問題もないと思うのですが、今後、完全公開をするということでしょうか。
(答)確か座長に相談をさせていただいていたところだと思いますが、今確認できませんので、公開しても良い部分については是非公開をしていただきたいと思っております。

(問)公開ということについては、座長というよりも、諮問している側の責任であるかと思いますが。
(答)会議の運営については座長にお願いをしておりますし、公開のあり方については確か第1回目で議論をいただいて結論をいただいたものだと伺っております。
ただ、当初の議論と現在は内容が変わってきているはずでありますから、今、可能な限り公開をさせていただいてよろしいのではないでしょうかということについては私からも相談をさせていただているところでありますが、まだ回答をいただいてなかったと思います。

(問)リニアのことでお伺いしますが、整備新幹線の未着工の議論があまり進んでない中で、JR東海1社が自己負担で行うといっている中央新幹線計画が着々と進んでいる印象を受けるのですけれども、それについてはどういった御意見をお持ちでしょうか。
JR東海に対して国としてどういったことを期待されますか。
(答)中央リニア新幹線に対してということですか。中央リニア新幹線に期待していますのは、やはり東海道新幹線で移動をしております人の流れというものについて、より高速に、また、より多くの、二重系と我々は申しますが、東京と名古屋と大阪が移動できるようになるということについて、例えば、災害対策のリダンダンシーという意味でもひとつ期待できることかなというふうに思っているところであります。
もうひとつは超高速の日本の技術である超電導リニア形式によります本格的な大量輸送の鉄道が日本の幹線のひとつを担うということは、世界的にも日本の技術を大きくPRすることができる効果があるものだと思っております。
まだまだ実際に建設、開業するまでには解決をしなければならない具体的な問題が出てくると思いますが、そういったものをしっかりとクリアした上で、安全で世界に誇れる新しい鉄道として開業していただきたいと思っているところであります。

(問)リニアのパブコメ3回というのは、いつ行われたのでしょうか。
(答)後ほど事務局よりお答えします。


ICTを活用した歩行者の移動支援について(5月26日 津川大臣政務官会見参考資料)



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