副大臣・大臣政務官会見

辻元副大臣就任会見要旨

2009年10月14日(水) 15:31 ~ 16:12
国土交通省 会見室
辻元 清美 副大臣 

質疑応答

 副大臣の辻元清美です。様々な予算等のことがありまして、後先しましたけれども就任会見をさせて頂きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。私は担務といたしましては、運輸交通政策、陸海空です。それから観光、そして海上保安庁、気象庁、運輸安全委員会等を担当いたします。非常に広範な担務ですが、しっかり頑張っていきたいと思っております。私は強さとやさしさのある国土交通省にしたいというように思っています。強さの部分は政務三役で国土交通省成長戦略会議というものを設置をしてしっかりと国際競争力を持った日本にしていく、その一つの牽引力として国土交通省の政策を全て見直して参りたいというように考えていて、前原大臣等もオープンスカイの問題や港湾、スーパー港湾、中枢港湾をどう作っていくかというようなことを中心に皆様にもご報告していると思います。ですから一つは強さ、もう一つは優しさを持った、これは公共交通に関係してくる部分だと思っています。特に、公共交通に関わることで私は交通基本法というものを作り上げたいというように思っています。これはどういうことかと言いますと、所謂公共交通の役割というのはソフトの面というか人の移動を保証していく仕事です。ですから、それこそバリアフリーの話もあれば本当にお金がなくて派遣切りにあってしまって「今日どこに行ったら良いのだろう」という人も自分の自家用車でブンブン行く訳にはいかなくて、地下鉄に乗ってなんとか移動して次の仕事を探すかというような非常に経済的なしんどい人を支えているのも公共交通の役割ですよね。高齢者の人達が移動しやすいように、ハンディキャップをお持ちの皆さんが移動しやすいように、それと同時に優しさの中にはエコ、環境への配慮も入ります。ですから、そういう強さの部分と優しさの部分、両方しっかり調和のとれた国土交通省にしていきたいなと思ってやって来ました。そういう基本の考え方で日本のトータルデザインを描き直していくと。これは冷戦時代というのがありまして、ベルリンの壁が崩壊した後、90年代アメリカを中心にしたグローバリゼーションの時代がありました。新自由主義的な考え方で日本も政治や経済を引っ張っていった時代もあった。その後にどういうような社会を築いていくのかという考え方で今回政権交代が起こって、そして共に一緒に生きていこうという共生であったり、それから鳩山さんは友愛と仰ってますけれでも、お互いに競争だけではなくて色々な人が支え合ったり助け合っていけるような、そういう社会にしていこうというような方向転換が今政治の各部門でなされていると思います。そういう考え方に則った国土交通省の政策立案が必要だと思っています。強さの部分で申し上げますと、先程冷戦が崩壊したと申し上げました。東側諸国と言われていた中国とか所謂旧ソ連も含めて、そして冷戦崩壊後東南アジアも非常に経済力を持って来た。その中で今まで、例えば問題になっている空港もそうです。広く国土の均衡ある発展ということであちこちに空港を作って、高度経済成長期はそれで日本はやって来た訳ですが、アジアも経済力を持って、ある意味今までと違う、これは強さの部分ですが、競争もしなければいけないという国が日本の周辺に沢山出て来た中で空港政策というのは、仁川の話を大臣はよくされますけれども、どうトータルに見直していくのかという視点が必要だと思います。港湾にしても今までは太平洋側の港湾を中心に、神戸とか横浜とか東京とか中心にやって来た訳ですね。これもとても大事なことでこれからも進めていきたいと思いますけれども、日本海側が見直されて来ている訳です。それは物流にしても日本とアメリカの貿易量よりも中国やアジアとの国々の方が圧倒的に多くなって来ている訳ですね。且つ、アメリカと中国の貿易量もものすごく増えてきている中で、世界の船がどういうルートで走っていくかというこの走り方が変わって来て、私自身船に乗っていましたのでずっとこういう様に太平洋を走るのではなくて上から津軽海峡を渡って日本海からこう行くとかですね、東南アジアに行く時は博多とかあの辺から行く方が東京から行くより1.5日、日が短く済みますので、これから東南アジアとか中国や、そしてアメリカと中国との貿易量が増えて来た時に日本の強い港はどこにするのかというような考え方も、言ってみればポスト冷戦の後、そして今までやって来た港湾とか航空の政策を色々な観点から見直していかなければいけないというように私は考えています。そういう意味で今までの時代の流れと頭を切り換えて日本の競争力を付けるというような視点から陸海空の運輸交通政策も見直さなければいけないと思っています。優しさの部分は先程申し上げましたように実際にエコや人に配慮していくことはとても大事になって来ているので、そういう観点からもう一度公共交通のあり方を考えていきたいと思っています。そんなことを思いながら国土交通省にやって来たら、色々八ッ場の話やJALの話や補正予算、概算要求の見直しということで就任した翌日から動き出して大忙しの日々を送っています。最初、基本的な考え方だけ皆さんにお伝えしまして、後はご質問に答えるようなかたちで進めて参りたいと思います。


(問)担当分野の観光に関して、今週末に日中韓の観光大臣会合があって副大臣もご出席になると思いますがここでホスト国としての提案のお考えがあるかという点と、交通基本法はどういうスケジュールで進んでいくのかという点をお願いします。
(答)観光については特に力を入れていきたいと思っています。日本の内需のエンジンにしていきたいというように思っています。結局、輸出頼みで外需頼みをなんとか内需中心の経済に変えていこうというのが一つの大きな鳩山政権の柱でもありますので、その牽引力になりたいと考えています。そういう中で具体的にどうするのかということで、特に韓国、中国の皆さんが日本に出来るだけ沢山来て頂けるように絞ったキャンペーンや観光のメリハリがついた政策を作っていきたいと今政務三役で話しています。今まではヨーロッパとか広く日本のキャンペーンをしていましたが、特に中国ですね、中国は大きな観光マーケットと言ったら失礼ですが、としてはっきり位置づけてキャンペーンを張っていきたいので今度の韓国や中国の観光大臣とお目に掛かった折りにはこれからの受入体制をどうしていくかというようなご希望やご意見をしっかり聞いていきたいと思います。これは1省だけではできません。入管の問題もあれば、言ってみればそれぞれの国々を迎えるに当たっての障害もありますので、それを観光庁を中心にして各省庁とも連携を取って中国及び韓国の人達が日本に来やすい仕組みを作っていきたいと思います。こちらから色々ご意見を言うだけでなく、中国や韓国の皆さんが来やすくするためにはどうすればいいかというご意見をお聞きしたいなと考えています。交通基本法は、皆さんは民主党と社民党で共同提案してきたことはご存じでしょうか。法案をご覧になったことはありますか。特に社民党は実はずっとこれを悲願にしてきたのですね。どういうことかと言いますと、公共交通というものをもう一度トータルにしっかり位置づける、例えば環境もそうですが環境基本法が出来た中に温暖化対策や生物対応性等色々対策が出来るように、この基本法を作る中で、その中でバリアフリーやエコ等色々な対策が出来るような大元の基本法を作りたいとずっと私たちは考えてきたのです。私はこれを出来たら早ければ来年の通常国会を目指したいと思っております。勉強会を立ち上げる予定です。これは省内の関係者の皆さんや有識者の皆さんを含めて私の副大臣の音頭取りで勉強会を立ち上げて更に良いものにまとめ上げていきたいと思っています。何故かというと、今までの公共交通の政策というのは、交通関係業界の意見は沢山聞きます。それはそれで大事なのです。色々な協会等業界のご意見を聞くということも大事だからこれもこれから続けていくのですが、利用者の立場、人が移動するという主体の色々な政策が、例えば消費者の立場や生活者の立場で書き直しの時期になっています。ですから利用者の立場として移動の保証というものはどういうことなのかという観点を入れた法律にしていきたいと思っています。その中で関連して例えば私は陸海空と申し上げましたが、陸の中に自転車も含められないかなと。皆さんご存じでしょうか。パリが市を挙げて貸し自転車というか町の至る所に自転車を配置してそれを自由に使えるという町づくりと、交通政策のような「ヴェリブ」と言いますが、実験的にやってこれが凄く反響を呼んでいるのです。ですから今までにないような業界団体の意見も聞きながらしかし利用者として、もう一つ自転車等も含めたトータルなことを考えながら基本法を作っていきたいと思っています。移動の権利ということで引っかかっている人もいるのです。移動の権利ということを保証するものにするのかどうかというのがこの法律の一つの焦点になっているのですが、そういうことも含めて検討していきたいと思います。昔は知る権利や環境権も無かった訳で、新しい概念としていろいろな人権や考え方が出てきているのです。それは色々な政策で色々な所で新しい権利や新しい概念というのもどう政策に打ち込んでいくかということがとても大事だと思います。ですから各業界から業界の要望を聞いてそれに応えるような形だけの政策ではこれからは公共交通のあり方等を考える上では不十分ではないかと思っていますので、基本法をまとめ上げる過程でそういう概念的なことも議論していけたらいいなと思っています。

(問)先程の観光の話ですが、中国、韓国向けのキャンペーン等国内の受入体制整備というのは、今度の概算要求ではその辺のアイデアは反映されてたものが入りそうですか。
(答)成長戦略の4つの柱があります。観光も含めて。そこについてはメリハリ付けて概算要求にも反映していきたいと思っていますが、今その中身は精査中ですので具体的にはちょっと申し上げられません。

(問)森田知事が来られていた件ですが、羽田、成田、特に羽田のハブ空港化ということを言われていますが、一方で成田も出来るだけ活用出来るようにしていきたいということで、聞いていると何だかこれまでの国土交通省の政策と何処が違うのかよく分からないのですが、その点何か違うところがあれば教えて下さい。同じだったら同じでいいのですが、その辺どう違うのでしょうか。
(答)同じ点は羽田も成田も頑張るということだと思います。既に成田もオーバーになっていてウェイティングになっている所も40カ国ある訳で、その分ウェイティングにしたままにしておくのかと、せっかく羽田があって滑走路も新しく造る訳だし、24時間目指している訳だからそっちで受けられないのかというような話が出てきてもおかしくないし自然だと思います。それは羽田も成田も両方頑張るという話で今までとそこは基本姿勢は変わらないと思います。変わった点は、タブーになっていたことを言うということだと思います。今まではお互いに気を遣って、「そんなこと言ってもこっちは国内だしこっちは国際だし」とか「色々な今までの経過もあるし」ということで、気の遣い合いしていたところがあると思います。私は今日、大臣と知事がお会いになってこれからは胸襟を開いてお互いに気を遣わずに言っていくこと、「成田はこうはどうだ」とか「そんなことされたら羽田の方だってこれから拡張していくのだからこうしたい」というそこの議論すら何かお互いに顔を見合って本音で議論してこなかったのではないかと思いますので、変わった点はそういう様子見ではなくってとことん議論していこうではないかと、そして両方が良くなるようにしていくことを見つけていこうということだと思います。前原大臣も凄く本音でしゃべる方ですから、そういう意味では航空行政のあり方というよりも決め方であったり、今までここはちょっとこの辺位で納めとこうかと言われることに踏み込んでいくという手法は変わったと私は思います。

(問)具体的に新しい政策というかこれまでと違う政策がある訳ではなく、そういったことを話し合えるような環境にしていきたいということですか。
(答)実際に滑走路が出来ることも24時間目指すことも何も変わっていないです。政策そのものは。しかしそれを先程申し上げたようにこれから成田との役割をどうしていくかということをもう一度議論しようということは変わった。それ以上でも以下でもないというように思います。ただ、トータルデザインですね。今までは「あそこの空港もいる、ここの空港もいる」とバーと造って、では日本全体として先程の「強さ」の部分ですよ。何処を強くしてメリハリを付けてどういうような国家戦略といいますか国のあり方、それから国際的な繋がりのあり方を考えていくのかというトータルビジョンを出した上で空港政策、「ここを強くしよう」とか「ここはちょっと中々しんどいな」とかということを判断する時期にきていると思います。そういう今までの航空行政の1つの曲がり角と思います。今までを良かったと評価する人、悪かったと評価する人も一杯いると思いますが、曲がり角であることは間違いないと思います。ですからその曲がり角に立って私たちがこれからどういうようにビジョンを出していくか、そこはタブー無しに議論していこうということだと思います。

(問)その辺の議論というのは、政策会議や有識者の戦略会議等いろいろとありますが、何か具体的にその場で何時までに決めていくというのはあるのでしょうか。トータルデザインとして。
(答)政務三役の議論では成長戦略会議を早く立ち上げて、専門家の皆さん、専門家の皆さんといっても単に机上の空論的専門家の皆さんではなく、実際に現場をよくお知りの皆さんに入って頂いて早くトータルビジョンを出したいという議論にはなっています。
それは私が、副大臣、大臣が決まった2日後ぐらいにその話をして、ところが、まだ1ヶ月経っていないのですが、人選は大臣中心にやってます。

(問)国土の話ですが、国土の均衡ある発展からの脱却で、あちこちに散らばっている空港のあり方を見直すということとイコールかと思うのですが、例えばその場合に、すでに役割が無くなっている空港を廃港にする、一方でこの空港は力をつけてもらうとか、そういった抜本的見直しに踏み込んでいこうということでしょうか。
(答)それは極論だと思います。私が申し上げた強さと優しさと申し上げましたが強いところも造る、だからと言って切り捨てられないですよ、地方との格差も広がっていますので。トータルでみると、誰がやっても難しい問題だと思いますけれども、極端に何処と何処がダメだから、そこは放置してしまうということはしません。それは言ってみれば、今、特会のあり方の見直しということもしてますよね。今までは造っていくということに対してお金を使う部分もあったし、これからはもうこれ以上造る必要はないと思いますので、その使い方そのものも見直す中で今のある空港をどう活かしていくか。大臣と話しているのは、地方空港から直接仁川に飛んでるという話なんですけれども、海外とのアクセスも直接出来るようにしていこうとか、観光政策と一緒に合わせて、言ってみればもう一つ私は、便利だけを追求する国土交通省ではなくて、不便という価値を大事にする国土交通省を作りたいと実は思っているのですが、観光政策で言ってみれば便利で来やすいところだけではなくて、日本の良さが残っているところに集中して幾つか実験的に観光キャンペーンをやっていけないかということも考えている訳です。そこには空港がある場合が多いですから、そこの空港を拠点にして、幾つかの地点でとても不便なのだけど、とても価値があるようなところをどう売り出していくかというようなことを、全部100箇所も200箇所でも出来ませんから、実験的にやっていって、それが上手くいけば広めていくとか、空港とか観光とかセットで何とか立て直していくことをしていきたいという議論をしております。

(問)例えば、空港の予算についても、特会はどうするのかという議論は当然あると思いますが、ある程度上限はあって、一般財源から持ってくるにしても限界はある訳で、やはり力の入れるところと、力の入れないところを分けて考えればですね、廃止というもの、廃港というものは全く前提から外してしまうのですか。
(答)それはこれからの議論ですね。

(問)今のご発言は、廃港というのは初めからあり得ないということをおっしゃった訳ではないと。
(答)それも含めてこれからの議論だと思います。それは地元の皆様がいらっしゃる訳です。優しさの中にはきちんとそれぞれのところで生活している皆様の現状をつぶさに見るということが入ると思います。ですから私はその役割かなと思います。

(問)森田知事との会談の中で、一体でやっていくという話と協議会を開いて話し合うということを合意されたということを森田知事が言っていて、もう一つ仰っていたのは、前原さんは我々には羽田国内、成田国際の原則を取っ払いたいと明言されていたのですが、森田知事の言葉ではその原則は維持されるんだと仰っていまして、その原則についてはどういう話し合いがなされたのでしょうか。
(答)それは大臣に聞いて下さい。大臣のご発言ですね。

(問)今日の話し合いの中で、そこは森田さんは維持されたと。
(答)私もそのように理解しましたけれども。維持されたというか、だって実際今そういうことになっているじゃないですか。だからこの現状からスタートさせていくと、ということで成田に国内線を今ある数少ない便を増やさないなんてことを決める訳がないし、WINWINの関係と言っていることは、羽田も活用していくし、成田も活性化していくようにしようということですから、今ある土台から両方とも盛り上げるようにしていきたいとことですから、森田知事が仰ったことは間違いないと思います。

(問)JALの問題なんですが、タスクフォースのメンバーが執行役員に入って、社長を他から持ってくるということが考えられているようですけれども、安全運航が基本の航空会社に企業の再生のプロが運営をしていくという部分で、航空会社の安全運航の面で問題が起こらないかと意見も出て来ているのですが、それについてお伺いします。
(答)JALの経営体制をどうするかということは、まだ決まっていないので、お聞きもしていないので、何とも申し上げられません。ただ、それこそ安全を最優先で再建策も取り組んでいただかないといけないということは常識だと思います。

(問)運輸安全委員会の件なのですが、福島大臣は内閣府に移行したらどうかとの意見も出ています。辻元副大臣は運輸安全委員会のあり方についてどのようにお考えになっておりますでしょうか。その中でJRのOBの委員の問題についても合わせてお願いします。
(答)運輸安全委員会のあり方は見直さなければいけないと思います。それは何処に持っていくかというよりも、まず今国土交通省の中にある訳ですから、今回の福知山線脱線事故に関する情報漏洩みたいなことがあった訳ですから見直しは必要だと思います。事故に関係する人の場合は選ばないとか、またはそういうことが分かったら直ちに委員を外れて頂くとか、そういうことは具体的に決めておりますので、それに則ってまず国土交通省として運輸安全委員会の見直しと強化をまず進めて行きたいと思うんです。被害者の皆様ですね、この間意見をお聞きしまして、運輸安全委員会のあり方として、刑事的な捜査と事故の調査というのは性質が違うので、これをごちゃごちゃにせずに事故の原因の調査というのはもっと独立性を持ってきちんとやれるような考え方の基に運営していって欲しいという意見もありました。今までは捜査と関係するから、捜査と関係することは後の裁判とかと関係してくるので、隠そう隠そうみたいなどうしても人間だから働いてしまって調査の方もうまくいかない。というようなこともご指摘があって、調査は調査として、今後二度と起こさないためのものである訳で、人の誰に過失があったかということを追求していくことと性質が違うので、捜査との関係でも独立性を持って、しっかりそちらはそちらで取り組めるようにしたらどうかというご指摘もあって、これは非常に参考にしなければいけないご意見だなと思っていますので、そういうことも内部で議論できたらいいなと思います。

(問)高速道路の無料化の関係なのですが、社民党はあまり選挙のときに推進的ではなく消極的に考えていたようですが、今の副大臣のお立場としてどのようにお考えになられますか。
(答)社会実験といいますか、影響評価をきちんとやった上でこの問題には取り組むということになっておりますので、そういう意味で私はこの影響評価を厳しく、イケイケではなくて、問題があったらしっかり指摘もしながら影響評価をやっていく中で判断していく。その影響評価のプロセスに対して厳しい目で見ていきたいと思ってます。これは厳しく見て影響評価をしていかないと、いろいろな社会的影響も多いと思います。ですからそれに対して何か辞めろと言っている訳ではないですよ。しかしその方向で鳩山政権は進んでますから、しかし影響評価はいろいろな側面から厳しくチェックしていかないといけないのでその役割を果たそうと思ってます。

(問)関西の3空港はご地元でもある、関西の3空港問題についてなのですが、成田と羽田が一体化するとですね、結局関空の便がまた首都圏に寄せられていく、つまりWINWINは成田と羽田なら通じますが、成田羽田と関西圏のWINWINは本当に出来るんでしょうか。そういうことも踏まえてどう思われますか。
(答)私も関西に住んでいますので、ずっとこの問題は考えてきたのです。まず関西は関西として、伊丹は、繁盛していると言ったらおかしいけれども、足りない位なんです。ですから今後関西の経済界も含めて懇談会もずっとやっていますけれども、やはりこの3つの空港をパッケージにしてどのようにこれから運営していくのかを、まず関西は関西で頑張って考えていかなければならないと思います。西日本にとっては関空は助かるんですよ。今まで成田までわざわざ行ってということがありましたので、とても大事な空港だと思います。でもこれは関西圏で踏ん張って頑張らないといけない。だから3つを一元化という話も出ていますけれども、そういうことも含めてとにかく地元の懇談会や知事と意見交換しながら方向性を見い出していきたいと思うんです。橋下知事もこの間言っていましたけれども、陳情型ではいけないと。関西は関西でこれでいきたいという案を地元からきちんと出していかないといけないなということも、あとでご発言されていたと聞いてますので、非常に頼もしいと思うんですよ。だから地元と国交省と一緒になって考えていく。しかし地元主体でまず考えていく、私も地元出身ですから、一員として今これだけ空港の問題が注目されているのをプラスと考えて加速させていきたいと思います。

(問)前原大臣とは就任以前から同じ関西ということで仲が良かったとお聞きしているのですが、前原大臣は民主党の中ではタカ派的と言われてきたりして、今度同じチームでやっていく中で、今まで1ヶ月近くやってくる中で国家観とか価値観みたいな部分でディスカッションするようなことがあったのかということと、これから一緒に政策を進めていくということでその辺りが何か影響してくることはあるのかないのか。
(答)ないですね。お互いの違いを補完し合える立場だと思います。以前から特に安保政策などでよく議論を一緒にさせて頂いていた議員のお一人です。そういう意味ではよく相手のことをお互いに、私も前原大臣のことをよく存じ上げておりますし、前原大臣もきっと知ってくれているのではないかなと思いますので、そういう意味では仕事はとてもやり易いです。ですから気持ち良くやっています。

(問)海賊、ソマリアの問題とかでも、民主党と社民党は基本的に少し考え方が違う部分があったりして、高速無料化もありますけれども、その辺りこれからどのように調整をしていこうと思っていますか。
(答)高速の話は先程申し上げた通りです。ですからアクセルもあればブレーキもあって、そしていいところに落ち着いていくだろうということですから、どんな政策でも同じような考え方の人達だけが寄ってぶわーっと走って行ったら、それで上手くいく場合もありますけれどもそうでない場合もある訳です。特に非常に予測が難しいことに対しては様々な視点があった方がいいと考えてますから、あらゆる政策はお互い議論し合って進めていきたいと思います。ソマリアの海賊対策については前原大臣も基本政策閣僚委員会で3党でそういう違いがある政策については基本方針を出して頂いて、私達は実行する主体として海上保安庁もありますので、お決め頂いた方針に従ってやっていきたいと私も考えておりますし、大臣もそうお考えだと思います。

(問)新幹線についてお伺いしたいのですが、整備新幹線はこれまで旧政府与党がチームを作って財源とか着工順を決めてきたのですが、新政権になってこれから着工についてどのようにお考えになるのか、財源についても与党PTでやってきたものを今後同じように踏襲するのか新しいやり方を考えているのかを伺いたいのですが。
(答)既に補正予算の見直しの時に整備新幹線についての基本的な考え方を記者会見の時に申し上げた通りなんです。ですから、記者会見の時に申し上げた通りの考え方で今後の予算も取り組んでいくということになるかと思います。ただ概算の見直しについては今鋭意最後の調整をやっておりますので、それについては今申し上げられません。

(問)北海道関係のご担当としてお伺いしたいのですけど、今新政権が公共事業削減の方針を打ち出されていて、北海道開発は北海道にとって、公共事業が非常に高い経済効果ということもあって、非常に大きなウエイトを占めていたと思うのですが、今後どのように考えているのかということと、先程観光の話もされていましたが、その観光を伸ばして行く中で、中国、韓国の皆さんに北海道が観光地として非常に人気があるということで、また一方、北海道総合開発計画の中でも観光のインフラを大きく整備していきたいという話も書いてある訳で、今後の観光と北海道の関係、観光とインフラの関係も含めて、北海道開発についてご所見をお願いします。
(答)北海道は観光と農業を如何に伸ばせるかだと思うんです。これは別々の分野ではなくてセットで付いていると思います。北海道の自給率は100パーセント以上なんです。日本全体は40パーセントですけど。農業に力を入れていくためのお金の使い方はとても大事だと思っています。それと同時に観光は、先程の飛行機の話もそうなんですけど、外国から直接北海道に飛んでいくという便も増やしていきたいと。それも例えば札幌とかその周辺だけではなく、北海道には小さな空港も沢山ありますので、そこに中国から直行便で飛んで行ってスキーを楽しめるとか温泉を楽しんで頂くとか、そういう大きなところに行って散らばるのではなくて、直に繋がるようなそういう発想で観光政策も進めていけたらいいなと思っているんですね。南半球の人達が来ますよね、ニセコとかに。あれは一つの希望の芽だと考えてますので、その希望の芽を大きく育てていくような政策を打っていきたいと思います。

(問)既存の農業以外のインフラ整備はちょっと遅れざる得ないということでしょうか。
(答)北海道の場合は非常に季節が厳しいことなどもあって、それから今非常に経済的に他の地域と比べてしんどいこともあるので、そこの兼ね合いですよね。ただこの間もちょっと補正予算の時申し上げたのですが財政に限りがあるので、今までみたいな訳にはどこの地域もいかないんですよ。しかしそれは一律バサッとというのではなくて、しんどいところはやはりある程度メリハリ付けてやっていかなければならない。ただソフトの面を重視していく時代ではないかと思っています。この間観光のことで1周年で、その時に色んな方に来て頂いてご意見伺った時に、観光は1省だけで出来ない。漁業とか農業とリンクしていくことがとても大事だという話を、実際に観光業に携わっている人達、そういう若手の人達がエコツアーとか体験ツアーとか色んな例も伺いまして、そういう意味で北海道だけでなくて省庁横断的にこの観光というものに取り組んでいくような企画を具体的に打ち出していきたいと思います。

(問)JALの件なんですけど、新政権のキャッチフレーズは政治主導と。考え方でいいんですけれども、強さと優しさということが必要ならば公的資金を投入してもいいと、あくまで政治主導でいいので、考え方でいいんですけど、いいという考え方なのかということが一つと、もう一つは成長戦略会議はJALの問題かどうか、考え方を教えてください。
(答)JALは今タスクフォースの皆さんを中心に取り組んで頂いてますので、その結果が出てから考えたいと。私が今優しさと強さと言ったことと強引に引きつけて言ったらなんですけど、その観点でちょっとお答えしかねる案件だと思います。成長戦略会議は全体的にオープンスカイの問題も取り上げていきますので、勿論JALの再生とも関係すると考えています。

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