災害復旧申請の手引き 参考-3 大規模災害時査定方針
 規模災害発生時においては、災害査定の効率化、簡素化を行い、甚大な被害を受けた地方公共団体が迅速に災害復旧に着手できるよう支援してきました。しかしながら、個別の災害ごとに被災の状況に応じ効率化等の内容を検討していたため、決定までに1ヶ月程度要していました。
 このため、政府の激甚災害指定の見込みが立った時点で事前にルール化した災害査定の効率化の内容を速やかに適用する新たな査定方針を策定し、平成29年発生災害から運用開始しています
 ■大規模災害時の災害査定の効率化(簡素化)及び事前ルール化について
【背景】 
・大規模災害が発生した際、インフラの迅速な復旧が急務
・これまでの大規模災害では、災害査定をスピーディーかつ効率的に進めるため、様々な「査定の効率化(簡素化)」を実施。
・しかしながら、個別の災害毎に効率化(簡素化)の内容を決めていたため決定までに約1箇月を要していた。
・そのため、南海トラフ地震、首都直下地震、スーパー台風等の大規模災害に備え、より迅速に災害査定の効率化(簡素化)の具体の内容を決定することが必要。
 
【事前ルール化】 
・カテゴリーS
激甚災害(本激) に指定又は指定の事前公表がされた災害で、かつ、緊急災害対策本部(政府が設置された災害
(過去の事例:東日本大震災(H23))
 
・カテゴリーA
激甚災害(本激) に指定又は指定の事前公表がされた災害
(過去の事例:令和元年東日本台風、北海道胆振北部地震(H30)、平成30年7月豪雨、熊本地震(H28)、台風12号(H23)、新潟県中越地震(H16)、阪神淡路大震災(H7)など)
 
   ●カテゴリーS・Aの災害の要件を満たした場合、以下の効率化(簡素化)を実施 
災害査定の手続きの効率化(簡素化)の主な内容
   
 ①机上査定限度額の引き上げ
(カテゴリーS被害件数の概ね9割、カテゴリーA被害件数の概ね7割となる金額まで引き上げる)
(原則300万円)
(参考:過去の事例 カテゴリーS 5,000万円、カテゴリーA 1,000万円)
 
:会議室で書類のみで行う机上査定の対象限度額の引き上げにより査定期間を短縮 
   
 ②採択保留額の引き上げ
(カテゴリーS採択保留件数の概ね9割、カテゴリーA採択保留件数の概ね6割となる金額まで引き上げる)
(原則4億円)
(参考:過去の事例 カテゴリーS 30億円、カテゴリーA 8億円)
 
:現地で決定できる災害復旧事業の金額の引上げにより早期着手が可能 
   
 設計図書の簡素化
:設計図書の作成において航空写真や標準的な断面図等の活用により測量・設計期間を短縮 など