ファンづくり
資金調達
沖縄県国頭郡東村他
やんばるの魅力を活かしたダムツーリズム ~沖縄北部ダム群~
■実施主体:東村ふるさと振興(株)、NPO東村観光推進協議会など
◆沖縄北部ダムツーリズム
沖縄本島の北部水源地域「やんばる」では自然やダム湖の魅力を活かした活動を通じて森や水の大切さを広く認識し、豊かな森や水を守り、水源地域の活性化を目指すことを目的に『沖縄北部ダムツーリズム』として取り組んでいる。
北部ダム群の中でも最大規模の福地ダムでは、自然観察船や浮き桟橋、艇庫や案内所などの施設整備をこれまでに行い平成17年9月から運用を開始してちょうど20年目の節目を迎えている。
そのような中、関係者は新たな展開として平成26年に日本旅行業協会(JATA)沖縄支部メンバーとともに沖縄北部ダム群と水源地域の施設「やんばる学びの森」(国頭村)の現場視察を行い、ダムが有する観光資源としての有用性や誘客に繋げることを確認。JATA加盟の旅行会社からダムの施設見学を取り入れた4つの企画で日帰りバスツアーが発売され、中高年層を中心に多くの集客を集めた。さらに、近年は韓国を中心としたインバウンド需要も旺盛で県内の旅行会社がオプショナルツアーとして企画し人気を集めている。


◆沖縄のダムだからこその魅力
沖縄県東村からの指定管理者として活動している東村ふるさと振興(株)の屋冨祖支配人は「県内の小学校を中心に修学旅行として70から80校を受け入れている。その中でもダム湖面の自然観察船の利用を希望される学校には運航しているのだが、以前は音声ガイダンスを流す説明をしていた。今は小学生にはかみ砕いた説明や方言も取り入れるなどの工夫をしている」とお客様の状況に合わせたガイド案内に切り替えて好評だ。


NPO法人東村観光推進協議会の小田事務局長は、「秘境ツアーとして、シャワークライミングコースとトレッキングコースの2種類を運営している」と説明する。「『やんばるの森にカヤックで行く』というコンセプトで展開しており、他にはない独自性のあるツアーとして高単価の商品となっており、その秘境感が人気の要因となっている」と語る。
今後は、世界自然遺産の魅力を活かしながら、福地ダムを含めたエリアの観光プロモーションを強化したいと展望を述べる。特に、「福地ダムの対岸は世界自然遺産エリアだが、アクセスが難しい。しかし、自然観察船を活用すれば気軽に訪れることができる。このルートをうまく取り入れながら、やんばるの森の魅力をより多くの人に伝えていきたい」と意欲を見せた。


◆積極的なダム管理者の協力
「ダム見学の協力は以前より行っていたが、ナイトカヌーの提案があって試乗として夜にカヌーで湖面を遊覧してみたところ星空を見ることができロマンティックだった。管理上の問題を懸念していたが、激しい動きをするわけではないため、可能性としてはありえるのかもしれない。安全管理体制がしっかり確保できれば、湖面利用時間の延長などやれることは協力していきたい」と福地ダム管理支所の松田支所長は話す。
◆民間と行政そして地域で連携した取り組み
ダム施設を観光資源として活用した管理者メニューやダム湖面等ダムエリア内でNPO等が実施するメニューは沖縄北部ダムツーリズムと称し、北部水源地の活性化を支援しているのが特徴だ。
これからも沖縄のダムだからこその魅力を兼ね備えた様々な仕掛けを期待したい。
