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岐阜市の長良橋で、水量が増した長良川を不安そうに見つめる住民たち |
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降り続く大雨で長良川の水が%れ、岐阜市鏡岩の河川敷で水没した乗用車 |
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16号は小型で勢力の弱い台風であったが、停滞していた前線と結びついたため、その相乗作用から、宮崎県や大分県、滋賀県、岐阜県で1時間に100
mm前後の降雨量を観測するなど、各地に激しい雨を降らせた。 この雨の影響で、愛媛県では土石流や浸水による被害が発生し、長野県安曇村では崖崩れにより道路が寸断され、上高地で観光客ら約1300人が孤立する事態となった。特に、台風の接近前から強い雨が断続的に降っていた岐阜県北部では、14日から15日にかけての総雨量が多い所で500
mm以上を記録した。崖崩れや土石流だけでなく、長良川の堤防が白鳥町など8か所で破堤・決壊して、多くの浸水被害を出した。長良川の本川が決壊したのは、昭和51年9月の水害以来のことである。
全国の被害は、死者・行方不明者8人、負傷者13人のほか、家屋の全・半壊26棟、流失1棟、一部損壊112棟、床上・床下浸水2180棟、道路損壊56か所、橋梁流失2か所、堤防決壊3か所、山・崖崩れ121か所などに上っている。 |