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記者発表

第2回「21世紀の土砂災害対策を考える懇談会」
議事概要(速報)

平成14年6月6日
国土交通省

 第2回「21世紀の土砂災害対策を考える懇談会」を下記のとおり開催しましたので、報告いたします。
 
1.概 要  
期 日:平成14年6月3日(月) 15:00〜17:00
場 所:砂防会館別館 3F会議室「穂高」
出席者:小橋座長、青木委員、石井委員、石川委員、大町委員、
     斉藤委員、三本木委員、松村委員、水山委員、山口委員
 
2.議 題
(1) 21世紀の課題
(2) 話題提供 〜ITの動向とその課題〜 (斉藤委員より)
(3) 21世紀型土砂災害対策の方向
 
3.主な議事
  各議題を通じて委員の方よりいただいた意見は下記のとおりです。
   
一般的に、森林が荒れているため管理が必要であると言われているところであるが、本当にそういう状況にあるのか科学的に分析した上で、施策に反映してほしい。
事業費が厳しくなる状況を踏まえると、例えば、1箇所当たりの事業のコストを抑えて、現在のペース以上で事業を進めるなどの方法についても検討することも必要。
これからは既存の施設をうまく活用していく時代。メンテナンスなど管理へのシフトも21世紀の土砂災害対策と言えるのではないか。
土砂災害危険箇所を精査し、箇所数の厳選、優先度付けなどにより、効果的な対策の進め方を検討することが必要。
土砂災害防止法により特別警戒区域等の指定が推進された場合、施設整備によるハード対策あるいは住宅移転が求められることになるが、市街化の進んだ区域において、施設整備を行う十分な予算がない現状のもとで、どのように地域に説明し、区域等の指定を進めていくのか整理しておくことが必要。
土地利用規制などのネガティブな規制だけでなく、斜面全体を一体としてとらえ、施設整備等を通じ、適切に住宅の誘導を図り安全な斜面空間を創出する対策を推進することも必要。
山林所有者の相続税の関係で、山林の分割が進んでおり、これらを保全する対策がないことから、国によって保全していく方法について検討してみてはどうか。
「水防演習」と同様に「砂防演習」のようなものを実施し、災害を想定した避難訓練等、砂防事業における植樹体験などを通じて、住民の土砂災害に対する意識の高揚を図ることが必要。
各自治体が景観条例等で良好な緑地帯を維持している状況で、斜面住宅を推進するようなことは景観上様々な問題を有している場合がある。そのため、斜面空間の利用に関する施策を展開するに当たっては慎重な検討が必要。
21世紀型土砂災害対策の方向については、土砂災害対策としての今後の考え方を網羅的・包括的に整理した上で、対策を提示していただきたい。
土砂災害対策を考える上で、自然災害に起因する必然的なものと、21世紀の急激な都市化による軋轢によるものがあり、対策を実施する上で課題の方向性が異なる。そのため、各々の観点での課題、対策の整理が必要。
グリーンベルト事業及び土砂災害防止法のそれぞれの内容と関係について整理することが必要。その上で、課題や対策を明らかにすることが必要。
斜面の土地利用を考える場合、元来その土地が有する、人間生活の「扶養能力」を考慮することが必要。斜面を開発する場合には、その土地が「扶養能力」を保持できうるものか検討しておくことが必要。
住民参加や連携に関して、アドプト制度の取り組みを想定しているのであれば、責任の所在の明確化や維持費の拠出などの問題があるので留意することが必要。
砂防施設の整備に当たって、自然の景観との調和を図る上で、施設の形状等にできるだけ配慮していただきたい。
耕作放棄地となった棚田の保全は、国土保全上注目されていることから、砂防事業による棚田の保全について検討してはどうか。
厳しい予算の状況にあることから、今後事業を進める上で、国民の砂防事業への関心を高めることが重要。
近年の集中豪雨が頻繁に発生する状況から、大規模な山崩れ、河川の氾濫等による災害が発生しやすい状況にある。厳しい財政状況の下でハード対策が進まない中で、自然災害から生命・財産等の安全を確保するための施策や事業の進め方について検討することが必要。
次回の懇談会では、21世紀型土砂災害対策を進める上での論点を整理、明確化した上で、都市と斜面対策、コスト縮減への対応、ソフト対策等危機管理のあり方などいくつかの柱立てにとりまとめ、議論することとしたい。
 
4.今後の予定
 第3回はこれまでのご議論やご指摘を踏まえ、引き続き21世紀型土砂災害対策の方向について検討していただく予定です。
 なお、第3回の懇談会は平成14年7月上旬を目途に開催する予定です。


問い合わせ先

国土交通省河川局砂防部
砂防計画課 砂防計画調整官 森山裕二 (内36102)
  課長補佐 板屋英治 (内36142)
〒100-8918 東京都千代田区霞ヶ関2-1-3
TEL 03-5253-8111(代表) 03-5253-8467(直通)
 


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