水害サミットからの発信
災害復旧時の対応

公共施設関連

上下水道の復旧は?

▼住民対策
・公共施設である宅内マスのポンプが流失してしまったが、隣地の協力を得て地上仮配管を行い、下水道の利用が可能となった。
・道路の寸断や法面の崩落により本復旧に時間を要する箇所については、適宜仮設配管を行い通水。応急給水栓を設置し、共同で利用してもらった。
・高潮で、マンションや商業ビル等の受水槽のポンプが冠水。解消後も、塩水の影響で故障、断水した。その後、受水槽手前の直圧部分に給水栓の設置を義務付け、ポンプ故障時でも最小限の給水を確保できるようにした。

消火栓同士のつなぎ込みによる応急受水の工夫!

隣接市との消火栓同士のつなぎ込みによる応急受水により、連続的で広範囲な給水を行うことができた。

▼応援給水体制等
・災害時の相互応援協定に基づき、日本水道協会府支部からの応援給水体制が機能した。
・周辺自治体から給水車の支援を受けた。緊急時の応援給水体制を整備しておくとよい。

消防タンク車の利用による給水!

効果的だった施策は、1.消防タンク車(10トン)による給水中継所までの輸送、2.給水中継所から給水車(2トン程度)による町内への給水、3.住民への節水協力PR、4.備蓄物資である折りたたみポリタンク(15リットル)の使用など。

▼給水タンク
給水タンク2基を保有しているが、給水タンクを運搬する車両を保有していなかった。緊急時に備えて自己所有の検討も必要である。
▼ポリタンク
・被災地または断水地区への、応急給水用機器(給水タンク車、ポリ水缶等)を地区避難所等に設置した。
・被災地または断水地区の通水完了までの約1週間、ポリ水缶の貸出・回収を繰り返し飲料水の確保に努めた。 ・ペットボトルの水を備蓄するのが有効。
▼住民への広報
・随時、避難所の責任者及び自治会の役員等と連絡をとり、断水区域、復旧方法、通水予定を説明するとともに、避難所に情報を掲示した。
・応急給水活動で広報車による呼びかけを実施したが、道路状態が悪く、広報が最も必要な区域に入れなかった。自治会の連絡網、CATV、有線放送、ハンドマイクの使用等の情報伝達手段を考えておく必要がある。

バキューム車による生汚水処理で、トイレ使用制限を回避!

マンホールポンプ内の生汚水をバキューム車で、稼動施設にピストン輸送し、発電機をマンホールポンプの水中ポンプに直接接続し、運転することにより、住民のトイレ使用制限を行うことなく乗り切れた。

▼生汚水処理
・分流式下水道(汚水)の被災状況調査(公共マス、下水道本管)、吸泥・被災箇所の早期復旧をして、雨水・泥の流入を防ぐこと。処理場への過負荷を抑えることができる。
・合流管に大量の土砂が堆積したので、合流地区における超過降雨時の外水、土砂堆積対策をとった。
・未供用水処理ラインによる、簡易沈殿放流(接触滅菌)の確保が効果的だった。
▼業者との連携
・業者に指示する場合は、事前に作成した地区割り表を渡し、それに基づいて指示するなど、作業全体が把握できるようにして効率化を図ること。
・業者等の確保ができず、復旧に時間を要した。業者を含めた支援体制、災害時対応マニュアルの整備が必要である。
▼水道料金滅免等
・被災者を救済するため、上下水道料金を減免あるいは基本料金を免除した。
・水道料金の納付期限延長措置等は、全世帯を対象とするのではなく、被災者に限定する等のきめ細かな対応が必要である。