水害サミットからの発信
災害復旧時の対応

衛生対策

防疫対策は?

防疫対策は、早期の体制づくりが重要!
  1. 防疫班(機材を含む)を編成していたので、スムーズに初期対応ができた。
  2. 災害初期段階で、県ペストコントロール協会と消毒業務の委託契約を締結したので、早期に業務が終了した。
  3. 自治会を通じて薬剤を各戸に配布したが、消毒時期にバラつきがあったので、感染症予防の効果を高めるために、屋外消毒は行政で一斉に実施した。
  4. 自治会の衛生委員を通して、薬剤の配布と散布指導を行ったのが効果的であった。

▼消毒体制
・大規模な災害の場合、地域住民の協力なしでは対応は困難。薬剤配布量の確認と消毒方法の周知が重要な課題である。
・職員のみでは対応が困難。ボランティア等災害の規模に応じた人員・機材の確保が必要である。
・高齢者、障害者宅は要望に応じて職員が直接消毒作業を行った。公共性のある場所へも自治会長の要請で職員が出向いた。
・地区災害予防衛生隊本部を設置し、公共の用に供する場所の消毒散布を実施した。
・消毒希望世帯は事前の申出制にしたが、消毒現場では近隣からの希望が多く、予約分の実施が予定通りに進まなかった。
▼委託
防疫業者の確保と連絡体制の確立が必要である。

家庭への配布にはクレゾール、アルコール消毒剤など有効な薬剤を選択!
  1. 家庭配布をすべてクレゾール消毒液にすれば、備蓄場所の確保や配布労力の低減が可能である。
  2. 床上浸水家屋の屋外はクレゾール消毒液を散布した。
  3. 水道復旧前の手足消毒に噴霧式、ティッシュ式アルコール消毒剤配布が有効である。
  4. 消石灰は通常1袋20キロ。大きすぎるので小分けするが、労力と時間がかかる。家庭備蓄用に、高齢者・女性でも運べる5〜10キロ袋がほしい。
  5. 水が引く前や泥の掃除が終わらない時点での逆性石けんの動力散布は、住民からの要望は多いが、効果は薄い。
  6. 悪臭除去剤の配布は、消蕃後の悪臭除去に効果的だった。

▼配布の方法
・主に自治会経由。避難所の食料・生活用品配布所などでも配布した。
・薬剤と一緒にチラシを配布したが、使用方法の周知が図られたか疑問であり、安全面に不安が残った。
▼感染症予防
・消石灰、クレゾール消毒液等を配布し家屋の周囲を消毒した。また、ハエ・蚊駆除用殺虫剤も配布した。
・被災地全地区に、スミチオン乳剤を散布した。
・被災地区内道路への消毒液散布を実施した。
▼クレゾール消毒液
クレゾール消毒液備蓄量の定期的な見直しをすることが重要。
・消石灰
1.消石灰の必要性、有効性、散布方法等を周知しておく必要がある。
2.消石灰による皮膚のやけど症状で、医療機関への受診者が発生した。
・逆性石けん
床上浸水の家屋内は、逆性石けんを使用した。
・し尿処分
1.水没便所の汲み取りを、業者委託で実施した。
2.し尿処理施設の処理能力が不足したが、県の支援で流域下水道に投入でき、短期間で対応することができた。
・広報
1.受水槽設置者、理容・美容院、飲食店等に電話、立ち入り及びチラシ郵送により衛生確保を呼びかけた(点検・水質検査・消毒等)。飲料用井戸の水質調査費用に減免措置をとった。
2.一般家庭への呼びかけのタイミングが難しい。広報車での呼びかけも検討すること。