II.高度情報通信社会の実現に向けた課題と対応
(7)ハイテク犯罪対策、セキュリティ対策、プライバシー対策
  高度情報通信社会の進展に伴い国民の利便性が向上する反面、情報通信技術を悪用したハイテク犯罪や不正アクセスのような不正行為、情報通信分野におけるプライバシー侵害の事例が増加している。高度情報通信社会の実現のためには、こうしたいわば「影」の部分に対しても、産業界による安全対策・プライバシー保護措置の実施や情報の種類に応じた政府による法制度の整備を含めた適切な対処が必要である。特に、ハイテク犯罪対策は、サミットにおいて先進国間共通の重要な政策課題として確認され、情報通信分野におけるプライバシー保護についてもEUで指令が採択されるなど、国際的な認識も高まっているところである。
 こうした課題への対処としては、以下の対応を図る。
  • コンピュータ・ウィルス対策や情報通信分野における暗号化技術の開発及び普及等を促進する。
  • 不正アクセスについては、所要の技術的課題及び必要な法制度の整備について早急に検討を進める。
  • 暗号技術の不正利用対策については、必要に応じた法的環境整備の検討を行う。
  • 民間事業者等における個人情報の管理の一層の適正化を図るため、個人情報の取扱いに係るガイドラインの内容の充実を図るとともに個人情報の保護レベルの国際的調和の在り方等について検討する。
  • ハイテク犯罪に的確に対処するため、法執行機関等の体制の整備について早急に検討を進めるとともに、産業界との対話を促進する。
  • 個人情報の電子掲示板への書き込み等、ネットワーク上のプライバシー侵害等に関しては、侵害者を特定するため、発信者の匿名性を制限する法制度の整備について、早急に検討を進める。