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多様なニーズに対応するための効果的な道路整備や、交通需要マネジメント(TDM)施策等のきめ細かな交通施策の立案や評価には、道路交通の現況を認識するとともに、将来にわたる交通需要を把握することが必要です。 このため、国土交通省では道路交通管理や交通計画立案の基礎となる各種の交通調査を実施していますが、その調査手法は限られた日時での人手観測に頼っているため、詳細で精度の高い交通データを継続的に収集することには限界があります。
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- 交通需要マネジメント(TDM)
- 車の利用者の交通行動の変更を促すことにより、都市または地域レベルの道路交通混雑を緩和する手法の体系です。具体的な手法としては、パークアンドライド、ロードプライシング、相乗り、時差出勤等があります。
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国土技術政策総合研究所では新たな試みとしてプローブカーを活用した交通調査手法の開発に取り組んでいます。 具体的には、プローブカーとして東京都内を走行しているタクシー20台を選定し、これらの車両に通過時刻や車両の位置情報(緯度・経度)等を出力することができるカーナビゲーションシステムを搭載して、走行データを継続的に収集しています。 また、収集したデータを利用して走行経路等の把握や道路交通の時間変動特性等の分析を行っています。
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現在、国土交通省が実施している代表的な交通調査として、道路交通センサスがありますが、調査実施日が限られるため交通の変動特性を把握するために十分なデータを得ることができない状況にありました。しかしながら、プローブカーを利用した交通調査を実施することにより、交通の変動状況を時系列で的確に把握することができ、これまで感覚的にしかわからなかった道路交通状況の客観的な計測が可能です。 情報技術(IT)を活用した交通データ収集の試みは始まったばかりですが、質の高い交通サービスの提供を支えるための効率的な道路交通管理・交通計画に資する交通調査手法の開発を引き続き進めることとしています。
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