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氏 名所 属
葛西 敬之 JR東海 会長

■ご意見の内容

・道路特定財源に係る閣議決定は「今後の整備は本則税率分で実施、税率の上乗せ分は一般財源化」と理解している。

・道路特定財源の今後のあり方については戦略的な判断が必要。具体的には、特定財源の使途については、道路整備の現状・課題というミクロかつ局部的な視点からではなく、国家財政をどうするのか(プライマリーバランスの達成など)という大局的な視点から考えていかなければならない。このような視点から道路整備費に充てられる財政規模が決まり、この中で重点的・効率的な道路整備をしていくというかたちであるべきである。

・道路投資として今何をすべきか。鉄道整備(整備新幹線など)もそうであるが、新しい道路の整備は必要最小限とし、今ある道路が50年後、100年後といった長期持続的に機能するよう維持更新投資を重点的に行うべき。維持更新には相当のコストがかかる。

・アメリカのインターステートハイウェイも、整備当時と比べて、現在では舗装のひび割れもひどく、日本の道路もこのような状況となることを回避しなければならない。

・日本社会の少子高齢化が進む状況の下で、都市部にますます高齢者が回帰する傾向が強まるだろう。日本全体の人口60パーセントを占める東京・大阪間の幹線区間や東海環状自動車道(西部区間)など最低限必要なものを対象とすべき(選択と集中)。また、これら投資に必要な資金は、全体を膨張させない形で調達すべきである。

・これからの基幹インフラの整備は民間の力を活用していくべき。JR東海は自ら第二東海道新幹線の整備を行う。

・民間企業は、経営困難な状況下では、限られた資金を特定分野に集中的・戦略的に投資し、経営を立て直す。一方で、政治は、財政状況が厳しくなると、全体に予算を均霑する傾向がある。その意味で「民」の力を活用したインフラ整備手法は検討の価値がある。