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氏 名所 属
後藤 健二 十勝ガーデンズホテル 代表取締役

■ご意見の内容

【■優先度が高いもの】国策として行ってきた道路整備が始まって半世紀、道路特定財源の見直しなど転換期を迎えている。道路政策の重点分野として「地域の自立と競争力強化」をあげているが、公正な競争と自立の図れる基盤づくりに重点をおくべきである。そのため、各地域間を比較し計画に対し高規格道路建設の遅れている地域の底上げを図る必要がある。特に、昭和41年に計画決定された高速道路(7600Km)について、北海道以外でほぼ100%完成であるのに対し北海道が約50%という現状は、速やかに整備し解消する必要がある。
「安全・安心の確保」という観点では、寒冷地、多雪地域、高地を通る幹線道路をかかえる地域への優先も充分に配慮して、安全性や代替経路を含めた安心の確保を図ることが必要となる。また、地震多発地帯に於いては、耐震対策による安全性の確保や高規格道路等による代替性確保を進める必要がある。
観光面では、アジアのポテンシャルが今後大きくなる中で、アジアの中の北海道という視点において、「魅力ある地域への投資」は観光を大きく支える要素として重要であり、地域の景観を生かしたシーニックバイウェイ北海道の推進や観光を支える道路への投資は非常に重要である。 

【■効率的展開で大事なこと】「高速ネットワークの効率的活用・機能強化」という観点では、結ばれていない高規格道路については、つながることで初めて意味をなし、県庁所在地及びそれに準じる都市のネットワークを速やかに完成させることにより、より効率的な機能強化が図れることとなる。
また、高速道路の料金割引、スマートICの導入によるIC間距離の解消や利便性・効率性の向上など高速ネットワーク活用のための施策に積極的に取り組む必要がある。
一方で、当然のことながら既存ストックの寿命を延ばすことも今後はより必要となるが、都市機能の集中している大都市や高速計画が遅れている地域については、現道の補修、維持管理の強化および強度の向上が、投資の効率化、全体の効率化の上でも非常に重要と思われる。 

【■全般】最後に道路特定財源の見直しに関する具体策(H18.12.8閣議決定)に関しては、財政のひっ迫していることは理解できるが、国民として特定目的で徴収した税を他の財源に転化する考えは、責任回避による一時しのぎである。具体策の文言に従い「必要な道路」の早期完成をめざし、順次集中投資をしていくことが効率的であると考える。その中でも、近年の地方医療機関の医師不足、引き揚げ等の状況が続く地域に於いては、高次医療施設へのアクセスの強化をすすめる為に、高規格道路も重点的に早期整備を行い、命の平等を図るべきである。今なすべきことは、「必要な道路」を早期に重点的に整備することであり、そのことが結果として投資効果の効率化につながる。道路政策のポイントとして、以上のような点に充分な配慮および比重を置くことが国の政策に必要と考える。