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氏 名所 属
松井 寛 名城大学理工学部 建設システム工学科 教授

■ご意見の内容

 
○高度成長期に建設された構造物の健全度が低くなる中、維持管理費まで一律削減されているが、荒廃したアメリカの事例からも問題である。また例年、一律に予算配分されているが、重点投資により集中的に早く効果を発揮させるべきであり、中部地域では名古屋環状二号線と東海環状道路の全線供用を重視すべき。

○アジアは高度成長期にある一方、日本の人口は減少傾向。豊かさを持続するには物流コスト、道路と空港・港湾との接続等、国際競争力の強化が必要。

○学生の中では土木に魅力がなくなってきている一方、建築、特にデザイン系は人気。公共インフラ整備・管理を担う技術者の育成が問題となっている。戦前・戦後には魅力あるタイプの橋梁が設計されたが、今は一律的な標準タイプが大半。打破策のひとつとして、橋梁のデザインをコンペで募集し決定する取組みを実施してはいかがか。話題性もありPRにも寄与すると思われる。例としてイギリスのクリフトン吊り橋、価格もデザイン力同様、決定要因のひとつであった。

○農林水産省の整備道路(農道・林道)とのネットワーク調整が必要。

○民間活力を利用した道路行政を推進し、併せて官民の責任・役割分担を明確化すべき。