氏 名 | 所 属 | 坂本 成彦 | 奈良県バス協会 会長 |
■ご意見の内容
◆道路整備について
道路整備の遅れが奈良県の発展を遅らし、人間の身体に例えると、動脈、静脈の血流が滞り、脳梗塞や動脈硬化を起こしている状況である。奈良県南北を結ぶ道路の建設が遅れており、「大和北道路」の最終整備にはこれからまだ10数年かかると予想される。郡山南ICから橿原北ICまで整備され、一部の混雑は下火になったが、入口、出口までが渋滞している奈良県の道路整備状況は、他府県に比べ、20年くらい遅れていると思われる。奈良県は観光立県と言うが、観光客にとっては、移動時間が読めないため、落ち着いて奈良を観光できない。
また、奈良の宿泊施設数は、全国で後ろから数えて2番目である。道路渋滞や、県内に空港や新幹線の駅もないことから大企業の新規参入もない。よって、観光客以外の企業の下支えが少ないことから、宿泊施設についても新たな参入が起こらないのではないか。道路整備、鉄道整備というのは本当に重要なポイントであるが、鉄道には莫大な建設コストがかかるので、代わりに幹線の道路整備が緊急の課題と思う。
さらに、奈良県は通過交通と域内交通が混在していることから、これらをはっきり区分するべきである。これらの区間では、15分程度で移動できる所が、朝・夕のラッシュ時には30〜40分もかかってしまっている現況にある。域内道路は、不法駐車、バス停、右・左折レーンが少ない、または無いために、渋滞が起こりやすくなっている。そのような箇所を少し整備するだけで、渋滞はかなり減少するように思われる。
◆一般財源化について
今までガソリン税を支払っていたのに、なぜという思いが正直なところである。奈良県には、まだまだ建設が必要な道路があり、整備していくためにも道路特定財源の確保が必要と考える。
◆道路行政について
道路整備にあたっては、道路管理者と道路利用者が今まで以上に、一体となって、中・長期計画を立て、優先順位(投資効果)の高い所から着実に、効率よく進めて頂きたい。また、道路計画の段階で電柱の地中化、交差点改良等について、道路管理者、道路利用者、警察、消防、電力会社等の関係者が一緒になって協議していただき、国際文化観光都市「奈良」にふさわしい景観になるよう見直しを図って頂きたいと思っている。
◆アンケートについて
東京でまとめると、奈良に特化した我々の意見が活かされないとも危惧している。意見を一本化するのはなかなか難しいが、東京と奈良とは明らかに違うし、奈良の北と南でも違う。意見の地域分けが大事なのではないか。