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氏 名所 属
谷口 寿人 四国経済連合会 専務理事

■ご意見の内容

・地方では、概して公共交通機関の利便性が乏しく、住民にとって道路の重要性が大都市圏と比べて非常に高い。このため、自動車交通量だけで無駄かどうかを判断するような最近の風潮には強い違和感を覚える。
・経済活動や人々の生活、地域の防災面など、より多様な観点から道路整備の必要性を検討してもらいたい。
・個々の道路では、耕作放棄地が増えたり林業従事者が大幅に減っている現状を考えると、農道・林道系の道路については整備の優先度を下げ、その分を都市間を結ぶ道路や市街地の道路の整備に回していく必要があるのではないか。
・いつも歩いている中央通りの街路樹が「ハナミズキ」から「桜」に植え替えられた。非常に綺麗で毎年開花を楽しみにしていたのに、もったいないし、とても残念に思っている。街路樹の植え替えについても、地域の人に意見を聞いた上で行って欲しい。

@四国8の字ネットワークの早期実現
・四国の道路整備で最も優先度が高いのは「四国8の字ネットワーク」である。最近の道州制の動きに見られるように、地方は自立を迫られており、そのために不可欠な「四国8の字ネットワーク」は早期に完成すべきである。
・四国経済は一次産業のウエイトが高いという特徴がある。特に、四国8の字ネットワークが未整備の四国東南、西南地域には、優れた農水産物資源がたくさんある。これを生かして地域の発展に繋げるためにも早期完成を望む。
・東南海・南海地震の発生が予測されている中で、災害時の4県相互の緊急物資輸送、迂回路確保の必要性からも、早期実現が求められる。
・年内に作成される「道路整備の中期計画」では、「四国8の字ネットワーク」を、真に必要な道路として優先的に整備する手立てを考えてもらいたい。

A国際港湾・空港とネットワーク化した道路整備
・経済のグローバル化が進展する中で、四国の企業の海外展開や国際競争力強化に繋げるため、国際港湾・空港と基幹道路とを結ぶ道路網を優先的に整備し、輸送時間や物流コストの低減に繋げてゆく必要がある。
・四国と海外とを直接結ぶ定期コンテナ航路が就航しているが、本四連絡橋の高い通行料金が四国の国際港湾の利用を妨げている。

B地域独自の資源を生かすための道路整備
・四国固有の資源である「四国八十八箇所」や、各地域に残る歴史文化遺産を、地域づくりに生かすための道路整備が望まれる。
・特に、お遍路への関心が全国的に高まる中で、歩き遍路のための安全な遍路道の整備や、道案内表示の整備が求められる。

C中心市街地に向かう自転車道の整備
・高松市内でも、通勤・通学時に自転車を使う人は多いが、自転車専用道が少ないため、交通安全上危険な状況にある。
・一方で、地球温暖化防止やラッシュ時の交通渋滞緩和に役立てるためにも、自動車から自転車への移行を推進する必要があり、こうした観点から、中心市街地へ向かう自転車道の整備に力を入れていく必要がある。

D道路特定財源について
・道路特定財源の中で高速道路料金の引き下げも検討すると聞くが、是非、本四連絡橋の料金引き下げにも繋げていただきたい。
・四国8の字ネットワークの未整備など、四国の道路の実情を見れば、道路特定財源を一般財源化する余裕はないはずである。
・一方で、高速道路の利活用の促進について、地域でもっと考えていかなくてはならない。