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田中 きよむ 高知女子大学 社会福祉学部 教授

■ご意見の内容

 道路については、狭い道が多く、暗く、人通りが少ない。高知の場合は路面電車と自動車が競合、歩行者と自転車と自動車が混在している。
 自動車の交通量の多い大きな道路においては、ドライバーとしては信号が多く、歩行者にとっては信号の待ち時間が長い。横断時間では障害のある人にとっては短い場合がある。
 また、利用されない歩道橋は無駄と感じる。たとえば鏡川橋南詰め(R033)の歩道橋、宝永町(R056)の歩道橋である。高齢者や子どもにも優しい構造、障害のある人を含めた歩行者の視点での道路等の整備は優先度が高い。
 さらに、公共交通の利便性が良くない。たとえば、近年できた医療センターはアクセスが良くなく、かつてはあったシャトルバスも廃止され、学生も困っている。環境面にも配慮し、公共交通と自家用車とのバランスをとる必要がある。
 さらに、移動手段の確保として、中山間地のドアtoドアのサービス向上(福祉有償輸送等)が求められる。併せて、高齢者や障害のある人が自立生活を送れる地域にするための道路が求められている。日常での移動が広くなっているため、四国内の移動、中四国間の交流にも配慮する必要がある。ビジネス面では、移動がスムーズにおこなえる利便性が必要であるし、観光面では、四国八十八箇所などの観光地を生かした道づくりも重要である。
 住民のくらしの面では、地域住民にとって親しみがもてる道づくり(たとえば、散歩できる、ジョギング、井戸端会議ができる等)や、地域の景観を生かした道づくり(不釣り合いなけばけばしい看板等を設置させない)が求められる。
 さらに、地震時の避難経路など、防災面に配慮した道づくりも緊要である。
 いずれにせよ、地域住民のニーズに合わせた道の整備を進めてゆく視点(ワークショップやアンケートが有効)が求められる。