部会概要
 
第4回基本政策部会内容
日 時
平成14年4月23日(火) 13:00〜15:00 
場 所
国土交通省4階特別会議室
部 会 長
中村 英夫
武蔵工業大学教授
部会長代理
横島 庄治
高崎経済大学教授
委   員
越澤 明
北海道大学大学院教授
委   員
 
残間里江子
潟Lャンディッド・コミュニケーションズ゙代表取締役
委   員
 
白石 真澄
東洋大学助教授
委   員
家田 仁
東京大学大学院教授
委   員
中条 潮
慶應義塾大学教授
委   員
波頭 亮
鰍wEED代表取締役社長
委   員
 
リチャード・クー
竃村総合研究所主席研究員
       ○は出席した委員

第1回部会資料−2「基本政策部会の運営について(案)」に基づき、委員氏名は○○としています。
 
「地域の魅力を育てる」をテーマに開催。

 第4回部会では、「地域の魅力を育てる」ための道路政策のあり方について、横島部会長代理、家田委員からの発表があり、それを受けて議論が行われました。

横島部会長代理がテーマに沿って発表。

 「地域の魅力を育てる」について議論するにあたり、横島部会長代理(高崎経済大学教授)より発表が行われました。横島部会長代理発表では、国土再編のための基本政策として、地域再編と都市再生が必要であり、その責任を「公」と「私」が共有するべきだと指摘しています。その上で、具体的な道路政策の方向性を以下のように示しています。

・地域再編の方向性
  (地方分権の流れ、経済圏から生活圏への転換、地域の個性化と道路インフラなど)
・地域計画と道路整備の整合性
  (東京湾アクアラインと周辺の開発計画など)
・道路整備とプロセスの評価
   (事業進行中の供用努力、休工という名の無責任、先行取得用地の死蔵など)
・情報公開が目指すもの
  (説明責任から責任共有へ、PPPの成立要件など)
・美しい道路作りと道路行政
   (電線類地中化、ライン構成の重要性など)
・生活インフラの総点検
   (活用されていない残地、自転車通学の危険性、じゃまな看板など)
家田委員がテーマに沿って発表。

 続いて、家田委員(東京大学大学院教授)より発表が行われました。家田委員発表ではまず、「台」の道路から「人」の道路へと発想を転換する必要性が指摘され、国民に「使える道路」を提供するためには道路の機能を最大限に引き出す工夫が必要であり、それには日常のマネジメントが基本となるという認識を示しています。 その上で、「A.地方部・高速道路のパラダイム転換」「B.道路パフォーマンスマネジメント」の2点について提案しています。

A.地方部・高速道路のパラダイム転換
  • 地方部の高速道路の問題点は近距離での利用率の低さにあり、高めの料金、町を迂回がちなルート、長いIC間隔がその理由。
  • 地方部では高速道路の活用により、広域モビリティ型社会、安全性向上、環境負荷軽減を目指すべき。
  • そのためには東名・名神の計画思想をそのまま転用した高速道路ではなく、地方にふさわしい計画思想が必要。(有料・プール制からの脱皮。)
  • 具体的には、適正な規模・規格のネットワーク、IC間隔の縮小、柔軟な料金政策の実施。

B.道路パフォーマンスマネジメントの導入 〜機能と空間の総合管理〜
  • 道路マネジメントの充実には、道路の交通機能の最大活用、道路の多能化、沿道総合マネジメント、沿道参加型のマネジメントを重視するべき。
  • 顧客サービスと直結し、顧客の納得と支援に基づいた道路パフォーマンスマネジメントを導入すべき。
  • その際には、区間別管理と総合管理を実施すべき。
  • また、そのための社会実験をスタートすべき。
部会では、委員を中心に活発な議論を展開。
  • 地方部では一般の道路で十分なところがたくさんある。なぜ高速道路である必要があるのか?。採算性ではなく、活用される道路というが、経済的には採算性がとれないとだめではないか?
  • まずは既存の高速道路を十分に活用すべきという議論。これからつくる高速道路は、採算性も含め十分に検討する必要がある。
  • 有料区間と無料区間が混在しているが、海外はもう少し管理区分がすっきりしているのではないか?
  • フランスは地域別に管理区分が分かれている。基本的に有料。アメリカは、基本的に無料。ケースバイケース。
  • 本来は道路の機能ごとに区分、比較すべき。
  • すいている道路があってもかまわないが、誰が負担し、管理するのかを考えることが重要。
  • 高速道路の暫定二車線、将来的に四車線というのは、将来の成熟社会を考えると無駄ではないか。たとえ完成二車線であっても安全でスムーズに走れればよいのではないか。
  • 地域の魅力は誰が決定するのか?。中央が考えるべきなのか?。分権とかを考えるべきではないか。どこにどういう道路を引くかという決定権の問題と、その財源を明確にした上で、今日の議論にいくべきでは?
  • 「生活インフラの総点検」という言葉を出したが、国民が道路に何を求めているのかは分かっているようで分かっていない。素直な耳で総点検してみる必要があるだろう。
  • 双子の赤字、採算が悪い、使われないというのは最低。採算が悪いのが問題ではなくて、使われないのが問題。
  • 海外と我が国の自然条件・社会条件の違い、リダンダンシーの確保などは、今後も考えていきたい。需要追随ではなく、暮らしに対応したインフラということを考えていきたい。
  • 「道路整備とプロセスの評価」というテーマはこれまで取り上げてこなかった。これからはこのような観点が重要。
  • 立体道路制度や踏切の問題など道路と道路周辺とのリンケージ、道路との接点はどう考えていくのかも重要。
  • 本部会のアウトプットをコンプリヘンシブではなく、数が少なくてもシンボリックなものにしてほしい。
次回の部会の進め方について合意。

次回の部会については、以下のように進めることが合意されました。
  • 白石委員より、テーマ:「安全を守る」に関する提案、横島部会長代理より、テーマ:「環境を保つ」に関する提案が行われる予定。
  • 地域の有識者の方をお招きし、ご意見をお聞きする予定。
 
 
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