<これまでの交通事故発生状況>
我が国における交通事故死者数、死傷者数、死傷事故件数は、交通量の急激な増大に伴い大幅に増加し、昭和45年にピークに達し交通戦争と呼ばれました。これに対し、様々な対策を講じたことにより、急激に減少しましたが、昭和50年前半から再び増加傾向となりました。その後、重点的な事故対策、通学路における歩行空間の整備など様々な交通事故対策を実施したことにより、死者数は平成5年以降、死傷者数及び死傷事故件数は平成17年以降、減少傾向に転じています。
<近年の状況>
近年の交通事故の発生状況を見ると、平成24年中の交通事故死者数は4,411人(前年比-252人、-5.4%)、死傷者数は829,807人(前年比 -29,466人、-3.4%)、死傷事故件数は665,138件(前年比-26,918件、-3.9%)となり、連続して減少していますが、近年下げ止まりの傾向となっています。
<我が国の死傷事故率の推移>
走行台キロ(自動車の走行距離の総和)あたりの死傷事故発生件数を算出し(これを「死傷事故率」といいます)、全道路の推移を見ると、昭和55年頃までに大きく改善していますが、その後は横ばい傾向にあります。
<道路種類別の死傷事故率の比較>
道路種類別に平成23年の死傷事故率を見ると、生活道路(市町村道その他)は幹線道路(一般国道及び都道府県道等)の約2倍、幹線道路は自動車専用道路の約8倍となっており、道路の規格が高くなるにつれて死傷事故率が低くなっています。
<人口10万人あたり交通事故死者数の国際比較>
国際道路交通事故データベース(IRTAD)がデータを公表している29ヵ国中の人口10万人あたり死者数を見ると、日本は4.3人であり9番目に少なくなっています。
<欧米との比較>
日本・イギリス・ドイツ・フランス・アメリカについて更に詳細な事故の状況を比較しました。
死者数を状態別(自動車乗車中・二輪車乗車中・自転車乗用中・歩行中・その他)に分類すると、日本は歩行中と自転車乗用中の死者の合計が全体の52%を占めており、欧米の約16%~30%と比較して非常に大きくなっています。一方、自動車乗車中の死者は19%で、他国が37%~52%であるのに比べて低くなっています。
年齢別の死者数では、日本は65歳以上の高齢者の死者数は50%を占めており、欧米の約17%~26%と比較して非常に大きくなっています。また、人口の中で、高齢者の占める割合と死者数の中で、高齢者の占める割合を比較しても、欧米はほぼ同じ比率であるのに対し、日本は死者数の中で、高齢者の占める割合が非常に大きくなっています。