■物流センサスの結果は各分野で活用されています
1.モーダルシフト推進のための国内貨物流動の実態把握
物流センサスでは貨物の発地から着地までの輸送経路を調査しており、地域間の貨物輸送における輸送手段の使われ方を把
握することができます。また、輸送コストも調査しており、調査結果は輸送単価(貨物1トンを1km輸送するのに掛かる費用)として公表しています。これら
のデータは、モーダルシフト(トラック輸送から鉄道輸送、海上輸送への転換)推進のための基礎資料として、国内の貨物流動における輸送機関や輸送ルートの
選択要因の分析に使われています。 |
2.JR貨物羽生オフレールステーションの整備
輸送活動の分野では環境問題への取り組みの一環として、トラック輸送から鉄道輸送への転換が推進されています。JR貨
物では、その対応策のひとつとして、新しいスタイルの集配基地であるオフレールステーションを、平成12年10月に埼玉県羽生市に開設しました。物流セン
サスのデータは、この羽生オフレールステーションの需要動向を把握するための基礎データとして使われています。 |
3.東京西南部における物流拠点の整備
東京都には、南部(大田区平和島)、西北部(板橋区)、北部(足立区)、東部(江戸川区葛西)の各地区にトラックター
ミナルや倉庫などが集積した物流拠点が整備されていますが、西南部には整備されていません。近年人口が増加している西南部では、道路や物流拠点の整備が立
ち遅れており、そのため道路混雑や輸送効率の低下を招いています。そこで、新たに東京西南部に物流拠点を整備する場合のあり方について調査が行われていま
す。物流センサスのデータは、新たな物流拠点を整備した場合の施設需要や、交通量の削減効果を推計するための基礎データとして使われています。 |
4.秋田港における長距離フェリー航路の誘致
秋田県では、秋田港および周辺地域の活性化・発展に結びつく施策として、日本海で就航している長距離フェリーの秋田港
への寄港に取り組み、その際物流センサスのデータは、秋田港におけるフェリー利用貨物の需要予測のために使われました。その後、平成11年7月に、フェ
リーの日本海航路の寄港が実現しました。 |
5.横須賀港におけるフェリーターミナルの整備
横須賀港では、首都圏への交通アクセス向上に伴う港湾利用ニーズに応えるため、高速海上輸送航路の誘致に取組み、平成
16年4月には横須賀港〜大分港間のフェリー航路が開設されています。今後、横須賀港の地理的特性をより発揮できるフェリーターミナルを整備する予定であ
り、これに併せて新規のフェリー航路の開設を目指しています。物流センサスのデータは、この新たなフェリー航路の需要を予測するための基礎データとして使
われています。 |
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