事例 No.14

分散した観光拠点を周遊するバス (大分県日田市:ひな祭り)

 

ポイント

・観光拠点が分散しており、観光客・地域住民の利便性を高めるために周遊バスを運行。

・市内道路が狭隘であることから、レンタサイクルの活用も図る。

渋滞の状況と対策のねらい

・日田市内の豆田町・隈町は天領として栄え、歴史的街並み・建築物が残されており、福岡県や大分県内等から年間250万人の観光客が訪れる。ひな祭り(2/15〜3/末日)と川開き(5月20日過ぎの土曜・日曜)が有名。

・大分自動車道の開通による交通量の増加と駐車場不足により、ひな祭りと川開きの期間中は交通渋滞。

・日田市では、観光客が徒歩で巡れる観光地づくりを目指しており、周遊バスの運行、駐車場の整備を実施。

実施内容(試行内容)

・ひな祭り会場となる豆田地区、隈地区に隣接した郊外に大型バス専用駐車場を設置。

・平成11年のひな祭り期間中に隈町〜日田駅〜豆田町(13停留所)の周遊バスを運行。利用者は1日約100名に達し、ほぼ満席状態で好評だった。

実施期間

2月15日〜3月31日(土、日、祝日のみ)

〃主体

日田市、日田観光協会

バス営業主体

民間企業(日田バス)

 〃 運行時間

AM9:00〜PM5:00

 〃 運行頻度

1時間間隔 所用時間は約30分

 〃 運行本数

9本

 〃 利用料金

一日乗車券(大人・子供)300円

駐車場規模

大型バス専用46台、一般車両50台

その他の市内駐車場利用

 〃 確保

大型バス専用駐車場のうち公有地は無償、

私有地は有償で借り上げ

 〃 利用料金

大型800円、中型400円(大型:一部無料)

費用

駐車場借り上げ、バス委託費、広告費

費用負担

日田市、日田観光協会で負担

 

工夫した点・苦労した点

(1)周遊バスの運行

・分散した観光資源を連携し、観光客の回遊性と利便性を図る手段として周遊バスを運行。

20003月のサッポロ・ビール新九州工場オープンに合わせて、観光客の回遊性と居住者の利便性を確保するためにコミュニティバスの常時運行を検討中。

(2)駐車場の確保

・盆地にある日田市内には駐車場が少なく、また大規模な空地がない。このため公園や市民会館等の公共施設に土日の駐車場開放を依頼し、駐車場確保に努めた。

(3)駅前のレンタサイクル

・豆田地区、隈地区ともに道が狭く、自動車の通行には適してないためJR日田駅前の観光協会でレンタサイクルを実施。1ヶ月の利用台数は200台と活用されている(所有台数は30台)。

(4)観光案内サービスの充実

・観光協会に「ふれあいガイド」(会員約25名、2,500円/2時間あたり)を配置し、観光案内を行う。「街角案内人」といったボランティアガイドも3名いる。

 

 

関係機関

大分県日田市経済部観光課(0973-22-8210)

http://www.coara.or.jp/~hitacity/