事例 No.8
実験データの蓄積・活用(石川県金沢市:兼六園他)
ポイント
・昭和
62年のパーク&バスライド(P&BR)システム導入調査、昭和63年の試行実験実施を経て、平成元年から本格実施。毎年新たな実験的要素を組み入れている。・地元の関連事業者の協力を取り付ける際に交渉力を持てるよう、各方面においてデータの収集、蓄積を図る。
渋滞の状況と対策のねらい
実施内容(試行内容)
実施期間 |
5月3日、4日の2日間 |
〃 主体 |
P&BRシステム実行委員会(県、市、県警、地元住民、観光協会、交通事業者等) |
〃 体制 |
県4名、県警74名、市15名、その他(アルバイト等)75名 計168名 |
バス運行ルート |
西インターコース(1周13.8km、60分)、東インターコース(1周11.5km、60分) |
〃 運行時間 |
午前8時〜午後7時 |
〃 運行頻度 |
6分間隔(ただし、午前9時以前、午後4時以降は10分間隔) |
〃 運行台数 |
14台(有償借上げ) |
駐車場規模 |
西インターコース650台(農業会館、農協教育センター、土地改良会館、電算センター) 東インターコース650台(城北市民運動公園) |
〃 確保 |
有償借り上げ |
利用者負担 |
運行管理費として車1台(乗車人員に関わらず)につき1,000円を負担。 バスは1日乗り放題。 |
費用 |
1,600万円(運行管理費収入200万円、残り1,400万円を県、市がそれぞれ半分ずつ負担) |
実施日時 |
午前8時〜午後4時(但し、歩行者用道路については午前7時〜午後6時まで) |
規制内容 |
・兼六園外周道路一方通行規制(1ヵ所、距離600m) ・中央線の変移規制(1ヵ所、1車線通行、距離100m) ・バス専用レーンの指定(1ヵ所、距離1,050m) ・歩行者専用道路の指定(2ヵ所、総距離280m) |
これまでの対策の主な改正点と背景・ねらい
主な改正点 |
背景・ねらい・関連事項 |
対策開始当初よりバス輸送ルート、バス停留所の位置、巡回順序等に関して試行実験を繰り返し実施 |
・バスの定時性確保、利用者の利便性向上、交通規制の抑制という観点から最適なバス輸送ルートを模索。 ・来訪客が金沢市内の観光スポットをどのように回遊しているか実態を調査し、その結果をバス輸送ルートの設定に反映。 |
平成3年より金沢東ICにおいてもP&BRを実施 |
・駐車場でのナンバープレート調査や、経路選択・利用交通手段に関する来訪者アンケートを通じて、能登半島や富山を周遊して金沢を訪れる観光客が比較的多いことが判明した。 ・金沢東IC付近に駐車場を容易に確保することができた。 |
平成8年より運行管理費を1,000円に増額 |
・つり銭処理が煩雑にならないよう配慮。 ・変更後の利用者アンケートより運行管理費1,000円に関して概ね妥当であるとの結果が得られた。 |
平成10年より観光誘客施策とのタイアップを試行 |
・当初の渋滞解消という目的がある程度達成されたことから、次のステップとして観光誘客施策の目玉としてP&BRを位置付けていきたい。 ・シュミレーション結果によると、現行のP&BRは約4,000台まで対応可能であるが、利用台数は約2,000台(平成11年度実績では2,149台)にとどまっており、差分の約2,000台受け入れる余力がある。 |
工夫した点・苦労した点
(1)駐車場の規模と立地条件
(2)バス運行ルート
(3)バス車両の規模
(4)
ICでのチラシ配布による交通流制御(5)交通規制により影響を受ける事業者への配慮
(6)実験データの収集・蓄積とその有効活用
@駐車場入庫調査 E観光アンケート
Aバス乗車人数調査 F兼六駐車場及び香林坊地下駐車場入庫状況
Bバス走行速度調査 G金沢西インター及び金沢東インター流出台数
C一般車走行速度調査 H市内主要交差点状況
D兼六園駐車場入庫待ち時間調査 I兼六園入場者数
(7)総合的な観点から費用対効果の検証
対策の実施効果
関係機関
石川県金沢市都市政策部交通対策課(076-220-2038)
http://www.city.kanazawa.ishikawa.jp/