事例　No.18

事例　No．18

観光需要の変動に対応した駐車場確保（滋賀県長浜市：中心市街地）

　

ポイント

・マイカー観光客が多く、団体バス観光客が少ない時期には、観光バス専用駐車場の一部をマイカー観光客用の駐車場として開放する。観光バス専用駐車場と市中心部を結ぶシャトルバスを運行。

渋滞の状況と対策のねらい

黒壁スクエア、大通寺、長浜城歴史博物館等の観光スポットが集中する長浜市中心部には、国道８号バイパスや北陸自動車道を経由して京阪神、名古屋方面から大量のマイカーが流入。

特に、ゴールデンウィーク期間中を始め、３月、４月、８月、10月、11月の土・日曜・祝日には、駐車場容量を上回るマイカー観光客が殺到し、駐車待ち車両による交通渋滞が発生。最悪の場合には、市中心部から国道８号バイパスや北陸自動車道長浜IC付近まで渋滞車両がつながることもある。

パーク＆バスライド（Ｐ＆ＢＲ）は平成８年の北近江秀吉博覧会の開催を契機として試行的に導入。その後、平成10年より上記の観光シーズンにおける市街地中心部の交通渋滞対策として実施する。

実施内容（試行内容）

Ｐ＆ＢＲの実施

実施期間	ゴールデンウィーク、３月、４月、８月、10月、11月の土・日曜・祝日
〃主体	社団法人長浜観光協会
〃体制	民間警備会社（幹線道路等の重要な部分の交通整理等）シルバー人材センターからの派遣スタッフ（駐車料金の徴収、簡単な交通整理等）民間バス会社（シャトルバスの運行）
バス運行ルート	黒壁ガラス館付近の駐車場（お旅所観光バス乗降所）～臨時駐車場（観光バス待機所）ルート（距離１km、所要時間５分）
〃運行時間	午前10時～午後５時（夏場は午後６時）
〃運行頻度	特に設定なし。混雑時には１時間４往復
〃運行台数	１台（混雑時には２台、有償借上げ）
駐車場規模	お旅所観光バス乗降所（マイカーのみ、容量バス10台）、観光バス待機所（マイカー、バス併用、容量バス80台）前者は民有地、後者は県公共用地
〃確保	お旅所観光バス乗降所、観光バス待機所ともに有償で借り上げ（１年契約、観光客誘客目的に利用）
利用者負担	駐車場料金として車１台につき500円を負担。バスの乗車料金は無料
費用	長浜観光協会の年度会計（収支的には黒字）

マイカーの誘導

チラシの配布を通じて市街地内の駐車待ち車両を臨時駐車場へ誘導。また、長浜IC出口付近でのチラシ配布や市内２～３ヵ所への案内看板の設置を行うとともに、臨時駐車場の手前に人が立ち、マイカーを誘導。

工夫した点・苦労した点

（１）マイカー、団体バスによる観光入り込み客の季節変動を巧みに利用した駐車場対策

もともと団体バス観光客が多い地域であるため、観光バス専用駐車場を設置していた。ゴールデンウィーク等の混雑期には団体バス観光客が極端に少なくなり、一方、マイカー観光客が増え、駐車場の不足等の問題を生じていたことから、その時期に限り観光バス専用駐車場をマイカー観光客にも開放し、適正な利用を図っている。

（２）Ｐ＆ＢＲ施策の事前周知

観光パンフレット等に関する電話問い合わせがあった際には、先方の来訪時期を尋ねるとともに、必要に応じてＰ＆ＢＲ実施の旨を通知し、臨時駐車場等の場所が掲載されている地図を送付。

関係機関

社団法人長浜観光協会(0749-65-6521)