事例　No.6

事例　No．６

民間バス会社との連携（奈良県：奈良公園他）
　

ポイント

・民間バス会社との信頼・協力関係のもと、民間バス会社に蓄積されたノウハウを活用し、バスの定時性確保をねらう。

渋滞の状況と対策のねらい

東大寺大仏殿、奈良公園等の観光スポットが集中する奈良市中心部には、阪奈・第二阪奈道路、西名阪自動車道、国道24号等を経由して大阪、京都、名古屋方面から約12万台／12時間にも及ぶ大量のマイカーが流出入。

特に、毎年春、秋の観光シーズンの日曜・祝日には、市中心部の主要道路の交差点や観光スポット周辺道路を中心に交通渋滞が多発。

パーク＆バスライド（Ｐ＆ＢＲ）は昭和63年のなら・シルクロード博の開催を契機として導入。当初は、奈良市中心部に来訪するマイカー観光客への駐車場の確保を目的としていたが、その後、市中心部へ流入するマイカーの制御に伴う交通渋滞の緩和を目的としたＰ＆ＢＲに方針を転換。

実施内容（試行内容）

Ｐ＆ＢＲの実施

実施期間	４月、５月、10月、11月の日曜・祝日、計24日間
〃主体	奈良県観光連盟（但し、実質的な業務は奈良県文化観光課主導で実施）
〃体制	県２名、その他（警備員等）13名　　計15名
バス運行ﾙｰﾄ	奈良阪駐車場～奈良市中心部ルート（距離3.5km、所要時間15分）大安寺駐車場～奈良市中心部ルート（距離3.0km、所要時間10分）
〃　運行時間	午前９時～午後５時
〃　運行頻度	10分～20分間隔
〃　運行台数	６台（各駐車場３台ずつ配車、有償借上げ）
駐車場規模	奈良阪駐車場（9,000m²、300台）、大安寺駐車場（8,000m²、300台）いずれも民間の遊休地
〃　　確保	有償借り上げ
利用者負担	駐車場料金として車１台につき1,000円を負担。バスの乗車料金は無料
費用	奈良県観光連盟の単独予算（収支的には赤字）

交通規制の実施

実施日時	Ｐ＆ＢＲ実施期間
規制内容	奈良公園内の車道一方通行規制（１ヵ所）

これまでの対策の主な改正点と背景・ねらい

主な改正点	背景・ねらい
平成８年より従来の奈良阪駐車場に加えて、大安寺駐車場を開設。２ルートでのシャトルバス運行を実施	・奈良市北側に設置した奈良阪駐車場だけでは、南側から流入する交通需要に十分対応できていなかった。・南側にある奈良交通車庫跡地を借上げることができた。

　

工夫した点・苦労した点

（１）民間バス会社に蓄積されたノウハウを活用

昭和63年から継続して同じ民間バス会社に運行委託していることから、民間バス会社側にバス運行に関するノウハウが蓄積されており、混雑時には、独自にバスの増便、運行ルートの変更などの面で臨機応変な対応を取ってもらっている。

（２）行政側の事業費の負担を軽減するために民間バス会社側が配慮

天候が悪い日には、奈良公園への観光入り込み客が減少することから、関係機関との協議のもと、Ｐ＆ＢＲの実施を中止している。このとき、県の方で午前７時までに中止の判断を下すと、民間バス会社への支払いは完全に無償となる。また、臨時便の増発に係る経費は、時間単位による精算。

関係機関

奈良県企画部文化観光課(0742-22-1101)