事例 No.9

パーク&シャトルボート(三重県鳥羽市:水族館他)

 

ポイント

・定時性を確保しやすいボートを利用して、パーク&シャトルボートを実現。

・観光客の心理面への細やかな配慮が成功のポイント。

渋滞の状況と対策のねらい

・当地は伊勢、志摩、鳥羽一帯で観光資源が豊富な地域。平成元年当時、市内通過に通常20分かかるところが、GWやお盆の時期には3時間かかる状況が発生しており、生活や事業への悪影響から、市民や宿泊施設事業者から不満の声が出ていた。

・鳥羽水族館の駐車場待ちの自動車が国道42号線の機能を低下させていたため、これらの自動車を臨時駐車場に誘導し、そこから鳥羽水族館まで観光客をシャトルボートで海上輸送。

実施内容(試行内容)

・国道42号線沿線に臨時駐車場を確保し、そこからシャトルボートに乗り換える。

・鳥羽水族館駐車場、鳥羽駅近辺の駐車場に余裕がなくなると、両駐車場の職員らがチラシを配布して臨時駐車場に誘導する。

実施期間

5月のGW、8月のお盆

実施主体

鳥羽市観光交通対策協議会(市商工観光課、商工会議所、観光事業者、観光協会)

実施体制

臨時駐車場、シャトルボートへの案内・誘導で約20名が対応

ボート運航ルート

臨時駐車場〜鳥羽水族館近辺

 〃 運航時間

9:00〜17:00

 〃 運航頻度

約10分程度に1本

 〃 台数

2〜4隻(需要に応じて対応)

1隻当たり乗船人員50〜80人

駐車場規模

約800台

 〃 確保

市所有の用地を無償で借り上げ

P&R利用料金

駐車場整理代として500円/台・日。ボート利用料金は無料

費 用

年間2回(GW、お盆)実施で約400万円(道路沿道の案内板設置・撤去、シャトルボート借り上げ、パンフレット印刷、アルバイト代、弁当代、臨時駐車場設置の仮設トイレ、臨時駐車場とシャトルボート乗り場の間に臨時簡易橋設置、臨時駐車場の草刈り)

費用負担

市、観光協会が補助

 

工夫した点・苦労した点

(1)シャトルボートの定時性

・一時期、ボートの代わりにバスを利用していたこともある。ボートは20分で往来でき時間は正確だが、バスは渋滞に巻き込まれてしまい、定時性確保は難しい。

・ボートの場合、乗り場から近づいてくるボートが見通せるため、乗船待ちの観光客も安心していられる。

(2)臨時駐車場からシャトルボート乗り場までなるべく歩かせないこと

・自動車を降りてからなるべく歩かせないようにすることがポイント。

・現在でも、臨時駐車場内の駐車位置によっては、シャトルボート乗り場まで300400メートル歩かなければならない。お盆の時期ともなると暑さの問題もあって、ちょっとした距離を歩かせられるとすぐに不満となって跳ね返ってくる。これ以上距離をおくことはできない。

(3)観光客ニーズの優先でシャトルボートのルート変更

・平成2年の開始当初は、観光事業者の要望からシャトルボートを商業施設近辺に接岸していた。しかし、「商業施設より観光施設に直接アクセスしたい」という観光客からの要望に答える形で、平成3年から、発着場所を現在の位置にずらした。

(4)2年目以降は大きな設備投資が不必要

・初年度は案内板製作や臨時駐車場整備などに費用が必要だったが、2年目以降はそれほど大きな設備投資(ハード面の投資)は必要なかった。市開発公社所有の空き地を臨時活用できていることも大きい。

 

 

関係機関

三重県鳥羽市商工観光課(0599-25-3111)

http://www.city.toba.mie.jp/