土地政策審議会企画部会(第13回)
議事概要
平成10年11月10日
国土庁 土地局
11月10日午前10時より、通産省別館901号会議室において、土地政策審議会企画部会が開催され、建設省都市局、国土庁大都市圏整備局に対してヒアリングを行うとともに、当面の不良債権担保不動産の流動化、有効利用等について、自由討議が行われた。
建設省都市局、国土庁大都市圏整備局からは、今後の大都市の既成市街地の再編方策等について、それぞれ説明を受けた。
各委員から出された意見の概要は次のとおりである。(括弧の中は、各省からの回答)
- ヒアリング関係
- 区画整理事業については、依然として、保留地や保留床の処分が難しいが、何か新しいシステムが考えられないか。(→公的な助成の拡大が求められており、そのためのコンセンサスを得るため都市構造再編プログラムを策定してビジョンを明確に示すよう努力している。)
- 土地区画整理事業の事業計画において、福祉施設や廃棄物施設なども積極的に取り込もうとしているのか。(→老人福祉施設については、人と人が触れ合う街中に立地すべきだという考えから事業計画の中に取り入れようとしている。廃棄物処理施設については、まだ都市計画決定されているところはないが、アクセス整備など考えて行きたい。)
- 市街地の整備費の予算が少ないが、受益と負担との関係をもう少しはっきりさせて、財源をある程度都市に集中配分できないものか。(→大都市内でさまざまな公共事業をしているが、投資と受益の関係が都民に実感として理解されていない感があり、評価が低い。情報公開して市民に判断してもらう必要がある。)
- 首都圏計画と首都機能移転との関係は。(→首都機能移転審議会で全国三つの候補地から一定の選定作業を進めているところ。将来、首都機能移転の結論が得られた段階で首都圏計画については必要な見直しを行う予定。)
- 環境との共生といわれる中、例えばゴミ問題など、地域内解決という発想はどのくらいあるのか。(→首都圏の自治体間の調整が難しいのが実状。域内で解決できる大きな枠組みは必要だと考えている。)
- コストとベネフィットの問題については、事業間の評価を取り入れ、情報公開をしていくことが重要。
- 建築基準法は敷地規制で街区に対する規制がなく、一方、都市計画では街区が大きなユニットになるため、両者の整合性を図っていく必要がある。
- メリハリの効いた都市計画を作るためには、アップゾーニングとダウンゾーニングが両方同時にあるという視点で考えて行くべき。また、内部的に、事業の目的の変化に対応するシステムを作っておくべき。
- 当面の不良債権担保不動産の流動化、有効利用等について(虫食い土地)
- 虫食い土地の問題を街区全体で考えた場合、容積率を単に緩和するということではなく、むしろ一旦下げて、ということも考えられないか。
- 虫食い土地は早く解消すべきだが、その利用目的についてはもう少し議論すべき。
- 都市の再開発制度については、総合設計制度など既存の容積率の緩和を伴う制度をも視野にいれるべき。
- 虫食い土地にもいろいろな状況があり、何が問題になっているのかを個別に見ていかないと、政策を立てるうえで難しい。
- 国際化に対応した諸制度の改善について(流通課税)
- 建物については消費税と流通税が二重課税になっている。
- SPC法はこのままでは動かないので、喫緊な課題。
- その他
- 住宅ローン減税について、土地政策審議会企画部会の意見集約がなされた。
問合せ先:国土庁土地局土地政策課(課長)塩島、(課長補佐)黒瀬
(電話) 03-5510-8030 (FAX)03-3501-8828