第4回国土審議会地方産業開発特別委員会小委員会 議事概要
 
 
日時:平成12年5月8日(月)14:00〜15:50
場所:中央合同庁舎第5号館 共用第7会議室
 
1.本日の議題
 
(1)産業界代表ヒアリング
(2)先進県ヒアリング
(3)その他
 
2.審議内容
 
(1)産業界代表ヒアリング
 まず始めに、全国の産業界の声を本小委員会の議論に反映させるために、日本経営者団体連盟の成瀬常務理事から、産業立地の動向と今後の立地にあたっての国・地方自治体への要望について意見を伺った。その概要は以下のとおり。
@ 産業立地動向の推移については、かつては臨海地域に立地が進んでいた時代もあったが、現在は海外への立地も含めた新しい模索の時代となってきている。その主な理由は、グローバリゼーションの進展により我が国の産業が海外との比較の中で高コスト構造となったため、各企業が海外立地も視野におくようになったからである。
A 今後各地域において産業の立地を促進していくためには、地域の独自性を打ち出し、他地域との差別化を図っていくことが必要である。この際、基本的考え方として、ある程度の地域格差を是認すべきである。
B なお、これまで大企業が抱えてきた人材が、昨今の経済情勢により、各地域の中小企業の分散し始めているのは、地域の活性化を考える上で良い傾向である。
(2)先進県ヒアリング
 続いて、非新産・工特指定県であり、ソフトピアジャパンをはじめとする独自の取組みを自主的かつ着実に実施している岐阜県から、産業振興に関する取組み等について御紹介いただいた。その概要は以下のとおり。
@ ソフトピアジャパンは、知事の強いイニシアチブで始めた岐阜県主導のプロジェクトであり、県独自の財源で整備を進めてきた。構想段階から約10年が経過しており、徐々に民間のイニシアチブに委ねていくべきとの議論もあるが、岐阜県のようなところでは依然として行政の役割が大きいと考えている。
A また、ソフトピアジャパンによる効果は、それが立地している大垣市等に対してのみにもたらされるものではなく、県全体にその波及効果が及ぶものである。また、岐阜県内で閉じるつもりもなく、他県との間で技術の相互利用を進めていきながら発展させていこうというスタンスである。
B VR(バーチャルリアリティ)テクノジャパンは、これまで岐阜県に集積してきた既存の製造業がVR技術を取り込むことで、IT革命に乗り遅れないようにするという問題意識で整備を進めているものである。
C IT産業等の先端産業は大都市に集中する傾向があり、我々は強い危機感を持っている。他方、IT技術の推進は、山がちな岐阜県に立地する産業の効率化に大きなメリットがあることから、今後とも積極的に進めてまいりたい。
D また今後は、これまで整備されてきた拠点に集積している資源を結集し、面的広がりを持たせていきたいと考えている。そのような問題意識でスイートバレー構想を打ち出している。
E 国の制度については、県が独自の産業振興を進めていくにあたって、有効に活用できるものがあれば活用していくというスタンスである。