第26回国土審議会首都圏整備特別委員会

 

                          日時  平成11年9月2日(木)

                              午後2時00分〜午後2時48

                          場所  ダイヤモンドホテル プラザビル

                              地下2階 スタールビー

 


 

午後2時00分 開 会

 

○事務局

お待たせいたしました。本日は、委員の皆様には御多忙のところ御出席を賜り、誠にありがとうございます。

 

新任委員紹介

 

○事務局

議事に先立ちまして、前回の特別委員会以降新たに就任された委員の方々につきまして御報告を申し上げます。

お手元に資料1として委員会名簿をお配りしてございますので、ごらんいただきたいと存じます。

初めに、関係地方公共団体の長であります委員につきましては、東京都知事石原慎太郎委員が新たに就任されました。次に、関係地方公共団体の議会の議長である委員につきましては、埼玉県議会議長谷古宇勘司委員、千葉県議会議長小川洋雄委員、神奈川県議会議長三好吉清委員、栃木県議会議長郡司征夫委員、群馬県議会議長大林喬任委員、山梨県議会議長山下道男委員、横浜市会議長田野井一雄委員、川崎市会議長小泉昭男委員、千葉市議会議長向後一夫委員が新たに就任されました。

   ただいま御紹介申し上げました方々以外につきましては、引き続き委員をお願いいたしております。

   それでは委員長、開会をお願い申し上げます。

 

○委員長

委員長を仰せつかっております宮繁護でございます。本日は御多忙の中を委員の皆様並びに国土庁の関係者の皆様には御出席をいただきまして、大変ありがとうございます。厚く御礼を申し上げたいと思います。

   それでは、ただいまから第26回国土審議会首都圏整備特別委員会を開催いたします。

 

国土政務次官あいさつ

 

○委員長

本日は、政務御多忙の中を谷川国土政務次官に御出席いただいておりますので、最初にごあいさつをお願いいたしたいと思います。

 

○谷川国土政務次官

皆さん、本日はお暑い中お集まりいただきまして、大変ありがとうございます。国土政務次官を仰せつかっております谷川秀善でございます。

   第26回国土審議会首都圏整備特別委員会の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。

本日は、宮繁委員長をはじめ委員の方々におかれましては、御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。また、皆様方には平素より首都圏の整備につきまして格段の御指導、御鞭撻を賜り、厚く御礼を申し上げます。

なお、本特別委員会におきましては委員の異動が行われておりますが、御多忙にもかかわりませず新たに委員を快くお引き受けいただきました方々並びに引き続き委員をお願いいたしました方々に対し、厚く御礼を申し上げます。

さて、申し上げるまでもなく、首都圏は我が国の政治経済、文化等の面で中心的役割を果たしてきており、21世紀の我が国の発展に向けて大きく貢献していくことが期待されております。

しかしながら、人口、諸機能の著しい集中による通勤混雑、交通渋滞、住宅問題、環境問題等の大都市問題は依然として深刻であるとともに、東京都区部への一極依存構造は、震災等の大規模災害に対し脆弱であるという問題を抱えております。

これらの課題に対処するため、21世紀に向けた新たな首都圏整備の基本方針につきまして、本年3月16日に開催されました前回の委員会において答申をいただきました。これを受けまして、本年3月26日に第5次首都圏基本計画の内閣総理大臣決定を行ったところでございます。委員各位のこれまでの御審議に対しまして心より感謝申し上げる次第であります。

本計画は、今後の首都圏の目標とする社会や生活の姿を明らかにし、それらを実現するための諸施策を示しております。また、首都圏の地域構造として、各地域において拠点的な都市を中心に、自立性を高め、それらが水平的に連携・交流する分散型ネットワーク構造を目指しており、広域連携拠点の育成整備や、環状拠点都市群、関東大環状連携軸の形成等を掲げています。

国土庁におきましては、今後、この首都圏基本計画に基づき、首都圏整備に鋭意取り組んでまいることといたしております。

本日は、内閣総理大臣より諮問のありました平成11年度首都圏事業計画(案)につきまして御審議をいただきますとともに、21世紀社会に向けて安全、快適で魅力と活力にあふれる首都圏を築いていくための長期的視点、広域的視点に立った皆様からの御意見を頂戴し、今後の施策の推進並びに計画の策定等に反映していきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

終わりに、今後とも首都圏の整備に一層の御支援、御協力をいただきますようお願いを申し上げまして私のごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 

○委員長

   ありがとうございました。

 

議  事

 

○委員長

それでは、議事に入りたいと存じます。

本日の資料3−1、資料3−2のとおり、平成11年度首都圏事業計画(案)につきまして内閣総理大臣から国土審議会に対しまして諮問が行われております。議案の内容につきまして説明を受け、引き続いて御審議をお願いいたしたいと存じます。

それでは、事務局から内容につきまして説明をお願いいたします。

 

○事務局

資料の御説明を申し上げます。資料3−2と資料3−3というものがございます。資料3−3は参考図でございますので、並べてごらんになっていただければと思います。

本日の議題でございます平成11年度首都圏事業計画(案)でございますが、これの位置づけについて簡単に申し上げますと、御案内かと思いますが首都圏整備法というものがございまして、政務次官が、今、御挨拶でお述べになりましたように、本年3月に新しい首都圏基本計画というものが策定されました。これは15年程度の長期的な基本方針を定めたものでございます。その下に今後の5年間にわたる具体的な整備方針を定めます首都圏整備計画というものがございまして、これから御説明申し上げます首都圏事業計画は、さらにその下の、各年度の事業を定める計画という位置づけでございます。首都圏計画は今申しましたような3層構造の計画になっているわけでございます。

それでは、お手元の資料に基づきまして今年度の内容につきまして御説明申し上げます。目次を開いていただきますと第1から第18までございまして、それに沿って御説明を申し上げます。

1ページの「宅地」でございますが、参考図の2ページをお開きいただきたいと思います。真ん中あたりに「柏北部中央」というものと「新市街地」というものがお読みいただけると思いますが、これは常磐新線沿線の新市街地開発でございます。柏北部中央というのは千葉県施行、それから新市街地というのは流山付近で行うものでございまして、住都公団施行でございます。常磐新線は、御案内のとおり6月をもちましてつくばの都市計画を完了しまして、現在、一部流山区間を除きまして全線で事業を全面展開中でございます。2005年の供用を目指して事業中でございます。その次の大宮・与野・浦和地区でございますが、これは地図に図示していないのですけれども、これは「さいたま新都心」と言われるところでございまして、そこに、御案内のとおり来年の春に10省庁17機関の行政機関が集団移転することになっておりまして、来年の春のまち開きを目指して、現在、合同庁舎等を建築中でございます。来年の2月から3月にかけては実際に引っ越しをすべて終えたいということで、現在最終的な準備に入っている段階でございます。そこで、関連する区画整理事業が行われているわけでございます。

2ページを見ていただきますと「道路」というものがございまして、図面で申しますと4ページをお開きいただきたいと思います。

まず、道路のうちの高速道路でございますが、高規格幹線道路のうち、高速自動車国道といたしまして、まず北関東自動車道でございますが、図面で申しますと常磐道とクロスするところをごらんになっていただきますと、常磐道とのジャンクションでございます友部ジャンクション〜水戸南インターチェンジ間が11年度に供用予定でございます。

それから、東北道の大谷パーキングエリア〜宇都宮インターチェンジ、これは6車線化でございますが、御案内のとおり本年7月に上り車線が供用しておりまして、この区間について下り車線が来年の春には供用するということで、現在事業中でございます。

常磐道でございますが、図面の右端の方でございますけれども、千代田石岡インターチェンジ〜友部ジャンクション間も6車線化の供用を図る予定でございます。

それから、三浦半島の付近でございますけれども、圏央道につきましては、栄〜藤沢間、これは横浜湘南道路と称しているものでございますが、それの新規着工準備を進めるということになっております。

それから、図面の5ページでございますが、首都高速道路でございますけれども、一番南の方をごらんになっていただきますと、高速湾岸線(5期)ということで、南の方から申しますと、並木〜杉田間、三渓園〜本牧ふ頭間の2区間が7月に開通いたしております。

次に、鉄道でございます。図面の6ページをごらんになっていただきますと、新幹線等ということで、一つは中央新幹線でございますが、これにつきましては現在調査中でございます。それから、品川駅というものが表示してあると思いますが、これにつきましては、御案内のとおり、JR東海の品川駅の15年度開業を目指しまして現在事業中でございます。

図面の7ページをごらんになっていただきますと、東京圏の都市鉄道でございます。まず横浜市1号線が、8月29日に戸塚〜湘南台間が開通いたしました。それから、13号線というものが渋谷と池袋を結ぶ形で表示してあると思いますが、これは御案内のとおり平成10年度の第3次補正で採択されたものでございまして、それの事業化を推進するわけでございます。これは池袋で東武東上線、西武池袋線とつながりますし、また渋谷で東急東横線とつながる予定でございます。明治通りの下を通っていくものでございます。

それから、少し下の方の営団7号線、これは南北線と称しているものでございますが、それが溜池山王から目黒の間、そしてそれの関連で東京都6号線が清正公前から三田の間につきまして、12年12月を目指しまして現在整備中でございます。そして、営団7号線につきましては、目黒におきまして東急目蒲線とつながる予定でございます。

それから、南北線の北の方を見ていただきますと、赤羽岩淵〜鳩ケ谷中央につきましては、埼玉県高速鉄道で、これは三セクでございますが、こちらの方で2002年のサッカー・ワールドカップを目指しまして事業中でございます。それから、都営12号線という、地下鉄の山手線と称されているものがございまして、これにつきましては現在事業中でございまして、とりあえず国立競技場まで4月に供用いたしまして、全線は12年12月に供用予定でございます。都営12号線というのは、御案内のとおり28駅ございますが、そのうち21駅で他の路線とつながります。それから、これができ上がりますと、山手線内の鉄道駅から5分圏内が64%になるということで、東京は大変な鉄道社会になってまいるということでございます。

それから、図面の右端の方でございますが、千葉ニュータウンでやっております住都公団の北総・公団線というものでございますが、昔、印旛松虫と称していまして、今は駅名を変えまして印旛日本医大となっておりますが、12年度中にそこまで開通する予定でございます。

あと、東京臨海部の臨海副都心線について申し上げます。東京テレポートから、とりあえずは天王洲にかけまして、13年の春を目指して現在工事中でございます。いずれこれは大崎を通じまして埼京線とつながるということが予定されているわけでございます。

以上が都市鉄道の御説明でございます。

次に、本文の3ページ、図面で申しますと8ページでございますが、飛行場について御説明申し上げます。

まず成田、いわゆる新東京国際空港でございますが、これにつきましては、つい最近でございますが、当初予定をしておりました平行滑走路2,500メートルというものを予定を変更いたしまして、少し北側にずらしまして暫定の平行滑走路としまして2,200メートルを、9月から変更手続に入りまして、2002年のサッカー・ワールドカップに向けて整備を推進していこうということになっております。それに関連しまして、第1旅客ターミナルビルの能力増強等の工事もしているところでございます。

東京国際空港(羽田空港)でございますが、これにつきましては今年度中に新B滑走路が供用予定でございます。これで沖合展開に伴う一連の滑走路整備事業は一巡するわけでございます。あわせまして、東旅客ターミナルの整備を進めていくということになっております。

それから、一番下の方に書いてございますが、首都圏空港、いわゆる第三空港と言われるものでございますが、調査を推進していくということでございます。

それから、同じページの港湾でございます。港湾につきましては、東京港につきまして現在13メートルから15メートルバースへの工事を進めております。横浜港につきましては、南本牧ふ頭地区におきまして15メートルバースの2本の整備をいたしておりまして、12年度供用予定でございます。

次に、6の廃棄物処理施設でございます。図面で申しますと11ページでございます。これにつきましては、千葉市においてはごみ処理施設を新たに着手しまして、14年度完成予定でございます。市川市のし尿処理施設と本庄市のごみ処理施設については今年度中に完成の予定でございます。

次は4ページでございますが、図面の12ページでございます。水資源開発でございます。これにつきましては、いわゆる利根川広域導水(北千葉導水)は昭和49年からやってまいったわけでございますが、御案内のとおり、利根川から江戸川に導水をいたしまして上水あるいは工水の確保をしたり、手賀沼の周辺の内水排除あるいは手賀沼の水質浄化を目的とする事業でございまして、今年度中に完成の予定でございます。

河川、海岸でございますが、図面の13ページでございます。

河川につきましては、直轄河川の那珂川でございますが、これにつきまして河川災害復旧等関連緊急事業に着手いたします。補助河川といたしましては、千葉県の大堀川におきまして調節池整備事業、埼玉県の鴻沼川におきまして流域貯留浸透事業、それから那珂川におきまして、河川災害復旧等関連緊急事業に着手したいと思っております。

そのほか、海岸保全施設、砂防、地すべり防止施設、それから治山事業でございますが、治山事業につきましては、補助事業としまして山梨県中富町曙地区で事業に着手いたします。

次に5ページでございます。図面で申しますとまず15ページでございますが、山梨県で塩部第二、これは県営住宅でございますが、これに着手いたします。それから、14ページを見ていただきますと若松町・河田町というものが出ておりますが、これは元フジテレビの跡地でございまして、そこにおきまして住都公団が住宅市街地整備総合支援事業ということで約1,000戸の住宅供給を予定する事業に着手いたします。

次に、教育文化施設等でございます。図面の16ページでございます。まず神奈川県立保健医療福祉大学が平成15年開学ということで準備を進めております。それから、先ほど言いました常磐新線の絡みで、東大が柏新キャンパス移転事業を進めております。それから、東京臨海部におきましては、国際研究交流大学村、これは10年度の補正で始まった事業でございますが、東京臨海部に、とりあえず文部省の留学生あるいは研究生受け入れ宿舎の事業を進めてまいるということでございます。あと、科学技術庁、通産省関連の事業を共同して行うというものでございます。

病院でございますが、図面の17ページでございます。ここにございますように、栃木県立がんセンターが来年秋のオープンを目指して事業中でございます。

社会福祉施設でございますが、「複合施設」と書いてございますけれども、これは社会福祉総合センターでございまして、その整備を推進いたします。

最後でございますが、防災ということで、ここにございますように都市防災構造化推進事業、電線類の地中化、災害に強いライフラインの整備等を鋭意推進してまいりたいと思っております。

以上、大変簡単でございますが説明を終わらせていただきます。

 

○委員長

ただいま御説明のありました平成11年度首都圏事業計画(案)につきまして審議をいたします。

御質問、御意見がございましたら御発言をお願いいたします。

 

○委員

この首都圏整備特別委員会の機能というのは一体どこにあるのかということをまず聞きたいと思うのです。今の説明を聞きますと、各省がやっている事業の後追いというか、それだけなのですけれども、やはりもう少し横断的に、国土庁という立場でそれぞれの事業についての評価というようなものも入れるべきだと私は思うのです。

例えば地下鉄の6号線、7号線などは、恐らく何回延長になったかわからないのです。今の説明を聞くと、平成12年度だというのです。最初は平成9年ぐらいに完成する予定だったのが平成11年度に延び、さらにまた延びるというのでは、あそこに住んでいる人はたまらないですね。ですから、ただ単に、これをやります、あれをやります、これをやりました、あれをやりましたというのではなくて、やはりもう少し事業の進捗状況についての評価なり、そういう点の記述が欲しいと思うのです。

もう一つ、日本の鉄道というのは大体放射状が中心だったのですけれども、最近の人口分布から見ると、むしろ環状鉄道というものが非常に必要になってきているわけです。そうすると、例えば今東京都から強い要望が出ているエイトライナー、メトロセブン、環状7号線と環状8号線をつないで一大交通網をつくろうということなのですけれども、これについても、今、運輸政策審議会で年末を目標に答申をまとめる予定になっていますが、そういう点についても、むしろ国土庁の方で、こういうものは整備するべきではないかという、後追いではなくて先取りをして、その必要性というものを追求すべきではないかと思います。

それから、最後に特に申し上げたいのは、私が提案者で、各党の賛同を得て、PFI法案が先日成立しました。国土庁がその事務の取り扱いをする官庁になっていますけれども、PFI手法についても全く記述がないというのはおかしいのではないかと思うのですが、その点について伺いたいと思います。

 

○事務局

○○委員から大変ありがたい御指摘を幾つかいただきましたが、まず事業評価の点につきましては、確かにこれは毎年度の事業をやや羅列ぎみに記載しているわけでございますが、予算等で確定したものにつきまして各省庁の事業をこの時期に取りまとめさせていただくという事業計画の性格から若干こういう形になってしまうわけでございますが、説明の中では、今後の予定等につきましても、できるだけ関連するものについては御説明をさせていただいたわけでございます。漫然と事業をするのではなくて、それぞれの事業の必要性等について的確な評価を加えながら全体的に体系づけて事業を進めていくべきだというのは、御指摘のとおりだと思います。公共事業関係の省庁が6省庁、農水省とか沖縄開発庁も入りまして、事業評価のあり方については現在鋭意勉強を始めたところでございます。そういった中で国土交通省に向けて、私ども国土庁は中心的な役割を果たさなければならないと思っておりまして、そういう的確な事業評価、例えば事業が採択されても、5年以上経過しても放置されているとか、そういうような事業を中心に見直しの作業を進めるとか、そういったことを中心にいろいろな観点から事業の見直しのあり方について勉強させていただきたいと思っております。

それから、環状の都市鉄道の重要性につきましては御指摘のとおりでございまして、委員からの御指摘もあったわけでございますが、私ども、首都圏の基本計画でもできるだけ幅広に位置づけたと考えております。個別の事業名等につきましては、基本計画を受けまして、これから整備計画とか事業計画という段階になりましてはっきりと事業名を出していきたいと思っておりますが、今後出てまいります運政審の答申等もできるだけ踏まえまして、そういうものは積極的に位置づけていきたいと思っております。

PFIでございますが、これにつきましては今度法律が成立いたしまして、私どももPFIの推進につきまして相当な役割を分担しなければならないと思っておりますが、具体のプロジェクトをどうするかということにつきましては、民間から積極的な御提案をいただきまして、そういった中で、私ども関係省庁もどういった支援ができるのか、事業側はどうしたら可能かというような観点から総合的な検討をさせていただきたい、こういうふうに思っております。

 

○委員

   そういうことはちゃんと記述してくださいよ。

 

○事務局

   はい。

 

○委員長

   ほかに御意見がございましたら……。

 

○委員

参考の8ページの首都圏空港、第三空港、これの調査実施というのも、こういう流れであることはかねがね理解をしておりますが、改めて今、成田の暫定滑走路の問題、そして羽田沖の展開という中で、今日的時点、それから将来を見越して首都圏空港をどう位置づけていくのかという中長期的な観点、加えて先般の石原都知事就任に当たりまして横田の利用の問題等が出てきているわけですけれども、関係自治体等も含めて、この首都圏におきます空港問題についてはどういうようなテーブルというものが今設けられているのか、協議の場というのはあるのかどうか、つくられていこうとするのかどうか、お尋ねしたいと思います。

 

○事務局

首都圏の第三空港、首都圏の拠点空港の整備につきましては、委員が今御指摘のとおりの状況でございまして、首都圏全体として広域的に解決すべき最重要課題の一つだと私どもは思っている次第でございます。特に首都圏の国際競争力の強化というような観点からいたしますと、東京が相対的に今日非常に厳しい状況になりつつあるというような認識もございまして、今後、グローバルな都市間競争の中で、国際空港の整備というものは大変急がれる課題であると思っている次第でございます。今年の3月にできました第5次首都圏基本計画におきましても若干踏み込んで、海上を中心とした新たな拠点空港の整備について調査検討を進めるというような表現をさせていただいたところでございます。こういった大枠に沿いまして、現在、関係省庁が緊密に連絡をとりながら、それをどう進めていくかということについて検討している段階でございます。おっしゃいますように、成田の問題、あるいは羽田の沖合展開が一応一巡したというようなことも踏まえまして、今後どういうふうにこれが展開していくかということは私どもも非常に高い関心を持っているところでございます。今具体的に、どういうふうに進んでいくかということを申し上げるような材料はございませんけれども、そういう関心を大変持たせていただいているというふうなことだけ御報告させていただきたいと思います。

 

○委員

基本的なことで大変恐縮なのですが、今は平成11年の半ばということなのですけれども、今、平成11年度の首都圏事業計画というものの案を検討しているというのは、タイミングとしては遅いのではないだろうか。これなら事業計画ではなくて事業報告ではないかというふうな感じがします。ですから、どうせやるならば、ほかのいろいろな動きとの関連もあるでしょうが、もう少し次年度に向けて、各都道府県知事さんや議会の皆さん方も入っておられるので、それらのものを積極的に取り入れて提言できるようなものにしていただきたいと思うのが1点です。

それから、基本的なことを伺いたいのですが、基本計画の場合は大変長い。5年も相当長い。そうすると、どんどん状況が変わって、例えば私は千葉県ですから、千葉県で今回はこういうところをもっと先に進めてもらいたいというふうな意向があった場合には、年次計画と基本計画、それから整備計画との関連、どこまで手直しをしなければいけないのか、あるいはこういう場で御要望をして認めていただければ何とかなるのか、その辺も伺っておきたいと思います。

 

○事務局

○○委員御指摘の事業計画の問題、特にこの時期にこういうものを策定するということの意味合いということは、私どもも委員御指摘のような悩みといいますか問題意識を持っているわけでございます。これにつきましては全総計画の体系の見直しということがございまして、当然、首都圏等三圏の計画体系についても見直すということが触れられております。特に地方分権との兼ね合いで、どういう国の関与のあり方があるかというようなことも含めまして検討をさせていただくことになっておりまして、策定時期あるいは策定内容等につきましても、今御指摘の点を十分踏まえまして検討させていただきたいと思っております。

それから、事業計画の変更、これは基本計画あるいは実施計画、上位計画との関連でどうなるかというようなお尋ねかと思いますが、事業計画につきましては、先ほど御指摘のような後追い的な性格も若干ございまして、これは予算で明確に位置づけられたものが記載されておりますので、それは事実の端的な表現であるということであろうかと思いますが、むしろ委員の御指摘の点は、ある程度将来に予定されているような事業が実施計画なり事業計画の段階でどの程度取り込めるかというテーマであろうかと思います。したがいまして、先ほどのような全体的な見直し作業の中で、そういうものについても可能な限り取り組ませていただきたいと思っております。

 

○委員

国ではそろそろ平成12年度の概算も各省庁で出てきているわけで、その中には当然平成12年度のいろいろな計画、要望は出てきて動いているわけです。ですから、皆さん方にお忙しい中をこうやってお集まりいただいているので、できればこの委員会でもそういったものが取り入れられるようなことにぜひともしていただきたいと思います。よろしくお願いします。

もう1点は、この前も私は申し上げたのですが、首都圏といえば当然東京湾の中も首都圏の1都2県で囲んでいるわけで、第三海堡の撤去問題といった問題についても、できれば長期計画の中である程度の見通しを入れるようにしてもらいたい。現に、あそこの航路の関係で千葉県の漁網が破られたり、いろいろ被害もある。そういったことを考えると、前向きの計画というものをぜひつくっていただきたい。これは要望しておきます。

 

○委員

二つ質問、一つ御要望です。

まず一つは空港ですけれども、先日、東京がすごい雷で、私、熊本から飛んできて成田におろされたわけです。成田で解放されて、遠いけれどもタクシーを飛ばして帰るかと思ったら、出られないのです。また羽田に戻って、家についたのはついに夜の12時を過ぎたというようなことに相なったわけです。ニューヨークの場合は三つ空港があって、かなりフレキシビリティがあるように見えます。将来、成田、羽田、できればもう1カ所の空港。そういう意味では都知事の発言もある意味ではうなずけるところがあるわけですが。そうした国内、国際をある程度融通し合うというような構想をお持ちなのかどうか、これが第1点です。

第2は、防災の項目を見ますと、専ら耐震、耐火といったことのようでございますが、現実問題としては、救急のための広場とか空港とか。例えば調布飛行場などは救難ヘリコプターの基地として非常に重要な役割を演じ得るであろうとか。そうした意味で、防災の欄にどうして挙がらないのか。あるいは昭和の森公園にしましても、これまた救難基地に十分なり得ると思うわけです。その辺をどういうふうに総合設計されて、構想されておられるのか、これが第2の質問です。

それから、御要望というのは、この計画と少し違うので恐縮なのですが、例えば多摩川にかかっております橋が、拡幅か単なる架け替えかわかりませんけれども、工事が始まってからかれこれ10年かと思うわけです。横でやっておりました私鉄の複々線化はあっという間に終わってしまった、しかし、こちら側にかかっている道路の橋は長時間かかって、渋滞は全く解消されないということで、公共投資の費用対効果という意味で、工期を短縮して直ちに経済効果を上げる、それによって国民経済の活力を増すというような概念はこの計画にはないのでしょうか。なければぜひ入れていただきたい。こちらは御要望でございます。

以上です。

 

○事務局

○○委員からの御指摘でございますが、空港の点については私どもの担当官から御説明させていただきます。

防災でヘリポート等の位置づけがどうなっているかということでございますが、これは今、私ども、南関東直下型地震を想定しまして、要綱とかガイドラインを見直しておりまして、実際の運用をどうするかというレベルでの検討をさせていただいております。要は、ヘリポートとして使えるような場所とか、あるいはいざ災害となったときに拠点とヘリポートとの連絡をどうするかとか、いろいろな観点が必要でございまして、まずヘリポートとして十分使え得るような場所、公園とか学校とか、あるいはその他の空地等について、今、リストアップを急いでいるところでございます。

特に今一番急いでやっておりますのは、広域医療搬送体制ということで、災害時に緊急を要する患者さんをどういう輸送体系で運ぶかというようなテーマにつきましては、厚木あるいは立川の自衛隊基地の広域搬送拠点としての活用と、そのヘリポートあるいは病院間の連携というようなことで、具体的なテーマとして検討に入っているところでございます。これにつきましては、前回、○○委員から御指摘をいただいて、私ども、そういったことも踏まえまして検討してまいったところでございます。

それから、橋の架け替え等の御要望につきましては、担当官等も来ておりますので、十分承らせていただきたいと思います。

 

○事務局

御質問の第1点目、国内・国際兼用の空港ができないかという御指摘でございますけれども、先ほどもお答え申し上げたとおり、日本の今の空港の体制を考えたときに、首都圏の空港の発着能力が最も不足しているということがございます。過去10年、20年、中部国際空港あるいは関西国際空港と伊丹とか、現在も中部国際空港をつくっておりますけれども、首都圏の空港の処理能力が最も不足している、その中で国内、国際とも不足しているというような現状だろうと思います。そういった首都圏の実態を踏まえまして、従来、成田の2期工事なり、あるいは羽田の沖合展開ということで、それに政府として全力を集中してきたということでございます。ただ、そういった現状においても、今、委員が御指摘になっているように、今でも絶対的に滑走路の容量が不足しているわけでございまして、その中で、先ほどもお話が出ました首都圏の第三空港というものを、東京湾等海上を中心に関係当局で検討を進めております。したがいまして、関空の場合も国際・国内の乗り継ぎを便利にするというコンセプトで設計して好評を得ているわけでございますが、委員御指摘のように、まず首都圏の空港能力についてそれぞれの計画を進めていく、その中で、あるいはその先に、今おっしゃられたような国内、国際の組み合わせというものも考えていく課題であろうと思っております。

 

○委員長

事務局、橋梁の話はどなたからか……。

 

○事務局

具体的なお話だと思いますので、関係方面にしっかりと伝えさせていただきたいと思います。

 

○委員長

ほかに御発言がございましたら、どうぞ。

それでは、他に発言もないようでございますので、皆様にお諮りをいたしたいと思います。

平成11年度首都圏事業計画(案)につきまして、原案どおりで御異議ございませんでしょうか。

 

(「異議なし」の声あり)

 

○委員長

御異議がないようでございますので、案件につきまして異議ない旨の答申を行うことといたします。

 

○委員長

それでは、引き続きましてその他の議題に移りたいと思います。

本委員会に設置してございます計画部会の取り扱いについて皆様にお諮りいたしたいと存じます。

計画部会は、平成6年12月に、当委員会に首都圏整備の基本方針について調査検討を行うため設置されました。以後、4年の長期にわたりまして、本日も御出席の計画部会長のもとに熱心に御審議をいただきまして、ことしの3月に基本方針をおまとめいただいたところでございます。また、この基本方針に基づきまして、首都圏基本計画が去る3月26日に決定されました。したがいまして、これをもちまして計画部会はその任務を完了したことと相なるわけでございます。そこで、この際、計画部会を解散することといたしたいと考えますが、よろしいでしょうか。

 

(「異議なし」の声あり)

 

○委員長

御異議がないようでございますので、計画部会は、任務を終了したということで、この際、解散することといたします。計画部会に参加されました専門委員の皆さんには、4年間という長期にわたりまして熱心な御審議、御尽力をいただきましたことにつきまして心から感謝とお礼を申し上げたいと思います。

以上をもちまして本日御審議をいただきます予定の事項は終了いたしました。議事は以上のとおりでございますが、この際、委員の皆様から何か御発言等がございましたらお願いを申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。−ございませんでしょうか。

 

○委員長

それでは、御発言もないようでございますので、本日の審議を終了させていただきます。長時間にわたりまして御熱心に御審議をいただきまして、誠にありがとうございました。

 

午後2時48分 閉 会