国土審議会北陸地方開発特別委員会企画部会(第3回)
議事概要


平成9年1月30日
於;東京    

 企画部会においては、今までの議論をもとに新しい北陸地方開発促進計画で取り上げるべき主要な課題を整理した「北陸地方の開発・発展の基本的方向」について議論をした。
 これについての主な意見は以下のとおりである。

  1.  環日本海交流の取組については、産業等ポジティブな面に焦点があてられているが、原油流出等にみられるように、日本海の環境を守ることは、21世紀初頭には大きな課題となると考えられることから、そのような問題に対する対応についても念頭におくべきである。

  2.  今回の原油流出事故を機に、非常時における相互援助協定等北陸3県のネットワークのあり方について具体的に考えるべきである。さらに、産業、経済、文化等の分野においても、地域ごとの対応を北陸地方全体の観点から調整する機能を高めるべきである。

  3.  北陸地方の産業構造の転換を図るという前に、産業の特質を生かしたどのような集積のあり方(シリコンバレー等)があるかについて考えるべきである。

  4.  21世紀における地域の産業は、民間企業が地域に貢献するという公的役割を担うことになるという点で大きく変革すると考えられる。北陸地方には、町並み保存に大きな役割を果たしている地域密着型企業があり、このような公と私がクロスする新しい形態を伸ばしていくべきである。

  5.  産業の高付加価値化のためには、企業が情報を判断できる情報リテラシィーの向上が不可欠である。そのためには、中小企業への情報コンサルタント等底辺の広い関連産業教育が必要である。

 なお、本日までの3回の企画部会の意見を集約して、春頃開催予定の特別委員会に報告することとされた。

 

「北陸地方の開発・発展の基本的方向(案)」の骨子

I 北陸地方の特徴

II 新しい時代に対応した北陸地方のあり方
III 北陸地方の開発・発展の基本的方向
 1) 環日本海交流の推進
  1 地理的優位性を発揮させるための基盤整備
  2 交流の質的な飛躍のための環境整備

 2) 21世紀型の産業構造への変換
  1 「小さな世界企業」の育成
  2 新規創業に対する支援
  3 既存産業の高付加価値化

 3) 地方中小都市と中山間地との連携
  1 交通・通信等の交流基盤の整備
  2 多自然居住地域の創造
  3 地域資源の情報発信の推進

 4) 過疎化・高齢化への対応
  1 生活関連社会資本の整備
  2 情報化の活用による医療・福祉の充実
  3 高齢者が生きがいを感じるとともに、若者にも魅力のある産業の振興


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