臨時大深度地下利用調査会　法制部会（第２回）
議事概要

1. 開会

2. 公共公益事業者ヒアリング

   （ヒアリング対象者）
   　　　東京都　水道局建設部長
   　　　東京電力株式会社　用地部部長
   　　　帝都高速度交通営団　建設本部副本部長
   　　　日本電信電話株式会社　理事・設備企画部長
   　　　建設省　関東地方建設局用地部長
   　　　水資源開発公団　愛知用水総合事業本部事業部長

   （地下利用の実態）

   • 全ての事業者が、線的利用（トンネル等）については、権利取得が容易なため、主として道路下等公共用地の地下を利用しているが、線形を維持するため民有地の地下も利用せざるをえない状況にある。
   • 昨今は道路下等の地下利用が輻輳化しており、より深度の深い部分を利用せざるを得ない状況になったり、調整に要する期間が長期化する傾向にある。
   • 民有地の地下を利用する場合には、基本的には任意交渉で権利取得するようにしているが、地下鉄等では強制取得の手続を取らざるを得ない状況もあり、民有地の権利取得に長期間を要している例も見られる。

   （事業者として民有地の地下使用に当たって制約となっている事項）
   • 区分所有建物敷地等権利者が多数にわたる場合、相続未了、相続係争中の土地などで権利関係が複雑な場合、土地の分筆による価値の低下等により地権者交渉が難航する場合等、民有地の権利取得には多大な時間を要することがあり、事業の進捗に長期間を要することがある。
   • 道路下等の地下利用は既存の埋設物が輻輳しており、地下空間利用の自由度が小さいため、深度をさらに深くするか、民有地を利用する必要がある。
   • 大都市圏の市街地においては事業の障害になっているという事業者があったが、郊外部では、現行の制度で十分ではないかという事業者もあった。

   （大深度地下を利用するに当たって事業者として望ましい法制度）
   • 区分地上権の設定対価である立体利用阻害率が０％に近くなる空間を大深度地下としてはどうか。
   • 土地所有者を実質的に制限しない地下空間の使用であれば、無償や一定の低い額としていいのではないか。
   • 大深度地下を利用するための手続きについては、可能な限り簡略化する方向で検討すべきではないか。
   • 対象事業は、公共公益的な事業を優先するべきではないか。
   • 大深度地下空間を利用する事業間の調整は適正なルールに基づいて行うべきではないか。
   • 大深度地下を適用する地域は、大都市圏及びその周辺の市街化等の著しい地域も対象とするべきではないか。

   （将来大深度地下利用が考えられる事業の構想）

   • 高水準の安定供給のための幹線となる水道管、快速線等の駅間の距離が長い鉄道、道路下を使用せずに自由な線形を確保できる通信網、用水路、送電線等が考えられる。

3. その他
   • 法制部会においても、次の臨時大深度地下利用調査会取扱いと同様とすることになった。

     　臨時大深度地下利用調査会については、審議事項が土地所有権の制限、安全上、環境上の課題等に関わるものであり、議論が断片的にとらえられると誤解を生じ、無用の不安を招きかねないため、会議は非公開とする（議事録についても同様とする。）こと
     

     　他方、平成７年９月２９日付け閣議決定の趣旨にかんがみ、会議後に議事の概要について議事要旨として整理し、随時一般の方が閲覧できるよう国土庁の情報提供窓口である長官官房総務課文書係に備え、調査会の運営の透明化を図ることとすること

   • 次回は、１０月３０日１０時から開催することとなった。

4. 閉会