水資源開発審議会 豊川部会 議事録
 
 
 
              平成11年3月19日(金)
             
 1.開  会
 
○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただいまから水資源開発審議会豊川部会を開催させていただきます。
 
 2.委員及び専門委員紹介
 
○事務局 議事に入ります前に、本日は委員改選後の初めての部会でございますので、本日の部会開催に至ります経緯につきまして事務局より御報告させていただきます。
 水資源開発審議会におきましては、平成9年4月1日付で委員の改選がございまして、同年4月25日に開催されました第62回水資源開発審議会におきまして会長の互選と部会に属すべき委員の指名等が行われております。本部会の部会長につきましては、互選によりまして虫明功臣委員が選出されております。
 本日は、委員の改選後初めての部会でございます。お手元の資料−3に「水資源開発審議会豊川部会名簿」をつけておりますのでごらんください。
 
 3.水資源部長挨拶
 
○事務局 それでは、開会に先立ちまして水資源部長から御挨拶をいたします。
○事務局 それでは、一言御挨拶を申し上げます。
 委員の先生におかれましては、日ごろより水資源行政の推進に御指導を賜り、また、本日は大変お忙しい中をお集まりいただきまして、厚く御礼申し上げたいと思います。
 さて、今回の部会でございますが、豊川水系における水資源開発基本計画の一部変更につきまして御審議いただきたいと考えております。御存じのように豊川は愛知県の豊橋市、豊川市等を含む東三河地域を流れ、渥美湾に注いでいる一級河川でございます。昭和43年に豊川用水が完成いたしまして、それまでは水不足が地域の発展を阻害する重大な要因でございましたが、その後、この渥美半島地域を含む東三河地域に対する水供給が開始されたことによりまして、全国有数の畑作地帯が形成される等、本地域が大きく発展したところでございます。
 豊川水系につきましては平成2年2月に水資源開発水系の指定がなされまして、同年の5月に水資源開発基本計画が決定されて現在に至っております。基本計画には設楽ダム建設事業、豊川総合用水事業、豊川用水施設緊急改築事業の計3事業が位置づけられているとろでございますが、今回の一部変更は、老朽化した施設の抜本的改築等を行う豊川用水二期事業の新規追加、また、豊川総合用水事業については事業主体の変更及び予定工期の変更などを行おうとするものでございます。具体的内容につきましては後ほど詳細に御説明申し上げますが、本日はこの案件につきまして御審議を賜り、御意見をいただきたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 簡単ですが、以上、御挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○事務局 それでは、この後の議事進行は部会長にお願いいたします。
○部会長 本日は、委員の皆さん方には大変お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。
 審議に入ります前に、議事の取り扱いについてでございますが、本年1月の第65回水資源開発審議会で決められたやり方を踏襲させていただきたいと思います。具体的に申し上げますと、活発に御議論をいただくために議事は非公開といたします。また、従来は発言者を伏せて議事要旨を公開しておりましたが、透明性を一層高めるという観点から、議事録を発言者名を伏せて取りまとめ、これを公開することにさせていただきます。
 
 4.議  事
 1)豊川水系における水資源開発基本計画の一部変更について
 
○部会長 それでは、議事次第に従いまして「豊川水系における水資源開発基本計画の一部変更について」の議事に入ることといたしますが、豊川水系における水資源開発基本計画の変更案については、水資源開発促進法に基づき平成11年2月26日付で内閣総理大臣より水資源開発審議会に対して、お手元にあります資料−1をごらんいただきたいと思いますが、そのように意見を求められております。これにかかわる専門的、技術的内容については、あらかじめこの部会において調査、検討していただき、後日審議会にその結果を報告していただきたいという御趣旨で審議会会長から平成11年3月10日付で、資料−2のように部会の審議結果の報告を求められております。本日はこの案件について皆様方の御意見を賜りたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 では最初に、お配りしております資料の御確認及びその内容について事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 資料の確認と内容の説明をさせていただきます。
 まず、資料の確認でございますが、お手元に配付しております資料は1から10までございます。お目通しをいただきたいと思います。資料−1は先ほどの審議会会長に対します諮問でございます。資料−2は審議会会長から部会長に対する検討依頼でございます。資料−3は豊川部会の名簿でございます。資料−4につきましては水資源開発促進法の関連部分をコピーしておりますが、内容は省略させていただきます。資料−5につきましては、水資源開発基本計画の一部変更手続のフローでございます。今回、水資源開発審議会への諮問の一環といたしまして、本日開催していただいているところでございます。資料−6につきましては、今回の一部変更案の概要でございます。資料−7は新旧の比較対照表の形で表したものでございます。また、資料−7のさらに詳しいものが資料8でございまして、新旧の対照表でございます。資料−9が参考資料。資料−10は二つございますが、現行の豊川水系の水資源開発基本計画でございます。以上、1から10まででございますが、こざいますでしょうか。もしないものがございましたら、事務局の方にお申し出ください。
 では、資料の確認に続きまして、この御説明に行きたいと思いますが、その前に机の両端にアルバムを置いておりますので、これを回覧していただければと存じます。
 資料の説明でございますが、資料−6に一部変更案の概要が書いてございます。1から4まででございますが、この中で主立ったものといたしましては、3の「豊川用水二期事業の追加」、新規事業の追加でございます。これは老朽化いたしております水道施設を中心といたしまして改築を行おうというものでございます。また、1につきましては、現在農林水産省で直轄で施工しております豊川総合用水事業の事業主体を水資源開発公団に変更しようとするものでございます。詳細につきましては資料−9の参考で御説明をさせていただきます。
 まず「流域の概要」から御説明してまいりたいと思います。後ろの方に図面を用意しておりますので、これを見ていただきながら御説明させていただきます。ます、豊川流域でございますけれども、こういう形でございまして、名古屋市がこちらでございます。主な流域内の都市といたしましては、豊橋市、豊川市がございます。流域といたしましては、水源が愛知県北設楽郡の段戸山というところでございまして、ここから流れ下り、途中、宇連川をあわせまして渥美湾に注いでおります。流路延長といたしましては77km、流域面積は724km2 でございます。これは河川の規模としましては、一級水系の中では比較的小規模な方に属するかと思います。なお、関東に流れております多摩川の流域面積が1,200km2 ほどでございますので、多摩川の6割ほどの規模の河川ということになります。
 流域の中での雨の状況につきまして1ページに書いてございますが、上流部の方では2,000mmを超え、下流の豊橋では1,800mm程度ということでございます。
 2ページに参りまして「治水の概要」でございますが、この豊川の治水事業につきましては、江戸時代に現在の豊橋市を中心とする地域を洪水から守るための霞提の築造から始まったというふうに言われております。また、昭和13年度から直轄事業といたしまして改修が行われ、昭和40年には豊川放水路と申しまして、一番下流部の方でございますが、ここで直線的に抜けている川がございます。これを治水対策としましてつくってございます。また、現在の治水計画といたしましては、昭和46年に改定が行われました豊川水系工事実施基本計画でございまして、ダムによる洪水調節、また、河道の改修ということで計画ができてございます。この洪水調節につきましては、現在設楽ダムというダムの調査が上流部の方で行われてございます。この設楽ダムにつきましては多目的の計画といたしまして、この水資源開発基本計画の中にも掲上されているところでございます。
 4ページに参りまして、「利水の概要」でございます。豊川流域では古くから下流部を中心として水田耕作が行われております。1567年には現在ございます松原用水の前身である井堰が建設されたという記録がございます。また、明治に入りまして、松原用水、牟呂用水が建設され、かんがいが行われております。発電といたしましては明治27年に発電所ができております。また、戦後食糧増産を主といたしまして、この水源の開発をしようということで、昭和24年に農水省の直轄の国営事業として豊川農業水利事業が着工されています。これにつきましては、昭和36年に豊川用水事業といたしまして当時の愛知用水公団が引き継ぎまして、昭和43年に完成をしてございます。なお愛知用水公団につきましては、43年10月に水資源開発公団と統合いたしまして、この豊川用水につきましては、水資源開発公団が管理をするという形になってございます。
 5ページに参りまして、「渇水の発生状況」ということでございますが、この豊川水系につきましては、特に渇水の発生の頻度が高いという状況でございまして、現在、水源といたしましては宇連ダムというダムがございます。この表を見ていただきますとわかりますように、ほとんど毎年のように取水制限、渇水を繰り返しております。特に昭和59年から60年にかけましての渇水では、この宇連ダムが完全に枯渇をする状況がございました。また、平成6年の渇水では、上水で最大35%、工水、農水で最大60%の取水制限という極めて厳しい取水制限を経験してございます。
 6ページは「平成8年度渇水の状況」でございますが、これは省略をさせていただきます。
 7ページは「水質の状況」ということで、河川の模式図のところに地点名、また数字が書いてございますが、数字は基本的にBODでございます。石田という基準地点がございますが、ここにつきましてはBODで0.8ということで、清浄な状況でございます。本線の最下流部でいきますと、吉田大橋で1.2ということでございますが比較的清浄でございます。ただ、豊川放水路にいきますと2.9ということで、少し汚れているという感じでございます。
 8ページには「水環境の整備状況」ということで、現在、建設省と愛知県の方で行っております事業、多自然型の河川整備等の御紹介でございます。
 9ページからが「豊川水系における水資源開発基本計画の概要」でございます。豊川水系につきましては、平成2年に水系としての指定がなされまして、平成2年5月にこの計画が決定をされたところでございます。
 次の10ページでございますが、現在、この計画に基づきまして、ここに書いてございますような事業が建設、もしくは調査中でございます。上からまいりますと、まず設楽ダムでございますが、これは現在調査中の段階でございます。次が豊川総合用水、これは現在農林水産省で建設しておりますが、今回の一部変更案におきまして、水資源開発公団の事業主体としたいということでございます。また、豊川用水施設緊急改築事業、これは水資源開発公団で現在施工中でございます。一番最後の豊川用水二期事業につきましては、今回の一部部変更で新規に掲上したいということでございます。
 大変名前のよく似た事業が出てまいりまして、少し関係が難しいということがございますが、これにつきましては16ページを見ていただきたいと思います。今までの経緯も含めまして御説明したいと思います。16ページで色別に事業が書いてございますが、一番最初にこの水系で大規模な水利事業として行われましたのが青色の豊川用水でございます。これにつきましては、天竜川からの導水施設も含めました計画となっておりまして、主な水源としては宇連ダムでございます。この豊川用水につきましては、昭和24年から事業をスタートいたしまして、43年にこれができ上がったという状況でございます。また、緑色につきましては豊川総合用水でございまして、これは豊川用水の水源を増強しようということで、新たに大島ダムというダムをつくりました。また、調整池といたしまして幾つかの調整池をつくるということでございました。水路といたしましては基本的に豊川用水の水路を使うということでございますが、その水源の増強をしようという事業でございます。また、設楽ダム、これはピンクで書いてございます。これは先ほど申しましたよう現在調査中の事業でございます。オレンジ色でマークしておりますのが豊川用水施設緊急改築事業でございまして、これにつきましては豊川用水の事業でつくりました施設が相当老朽化してきたということで、特に頭首工でございますとか、ダムの利水放流設備、そういった拠点的な施設につきまして緊急的な改築を行おうということで事業を実施しているものでございます。また、赤色の豊川用水二期事業につきましては、やはりこれも豊川用水施設の改築でございますが、先ほどの拠点的な施設に続きまして、水路の緊急的な対応が必要なところにつきまして、その抜本的な改築を行おうとするものでございます。こういう形で事業が展開してきている状況でございます。
 では、戻りまして11ページでございますが、今回の一部変更案の概要について記載してございます。1番目が豊川総合用水事業の変更でございますが、これは現在、農林水産省によりまして実施している事業でございますが、この事業主体を水資源開発公団に変える。また、工期につきましては、現在平成9年度までということでございますが、これを13年度までという形にしたいということでございます。内容については後ほど御説明いたします。
 2の豊川用水施設緊急改築事業については、工期のみの変更でございます。現在平成6年度までのものを平成10年度までにしたいということでございます。
 3の豊川用水二期事業でございますが、これにつきましては、先ほど御説明しましたように、幹線水路の老朽化等に対処するためということで、水路系の抜本的な改築を行おうというものでございます。工期は平成11年度から平成20年度でございます。
 また、水資源開発基本計画の中で掲上しております施設の総事業費を記載してございますが、これにつきましては、現行計画では3事業で約1,400億円という記載でございますが、新たに豊川用水2期事業を追加して4事業となりまして、約3,000億円という表現にしたいということでございます。
 12ページでございますが、「豊川総合用水事業の概要」でございます。この事業につきましては、大島ダム、取水施設、調整池、水路等の建設によりまして、農業用水の確保、また愛知県の水道用水の確保を行うものでございますが、先ほど申しましたように豊川用水の水源の増強という性格を持ってございます。これらの施設につきましては、かなり建設が進んでおりまして、調整池につきましてはすべて建設が終わりまして、現在ここに書いてございます大島ダム、この建設が最終段階ということになってございます。ことしの秋には提体の打設が完了するという段階でございます。こういった施設によりまして、新規利水、水道用水及び農業用水を毎秒3t開発するということでございます。
 今回、この事業主体を農林水産省から水資源開発公団に変えたいということでございますが、これにつきましては、13ページ以下に理由を書いてございます。「豊川総合用水事業の承継について」ということでございますが、@としまして、もともと豊川用水事業と事業計画が一体的である。受益地が同一でございますし、また水路そのものも基本的には同じものを使うということでございます。そういうことで、管理を一元化することが望ましい、あるいは必要だということでございまして、二元管理よりは水資源開発公団による一元管理が適当であるということでございます。また、こういった一元管理によりまして、管理体系も合理化されるということでございまして、15名程度の合理化が図られる見込でございます。こういったことで従来から水資源開発公団事業としまして承継する方向で調整してきたわけでございますが、このたび関係者間の協議が整いまして承継を行うということでございます。また、ユーザーの方もこういった一元管理を強く要望しているという状況でございます。
 12ページに戻りますが、工期につきましては、一番最後でございまして、現行が平成9年度ということでございますけれども、13年度までということで、大島ダムの試験湛水を終了いたしまして、平成13年度にこの事業を完了し、管理に移行するという見通しでございます。
 14ページでございますが、「豊川用水施設緊急改築事業の概要」でございます。こちらの方は老朽化しました豊川用水施設の中で拠点的な施設の改築を行うということで、水資源開発公団により進めてきたものでございますが、工期が当初平成6年度までというこことでございましたが、10年度までずれ込んだということで、10年度で完成するという形で整理をさせていただくものでございます。
 その次に15ページでございますが、「豊川用水二期事業の概要」についてでございます。これにつきましては、豊川用水の施設ができましてから30年を経過いたしまして、施設が非常に劣化、また老朽化してきております。水路のコンクリート被覆のクラックが大変ふえてきておりまして、また、水を導水するための管が破損いたしまして、開水路が倒壊、結果的に断水を余儀なくされるということですとか、そういう事故も起きてきているところでございます。現在、供給しております水の安定的な供給のために、この施設の抜本的な改築をしたいということでございます。
 事業といたしましては、平成11年度、来年度から平成20年度までの計画でございます。対象の水路といたしましては、中ほどより上に書いてございますが、大野系の幹線水路が約58km、牟呂松原系が13km、支線の水路が51km、こういうものを対象として考えてございます。事業主体といたしましては、水資源開発公団でございます。
 17ページに参りまして、事業費を全体といたしまして約1,400億円から約3,000億円という表現に改めたいということでございますが、その内訳でございます。新規に追加掲上いたします豊川用水二期につきまして1,115億円ということでございまして、ここの部分が新たに追加されるということでございますし、そのほか若干既存の施設での変更があるということで、約3,000億円という形で表記をしたいということでございます。
 18ページ、19ページは、現行の豊川水系の水資源開発基本計画の概要でございます。水道用水としまして、ここに書いてございますように毎秒2.3tの需要量を見込み、また工業用水は特には見込まない。農業用水につきまして毎秒3.1tの新規事業の増を見込むという形でございます。
 また、供給計画としましては19ページでございますが、全体としまして5.4ということでございますが、その中で、水源としまして計画が個別に具体化されておりますのは設楽と豊川総合用水の毎秒4.1tという形でございます。
 20ページは「水源地域対策」ということで、万場調整池につきまして、これが指定ダムの対象になっているということで書いてございます。また、豊川水源基金でもさまざまな活動をしているわけですが、その御紹介ということでございます。
 以上でございますが、今回の一部変更案につきましての御説明とさせていただきます。○部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいま事務局から説明がありました点につきまして、御質問、御意見をどうぞよろしくお願いいたします。
○委員 中身自体は今の御説明でお聞きするとおり、総合用水の方の事業主体の変更は、これから当然なことですけれども、管理の一元化ということからすると必要な手続でありますし、それから、豊川用水の二期事業の追加については、これは30年もたって危なくなっているものを早く直そうということですから、これは早くやっていただかなければいけないという話で、そういう意味では予算も上がったことでありますし、できるだけ早く手続を進めていただいて間に合うようにしていただくという意味では、全く中身に異存はないのですけれども、若干御質問をしておきたいと思います。
 一つは、二期工事の方の水路の改築について、どういう形の工法が予定されているのかということであります。特に先ほどの御説明の中で、この水系におきます河川改修のときに、水環境の整備関連事業ということで、かなりいろいろな工夫がされているようでありますけれども、今度の場合、コンクリートの開水路でありますけれども、一体どういう形になるのか。特に地元のそういうことについての御関心はあるのだろうかということをお伺いしておきたいということが第1点です。
 第2点は、今度の計画と直接関係しませんけれども、設楽ダムの問題であります。全体に水不足の水系の中で、53年からずっと調査が行われてきているわけですけれども、貴重な水源として、現状はどうなっているのか、今後の見通しはどうか、そのあたりのところを教えていただければ非常にありがたいと思います。
○事務局 まず、最初の御質問でございます今回の豊川二期の事業につきまして、どのような工事といいますか、水路の改築を考えているのか、また、水環境等の面について、どのような考えがあるのかという御趣旨かと思います。まず、水路の改築の関係でございますが、こちらを見ていただきますと、水路そのものはトンネル部分と開水路がございますが、開水路の部分が延長としては長いという形でございます。現況の開水路はいわゆるコンクリート三面張りという形でございまして、これは建設当初では厚さ10cmの無筋コンクリートでこの部分を施工したということでございますが、この部分が30年を経まして大変老朽化いたしまして、クラックが入りここからの漏水等が起こっている状況でございます。今回の改築につきましては、豊川用水はこの地域の水資源としまして大変重要でございまして、この水をとめるわけにはいかないということで、この横に仮回しのためのパイプを布設いたしまして、こちらに水を切りかえて、この部分をドライにいたしまして、このコンクリートを打ちかえる。コンクリートはより強度といいますか、しっかりした鉄筋コンクリート等を使うというふうにお聞きしております。こういった仮回し水路を使い、こちらを改築いたしまして、また水を通すという形でございます。なお、この仮回し水路につきましては、取ってしまうのも経済的な面でかえって割高だということで、これは残しておくというふうに聞いてございます。改築の形としてはこのようなことでございます。
 水環境との関係ということでの御質問でございますが、これにつきましては、豊川用水事業は既に事業の完了から30年ほどたっており、この水路につきましては、水面を含めまして地域の環境あるいは景観の一部となっている状況でございます。したがって、水路の維持管理面あるいは実際にここに流れております水の水質確保、保全といったことを念頭に置きまして、現況の景観、形状は基本的には変えないということに配慮しながら、地元の要望も把握しながら関係機関とも調整して進めていきたいというふうに聞いてございます。また、近年環境につきまして非常に関心が高まってきているということで、こういった水資源の施設、水資源開発、あるいは利水のための施設につきましては、従来から頭首工での魚道の設置ですとか、あるいは用水路におきましても、せせらぎ水路、植栽等、親水、景観、生態系の保全に配慮した事業を実施してきているところでございます。
 2点目の設楽ダムについて現状がどうかということでございますが、設楽ダムにつきましては、昭和53年に実施計画調査に着手をしております。当時から設楽町を初め地域の中での反対運動がございまして、なかなか御理解が得られないという状況が続いていたわけでございますが、その後、現地への立ち入りもできるようになり、一番最近の事情でいきますと、平成10年10月、設楽町か現在のダム計画について現地調査の受け入れを表明したという段階でございます。これからいよいよ本格的な現地調査が始まるというふうに聞いてございます。豊川流域におきましては、先ほど御説明しましたように毎年ように渇水が発生しているということで、この抜本的な対策といたしましては、設楽ダムが非常に重要だというふうに思っております。
 一方、この事業につきましては建設省の事業ということで進められておりますけれども、河川法の改正が平成9年にございました。従来の工事実施基本計画にかえまして河川整備基本方針と整備計画ということで、これを策定する手続が入りました。また一方、環境影響評価の関係の法律も出てきているということで、ダムとしての基本計画を策定する前に、こういった整備計画等の手続を進めまして、地域の住民の意見も反映させていくということでございました。現在そういった手続を計画的に進めていくというふうに聞いてございます。
 一方、これは最近といいますか、これは建設省内部としてのチェックということでございますけれども、建設省所管事業につきまして公共事業の再評価の実施要領ということが定められておりまして、設楽ダムにつきましては昨年の10月に中部地方建設局の中での事業評価監視委員会で再評価が行われておりまして、事業継続は妥当という判断がされている状況でございます。
○委員 前者環境のお話ですが、河川とか農業用水路でも地域によっては水辺整備なんかをやりますよね。ところが水資源公団の中ではなかなかそういうお金がないということで、前回の木曾川水系のときにも現地を見せていただいて話を聞いたら、そういう予算は全くないということでしたが、ちょっとバランスが悪くて、やはり何とか地域の協力を得るなり何なり、河川法では、例えば地元市町村が環境的なことをやれるということになっていますが、公団管轄の水路ではそういう仕掛はないのですか。地元が、ぜひこの水路、水辺をよくしたいということで植栽するとか、そういうことを言ったときに、それを受け入れる体制はあるのですか。
○事務局 予算面も当然重要なことですけれども、特に渥美半島というもともと非常に水がないところに貴重な水を持っていくので、導水するに当たって配ることを考えていますので、ある程度高いところを通します。極端に言ったら、もっと自然にやさしいといったらコンクリートの三面張りをやめてしまって、というと当然のことながら相当な漏水が考えられますので、ある程度こういうところで、雨や一滴の水もという感じのところですから、ある程度コンクリートで固めて水を持っていかざるを得ないということです。その中で、少しでも環境にも配慮するような工夫は、ぜひ我々も公団にお願いしていきたい。
○委員 余りにもほかで言っているのとバランスが悪くて、公団の水路というのはもちろん効率よく水を運ぶということはあるのだけれども、処理によっては、周囲の環境に配慮はできると思うのですが、そういうことがちょっと欠けているというふうに常々思っていましたので、今の御質問に関連して申し上げました。
○委員 そういう意味では地元とよく相談しながら事業を進めるということですから、それはぜひそういうことでやっていただきたいと思いますが、そのときに、何らかの環境に対する配慮をすると当然のことながら経費がかかるとか、いろいろな形になっていきますから、その場合の受益者との間の関係での負担の調整も含めて地元とよく相談しながらやっていただければありがたいと思いますが、これは希望でございます。よろしくお願いいたします。
○部会長 ほかにございますか。
○専門委員 先ほどのお答えの最後の方で、事業の再評価の話をされていたと思いますが、公共事業なので、おっしゃるとおりある種の説明責任を果たさなければいけないということですが、その再評価をされたときには、この豊川用水の二期も含めた再評価なのか。それとも、これはその対象ではなくて、また別の仕組みで評価するようになっているのか、そのあたりはどういうふうに建設省ではお考えになっているのでしょうか。
○事務局 先ほど御説明しましたのは、設楽ダムについてということでございまして、これは事業者が建設省でございますので、建設省として設楽ダムについて事業の再評価をしたということでございまして、豊川二期につきましては、基本的に主務省は農林水産省の方でございますので、そちらの方でのいろいろなチェックといいますか、そういうことがなされていると思っております。
○専門委員 それは農水の方で、例えば費用便益の分析などを、全く新規でなく、こういう補修のときにもやるのですか。そのあたりはどうでしょうか。
○事務局 これは基本的に今発生している便益を安定的に続けられるようにということでございますので、新規の事業のものとは若干違うのかなという気がいたします。関係者が基本的には現在享受している便益をベースにこの事業に合意しているということでございまして、そういう意味では関係者間の合意ということは既に行われていると理解しております。
○専門委員 既にそういう意味での評価は農水の方では終わっているのですか。それは、ここでOKと言って、向こうでまずい結果が出るといけないと思ったものですから。
○事務局 そういう意味では、これは新たに事業を起こす場合、当然事業主体としてのさまざまなチェックなりがなされているということでございます。
○専門委員 もう一つ、先ほどある委員がおっしゃった景観の話ですが、御説明の中でどの部分だったかちょっと忘れたのですが、周辺の景観ともマッチしてなかなかいい景観を形成しているとおっしゃったのは、それは今回の豊川用水二期の部分でしたか、どこの部分の御説明でおっしゃったのか忘れてしまったのですが。
○事務局 二期の部分でございます。
○専門委員 それは、それこそコンクリートだけれども悪くないということでしょうか。
○事務局 基本的には、水面があるということが地域としては非常に大きな意味があるのだろうと思います。
○委員 基礎的な知識のことで恐縮ですが、一つはダムとか河川とかこういう関係の施設についての公共工事ということになるのかもしれませんけれども、今の修繕の話です。新築、改築という付加価値をつけるのは別途後で考えてやればいいのですけれども、修繕、維持の方の考え方というのは、一般的にどうなっているのかということが一つと、それから今、30年たって改築というか、修繕が必要になってきたということですが、日本全体の主要な河川でもいいのですけれども、河川関係の施設についてその辺はどんなふうになっているのか、そういう中で、ここは30年たったからそろそろこういうことが必要な時期になったのでこうやっているのだと。全般にわたる基礎的な背景的知識で恐縮ですが教えていただければと思います。
○事務局 まず最初に、修繕とこういった大規模な改築はどういう仕分けかという御質問かと思いますが、基本的に日常の中でいろいろ発生します補修ですとか修繕につきましては、別途こういった補修なり維持のための予算が毎年計上されているというのが通常の姿であります。ただ、やはりその範囲の中ではなかなか対応ができない場合に新たに事業を起こしまして、今回も豊川二期につきましては事業費としましても相当なものでございますので、これはやはり新たな事業を起こして、関係者の合意を得ながら進めていくという形になろうかと思います。ですから、今回は非常に老朽化の程度が著しく事業の規模としても相当のものであるということで、新たな事業ということで起こしたという理解をしております。
 また、全国的にどうかということでございますが、これについては今具体的な数字は持ち合わせておりませんけれども、やはり河川等の施設につきましても、昭和30年代につくりました施設の改築事業もかなりふえてきております。ただ、シェアとしてどの程度かということは、現在数字は持っておりませんけれども、計画的に改築あるいは大規模な補修をしていくということで、それぞれの管理主体のところで検討がなされていると思っております。
○委員 30年とか20年とか、その年限で大体みんなやっているような感じになっているわけですか。
○事務局 コンクリートの構造物の場合、鉄筋入りですと耐用年数が30年とか40年というオーダーでございますので、日ごろの維持・管理をしながら状況を見まして、大規模な改修が必要だというふうに判断された場合には対応をするということになろうかと思います。
○委員 そうすると全体としては、日本については維持・管理が今後いつかある段階で非常にふえていくのでしょうか。今は時期的に歴史的にはどういうことなのか。もう一つは、維持・管理というのは、一応きちんとずっと行われているから特別に大きな問題はないということですが、よく道路なんかも古くなってしまったら、アメリカなんかで維持・管理がえらく大きな問題になるとか、歴史的なことがありますよね。そういう意味で、その辺は基本的にはきちっと行われているから問題がない中で、今回はこれが出てきたという理解でいいのかなと思ったのですが。
○事務局 特に昭和30年代以降から社会資本のストックが非常にふえてきておりますので、それに対しての更新という問題が近い将来に出てくるかと思っております。その段階ではかなり更新のための投資ということが大きな課題になってこようかと思いますが、現段階ではそれぞれ毎年、補修等の予算を計上しまして、その中でやりながら、なおかつどうしても大規模な改修が必要なものについては別途事業としての手当てをしていっているという形かと思います。
○事務局 若干それぞれの施設では、つくった時期もあるでしょうし、時間とかそういうものの影響で、例えばどこも20年、30年というサイクルで大規模に改築しなければいけないというものでは、多分一般論としてはないのではないかというふうに思いますけれども、もうちょっと長いオーダーだと思います。ただ、これは個別、個別にどうしても実際の実地での耐用に差が出てきているのではないかという気がします。だから、ぐんと一遍にふえることはないと思いますが、いずれにしろこれからの維持・修繕、または維持・修繕を通り越した維持・修繕以上の改築という概念でいかなければいけないものがこれからふえていくであろうということは間違いないと思います。
○部会長 ありがとうございました。
○専門委員 ちょっとそれるかもしれませんけれども、今回の説明で一部変更ということで、一つは承継が必要だということ、もう1点が二期事業の改築を全面的にやるということの必要性につきましては、ただいまの御説明で十分理解できたわけでございます。もう1点は、今回フルプランの水需給の改定計画は入っていないわけですね。いわゆる全部変更には手がつけられていない。これを見ますと、一応平成12年が目標年次になっていて、まだ水源が決まっていない計画もあるやに伺っているわけですが、その辺の全部変更の見通しはどんなふうにお考えになっているのか、御説明いただきたいと思います。
○事務局 今回は一部変更ということで御審議をお願いしておりますが、御指摘のとおり全部変更という課題が私どもとしましても、これはあるというふうに思っております。もともと目標年次が平成12年度ということでございますが、これが近づいてきております。また、社会経済の状況もかなり変わってきているということで、そういうものをきちんと反映いたしまして、もう一度水需給の計画というものを見直す作業をこれからやっていかなければいけないと思っております。
 そのときに、私ども大事なポイントだと思っておりますのは、先ほど御説明の中で渇水が毎年のように頻発してるということを申し上げたのですが、非常に不安定な供給体制ということでございまして、これにつきましては、水源施設の実力がどうかという問題もありますし、また、最近の雨の降り方が大分変わってきているのではないかということで、より厳しい方向、雨が降らないときは極端に降らない、また降るときはドカッと降りまして水害をもたらすという形でございますけれども、統計的に見てみますと、昭和30年代の雨の降り方と最近の雨の降り方はやはり違ってきているということは統計上も出てきておりますので、そのあたりもよく見た上で全体の事業といいますか、水の需要と供給の関係をもう一度評価していきたいと思っております。
○事務局 補足しますと、今申しましたように目標年が平成12年になっておりまして、そういうことから、要は各省の勉強会というものをスタートさせておりますし、前回の水資源開発審議会で調査企画部会という、全部変更に向かってどういう考え方でどうするかということを御議論いただく部会の設置もお決めいただいておりまして、特に平成11年度から全部変更に向けての御議論もいただくし、また作業も進めていきたいと思っております。ただ、個々の事業は既に個々の事業でそのまま動いておりますので、個々の事業がさらには制度的にどうしても一部変更をしないと事業を動かせないということもあるので、その部分についてはこういった一部変更という格好でお願いしているということです。
○専門委員 そういった意味で事業の緊急性といいますか、必要性といいますか、それは十分わかるわけでございますが、常によく世間で問題になるのは、社会経済情勢が変わってきた、また、今事務局がおっしゃったように最近の気象状況が従来のパターンと違ってきているというような事象も踏まえて、いろいろな角度から多角的に検討して、水需給計画をチェックする、常にそういう考え方を入れていくことが必要になってきています。特に昨今、マスコミでそういった指摘がいろいろなされておりますので、少しそれにこたえていただくような御努力もしていただければありがたいという感じでございますので、ちょっと申し上げました。
○部会長 ほかにはいかがでしょうか。
○専門委員 今のお話に関連してということになるかもしれませんが、私は実は今、豊川の水源基金の仕事をさせていただいておりますが、地元の感じもあわせ御披露させていただきたいと思います。先ほど来から事務局のお話にあるとおり、非常に毎年渇水が多くて、ことしは大丈夫かということが今ごろいつも話題に出るわけです。この表にも書かれてあるとおり、毎年そのようなことで大なり小なり、去年は何とかしのげたということでございますが、それでも黄色信号になったということで、水源開発については非常に関心が強い地域でございます。そこで、今回こういうことで軌道に乗せていただいて事業が円滑に進むことについては非常に喜んでいるのが地元の感情だと思っておりますが、そうは言いましても、やはりこれからの課題もたくさんありますし、ひとつお力添えをいただいて円滑に進めていただきたい。特に最近、社会経済情勢は非常に厳しい状況でございまして、水源開発についてのいろいろな誤解もないわけではないということでございますが、こういう地域があるのだということを一般の方によく知っていただきたいということが地元にいる方の気持ちではないかと思っております。そんなことで、きょうの審議会でいろいろとさせていただくと同時に、また抜本的な水源対策で安心して住める地域づくりに水開発がなっていただきたいという願望がございますので、何分ひとつよろしくお願いしたいと思います。以上でございます。
○部会長 ほかにいかがでしょうか。
○専門委員 今回の豊川用水の第二期事業ですが、資料9の図面を見させていただきますと、水路は多分全部同じ時期につくられたものだと思いますが、この二期事業というのは赤で塗ってある部分に限定していますが、この第二期事業というのは全体に網をかぶせてその中で特にひどいのはこの赤の部分ということなのか、あるいは第二期事業というのはこの赤の部分だけに限定したフルプランで、もしこれ以上の区間ができた場合には豊川用水第三期事業というものがフルプランを改正して出てくるとか、こういうことになるのか。その辺が一つです。
 もう一つは要望ですが、改築事業の場合に費用負担は建設の場合と違って効用を発生させているユーザーがかなりありますので、従来の建設のときのように公団が借り入れて完成してから一括で払うという方式よりも前に費用化して料金化していきたいというユーザーも中にはいると思いますので、そういうユーザーに対しては支払い方法について一律ではなく、バラエティーに富んだ償還方式を考えていただけないか。二つ目の方は要望でございますから、別にこのフルプランと直接関係がございませんので要望だけ申し述べさせていただきますが、第1点の方はひとつお聞きしたいと思います。
○事務局 第1点の方でございますが、16ページの図で赤く塗ってあるところが豊川用水二期の事業でございます。ここにつきましては、豊川用水施設全体を当然チェックいたしまして、その中で特に対応が必要なところということで、今回の対象区間として選定されたというふうに考えております。
 第2点につきましては、これは御要望ということで関係のところにもお伝えしたいと思います。
○部会長 ほかにはいかがでしょうか。
○専門委員 先ほど設楽ダムの現況について伺って、まだほとんど対応が決まっていないという段階ですが、将来いずれできたときには、その水が下流で使われると思うので、場合によっては今回二期の改築でやる水路を使う可能性もあるかと思いますが、そういった場合に手戻りとか、その辺が生じないのかどうか、もしわかっていればお願いいたします。
○事務局 設楽ダムが完成した段階で二期の事業で手戻りがないのかどうかという御質問でございますが、現時点では設楽ダムの基本計画がまだ未確定でございまして、具体的なことまで申し上げる段階ではございませんが、設楽ダムは豊川水系の重要な水源ということで、この水資源開発基本計画に掲上されているところでございます。そういうことで、この二期の事業につきましても、水路工事に手戻りが生じないように主務省間で調整の努力が行われるというふうに聞いております。
○部会長 ほかにいかがでしょうか。
○専門委員 最近、かなり昔につくられた土木構造物が土木史的に貴重だということになっていますが、今回の事業では、土木史的に価値のあるようなものとは一切関係してこないかどうかということを確認だけしたいと思います。
○事務局 現時点ではそういうお話は聞いておりません。30年あるいは40年ほど前の施設ということになりますが。
○専門委員 そこはいいと思いますが、どこかの取りつけ部あたりで百何十年かぐらい前にあった取水堰とか、そういうものに関係しているかどうかということでちょっと気になったのですが、30年前のところだけだと全く大丈夫だというふうには理解しております。
○部会長 いかがでしょうか、何でも結構です。
○専門委員 直接は事業と関係ないといえばないのですが、長い目で見ますと、先ほど周辺環境の問題が話題に出ましたけれども、水質自体が水資源開発のときに当然問題になりますが、こういう事業で水質を考慮して何か特に事業に含めているとか、そういうような点で特に強調するようなものはないのでしょうか。単に水を確保するということに加えて、新しい段階として水質をよりよくするということをアピールするような事業が含まれているかどうかということです。
○事務局 今回の新しい二期事業の中では、この事業で水質をよくするという観点のものは特に聞いておりませんが、工事中の水質の問題に対しては当然いろいろな配慮がなされるというふうに思っております。この事業に限らず一般論として申しますと、ダムの中での貯水池の水質の改善というものにつきましては、これはダムの事業の中、あるいはダムのいろいろな更新の事業の中でそういう要素も追加するということは行っている実績はございます。
○委員 おっしゃる意味は、当然最近はだんだん量から質の方へ移行しているという議論があって、水資源管理で、恐らくそちらの側面がどんどんウエートが高くなるだろうと。やはり水資源公団事業としても、そういうことに配慮した、あるいはそういうことを取り入れた方向が恐らく必要になる。あるいは取り入れなくても連携するとか、いろいろな方法があるでしょうけれども、そういうものを視野に入れた活動が必要になるだろうと思いますが、まだそれほど積極的にはそういう方向に行っていないだろうということだと思います。
○事務局 今後そういう必要性が出てくる可能性はあるし、考えていかなければいけないだろうと思うし、また、その反面、できればそういうことをしなくて済むように、もともとの水質をよくするということも重要かと思いますが、いずれにしろ特にダム等では富栄養化という問題が既にいろいろなところで起きて、その対応として、いわゆる水資源開発という観点のダム事業主体そのものがみずから水質保全対策に取り組んでいるというのはやっているということですが、水路のところでは、必要性がそこまで行っていないということがあるかと思いますが、まだやっておりませんけれども、大きなこれからの課題であると考えております。
○部会長 いかがでしょうか、ほかにございますか。
 ございませんようでしたら本日のとりまとめに入りたいと思いますが、本当に本日は貴重な御意見をどうもありがとうございました。
 本日の議案であります「豊川水系における水資源開発基本計画の一部変更について」、この件について当部会として了承することについて異議ございませんでしょうか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○部会長 ありがとうございました。
 それでは、御異議がないようですので、そのようにさせていただきます。
 なお25日に開催される水資源開発審議会の場で、この部会の報告をすることになりますが、当日私は海外出張のために出席できませんので、本日御出席の委員のどなたかに御報告をお願いしたいと思っております。恐縮ですが、私の方からその役割を安楽委員にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
            (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○部会長 それでは、安楽委員、よろしくお願いいたします。
 その際、本日皆さんからいただきました貴重な御意見を報告したいと思いますが、その内容については安楽委員と私に御一任いただきたいと存じますが、これも御了承いただけますでしょうか。
            (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○部会長 ありがとうございました。
 それでは、そのように取り計らわせていただきます。
 
 2)その他
 
○部会長 最後に国土庁の方から何かございましたらよろしくお願いいたします。
○事務局 特にございませんけれども、本日は本当にありがとうございました。今後ともよろしく御指導をお願いしたいと思います。
 
 5.閉  会
 
○事務局 これをもちまして、水資源開発審議会豊川部会を閉会させていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。