臨時大深度地下利用調査会
技術・安全・環境部会(第1回)議事概要
日時:平成8年1月30日(火)
場所:通商産業省別館833会議室
開会
委員紹介
事務局より、会長に指名された岸谷孝一部会長、および部会に所属する委員、専門委員の紹介があった。
部会長挨拶
部会長より、部会長就任の挨拶があった。
国土事務次官挨拶
三井国土事務次官より、事務局を代表して挨拶があった。
臨時大深度地下地下利用調査会について
事務局より、臨時大深度地下地下利用調査会の概要、臨時大深度地下利用調査会への諮問文、臨時大深度地下利用調査会設置法について説明があった。
議事規則等の決定
事務局より、部会の議事規則の説明がなされた。また、議事内容の公開方法が決定された。
大深度地下地下利用構想について
事務局より、大深度地下地下利用の構想とそのために解決が必要な課題について説明があった。
これについて、委員より下記のような意見があった。
東京の代表的な基礎地盤と考えられている東京礫層だが、部分的にはこれのないところもあり、また、大地部のように東京礫層の浅い場合などはそれよりも深い部分まで基礎として利用されている例がある。
環境問題については、地下水や土壌への影響を介して生じる微生物等への影響も考慮した方がよい。
技術・安全・環境部会の審議について
事務局より、調査会から申し送られた技術・安全・環境部会での専門的な審議の必要性と、審議する事項について説明があった。
部会の今後の審議スケジュールの概要について説明があった。
意見交換
火災を対象とした安全については、大深度地下と浅深度地下との差は少なく、避難経路等が長くなるための影響が残りうる。
火災発生の際に大深度地下で問題となるのは、煙の動線と避難方向が一致しやすい点であり、また煙に逆らって救出に向かわなければならないと言う点であるため、一時的な避難区画などを設ける必要があると思う。
安全性の確保が経済性に左右されてはならない。
よりよい都市環境をつくるためにどの様な空間利用が望ましいかを検討し、大深度地下にいれるものを考えるべきと思う。
大深度地下を使う場合の経済性については、個々の採算性よりも広い視点で考えれば、例えば景観保全などを便益と考えれば、いまの行われている採算性の評価と異なった結果となることが考えられる。
大深度地下地下の避難は、海底トンネルなどで用いられているような水平方向への避難を可能にすれば、身障者、高齢者でも対応できると思う。
犯罪については、大深度地下特有の課題というものはないが、鉄道や道路などが想定されているため、これら施設をねらった犯罪への対応は必要と思われる。
大深度地下の恒温性、防音性などを生かし、高湿度対策などの設備面での対策が可能ならば、魅力的な空間とも考えられる。
鉄道については、大深度化による地上アクセスに時間とコストがかかる点を考慮すれば、従来の地下鉄とは異なった役割の施設となるとも考えられる。
電気事業については、すでに地下発電所や都市部での地下変電所などの実績があり、制度が整えば、対応は可能と考えられる。
水道管については、阪神・淡路大震災の経験を踏まえて、大口径化、大深度化を想定した検討を進めている。
大深度地下でのパニック等の心理学的な研究はこれからと言う段階である。心理学的には、深いと感じるだけで行動が異なってくるということもあり、大深度地下という言葉は、なにかマグマの近くにいるような印象を一般の人に与えるので再考してはどうかと思う。
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問合せ先 国土庁大都市圏整備局計画課大深度地下利用企画室
(室長)真鍋 (課長補佐)大槻
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