臨時大深度地下利用調査会技術・安全・環境部会(第7回)
議事概要
日時:平成9年2月6日(木) 10:00〜
場所:通産省別館825会議室 |
1.開会
開会冒頭に、会長指名により菅原進一委員が技術・安全・環境部会に出席する委員に指名された旨の説明が、部会長より行われた。
2.技術分野の追加検討結果
WG(ワーキンググループ)での大深度地下の定義についての検討結果が報告された。
- 地下室として利用がなされうる深さは、現行で最深のものを想定のうえ、地下室の建設に必要な深さ方向の離間距離を一定程度空けるべき。
- 地盤の支持力は、
ア)殆どの建物の建築が可能であると考えられる建物規模に相当する荷重
イ)現行の最大限の土地利用と考えられる建物規模に相当する荷重
等の複数の条件を想定して検討すべき。
- 複雑な地盤構造にも適応できる定義とすべき。
- 建築物の基礎の建設に必要な深さ方向の離間距離を一定程度空けるべき
WGでの検討結果を受け、政令指定都市については、超高層ビルを支持できる支持層が存在する等の調査結果が報告された。
地表とのアクセスの確保を含めた大深度地下の耐震性については
- 大深度地下では、地表、浅深度地下と比較して地震動による被害は小さいと推定されること
- 地表等とのアクセス部分は、変形に追従する構造の採用等で対処可能と考えられること
が報告された。
施工時の安全性の確保
- 基本的には、従来の地下建設作業等における対策の励行が重要であると考えられることが報告された。
3.安全分野の追加検討結果
確保すべき安全レベルの考え方についてのWGでの検討結果が報告された。
1)基本スタンス
- ○人命安全確保を考慮した結果、最も重要な施設として、不特定多数が利用する拠点的な施設(点的一般有人施設)における火災時の安全性について新たな検討が必要と判断される。
2)検討結果
- 基本的には、出火防止〜避難路確保等の各段階で高層ビルと同様な安全対策を実施することにより、社会的に高い安全性を求められている高層ビルと同様に安全性の確保は可能と考えられる。但し、下記の点に留意する必要があるものと考えられる。
<相違点と安全対策>
- 地表面への移動が上方となり困難性が増すため、適切な防火防煙区画化を行い、水平移動等により十分な避難時間が補償される一時避難が可能となる構造を採用すべき。
- 消防活動は火煙に逆らった方向への進入となり困難性が増すため、防火防煙区画化された進入路の確保を採用すべき。
- *)高層ビルで可能な、熱や圧力が外気への解放(外気同等性)、外部からの視認による情報確保等の留意点については、今後、一層の安全性向上を目指した議論が求められる。
4.環境分野の追加検討結果
WGでの指摘事項に基づき、広範な環境影響項目の中から、環境影響が大きいかどうか、大深度地下特有の現象かどうかに留意して環境影響の項目を分類を試みた。
地中微生物の専門家等に対するヒアリングの結果が報告された。
5.その他
これまでの技術・安全・環境部会での審議内容について、部会長より、2月13日に実施予定の第五回臨時大深度地下利用調査会において報告する旨了承された。
6.閉会
<意見>
- 現行の1000%程度の容積率の規制が将来にどのようになるかによって、想定する通常の土地利用は変わるのではないか。
- 地下室および建築物基礎の建設をする空間とそのために必要な離間距離については、法制部会での検討をふまえて、更に検討することが必要ではないか。
- 安全分野の考え方については、おおむね賛成できるが、線的施設と点的施設の複合施設については、更に留意点が増えるのではないか。
- 環境分野で整理した結果、技術分野、安全分野にフィードバックする項目がでてくるのでフォローしてほしい。
問合せ先:国土庁大都市圏整備局計画課大深度地下利用企画室
(室長)真鍋、(課長補佐)大槻
(電話)03-5510-8046 (FAX)03-3501-6534