臨時大深度地下利用調査会技術・安全・環境部会報告案について
技術・安全・環境部会報告案について、概ね了承された。
概要は、次のとおり。
(1)大深度地下の定義
大深度地下を「土地所有者等による通常の利用が行われない地下」、すなわち、「@地下室の建設のための利用が通常行われない地下」、「A建築物の基礎の設置のための利用が通常行われない地下」のいずれか深い方から下の空間と考え、具体的に定義した。
(2)技術・安全・環境面の課題
@技術分野
- 現在の調査技術は大深度地下の調査にも対応可能である。
- 現行の施工方法を適切に用いることで、深さ100m程度までの空間に施設を建設することが可能である。
- 建設コストはルート短縮等を考えると微減から4割増程度、これに加え、補償費の軽減、期間の短縮化により経済性を見込める場合がある。
A安全分野
- 安全の確保
火災対策が特に重要。
これまでの長大トンネル、超高層ビルの安全対策で対応可能と考えられる。
地震に対して既存技術により対応可能。
- 快適で安心できる内部環境の維持
日常の救急・救助活動、犯罪防止、漠然とした不安感の払拭、快適性の維持、弱者対策は重要
B環境分野
- 環境への影響が著しいものとなることを回避することが重要。
- 環境影響評価制度を積極的に活用し、地域の理解を得つつ円滑な事業の推進を期待。
- 詳細な調査、分析を行い、各段階で対策を実施し継続的にモニタリングする事が重要
- 地下水(取水障害、地盤沈下、流動阻害、水質汚染)、地盤変位、化学反応、掘削土の処理に適切に対応することが重要。
(3)大深度地下の適正かつ計画的な利用のあり方
計画的に利用すること、長期的な視点に立つこと、構想等の早い段階から調整すること、社会資本整備全体との連携・調整すること、情報を収集・整備することが重要。