第26回国土審議会地方産業開発特別委員会 議事録
 
日時:平成11年9月27日(月) 14:00〜16:00
場所:通商産業省別館 905会議室
 
 
1.開  会
○田巻地方産業振興室長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第26回国土審議会地方産業開発特別委員会を開催いたします。皆様方におかれましては、御多忙のところ御出席いただきましてまことにありがとうございます。
 
2.大臣挨拶
○田巻地方産業振興室長 
 議事に入ります前に、関谷国土庁長官から御挨拶を申し上げます。
○関谷国土庁長官 
 国土審議会地方産業開発特別委員会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
 委員の皆様方におかれましては、日ごろから国土政策の推進に御協力をいただき、また本日は御多忙中にもかかわらず御出席をいただきまして誠にありがとうございます。
 近年経済のグローバル化が進み、国際競争が激化する中で、我が国を取り巻く社会経済環境は大きく変化しつつあるところでございますが、こうした状況のもとで地方における産業振興についても長期的かつ国際的な観点から施策のあり方を再検討することが必要になっております。
 さて、長い間国土の均衡ある発展と国民経済の発展に大きな成果を上げてまいりました新産業都市及び工業整備特別地域の制度につきましては、現行の第6次基本計画が平成12年度末をもって期限を迎えようとしておりますが、本制度をめぐっては制度創設以来既に30年強を経過しており、さまざまな御指摘をちょうだいしているところでございます。国土庁といたしましても、平成7年12月に貴審議会からいただいた御意見に従いまして新産・工特制度を初めとする今後の地方産業振興策のあり方について検討すべく、地方産業振興に関する研究会を設置し検討を行ってきましたが、その報告書が本年3月に取りまとめられ、新産・工特制度の今後のあり方について基本的な方向性が提示されたところでございます。また同じく、本年3月に閣議決定されました第2次地方分権推進計画におきまして、新産・工特制度については現行計画終了後のあり方について、平成12年末を目途に廃止を含めた抜本的見直しを行うこととされております。
 このような状況を踏まえまして、本日内閣総理大臣から貴審議会に対し、新産業都市の建設及び工業整備特別地域の整備の今後のあり方について諮問がなされたわけでございます。委員の皆様方におかれましては、新産・工特制度の今後のあり方につき活発な御審議を賜りますようお願いを申し上げます。
 最後に、今後とも委員の皆様方の御指導、御協力を賜りますよう心よりお願い申し上げまして、簡単ではございますが私の御挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○田巻地方産業振興室長
 長官、ありがとうございました。なお長官は所用のためここで退席させていただきます。なお、もし報道関係者の方が入っていらっしゃいましたら、大変恐縮ですがここで御退席を願います。
 続きまして、今回本委員会を開催するに当たり一部委員の異動がございましたので、紹介させていただきます。
 まず初めに今泉委員、川上委員、岸田委員、島崎委員、立田委員、田淵委員、箕輪委員、吉田委員、飯島委員、大久保委員、以上の10名の委員が御退任されました。また、本委員会の委員を14年余りにわたりましてお務めいただきました鈴木委員におかれましては、先日お亡くなりになりました。謹んで御冥福をお祈り申し上げます。
 したがいまして、今回新たに11名の委員に御就任いただいております。それでは資料1の委員名簿に従いまして、改めて全員を御紹介申し上げます。
 左手でございますが安楽委員、このたび新たに御就任いただきました。
 まだお見えになっておりませんけれども、大西委員でございます。大西委員は、専門委員から特別委員に異動されました。
 お隣が岡山委員でございます。今回新たに御就任いただきました。
 お隣が角地委員でいらっしゃいます。今回新たに御就任いただきました。
 本日御欠席でございますが、木元委員でございます。
 お隣が、ちょっとまだお見えになっていませんが黒川委員でいらっしゃいます。
 そのお隣が黒木委員でいらっしゃいます。このたび新たに御就任いただきました。
 成田委員でいらっしゃいます。
 西川委員でいらっしゃいます。
 萩原委員でいらっしゃいます。
 橋本委員でいらっしゃいます。今回新たに御就任いただきました。
 花輪委員でいらっしゃいます。今回新たに御就任いただきました。
 本日御欠席でございますが、藤田委員に今回新たに御就任いただいております。
 吉國委員でいらっしゃいます。
 吉原委員でいらっしゃいます。今回新たに御就任いただきました。
 続きまして、専門委員を御紹介させていただきます。
 小幡委員でいらっしゃいます。今回新たに御就任いただきました。
 筧委員でいらっしゃいます。今回新たに御就任いただきました。
 ちょっとまだお見えになっていらっしゃいませんけれども、紀陸委員でございます。今回新たに御就任いただいております。
 最後になりましたが、森野委員でいらっしゃいます。
 以上19名の方々でございます。
 次に、事務局についても異動がございましたので、あわせて御紹介させていただきます。 事務次官の久保田でございます。
 官房長の木下でございます。
 地方振興局長の芳山でございます。
 長官官房審議官地方振興局担当の上野でございます。
 地方振興局総務課長、益本でございます。
 地方都市整備課長、鈴木でございます。
 最後になりましたけれども、私長官官房参事官で地方振興局地方産業振興室長を兼務しております田巻と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 ところで、本委員会は平成元年12月に開催されました第15回委員会から成田委員に委員長をお願いしてきたところでございます。先般成田委員におかれましては国土審議会委員を御退任されましたが、このたび改めて特別委員に任命され御就任いただいております。このため現在本委員会の委員長は空席になっておりますので、改めて本委員会の委員長を御選任いただく必要がございます。国土審議会令第二条第1項の規定によりますと、特別委員会の委員長は特別委員会委員のうちから互選することとされております。どなたか御提案がございますでしょうか。  委員、お願いします。
○  委員
 委員の  です。きょうは何かほとんどメンバーがお変わりになったというので、わずかに残っている私が何か一言発しなければいけないというような天の声もありましたので、あえて御推薦させていただきます。先ほど大臣の御挨拶で、今回の審議は何か廃止を含めた抜本的なというような非常に重要な時期にあるようでございます。そういう観点から考えますと、従来から成田委員に長く委員長をやっていただいておりましたので、引き続きお願いすることが最適ではないかと私は考えますので提案いたします。
○田巻地方産業振興室長
 ただいま  委員から成田委員を御推薦いただきましたが、皆様いかがでございましょうか。
             (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○田巻地方産業振興室長
 御異議がございませんようですので、成田委員に委員長をお願いしたいと存じます。それでは成田委員長には委員長席にお移りいただき、この後の議事進行についてよろしくお願いいたします。
○成田委員長
 ただいま座長に御推挙賜りました成田でございます。私、平成元年からもう10年以上になりますか、この問題をずっと手がけてまいりました。今まではなかなか何とかしようと思っても何とかならなかったわけでございますけれども、時代の動きで、さっきお話がございましたような形に動いてきつつございます。新産・工特が指定されましたのはたしか昭和37年、工特が39年でございまして、この指定段階から私当時この向かいの飯野ビルにございました地域開発センターというところでこの問題をいろいろ研究させていただきまして、これができるころからいろいろ手がけてきたということでございます。非常にそういった意味では、私の長い間関係してきた制度でございまして、誠にいろんな役割を果たしてきたということで感無量なものがございます。
 このたびこの制度をどうするかということがございまして、平成10年にこの国土審議会の研究会の方で、後に御報告がございますような案を一つまとめたわけでございます。これはやはり両論併記みたいな形で書いてございますけれども、どちらかといいますと廃止に向けてやや傾斜した傾向になっております。ただ、やはりそうする場合にも軟着陸をしなくてはならないということで、その問題を含めてこれから検討するというふうにたしかなっていたかと存じます。
 今回は11人の皆様おかわりになりまして、西川委員さんとか森野委員さんは当初からこの問題をずっとおつき合いいただいているわけですが、新たな委員さんがたくさん御就任になりましたので、新しい目からひとつ御検討を賜りたいと考えております。私は余り自分の意見を申さないで、皆様の御意見に従いまして交通整理をさせていただきたいと考えている次第でございますけれども、何分よろしくお願い申し上げます。
 以上で就任の御挨拶を終わりまして、次に国土審議会令の第二条第3項によりますと、委員長が委員長代理を指名するということに相なっております。そこで大変御苦労をおかけいたすことと存じますけれども、従来からの経緯等をよく御存じのこともございまして、萩原委員さんにお願いしたいと存じます。萩原委員さん、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 ところで、議事に入ります前に、最近この種の委員会ではやはり情報公開、あるいは情報開示の問題がどこでも冒頭に出てまいりまして非常に大事な問題になっております。そこで、その扱いを確認あるいは御決定願いたいと思いますけれども、事務局の方からこれにつきまして案を用意してございますので、御説明をお願いしたいと思います。
○田巻地方産業振興室長
 情報公開について説明させていただきます前に、大西委員がお見えになりましたので御紹介させていただきたいと思います。大西委員でいらっしゃいます。
 それでは情報公開の扱いについて御説明させていただきます。お手元の資料3でございます。この国土審議会の公開につきましては、審議会の運営規則の第2条第2項の規定により当初は非公開という扱いをさせていただいたわけでございますが、その後「審議会の透明化見直しについて」というタイトルの閣議決定がございまして、この趣旨を踏まえましてことしの1月11日国土審議会本体でございますが、ここにおきまして議事録を原則公開するということが決められております。したがいまして、本委員会といたしましてもこれにならいまして、資料3の「下記のとおり」というふうにさせていただければと思っております。
 1番目でございますが、当特別委員会においては、審議の透明性を確保する観点から、原則として議事録を公開するものとする。
 2番目でございますが、関係者の自由かつ公平な立場での審議を確保する観点から、会議は非公開とし、公開する議事録においては発言者の名を伏せるものとする。また、会議の円滑運営を図るため、必要がある場合には会議に諮った上で、議事録にかえて議事要旨を公開するものとする。
 3番目でございますが、公開の方法でございます。会議終了後、必要に応じて記者会見を行い、議事の概要について御紹介するものとする。
 2番目に、議事録又は議事要旨の公開は、当特別委員会の庶務を担当する国土庁の文書閲覧窓口などにおいて行う。
 以上でございます。
○成田委員長
 ただいま御紹介いただきましたのは、これはこの特別委員会に固有のものではございませんで、国土審議会全体の扱いがこうなっているということのようでございます。当特別委員会も国土審議会の運営規則に従って運営するということになると思いますが、ただいまの案でいかがでございましょうか。何か御意見等ございましたら。
 特に御発言がないようでございますので、ただいま事務局の紹介がございました事務局の案に基づいて、情報公開あるいは情報の開示を進めていきたいと存じます。
 
3.議  事
(1)新産業都市の建設及び工業整備特別地域の整備の今後のあり方について(諮問)
○成田委員長
 それでは、これから本題の議事に入ってまいりますが、まず初めに(1)の諮問について、事務局の方から御説明をお願いしたいと思います。
○上野審議官
 それでは、事務局の方から説明を申し上げます。今回の諮問につきまして資料4、資料5に基づきまして御説明をいたしたいと思います。
 初めに資料4でございますけれども、本日内閣総理大臣から国土審議会の会長あてに表記のような諮問、新産業都市の建設及び工業整備特別地域の整備の今後のあり方について諮問がなされました。諮問文を読み上げます。
 
 第6次基本計画の終了を平成12年度末に控え、第2次地方分権推進計画(平成11年3月26日閣議決定)も踏まえ、新産業都市の建設及び工業整備特別地域の整備の今後のあり方について、新産業都市建設促進法第12条第1項及び工業整備特別地域整備促進法第5条第1項の規定に基づき、国土審議会の意見を求めます。
 
 以上のような諮問になっておりまして、資料5の方で背景、経緯等について御説明をさせていただきます。
 まず、資料5の2ページ目をお開きいただきますと、新産都市建設促進法(国土審議会)の第十二条第1項で、「国土審議会は内閣総理大臣の諮問に応じ、新産業都市の建設の促進に関する重要事項について調査審議する」ということになっておりまして、今回これに基づきまして諮問がなされてございます。
 それから、2・背景・経緯の(1)でございますけれども、この新産・工特法により指定されております新産都市、工業整備特別地域におきましては、平成8年度から平成12年度までを期間とする第6次の基本計画に基づき、現在建設整備が進められております。これにつきましては、詳しくは資料の7という分厚い資料がございますけれども、これにつきまして後ほどまた適宜言及をさせていただきたいと思います。
 それから(2)でございますけれども、平成7年12月の国土審議会におきまして、第5次の基本計画終了後も引き続き新産・工特制度を継続させるべきとの意見具申がなされましたが、その際に地方振興政策における産業のあり方について3年間程度の十分な時間をかけて検討を行い、第6次基本計画終了後の新産・工特のあり方にも反映させるべきであるという趣旨の提言をいただきました。これを踏まえまして、平成8年10月に設置されました地方産業振興に関する研究会の報告書が本年の3月に取りまとめられました。新産・工特制度の今後のあり方について基本的な方向性が提示されたところでございます。これにつきましてはページ3に抜粋がなされておりますので、ちょっとごらんいただきたいと思います。3ページの四角で囲んである部分が結論部分でございます。読み上げさせていただきます。
 
 我が国をめぐる社会経済環境や各指定地区における経済情勢が大きく変容する中で、新産・工特制度の歴史的な役割は終わったとものと考えられる。このため新産・工特制度については、廃止後の指定地区への影響に配慮し、経過措置を講ずることも選択肢の一つとして考慮しつつも、将来的に廃止することとし、今後の地方産業振興策については、基本的に地方公共団体の主体的な取り組みに委ねる方向とすべきである。
 一方、国土の均衡ある発展が依然重要な国土政策上の課題であり、依然大都市圏と地方との格差がある中で、国と地方の税財源の配分の問題など地方の自主性を発揮するための環境が十分に整っておらず、また地方公共団体間の財政力に大きな格差がある現状を踏まえると、国土政策における今後の地方産業振興のあり方については、国が一定程度関与していく必要性もなお残されている。
 このため、今後の地方産業振興策については、新制度の創設も含めた新しい枠組みへの移行の必要性についても国土審議会等の場において引き続き検討が行われるべきである。
 以上のような結論になっております。
 1枚目に戻っていただきまして、(3)でございますけれども、また本年3月に閣議決定された第2次地方分権推進計画において、平成12年度末の現行計画終了後の新産・工特法のあり方について、平成12年末を目途に廃止を含めた抜本的見直しを行うこととされたところであります。これについても念のために、4ページ目でございますけれども、第2次地方分権推進計画の抜粋をしております。このうち下線部分でございますけれども、「このうち、新産業都市建設促進法及び工業整備特別地域整備促進法については、これまで国土の均衡ある発展と国民経済の発達に相応の成果を上げてきたものの、制度創設以来30年余りを経過し、この間の我が国をめぐる社会、経済環境の大きな変化にかんがみ、平成12年度末の現行計画終了後のあり方について、廃止を含めた抜本的見直しを行うこととする。」
 以上のような御指摘もいただいております。今回(2)あるいは(3)で今御説明しましたような背景経緯を踏まえまして、さきのような諮問お願いをしたところでございます。以上でございます。
 
(2)新産・工特地区の建設進捗状況について
(3)「地方産業振興に関する研究会」報告書について
○成田委員長
 どうもありがとうございました。
 続きまして、(2)の新産・工特地区の建設進捗状況について。それから(3)、これはちょっと今一部結論のところだけ読まれましたけれども、「地方産業振興に関する研究会」の報告書について。事務局の方から御説明をお願いしたいと存じます。
○田巻地方産業振興室長
 それでは新産・工特制度の進捗状況、それから研究会の報告について、一部今ほど諮問の背景でも御説明いたしましたが、改めて御説明したいと思います。
 まず資料の6をごらんいただけますでしょうか。資料6に沿いまして、新産・工特制度の概要をまず御紹介申し上げたいと思います。そのタイトルにございますけれども、新産業都市建設促進法は、昭和37年に制定された法律でございます。また工業整備特別地域整備促進法、これは昭和39年に制定された法律でございます。この二つの法律に基づく制度を私ども略称いたしまして新産・工特制度、このように呼んでおるところでございます。
 1.目的及び経緯の(1)でございますが、この新産・工特制度は昭和37年に決定されました全国総合開発計画、第1次の全総でございますが、ここでうたわれました拠点開発構想、これを具体化するために創設された制度でございます。地域開発の核となるような総合的な都市機能を備えた工業開発拠点地区を建設することにより、当時大きな問題となっておりました大都市の過密、地方の過疎、それから工業地帯における公害問題、こういったものに歯どめをかけ、国土の均衡ある開発・発展を図ることを目的とした制度でございます。4ページでございますが地図がございます。斜線を引いた箇所が新産業都市で15地区、灰色に塗りつぶしたところが工業整備特別地域、工特地区でございまして、6地区、合わせて21区が指定されているところでございます。
 1枚目に戻りますが、こういった地区の支援をするために、(2)でございますが昭和40年に新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律、私ども略して財特法と呼んでおりますけれども、これが制定されたところでございます。後ほど御説明いたしますような支援措置が講じられているところでございます。 (3)でございますが、当初基本計画及び財特措置の適用期間は昭和50年度まで、10年強とされておったわけでございますが、その後昭和51年度、56年度、昭和61年度、平成3年度とそれぞれ5年間延長されまして、第5次基本計画及び財特法の適用期限は平成7年度までというふうにされておったわけでございます。
 (4)でございますが、このため第5次基本計画終了後の本制度のあり方につきまして、この地方産業開発特別委員会において御審議いただいたところでございますが、平成7年12月に意見具申をちょうだいしています。産業の空洞化に対処し、国際的な視野に立った総合的な立地競争力の強化を目指すなどの観点から、引き続き積極的に建設整備を進めるべきであるという意見具申をちょうだいしたところでございます。
 このために、(5)でございますが、財特法につきましては5年間の延長が認められ、平成8年3月31日に公布・施行されております。
 また、(6)でございますが、その財特法の延長を受けまして、その後第6次基本計画の策定が進められ、平成8年に内閣総理大臣の承認を受け、現在その第6次計画に基づいて建設整備が進められているところでございます。
 2ページでございますが、この制度に基づく支援措置でございます。大きく五つほどございます。
 1番目が財政上の特別措置でございまして、道県あるいは市町村に対する措置でございます。道県に対しましては、括弧の中にありますような都合11の事業につきまして新産等債にかかわります利子の一部補給ですとか、あるいは起債の充当率の引き上げといった措置が講じられておるところでございます。また市町村に対しましては、その括弧の中にございます、こちらは全部で10事業でございますが、こういった特定の事業に対しまして国庫補助率のかさ上が行われているところでございます。
 (2)でございますが、これも自治体に対する支援措置でございますが、不動産取得税あるいは固定資産税の不均一課税といった措置を道県あるいは市町村が独自に行った場合には、それに対しまして減収額の一部を地方交付税により補てんするという制度がございます。
 (3)は企業に対する支援措置でございます。税制上の特別措置といたしまして、事業用資産の買換特例ですとか特別土地保有税の非課税措置といった措置が講じられたところでございます。
 (4)金融上の措置でございます。同じく企業に対する措置でございます。日本開発銀行、北海道東北開発公庫あるいは中小企業金融公庫、国民金融公庫といった機関による低利融資制度がございます。
 (5)その他とございますが、これは港に対する特別措置でございまして、港につきましては港湾法の一般則で港の存在する市町村が受益者負担の考え方に立ちまして港湾工事の、県によって、地区によって違いますが平均すると15%程度ですが、を地元が負担するということが決められております。しかし、地方財政法の施行令で特別則が定められておりまして、この新産・工特制度につきましては、港湾のメリットが一立地市町村だけではなくて広範囲にそのメリットが及ぶことから、市町村の負担すべき約15%を県が肩がわりするようにという制度がございます。そういった意味で、大規模港湾工事の市町村負担免除というふうに記載させていただいております。簡単でございますが、以上が新産・工特制度の概要でございます。
 続きまして資料7、ちょっと大部で恐縮でございますが、資料7が現在建設整備が進められております第6次基本計画でございます。表紙から3ページほどおめくりいただきますと、1ページでございますが、「第6次基本計画」の概要と主たる特徴ということがございます。
 「第6次基本計画の概要」ということで、幾つか計画がございますが、@工業出荷額について、平成12年の目標を計画でうたっています。
 A人口につきまして、平成12年度末の人口を目標としてうたっております。
 2ページでございますが、施設整備につきましても、平成8年度から12年度までの5ヵ年間、この間の施設整備に必要な費用の概算を目標としてうたっているところでございます。
 (2)の「第6次基本計画」の主たる特徴でございます。@が建設整備の目標の明示でございます。これは21地区それぞれいろいろな目標を掲げているわけでございますけれども、第2段落にございますが、国際的、広域的な交流・連携の推進とその拠点づくりといった目標をうたったのが、八戸、新潟、中海、岡山県南、不知火有明大牟田といった地区でございます。活力と創造性に満ちた産業都市の形成、こういった目標をうたったところが仙台湾、富山高岡、東三河などの地区でございます。自然環境と産業・生活環境の調和した都市づくり、こういった目標をうたったところが、道央、常磐郡山、松本諏訪、東駿河湾といった地区でございます。
 あとAに、重点的に誘致・育成を行う業種の設定でございますが、これもそれぞれの地区ごとに特徴を踏まえてそういった業種の設定を行っているところでございます。
 あとB以下は大体共通しているところでございますが、各地区共通項でございます。Bが技術研究開発基盤の充実。Cがベンチャー型企業に対する支援。Dが国際化時代に対応するための基盤整備。Eが環境との調和と魅力ある都市づくり。こういった項目をそれぞれの計画でうたっているところでございます。
 一例といたしまして、もう一ページおめくりいただきますと、道央地区新産業都市建設基本計画というのがございます。21地区大体同じ構成になっておりますので、これを若干御紹介させていただきますが、この道央地区の計画の14ページでございますけれども、14ページの一番下の経費の概算とございます。13ページまでの間で施設整備のプロジェクトをうたっておるわけでございますが、その経費を合計すると約3兆9,400億円という数字が目標として掲げられているところでございます。
 それから19ページに参考資料として目標を整理してございます。工業出荷額が道央地区の場合ですと平成12年に3兆4,200億円、総人口が282万人、就業人口は139万人、雇用者が114万人といったような数値目標が掲げられているところでございます。ほかの地区も大体同じ構成になっておりますので、省略させていただきます。これが第6次計画の概要でございます。
 引き続きまして、資料8に基づきまして、今ほど資料7で御紹介申し上げました第6次計画がどの程度進捗しておるか、これにつきまして簡単に御紹介したいと思います。
 3枚ほどおめくりいただきまして、3ページでございます。3ページが施設整備投資額の目標と実績でございます。これをまた道央を例にとりますと、真ん中辺に8年度から12年度の目標概算経費とございます。デフレートしておりますので、若干さっき御紹介しました3兆9,400億と異なっておりますが、3兆9,460億円というのが目標数値でございます。これに対しまして、その右隣でございますけれども、ここは8から10年度の投資累計額でございます。3年間で2兆3,000億ということで、5分の3で大体6割の累計になっています。ちなみに一番右側の目標達成率は、これはちょっとデフレーターが入手できなかった関係で実質値でございまして、ここは8年度、9年度、2ヵ年だけの数字を足し上げて、これを先ほどの5ヵ年の3兆9,460億で割った数字でございます。デフレーターの関係でこうなっています。これでいきますと、2ヵ年で48.8%ということで、かなりいい達成率かなと思っています。新産・工特全体の額が一番下でございます。同じく2ヵ年間の目標達成率を見ますと、37.1%ということでございますので、単純に考えると4割でございますから、若干目標よりも少ないのかなという感じはしております。
 工業出荷額でございますが、次の4ページでございます。先ほどの道央を例にとりますと、道央の12年の目標は3兆202億円となっています。これもデフレーターの関係で先ほどの基本計画の数字とはちょっと異なっておりますが、こういう目標に対しまして8年度実績が2兆9,700、9年の実績が3兆100億ということで、これは12年度、最終年度がどうなっているかということで目標と照らし合わせますので、達成率等々はございませんけれども、こういうことでほぼ達成しつつあるのかなという感じがしております。新産・工特全体で見ましても、下から2行目でございますが、目標が55兆2,800億に対しまして、9年実績で54兆8,000億でございますので、このままのトレンドでいけば目標は達成できるのかなという感じはしております。ただ景気状況は大変厳しゅうございますので、楽観視はできませんけれども、単純に引き伸ばすとそういうことが言えるかと思います。
 ちょっと飛びますが10ページでございます。10ページは人口の目標と実績でございます。12年の目標が一番左にございます。これはデフレートする必要がございませんので、先ほどの基本計画と同じ数字でございますが、道央で見ますと282万5,000人でございます。これに対しまして8年の275万、9年の276万6,000ということでは、着実に目標に向かって進んでいるということがうかがえるかと思います。新産・工特全体で見ますと、下から2行目でございますが、1,914万人の目標に対しまして1,876万、1,882万ということで、着実に目標に向かって進んでいるということでございます。
 ほかにも幾つか資料を用意してございますが、時間の関係もございますのでこの三つを御紹介させていただくということで、この資料の説明にかえさせていただきたいと思います。この目標につきましてはなかなか難しい数字でございます。目標を高く掲げればもちろんそれだけ意欲のある計画ということはできるわけでございますが、逆に目標達成がなかなか難しくなってくるということでございます。目標達成を念頭に置いて低目の目標を設定しますと、なるほど目標は達成されますが絶対値としては余り進まないというようなことでございます。この目標の設定の仕方によってかなりこの達成率に幅が出てくる、そういった性格の数字でございます。先ほど資料7の参考資料の中に過去の目標達成率が入っておりますが、そういったことで目標達成率、かなり振れているのが実態でございます。そういった数字の性格によるということで、後ほどごらんいただければと思います。
 以上が新産・工特制度の進捗状況でございますが、引き続きましてことしの3月に出ました地方産業振興に関する研究会の報告書につきまして、御紹介させていただきます。先ほど資料5の諮問の背景の説明にもございましたけれども、この地方産業振興に関する研究会は前回平成7年12月にこの本特別委員会から意見具申をちょうだいしまして、3年間程度の時間をかけてじっくり勉強するようにという宿題をちょうだいいたしました。これに基づいて設置された研究会でございます。平成8年の10月に設置されておりまして、3ヵ年ということで8、9、10年度ということで11年、ことしの3月にこの報告書をちょうだいしたところでございます。
 2枚ほどおめくりいただきますと委員名簿がございます。本日特別委員会の委員長をお願いしております成田先生に、この研究会でも委員長をお願いしたところでございます。また、ごらんいただいておりますような委員の先生方に御審議いただいたところでございます。
 次のページ、ワーキンググループの委員がございます。こういった先生方にお願いしてございます。一部本特別委員会の委員の先生方と重なっております。この場をかりまして厚く御礼を申し上げたいと思います。
 内容でございますけれども、資料10に要約を準備しております。資料9は厚いものですから、この資料10の方で御説明させていただきたいと思います。
 第1章でございますけれども、第1章の1.では、地方産業振興策全般の推移ということでございまして、戦後の地方産業振興策について整理してございます。御案内のとおり傾斜生産方式から戦後の日本経済の復興は始まったわけでございますが、その結果といたしまして大都市圏への人口集中あるいは地域間格差あるいは公害問題といったマイナスの側面ももたらされたわけでございます。このため昭和37年に全国総合開発計画、最初の全総でございますが、これが策定されまして、その中で拠点開発方式というものが新たな概念として打ち出されたわけでございます。この概念に沿った具体的な施策として、この新産・工特制度が創設されたわけでございます。その後二度にわたる石油危機、こういったものを経まして、昭和60年前後になりますと内陸型のハイテク産業の振興を目的といたしましたテクノポリス法、さらには産業の頭脳部分を地方圏に集積することを目的といたしまして頭脳立地法というものを相次いで制定されたわけでございます。また昨年暮れには、地域産業の自立的な発展を促す事業環境の整備を目的といたします新事業創出促進法が成立いたしまして、これに伴いましてテクノ・頭脳両法は新法に統合されるという形で廃止されたわけでございます。
 2.が新産・工特制度評価でございます。第1段落が制度の概要を紹介したところでございます。これは先ほど資料の6で御説明いたしましたので、省略させていただきます。第2段落が制度の評価でございます。ここではマクロ、ミクロ両面から評価をしたところでございます。
 ちょっと恐縮でございますが、資料9の本体の報告書をごらんいただけますか。本体資料の9ページでございます。9ページに指定地区における工業集積というものがございます。この白抜きの丸が昭和38年当時の工業集積度でございます。黒塗りの丸が平成7年度工業集積度でございます。横軸が21地区でございます。ごらんいただきますと、どの地区においても工業集積度は着実に指定当初よりも平成7年には向上しているということでございます。この線の長さが、ある意味では工業集積の進展の度合いを示すというふうに御理解いただいてよろしいかと思います。申し遅れましたが、この工業集積度は国土庁が試算したものでございますが、その下の注書きにございますけれども、単位人口当たりの付加価値額、単位可住面積当たりの工業出荷額を全国平均と比較したものでございます。こういった性格の数字でございますので、昭和38年におきましても平成7年におきましても縦軸の1.0というところが全国平均になります。この1.0より上が、全国平均よりも工業集積度が高い、1.0より下が全国平均よりも工業集積度が低い、こういうことになろうかと思います。
 1枚おめくりいただきまして、10ページ、11ページでございますが、工業統計表によりますと、大体全国を250地区ぐらいに分けて工業出荷額等を集計しています。これを用いまして重回帰分析を行いまして、11ページの右下の四角にございますような指標、市場・取引企業へのアクセスビリティの指数ですとか特定重要港湾へのアクセスビリティの指数、こういった全部で七つの説明変数を使いまして重回帰分析を行ってみた結果がこの10ページ、11ページのグラフでございます。
 10ページは第1期ということでございますが、1966年から75年までの10年間でございます。このときは実績値が計算値をほとんどの地区で上回っております。計算値が斜めの線でございますけれども、この斜めの線が250地区平均で大体もともと想定される立地ポテンシャルでございます。これより上に来ているところは、もともと想定される立地ポテンシャルよりも実際の工業出荷額が大きいということでございます。評価値といたしましては、その右の方の四角にございますけれども、全体で2.0ということでございます。新産地区が1.8、工特地区が2.3ということで、非常に大きく上回っているということがいえるかと思います。右側のグラフ、第二期は、1975年から85年10年間でございます。これはかなり斜めの線にくっついております。評価値で見ますと全地区で1.08ということで、かろうじて250地区平均を上回っておりますけれども、かなり250地区平均に近づいておるわけでございます。第三期は、計算はこの後の10年したわけでございますが、説明できるようなグラフができませんでした。すなわち効果が係数的には整理できなかったということでございます。こういったことから、当初は期待される立地ポテンシャルを大幅に上回る工業出荷額が達成されたけれども、時がたつにつれてだんだん効果が薄れてきたということがいえるかと思います。
 こういったものがマクロ分析でございまして、12ページ以降各地区ごとに個別のミクロ分析をしております。また国土の均衡ある発展というのが法目的にうたわれておりまして、その達成状況を20ページで人口の面から、21ページで所得格差の面から見ております。
 こういったことで分析を重ねまして、資料の10に戻りますけれども、評価といたしましては、太字でございます。「総じてみれば新産・工特制度は日本の経済成長の実現、地域間格差の是正に大きく寄与してきたと考えられるが、法目的である国土の均衡ある発展については、所得格差に是正傾向が見られるものの人口格差は広がり、企業機能の偏在といった問題も生じるなどいまだ十分に達成されたとは言いがたい状況にある。」こういった評価をちょうだいしたところでございます。
 続きまして第2章でございます。我が国をめぐる社会経済環境の変化と新産・工特制度の今日的意義でございます。
 1.が、我が国をめぐる主な社会経済環境の変化でございます。ここでは新産・工特制度創設後の30数年間の社会経済環境の変化を三つ指摘していただいております。1番目が産業構造の変化でございます。当初基礎素材型産業が主要産業だったわけでございますが、その後加工組立型産業、あるいはサービス産業を中心の構造に変化しまして、さらに今後は情報通信、環境、医療福祉、こういった分野が中心になると予想されているところでございます。2番目に、企業活動のボーダーレス化でございます。今後はボーダーレス化に伴いまして、大型の工場立地が相次ぐといった事態が予想されなくなったところでございます。3番目に、人口の減少、高齢化でございます。こういったことから、労働力の減少、医療負担の増大といった減少が予想され、さらには今後の経済成長力の低下、投資余力の減少といった影響がもたらされるというふうに考えられているところでございます。 2.が新産・工特制度の今日的意義ということでございまして、全国総合開発計画における位置づけを踏まえて新産・工特制度の意義を整理したところでございます。先ほど申し上げましたように、第一次の全総で示された拠点開発方式、これは新全総においても引き継がれまして高まりを見せたところでございます。ところが石油危機後に策定されました三全総におきましては、石油危機後の産業活動の落ち込みを反映いたしまして、ダイナミックな産業立地政策の色彩は希薄になったところでございます。さらに四全総では、経済のソフト化、こういったものを反映いたしまして、これまでの重厚長大型産業の育成を中核といたしました地方産業振興策に限界を認めたところでございます。また昨年の3月に策定されました「21世紀の国土のグランドデザイン」でございますけれども、これにおきましては新産・工特制度につきまして時代に合わせた制度の見直しの必要性について言及をするに至ったところでございます。
 次の段落は、こういった社会経済環境の変化を踏まえた上で、制度の有効性について御議論いただいたところでございます。ここにつきましては、率直に申し上げまして各委員さんの意見が大変大きく分かれたところでございます。先ほど報告書でメンバーを御紹介いたしましたけれども、いわゆる学識経験者の先生方からは第2段落の2行目でございますが、「社会経済環境が大きく変化する中で、拠点開発を通じて工業の育成を目指した制度の有効性は、創設当初に比べて希薄になった」と、こういった御意見が中心でございました。これに対しまして、指定地区を代表される委員の方々からは、その続きでございますが、「地方の産業拠点の整備は依然必要である、」こういった意見が寄せられたところでございます。このように、この今日的意義につきましては大変さまざまな意見があったところでございます。
 第3章でございますが、今後の地方産業振興の検討の視点ということでございます。今後の地方産業振興策を検討する際に留意すべき点、あるいは六つの視点といったようなことをちょうだいしております。第1段落が国全体の話でございまして、二つございます。1番目が、3行目でございますが、「地域間格差の是正については引き続き堅持していく必要がある、」こういった御意見をちょうだいしております。2番目が、その次の行でございますが、「多様な産業の本社機能を含めた集積を図り、日本経済を牽引する原動力となることが求められている。」地方経済に対してこういった大きな期待が寄せられたところでございます。次の段落は、個別地区のお話でございます。3点御指摘をちょうだいしております。第1点が、もう申し上げるまでもございませんが、地域の経済環境は非常に厳しいという点でございます。第2点目が、大規模遊休地が多数存在しているということでございます。第3点目が、いまだ高速交通体系が十分に整備されていなかったり港湾の整備が途上である地区が存在しているなどという、交通インフラの未整備といった点を御指摘をちょうだいしております。
 こういった五つの留意点を踏まえまして、今後の地方産業振興策に関しまして六つの検討の視点を御意見をちょうだいしております。
 第1番目が、時代の変化に対応した産業振興ということでございまして、それぞれの地方の特性、資源などを生かした新産業の育成に重点を打つ必要があるということでございます。第2点が、新しい国と地方公共団体の関係でございます。従来の全国一律方式の開発ではなく、各地方が独自性を発揮すべきであり、今後の地方産業振興策は原則として地方公共団体が行うべきである。こういった御意見をちょうだいしております。第3点目が国際化への対応でございます。国際化はある意味で先ほどボーダーレス化で立地が海外と競争になると申し上げましたが、そういった厳しい面もございますが、一方メリットもあるという点でございます。そのメリットを生かすべく物流基盤の整備を行う、あるいは外国にも魅力のあるまちづくりを行うことが重要であるということでございます。第4点目が環境問題への対応でございます。今後は廃棄物の処理、リサイクルといったシステムを整備するということのみならず、こういったものを新たな産業としてとらえていく前向きな見方が必要ではないかということでございます。5番目が情報化への対応でございます。申すまでもなく、情報化の進展が今後主要な鍵となるというふうに見込まれているわけでございますが、その際には情報コストの格差の解消や、情報産業の担い手となる人材の育成、こういったものに努めていく必要があるという点をちょうだいしております。第6番目が広域連携の必要性でございます。行政の境界を越えて、地域の持つ資源を最大限活用するために、また逆に厳しい財政状況のもと重複投資を避けるために、こういった二つの観点から広域的な連携を進める必要があるという視点をちょうだいしております。以上が、今後の地方産業振興を検討する際の視点でございます。
 第4章がまとめでございます。この第4章につきましては、先ほど諮問の背景ということで上野の方から読み上げましたので、ここでは省略させていただきます。
 長くなりましたけれども、以上が新産・工特の進捗状況、それからことし3月にちょうだいいたしました地方産業振興に関する研究会の報告でございます。以上でございます。○成田委員長
 どうもありがとうございました。非常に膨大な資料を手際よく説明いただきまして、ありがとうございました。
 本日は特に議題の細かい中身はまだ決めておりませんで、新しい先生もたくさんいらっしゃいますので、皆さんで認識を共有していただくということで、今御説明がありました資料等につきまして率直な御質問あるいは御意見をお述べいただければと存じます。時間はまだ十分ございますので、約40分程度そういう時間がとってございますので、どなたからでも結構ですからどうぞ御自由に御発言をお願いしたいと存じます。
○  委員
 質問をさせていただきたいのですが、資料4で諮問事項についての御説明がありましたけれども、この中で新産・工特制度の今後のあり方という表現になっているわけですが、おそらく内容的には制度そのものをどうするかということと、それからその後の対象地域のあり方という二つの問題があると思うのです。それで、結論を先取りしてはいけないかもしれまんせんが、いろいろなこれまでの議論の蓄積を考えると、制度を廃止するという結論に至る可能性が強いという気がするのですが、それはそれとして、その後段の方の今後の地方産業振興のあり方というテーマですけれども、このときに先ほど成田委員長も制度の軟着陸という表現をされましたけれども、新産・工特の指定地域のあり方を例えば制度が廃止されたときにアフターケアとしてどうするのかという議論に焦点を当てるのか、それともそうではなくて、そのことは小さな問題として、より重要なことは地方産業振興のあり方なので、新たな、つまり対象地域という観点から言えば新産・工特地域にこだわらないで議論をするというスタンスもあり得ると思うのです。私は既に平成7年の段階で制度は存続するということは決めたものの、抜本的な見直しということをそこで述べているわけですし、先ほどの統計の整理でも1980年代ぐらいからは新産・工特の効果についてはやや疑わしいといいますか、その前の段階とは違うということなので、大体80年代ぐらいが一つの区切りだったのかな。軟着陸という意味では、既に平成7年度の段階で軟着陸が始まって、これまでの期間に十分やわらかく着陸したのではないかというふうに思っていまして、そういう意味では新産・工特地域に指定されているところについてのアフターケアはもう余り考えずに、むしろ新しい地方産業振興のあり方というより自由な角度の議論をしていくべきではないかというふうに思うのですが、そういう観点でこの諮問文を拝見すると、やや表現が狭いというふうにも解されるのです。つまり新産・工特対象地域について考えろというふうに言っているようにも思えるのですが、そのあたりはどういうふうに解釈すればいいのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○成田委員長
 これからの委員会の審議の方向に触れる非常に重大な問題を含んでいるのですが、お考えがございましたら。
○田巻地方産業振興室長
 ただいま今後の審議のあり方に対する大変基本的な御質問をちょうだいしたわけでございます。この資料4の諮問文では、ただいま  委員から御指摘がございましたように、新産・工特制度の今後のあり方について意見を求めますということになっているわけでございます。これにつきましては、形式論で大変恐縮でございますが、法律上この審議会の根拠になっております新産業都市建設促進法あるいは工業整備特別地域整備促進法が、この地方産業開発特別委員会についてはこの制度について検討することということをミッションとして規定しておりますので、そういった意味でこういった表現をとらせていただいたわけでございます。そういった意味で、一義的には新産・工特制度の今後のあり方、これについてはもちろん継続していくというあり方から廃止するというあり方、ないしはその中間ということで、どういった目的地に向かっていくかというところが一つ議論があるわけでございますし、またその先といたしまして目的地が決まったところで、では具体的にどういう手法を使って目的地に達成するかという二つの議論すべき内容があろうかと思います。そういったことを御議論いただくのが、そういった意味でこの委員会のミッションから中心になろうかとは思いますが、しかし今ほど  委員から御意見がございましたように、今後のあり方というものを検討する際に、新産・工特にとらわれていては新しい発想が出てこないのではないか。そういう意味では、新産・工特21地区に限らず、現在の地方経済のあり方等々から検討していくという視点も当然これは必要かと思っています。そういう意味で、整理させていただきますと、本特別委員会におきましてはこの新産・工特制度の目的地に達する具体的手段を中心といたしまして、その先にある今後の地方産業振興のあり方全般について御議論いただければというふうに考えているところでございます。
○成田委員長
 今軟着陸と申しましたのは、15プラス六つの地域をそのまま何か幽霊のしっぽみたいに引きずってこれからも持っていくという意味じゃないんですよね。それは恐らくここでは歴史的使命はもう終わっているということを言っていますので、おっしゃるような意味で日本の長い戦後の歴史の中でこれはある程度使命を果たし終えたという評価はこの前の研究会でも大体共通のところだったと思います。ただ問題は、やはり財政特例で新産の特例債とか補助金のかさ上げとか、そういう財政上の恩恵を受けているので、これがやはり相当今地方財政が逼迫していますので、関係地方公共団体にとっては相当手痛い打撃になりかねないわけです。これは同時にまた政治的な抵抗みたいなものを誘発する可能性もあるので、その点に配慮してやはり軟着陸というものが必要かどうかということを御審議いただくということになるわけなので、別に今の15プラス6の地域をそのまま持っていくとか、あるいは優等生を卒業させて劣等生は切っていくとかいうふうな、前に議論したような考え方とは違った考え方でいくべきではないかと思うのです。これについては、既に御承知でしょうけれども、テクノポリスとか頭脳法についてはもう実際上新しい制度の中に取り込まれてしまっているわけです。それと同じような解決方法もこれから可能であるかもしれないと思いますが、地方の指定されているところの委員さん、今度は入っていらっしゃいませんけれども、やはり何とか引き続きやってほしいというふうな意向は非常に強いのです。ただ全体として、このままやはり引っ張っていくのはかなり問題があるので、何か新しい制度をつくってそこに解消してほしいというふうな意見が強いのではないかというような気がいたします。この問題は皆様の御意見をいただいて、これからだんだん方向を見出していく問題ではないかと思っておりますが。
 どうぞ、初めての委員さんもございますが、どうぞ御遠慮なく御質問ください。
○  委員
 初歩的な質問で恐縮なのですが、今  委員がおっしゃいましたのは、地域についてのイメージとして今までの21ヵ所というものを中心に置いて考えればいいかという御質問があってやりとりがありましたけれども、例えば新産業都市あるいは工業整備特別地域なり、工業整備というと常識的には二次産業ということなのでしょうし、新産業都市といったときにも今までの制度を踏まえてイメージをすると二次産業が中心で、それにインフラ整備はいろんな観点からやらなければいけないのでしょうけれども、そういうことだったと思うのですが、諮問の表現は設置法なりこの審議会の根拠規定から来る字句の使い方ということで不自由さがあるというのはよくわかるので、例えば今後の制度のあり方ということで、今後の地方産業振興策についてはと、例えばこういうような表現を頭に入れた場合に、地方産業とか、産業というのはどういうふうにイメージすればいいのか。要するに場所の問題はあまり21ヵ所ということでこだわらなくてというお話があったのですけれども、それでは我々が議論の対象とする産業というのはどういうふうにイメージをすればいいかというところを、初歩的なのですが、これは新産都市なり工業整備特別地域何がしにおける産業というイメージをそっくり引き継いで伸ばしていくような形で受けとめるべきであるのか、あるいは新産業といった場合にまた別途の観点も入れて審議をする余地があるのか、その辺のところが新しくこういうところに座ったものですから全然よくわからないものですから、その辺示唆、啓発していただければと思います。
○田巻地方産業振興室長
 まず、ちょっとかたい話になりますけれども、形式論でまた恐縮ですが、資料の7の参考資料というのが後ろの方にございます。ページが通し番号でなくて恐縮なのですが、後ろの方の参考資料の30ページに、新産業都市建設促進法、法律が入っております。この第1条の目的を見ますと、新産業都市建設促進法の場合は「この法律は、大都市における人口及び産業の過度の集中を防止し、並びに地域格差の是正を図るとともに、雇用の安定を図るため、産業の立地条件及び都市施設を整備することにより」……「新産業都市の建設を促進し」云々というふうに、ここでは産業という言葉で規定しているわけでございます。これに対しまして、工特の方は、この参考資料の37ページでございますけれども、目的で、「この法律は、工業の立地条件がすぐれており、かつ工業は比較的開発され」云々ということで、こちらは工業ということで整理しております。そういう意味では、新産・工特制度と我々略称しておりますけれども、厳密に言いますと二つの法律若干目的が違っております。さらばこの委員会ではどういった立場に立つべきかというお尋ねをちょうだいしたわけでございますが、前回のこの3月にちょうだいしました研究会の報告書、このときにも類似の議論がございまして、その一端を御紹介いたしますと、今後の産業のあり方については、製造業にとらわれることなく環境産業あるいは福祉産業、こういったものもターゲットとしていいのではないか。そういったものも含めて議論しないと難しいのではないか、こういった御議論をちょうだいしたところでございます。そういったものを先ほど御紹介しました報告書の2章での産業構造の変化ですとか、あるいは3章での検討の視点というところでも一部御紹介させてもらったわけでございますけれども、そういった視点をちょうだいしております。この研究会の報告書を私どもたたき台といたしまして、この特別委員会で議論を深めていただければと思っていますので、そういった意味では、整理いたしますと必ずしも製造業にとらわれる必要はないのではないかというのが、私どもの思いでございます。
○成田委員長
 過去30年の歴史の間で、産業の重点も重厚長大からさっきのベンチャービジネスまで非常に変わってきているわけですね。そういう段階で、次の新産業というのは何かということになりますと、なかなかこういう混迷の時代なものですからそれは描き切れないし、こういう特別委員会で断定的にそれが出せるだろうかということで、それを議論しろということを大分言われたわけですけれども、そこは  委員も御存じだと思いますが、余り結論がたしか出せなかったわけですね。それは新しい全総計画全体の問題でもあるし、日本の産業政策全体の問題でもあるだろうということで、そこのところに触れなかったわけなのですけれども、それにこの委員会でどの程度踏み込んでいくかいかないかというのは、一つの大きな論点だと思います。ただ工業整備になりますと、やはり工業というふうに限定しているものですから、ちょっと新産業という場合には抽象的にいろんなものが入り得るのですけれども、工業ということになるとかなりそこは限定されてきてしまうというふうになると思うのです。
○  委員
 私も初めてでございますので、まず  委員の御発言とかかわりますが、軟着陸、80年代から既に産業構造等々いろいろ変化がありまして、従来型の当初の昭和37年、39年の新産・工特とはかなり違ってきたというお話がございましたが、この前の第6次基本計画、平成7年でございましょうか、そのときに既に軟着陸の準備といいますか、産業についてはベンチャー対応とかあるいは環境とか情報とか、そういうふうなことが入っているようでございまして、そういうのは意識して従来型のものと変わるということを既になさっていたのでしょうかということと、もう一点、今回これをお引き受けするときに、廃止を含めた抜本的な見直しと伺ったのですが、閣議決定の第2次地方分権推進計画がございますね、政府として約束しているわけです。審議会あるいは特別委員会で議論するときに、一応これは政府としての約束でありますから、議論のときにそれは既定のものということで当然前提にして出発する必要があるのですよね。それと離れたようなことは言えないということが恐らくこういう委員会であっても当然あると思いますので、その辺の範囲でございますが、きょうは何もたたき台のようなものをまだ出されていないようでございますから、私もどういうふうになるのかというのがちょっとわからないのですが、委員長も自由討議とおっしゃったのですが、この閣議決定となっているところからの前提とする範囲というのは、おのずからある程度限定されてくるのは当然だろうと思うので、余りそれと離れたこをやってもしようがないと思いますので、そのあたりをやはり明らかにする必要があるのではないかという気がいたします。もう一点は、既に指定されていたところについて制度廃止によるデメリットをどういうふうに考えていくかという、まさにアフターケアの話はやらなければいけないと思うのですが、そこでこの指定のところへのヒアリングのようなものが予定されているようでございますが、ほかのところ、つまり今までの新産・工特の指定を受けていないすぐそばとか、そういうところから見たら一体これはどういうふうに映っていたのかなという感じがするので、いろいろあり過ぎて大変だと思いますが、アフターケアももちろんですけれども、新産・工特制度の裏の面といいますか、そういうところからのヒアリングも難しいとは思いますが、若干そういう調査も要るのではないか。
 あともう一点は、地方分権推進委の勧告に基づく分権推進計画などの考え方というのは、なるべく地方が自主的にやれる範囲をふやそうというふうになっているかと思うのです。そのときに例えばこういう制度をやめた場合のほかの地方交付税等、特に財政的な問題をどのぐらい既存の制度で受けとめられるのか、あるいは受けとめられないとすればまた別の制度を新たに構築する必要があるのかということを含めまして議論する必要があるのではないか。テクノと頭脳は新しく衣がえみたいなものになっておりますが、そういう既存のものでだめな場合には新たな構築が必要と思いますので、既存の仕組みを並べてそれで足りるのかというふうなことも検討いただけないかと思いますが。
○成田委員長
 いろいろな御意見がございましたけれども、やはりこれはまたこの委員会を審議するときの非常に大きなポイントを突いていらっしゃると思うのです。一つヒアリングの話をなさったのですけれども、私もやはり今度は廃止の方向に向けて検討する場合には、今指定されているところを含めていろんなヒアリングをやらなければいけないだろうと思っているのです。ただしかし、大体結論が見えてしまっているので、恐らくヒアリングをやりますと残してくれ、残してくれという意見だけが出てくるわけです。それをまともに聞いていたのでは先に進めないということになりますので、もう少し広くいろんな意見を聞いてみる必要があるのではないか。恐らく指定されてないところは、私もいろんなところで聞いてみますと、まだあんな制度が残っているのか。指定のときは自分のところは漏れて残念だというようなことで大騒ぎしたわけです。今になってみますと、あんな制度がまだ残っているのかというふうな受けとめ方だと思うです。ただ、やはり今押しなべて地方財政が非常に苦しいですから、特に指定されたところがやはり30数年にわたって財政上の特例措置だけを受けてくるということになると、やはりこの時代におかしいのではないかというふうな感覚は持っていらっしゃるのではないかと思うのです。指定されたところは、これは市長会とか知事会とかで新産・工特の協議会というのがございまして、これがやはりいろいろ働きかけをしていらしているわけです。そういうことも考えなければいけないと思うので、今度は分権推進委員会の話とはやや違って、政治的なそういう要素もある程度考えていかなければいけないのではないかと思っております。
 なお、これは新産法、工特法というのも、それ自体は時限立法じゃないんですよね。基本計画は5年ごとにやりますというので、今6次まで来ているわけです。ちょっと複雑なのは、昭和40年の財特法だけは時限立法になっていて、これは放っておくと切れてしまうわけです。今まで延ばしてきたというのは、結局その財特法を延ばしてきたということになっているわけで、ちょっとそこが非常にほかの制度と違うところなのです。テクノと頭脳の場合には、大した財政措置はないのですよ。あれは基本的には民間活力の時代の産物ですから、民間から金を集めて促進していこうという制度ですから。こちらの方は非常に手厚い財政措置があるので、残してくれというのはまさにそれを既得権として維持していきたいということなのですね。次回以降は何か順序を立てて少し論点を整理してくださるわけですね。
○田巻地方産業振興室長
 そうですね。
○成田委員長
 ですから、きょうはそこに行くまで、自由なひとつ御意見を皆様からお伺いした方がよろしいかと思うのですが。  委員、いかがですか。長いことこれをお願いしていて。
○  委員
 多分  委員とか  委員と全然意見が一緒で、機能を果たさなくなっているから何とかしなければいけないと思っていましたし、それから感覚としては、ほかにもいろんな地域指定の制度があるけれども、その指定の仕方とかというのはすぐ陳腐化してしまうし、そういう状況での政策のつくり方というのは難しいだろうという認識がもともとありました。これまでも何度かいろんな場所を見に行って、今までイメージするような施設をこんな敷地につくれと言われると降参だというのが地域の人たちの議論で、ホテルをつくらせてくださいとかここに住宅があったらいいなとか、いろんなことを皆さんおっしゃるのです。その自由度がなかったということですか。もう都市基盤は整備されていて、いろんな産業はあり得る。中海で博覧会をやって予想以上に人が来た。なのに、終わった後全部きれいに整地し直して本来の用途に戻す。ばかげていますよね。だからレストランだけ残してとか、そういう世界になっていて、一時的な活用のもの、どうせ定期借地で10年で港湾地域使うようなシステムがいっぱい出てきているわけだから、今までと違って短期的なものの組み合わせでも何でもよくそこに人が集まるような施策というのもできるようになっているはずなのですね。だけれども、この制度のおかげで土地の利用の仕方が短期であれ制限されていたというのは、すごくもったいなかったというのが認識で、地域振興のためだったらいろんなことがあり得るわけで、その場所に集中的によその地域も、イギリスなんかはそういうのをリジェネレーション・プログラムというのは、一つの地域に集中的に福祉予算から住宅予算から工業系の予算から、集中してその地域を活性化させるために限界まで投資をするというのが普通の地域振興なのに、何か特定の目的でそのエリアを空間的に整備するという感覚というのは難しくなって、とりわけ重厚長大型のものが難しくなってきているのは、皆さんもう共通認識なのです。通産型バージョンのものはプラットフォーム方式で、いろんな制度を上手に使っていってその地域にいいものを自分たちでメニューを組み合わせることもできるようになってきているわけだから、こういう地域で本当にユニークなというか、それこそ土地の利用の仕方で言えば農林漁業と直接工業が結びつくような何かをやることの組み合わせの実験場とか、ここは商業と農業の実験場とか、無理やり本当なら僕なんかは命令的に役割を与えて10年間実験しなさい。そうしたら、そのプロセスの中でバイプロダクトで何か生まれてくるような努力のプロセスが大事になるようなことの方が価値があったんじゃないかというふうに思ったりしています。そういう意味でというか、全体としてこういうタイプの重厚長大型の産業を想定して、それを企業誘致することを想定したタイプのものは降参だということについては、共通見解になっていると思うのですけれども、その後のものについてはいろんなことがあり得て、しかもそれを地方分権のベースで考え、できるだけフリーハンドで、地域の人が考えるのがいいか、そういう今実験計画をやることがいいのか僕にはなかなかわかりませんから、そこから先はいろんなプロの方がこれまでいろんな実験の例とかを見ていて、そういうものはそこに可能性があるんなら思い切って投資してみることも一つだと思いますし、地域から一生懸命考えていって、そこににじみ出しでそのエリアが開発されることがいいかもしれないし、しかも、この地域というか、指定されている地域について言えば、  委員の質問に加えて質問したかったのは、こういう内容のことをその他の地域のところも申請してもいいような状態この制度が受け皿としては絶対ならないんですかということだけは質問をしたかったのですけれども、それだったら何か本当に不公平で、今みたいな例を何でも入れていいということにはできないので、かなり実験的な意味合いかなんかをこの地域に持たせないとこの地域をやらせる意味がなくなってしまうような気もしてきてしまいますけれども。何かいろんな可能性があるものをここであり方として議論するというか、あるいは地域のそういうことを考えようとする力を引き出すようなメカニズムを出すための実験をするとか、21種類の実験計画が必要になってくるのではないかと思いますけれども、それは今までのものとは全然違うものなのではないかという感じがします。やり方も、何かここでアプリオリに議論していいかどうかも心配していますけれども。意外に制約があるのですよね。きょうの法律の枠組みの中で議論する。
○成田委員長
 国の方で一つ目標設定をして、こんなふうにやりなさいといって指導して助成してきた。これはある意味では護送船団方式であり、これを機関車にしようという考え方ですから。
○  委員
 20個ともそういうことをやることに問題があったのかもしれないのですけれども、実験結果でどれが悪くてどれがよかったかというのが、意図とのかかわりでちゃんと判断ができればよかったのですけれども、横に統計的に見て同じようなことをやってどうだったかという議論に分析結果はなっているのです。
○成田委員長
 これに比べると非常に気の毒なのは、私、新全総に基づく大規模基地だと思うのです。あるいはこれを一回り拡大したやつを育てていこうとしたのですけれども、下支えの制度が全くなかったものですから、苫小牧とかむつ小川原みたいな結果に今なりつつあるわけですから、そういった意味ではこれは過去においては確かに大きな役割を果たしてきたと思うのですよね。
○  委員
 むつとか苫東の場合は、大きな失敗をしたという結果がきっちり出てから、それなりに判断基準があったという感じがまだしているのですよね。そういう上から明確な計画で実験をやってみて、ある時期の経済的な流れには乗らなかったという意味では。それからすると、この指定地域については、成功したところ、失敗したところ、なぜ成功したのかとか、その形でうまく行けたところと行けなかったところとかという問題は出てきたのではないですか。この地域をはみ出て新たにつくられる制度について申請してくることが可能になるような制度まで、つまりこの地域指定外の人まで同じような、地域開発のための戦略としてこの制度を使うことが可能になるかどうかというのが伺いたかったのですけれども、絶対だめということですよね。
○成田委員長
 工特の場合はたしか法律で指定されてしまっているのですよね。
○  委員
 それがさっきの  委員の質問の本旨だったのではないかと思っているのですけれども、違いますか。
○  委員
 私の質問は、廃止された後の話です。それはこの法律によらないわけだから、自由度があるわけですよね。
○  委員
 エリアに自由度がある。
○  委員
 そのときにアフターケアと限定すれば、廃止されて気の毒だから何かほかの別途手当をしようという話題に終始されてしまうから、そういう話題ではなくて広げようというのが。
○  委員
 全く新しい制度としてこういうタイプのエリアを使うことに関する議論をしてよろしいと。アフターケアについては、幾つかのエリア、ここの地域については考えなければいけないと。了解しました。
○  委員 それプラス、外すというのはなかなか大変だぞという成田委員長の、ということですよね。
○成田委員長
 財政問題があるわけですよ、それだけですよ。恐らく今までは国からお墨付きをもらってありがたいという意識があったんでしょうけれども、今はそんな意識は全くないと思うのですよ。残してくれというのは、もっぱら財政上の特例措置を維持してくれということだけなんですよね。実際の財政投資のあれを見ても、産業基盤施設の投資というのが減っていて、むしろ都市基盤なり生活関連投資が非常に多いですね、今。近年は社会福祉だとかそちらの方まで行って、新産業とか工業整備というものにふさわしくないような形のところに金が行っているわけで、これは時代の流れでしようがないのでしょうけれどもね。そういうものを整備したいという意向は、これは別に指定されたところだけじゃなくて全国の至るところにあるわけですから、そういった意味では逆に不公平になっているということも言えるかもしれませんね。
○  委員 今の成田委員長の質問にちょっと関係するので質問したいのですが、後ほどの議論というか事務局からの提示があるのかもしれませんが、いずれにしろこの12年度末でこの第6次基本計画が終了するのに備えて、12年内に今回の諮問についての結論を出す、多分そういうスケジュールだろうと思うのですね。そこでお聞きしたいのは、その後のことについて多少何らかの地域振興、地域産業振興のようなことについて本当に検討していくかどうかということにかかわるので質問したいのですが、今度省庁再編を今は国土庁の地方振興局が事務方をこの特別委員会についてはやっていますが、2001年1月1日以降のこの審議会のこの委員会の所管省庁及び所管課、それがどこになるのかという、それによって議論の話が随分違ってくるので、ちょっとそこだけお答えいただけませんでしょうか。
○久保田事務次官
 それでは、全体にかかわる問題でございますので、私は官房長を2年やりましてこの前次官になりました。省庁再編の話はほぼ中間報告の段階から全部かんでおりますが、今の御質問につきましては、確かに地方振興のそれぞれにつきまして幾つかについて窓口が変わるということにはなってございます。具体的には過疎でありますとか幾つかあるわけですが、基本的には今度の国土交通省の中には国土庁と北海道開発庁と運輸省、建設省を母体としてやるということでございます。実はこの母体としてやるということではかなり大きな意味がございまして、と申しますのは、御承知のように国土庁のこういう話は基本的に内閣全体にかかわる問題でございまして、そういうことから総理府の国土庁ということになっているわけですが、そういうことであるにもかかわらずと申しますか、それを大くくりでやった省庁の数を減らすということから、あえてそれをそのまま基本的には新しい国土交通省に持っていくという頭の整理になってございます。そういうことから、国土審議会そのものにつきましても、これは国土交通省にそのまま機能として引き継がれるのが原則であるというふうに理解をしていますし、作用法というか、それぞれの法律の整理もそういう考え方で進んでおります。純粋理論的に考えると変じゃないかという議論は最初からあるわけですが、そこはもう決断の問題でそういうことになったという部分でございます。そういうことから、中身の議論ということからいいますと、この国土交通省でそういうことを引き続きやっていくということが前提ということで御議論をお願いしたいと思っておりますし、この審議会以外の審議会につきましても、国土審議会のほかの部会等につきましてもそういう前提で御議論いただいているというのが実態でございます。
○成田委員長
 諮問は内閣総理大臣になっていますけれども、省庁再編後には当然に国土交通大臣になるのですかね。
○久保田事務次官
 これはまた一つ悩ましいところではあるのですが、基本的にはこの国土交通大臣ということで整理をされています。もう少し具体的に申し上げますと、例えば今度国土交通省の中には土地・水資源局とそれから国土計画局という二つの、どう見ても全省庁にまたがる、いわば国土庁がそのまま移行するような性質の局がございます。もう一つは都市・地域整備局というのが、これがある意味で現在の地方振興局のかなりの部分がそこに行くということでございます。ちょっと理屈としてどうかという議論はもちろんあるわけですが、先ほど申し上げましたようにそういう要するに省庁の数を減らす、大ぐくりにする、それから計画と実施をとにかく一体化するという、そういうふうな決断の問題としてそういう仕組みになったということでございます。
○成田委員長
 何か補足がございましたら。
○木下官房長
 したがいまして、  委員の御質問のどこで審議するかというのは、確かにこれは審議会のお考えですが、繰り返して申し上げて恐縮ですが、今次官から申し上げましたように国土庁の仕事についての大半は引き続き国土交通省でいくという御理解をまずとっていただいて、もちろん関係省庁でこの産業論とか地域論が当然語られる部分はあろうかと思いますから、それは我が国土審議会で御議論いただいたのを各パーツごとにそれぞれの省庁がまた引き継ぐという部分はあると思うのですが、大筋においてはこの審議会は国土交通省が編成された後においても継承されると御理解いただいたらいいのではないかと思いますが。
○  委員
 私が今質問した本意というのは、基本的に今回をもって、この制度自体を廃止すべきだというよりも、むしろ前回第6次基本計画をつくる前、それからその前についても、とにかくあと5年だから次は廃止するから今回認めてねということで私は大勢に従ったという経緯もあり、今回限りということでおつき合いして、当然なくなるという前提でこの議論にはおつき合いしていますが、といってその後どうかするかということについて全く議論しないまま打ち切りというのは無責任だと思いまして、今次官、官房長がおっしゃったように、ある程度ハードインフラについては引き続き新しい省の国土交通省で担当されるということでしたら、安心して次の方策についても議論できるかと思います。ありがとうございました。
○成田委員長
 これは予算的に国土庁の予算になるかあるいはほかの自治省系の方の一般の財源措置に若干色をつけてもらうか、その辺は議論しなければわからないところなのでしょうね。どうぞ、まだ御発言のない方で何か御発言がございましたら。
 
(4)今後の審議の進め方について
○成田委員長
 では、特に今日は御質問がないようでございますので、続きまして今後の審議の進め方につきまして、事務局の方から御説明をお願いしたいと思います。
○田巻地方産業振興室長
 それでは、今後の審議の進め方について御説明させていただきます。お手元の資料の11でございますけれども、今までの議論でも前回、前々回のときにはというようなお話がございましたけれども、前回、前々回のときも実はこの特別委員会小委員会というものを設置して御検討を進めていただいた経緯がございます。そういった意味で、今回も小委員会を設置して今後御検討いただくということを御提案したいと思います。資料11を読み上げさせていただきます。
 
 新産業都市の建設及び工業整備特別地域の整備の今後のあり方に関する審議に資するため、国土審議会地方産業開発特別委員会に小委員会を設置し、必要な調査審議を行わせる。
 
これは私ども小委員会の設置に関する御提案でございます。
 資料の12でございますけれども、先ほどもちょっとスケジュールのお話がございましたが、今後のスケジュールでございますが、私どもの目安ということでこんなことかなというふうに思っています。平成11年9月27日、本日今後のあり方について諮問させていただき、また今ほど申しましたように小委員会の設置を御提案したところでございます。もしそれがお認めいただければ、今後につきましては来年の春ぐらいまでに適宜小委員会を開催して、2〜3回程度かと思いますけれども、小委員会を開催してそこで御議論いただく。またそれとあわせまして、来月ぐらいから来年の2月ぐらいにかけまして、ちょっと足元の悪い季節で大変恐縮なのでございますが、21地区全地区につきまして現地調査を手分けしてお願いできればと思っております。これにつきましては、また資料13で御説明申し上げます。
 そういうことで、来年春にかけまして小委員会と現地調査を同時並行でやるということでございます。来年春ぐらいになりまして一つ区切りのときになりましたら、第27回の地方産業開発特別委員会を開催させていただきたいと思います。このときには指定地区の、先ほどヒアリングというお話がございましたけれども、とりあえず最低限指定地区の意見のヒアリングが必要だろうというふうに思っています。具体的にはまた御相談ですけれども、新産・工特両方県レベルで協議会というのがございます。その各県の協議会に世話人というのがございますので、そういったところを中心にお願いしてみてはいかがかというふうに私ども思っているところでございます。
 その後、そこでもしいただければ大まかな方向性について御議論をいただきたいと思っています。大まかな方向性と申しますのは、先ほど新産・工特制度の今後については単純延長から廃止まで真ん中を加えていろんな目的地がありますよということを申し上げたわけでございますが、どの目的地をある程度念頭に置くべきか、そういったことについてヒアリング等を通じまして、ないしこれまでの現地調査等を通じまして大まかな方向性をいただければと思っております。その後また適宜その方向性を受けた形での小委員会を開催させていただきまして、来年夏を目途に第28回の地方産業開発特別委員会を開催し、中間答申をちょうだいできればと思っています。ただ諮問の背景で申し上げました閣議決定、地方分権計画が12年末までにということで締め切りが切られているわけでございますが、国の仕事はごらんのとおり予算で動くところが多うございますので、予算の締め切りが12年の8月になっております。そういう意味では、概算要求、締め切りに間に合うような形で中間答申をちょうだいできればと思っております。
 その後2〜3回また小委員会を開催させていただきまして、先ほど  委員からもやめっ放しというのは無責任だから、その後のことを考えないといけないねというお話がございましたし、  委員からアフターケアというお話もございましたが、そういったようなことを御議論いただく必要があるのかなということもございまして、適宜小委員会を開催させていただければと思っております。そういったことを踏まえまして、閣議決定の締め切りでございます12月に第29回地方産業開発特別委員会を開催して、最終答申をちょうだいできればというふうに思っています。これは、私ども事務局としての希望でございます。
 それから引き続きまして資料の13でございますけれども、先ほどスケジュールの中で申し上げました現地調査でございます。現地調査についてお願いできればと思っております。趣旨でございますけれども、このたびの諮問を受けまして新産業都市の建設及び工業整備特別地域の整備の今度のあり方について検討するに当たりまして、各地区の整備状況を把握するとともに、新産・工特制度の今後のあり方について関係道県と意見交換を行うことを目的といたしまして、新産・工特地区として指定されている全21地区における現地調査の実施をお願いしたいと思っております。
 実施方法でございますけれども、ことしの10月、来月ぐらいから来年の1月、あるいは2月ぐらいまでということで、ちょっと冬で大変なんでございますけれども、お願いできればと思っています。対象地区は、先ほど申し上げましたように全21地区を想定しております。調査の概要でございますけれども、21地区に理想的にはこの委員会のメンバーの方が全員というのが理想でございますが、現実問題とてもそれは無理でございましょうから、10数回程度に分けまして委員2名程度、事務局1名程度で1調査チームを構成して、各委員分担、原則として全員に御参加いただくというような形でお願いできればと思っています。1回当たり1泊2日の行程を基本といたしまして、原則1回当たり二つの地区を訪問できればと思っています。各地区におきましては、Dでございますが2ヵ所程度、港を中心とした工業開発というのがここで想定されている制度でございますので、港とその背後地の工業団地等々、こういったものを中心に2ヵ所程度の施設を訪問できればと思っています。またEですが、せっかくの機会でございますので、原則として関係道県との意見交換を実施させていただきたいと思っております。また調査後は、現地調査の御報告をお手数なんでございますがお願いできればと思っています。
 具体的なスケジュールにつきましては、3.今後のスケジュールでございますが、もしここで御了解いただけますれば関係の道県と詳細を調整いたしまして、その結果日程が確定し次第また皆様方に御連絡させていただきまして、希望をとりましてなるべく皆様のスケジュールで御希望に沿う地区に調査に行っていただくというようなことをお願いしたいと思って思います。個々の現地調査のスケジュールはまた後日ということでお願いできればと思っています。
 以上が今後の審議の進め方に関する私どもの提案でございます。
○成田委員長
 どうもありがとうございました。ただいま事務局の方から、小委員会の設置及び今後の検討スケジュール、特に新産・工特の現地調査を含めてお話がございましたが、今後の審議の進め方については、ただいまの御説明に基づいて進めていくということでよろしゅうございましょうか。
             (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○成田委員長
 異議なしということでございますので、ただいまの事務局の案に基づきまして今後の審議を進めさせていただきたいと存じます。
 つきましては、小委員会のメンバーについて、事務局の方で何か案をお持ちでしたらひとつお願いしたいと思いますが。
○田巻地方産業振興室長
 ただいまお手元に小委員会の案をお配りしておりますけれども、私ども事務局といたしましては従来と同様に専門委員の先生方を中心にお願いしたいと思っています。具体的には、お手元の紙のとおりでございますが、大西委員、黒川委員、成田委員、小幡委員、筧委員、紀陸委員、森野委員、以上の7名の委員に小委員会の委員をお願いできればと考えております。以上です。
○成田委員長
 ただいま事務局の方から小委員のメンバーにつきまして一つ案が配られてまいりましたが、これでいかがでございましょうか。
             (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○成田委員長
 なお現地調査はこれは21地区を含みますので、10数回にわたってお願いしなければいけませんので、こちらの方ぜひ御都合のおつきになります方は御協力いただきたいというふうに存じます。
 ただいまの事務局の案につきましては、もう大体異議がないということでございますので、ただいま事務局から御提案いただきました7名の委員を国土審議会令第五条第2項に基づきまして、小委員会委員として指名させていただくということにいたします。よろしくお願い申し上げます。
 
(5)その他
○成田委員長
 最後に(5)その他とございますけれども、事務局から何かございますでしょうか。
○田巻地方産業振興室長
 この地方産業開発特別委員会、前回が平成8年でございまして、3年ほどちょっとお休みをちょうだいしていました。その間に、先ほど来話題になっています新事業創出促進法とか幾つか動きがございますので、国土審議会の動きとあわせましてそういった最近の動きを御紹介させていただきたいと思います。
 まずお手元の資料、若干飛んで恐縮ですが資料番号の17でございます。17に最近の国土審議会の開催状況についてということで、先ほど申しました前回平成8年12月4日の第25回地方産業開発特別委員会以降の国土審議会の議題を整理させていただいております。平成9年1月、平成9年10月、平成10年3月と、第21回から第23回の国土審議会が開かれております。このときはいずれも主要議題が第5次の全国総合開発計画、後ほど内容を御紹介させていただきますけれども、「21世紀の国土のグランドデザイン」について御審議いただいたところでございます。それから第24回の国土審議会は、今年の1月11日に開催されております。ここでは、「21世紀の国土のグランドデザイン」策定後の主な取り組みについてということで、その後の戦略指針のあり方ですとか、政策部会の設置についてということでございまして、新たに部会を設置して御検討いただくということを御議論いただいています。これはまた後ほどグランドデザインに出てまいりますけれども、1枚おめくりいただけますでしょうか。「21世紀の国土計画のあり方」について、国土計画体系の見直しをグランドデザインでうたっております。それを受けまして、それを具体的に調査審議するということでございまして、4月1日に政策部会が設置されまして、その後ここにございますような専門委員会が設置されまして、その場におきまして今後国土計画体系の見直しについて御審議いただくということになっております。これは今後でございますので、内容についてはまたこれからになりますので、またある程度目安がついたところで御報告させていただきたいと思います。今のところはこういう審議を始めたということでございます。
 ただこういうことでグランドデザインが昨年出たわけでございますが、そのグランドデザインにつきましては資料ナンバーに戻りますが、資料14がグランドデザインの本体でございます。資料15がパンフレットでございます。資料の15を中心に御説明させていただきます。1枚おめくりいただきますと、左のページに「「全国総合開発計画」とは」とございます。御案内のとおり、昭和25年に制定されました全国総合開発法に基づく計画でございまして、下の四角でございますが、昭和37年10月5日に全国総合開発計画、第1次の全総が策定されています。この一番下に「開発方式等で拠点開発構想」とございます。これが新産・工特のもとになった基本理念でございます。その後昭和44年に新全総、昭和52年に三全総、昭和62年に四全総が策定され、昨年「21世紀の国土のグランドデザイン」が策定されたところでございます。この特徴は、そのページの上でございますけれども、副題を「地域の自立の促進と美しい国土の創造」という副題でございまして、特徴が三つございます。1番目が、50年程度先を見据えた長期的視点から多軸型国土構造の形成を目指す長期構想を提示し、2番目が地域の選択と責任のもとで、「参加と連携」による国土づくり、地域づくりを提唱しています。また3番目が、長期的な投資余力の減少が見込まれる中で、国土基盤投資の重点化、効率化の方向を示しています。こういう三つの特徴を持った計画でございます。
 具体的には、5ページでございますけれども、五つの基本課題というものを設定しております。1番目が、自立の促進と誇りの持てる地域の創造でございます。二つ目の課題が、国土の安全と暮らしの安全の安心の確保でございます。三つ目の課題が、恵み豊かな自然の享受と継承でございます。四つ目の課題が、活力ある経済社会の構築でございます。5番目の課題が、世界に開かれた国土の形成でございます。こういった課題の達成に取り組むために、四つの戦略というものを提示していただいております。同じページの下の方にございますけれども、1番目が多自然居住地域の創造でございます。二つ目の戦略が、大都市のリノベーションでございます。三つ目の戦略が地域連携軸の展開でございます。四つ目の戦略が、広域国際交流圏の形成でございます。こういったことを大きな内容といたしましたものが国土のグランドデザインでございます。
 ちなみに先ほど国土計画体系の見直しと申しましたが、これは本体資料14の31ページをお開きいただけますか。この31ページの第2段落のところでございますが、4.新たな国土計画体系の確立というふうにございます。この中で、新しい国土計画体系を今後検討しましょうということをうたっているわけでございます。
 それからもう一点、ちょっと細かいのですが、81ページをお開きいただけますか。81ページの真ん中辺に「(2)産業基盤の整備等」とございます。この項目の第2段落、ここに新産・工特についてグランドデザインで触れております。読ませていただきます。
 
 新産業都市及び工業整備特別地域については、これまでに形成されてきた産業集積や都市基盤を生かし、多様な産業の展開、魅力ある都市づくり及び雇用の創出を促進する観点から引き続き整備を進めるとともに、地域振興政策におけるそのあり方について長期的な視点から幅広い検討を行う。またテクノポリス地域及び頭脳立地地域については、これまでの施策を通じて産業集積の形成が進みつつあり、当該地域における産業の一層の高度化や地域内からの産業創出を促進する観点から、地域企業、大学等の連携、交流の強化等を通じ、今後とも整備を進める
 
ということで、グランドデザインにおける新産・工特の位置づけはこのようになっているところでございます。
 引き続きまして、資料の16に基づきまして、昨年12月に成立いたしました新事業創出促進法について簡単に御説明させていただきたいと思います。
 1ページをおめくりいただきまして、ページ2でございます。ここに新事業創出促進法制定の背景でございます。もう私から申し上げるまでもないことでございますが、大変日本経済厳しい状況でございます。こういった厳しい状況を打破するために、豊富な産業資源の蓄積を活用していこうということでございます。また、日本経済を打破するためには新事業の創出が必要ではないかということで、この法律の制定に至ったわけでございます。 その内容は大きく三つございます。その2ページの一番下の四角、「新事業創出促進法の制定」という四角の中にございますが、大きく三つ内容がございます。1番目が、個人による創業あるいは新たに企業を設立して行う事業に対する直接支援でございます。ストック・オプションの特例とか、税制による直接支援でございます。2番目が、中小企業者の新技術を利用した事業活動を促進するということでございます。俗に日本版SBIRと言われているものでございます。3番目が、地域の産業資源を有効に活用して、地域産業の自立的発展を促す事業環境の整備というものでございます。これにつきましては、7ページに詳細がございますので、こちらで御説明したいと思います。
 7ページに、この法律の3本柱の一つ、地域における産業資源の有効活用について御説明しております。この法律の背景といたしまして、産業資源の有効活用とうたっておりますけれども、この制度といたしましては産業資源を有効活用するための地域プラットフォーム、こういう仕組みを整備していこうというものでございます。
 しからばその地域プラットフォームとは何かということでございますが、8ページの上の方に四角の表がございますが、企業、創業者の発展段階を見ますと、その矢印にございますように、市場ニーズ、技術ニーズのマッチングがございまして、それを踏まえて研究開発、商品開発、生産、販売、流通という流れに乗っていくわけでございますが、これを各段階に応じてどちらかというとこれまでバラバラに支援してきたきらいがあるのですが、これを一体となって支援する体制をつくり上げようというものが地域プラットフォームでございます。具体的にはその四角の真ん中にありますけれども、中核的な支援機関をつくりまして、ここを軸といたしまして各段階で連携をとって支援していこうということでございます。テクノポリス財団あるいは中小企業振興公社、こういったものを中心として中核的支援機関を整備しているところでございます。
 こういったプラットフォーム体制をつくりました上で、さらに高度技術産業集積地域を活用していこうということでございまして、産業資源の活用でございます。そういうことで、特に産業集積が進んでいるところについては、もう一段手厚い支援策を講じようということでございます。これは戻って恐縮ですが、7ページの下にA高度技術産業集積地域等の活用とございます。その下の方に主な支援策とございますけれども、こういったところにつきましてはインキュベーターの整備ですとか、賃貸型工場の整備、高度技術産業用設備の特別償却、あるいは高規格幹線道路へのアクセス道路や、地域内の道路ネットワークを重点的に整備するといったことを支援を行っていこうというものでございます。
 またこういった法律の成立に伴いまして、先ほど3月の報告書の概要でもちょっと申し上げましたが、テクノポリス法、頭脳立地法、この二つの法律が廃止になっております。この二つの法律を廃止して、この新事業創出促進法が制定されたということになっております。以上が最近の動向でございます。
 それから、大変事務的な連絡で恐縮でございますが、今日の資料は大変大量にございますので、もちろん今日持って帰りたい方は結構でございますが、後で送ってほしいという方は、その資料を机の上に整理して置いていただきまして、その上に名札を置いていただければどなたの資料かわかりますので、後ほど私どもの方から改めてお送りさせていただきたいと思っております。その他といたしましては以上でございます。
○成田委員長
 ありがとうございました。もう時間が迫ってまいりましたので、最後に前の中川局長さんにおかわりになりまして新しく着任されました芳山地方振興局長さん、御挨拶をひとつお願いいたします。
○芳山地方振興局長
 8月14日に国土庁の地方振興局長を拝命した芳山でございます。どうぞよろしくお願いします。
 きょうは皆様方には熱心な御討議を本当にありがとうございます。先ほどの策定諮問スケジュールにもございましたように、来年の12月をめどに御答申をいただくべく、熱心な御討議をいただくことになりました。その間現地の調査もしていただくということで、忙しい時間を割いていただいていろいろ御検討いただくことになりますけれども、どうぞ引き続きよろしくお願いを申し上げたいと思います。我々も事務局として精いっぱい頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○成田委員長
 どうもありがとうございました。
 それでは、本日は予定しておりました議題につきましてはこれですべて終了いたしました。次回については、小委員会における検討の進捗状況を見ながら開催をさせていただきますけれども、今日賜りました非常に貴重な御意見を生かしながら進めていきたいというふうに存じております。日程につきまして、改めて事務局を通じて調整をさせていただくというふうにさせていただきたいと思います。
 以上で本日の会議は閉会させていただきます。どうも長時間御熱心な御討議いただきましてありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
○  委員
 内容についてよろしゅうございますか。資料6のところに支援策が箇条書きしてございます。これもう少し多少敷衍した形で資料を、新米でありますのでくださればありがたいと思います。場合によっては根拠政省令あるいは通達の関係部分をコピーしてくださるなり、あるいは一般の場合は起債充当率は何パーセントだけれどもこれこれになっている。それはこういう省令なり通達を根拠にして行われているとか、そのあたりの関係資料を後日コピーでもよろしゅうございますから、送ってくださればありがたいと思います。
○田巻地方産業振興室長
 わかりました。今ほどのを送らせていただきます。ただ参考までに申し上げますと、ちょっと先ほど御説明しませんでしたが資料8の最後の3枚、26ページ以降にもう少し詳しい数字は載せておるのでございますが、また見繕いまして追って御送付させていただきたいと思います。
○成田委員長
 それでは、どうもありがとうございました。