第27回国土審議会地方産業開発特別委員会議事録
 
日時:平成12年3月13日(月)14:00〜16:00
場所:中央合同庁舎第5号館 共用第9会議室
 
1.開会
○田巻参事官 一部お見えでない先生方もいらっしゃいますが、あらかじめ遅れるというご連絡を頂戴した方もいらっしゃいますし、定刻を若干過ぎておりますので、ただいまから第27回国土審議会地方産業開発特別委員会を開催いたします。
 皆様方におかれましては、ご多忙のところをご出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 なお、議事に入ります前に、中山国土庁長官からご挨拶申し上げます。長官、よろしくお願いいたします。
 
2.大臣挨拶
○中山国土庁長官 皆様、今日はお忙しいところを大変ありがとうございます。
 ご紹介いただきました、昨年10月5日から国土庁長官を拝命いたしております中山正暉でございます。どうぞ、お見知りおきいただきますようお願い申し上げます。
 普段、大変お世話になっておりますことも重ねてご礼申し上げたいと存じます。
 委員の皆様方におかれましては、日頃から国土庁の行政推進のためにご協力いただきまして、また、本日もご多忙の中にもかかわらずご出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 近年、経済の成熟化、グローバル化や産業構造の変化、少子・高齢化など、我が国経済を取り巻く社会経済環境は大きく変化しつつありますが、こうした中、新産業都市及び工業整備特別地域の制度につきましては、来年度末をもって現行の第6次基本計画の期限を迎えようとしております。
 本制度につきましては昭和37年の制度創設以来、既に40年近くの長い年月が経過していることから、その評価及び今日的意義について各方面からさまざまなご指摘を頂戴しているところでございます。
 このため、昨年3月に閣議決定された第2次地方分権推進計画におきましては、平成12年度末の現行計画終了後の本制度の在り方について廃止を含めた抜本的見直しを行うとされております。
 このような状況の下、本特別委員会におかれましては、昨年9月27日の諮問以来、「新産業都市建設及び工業整備特別地域の整備の今後の在り方について」熱心にご審議をいただいたところでございます。この間、小委員会において3回にわたり大変精力的にご審議いただいた他、年末年始をはさんだお忙しい時期にもかかわらず21の指定地区、23の関係道県すべてを対象に現地調査を実施していただいたところでございますが、このような委員各位のこれまでのご努力に対しまして心より敬意を表するとともに、この場をお借りいたしまして厚くご礼を申し上げる次第でございます。
 本日は、これまでの3回にわたる小委員会における検討結果や、ただいま申し上げた現地調査の結果等を踏まえてご議論をいただくとともに、全指定地区の声を本委員会に直接反映させるために、全国新産業都市建設促進協議会及び工業整備特別地域開発促進協議会を代表して、両協議会の世話人県の方からご意見を頂戴する予定と伺っておりますが、委員の皆様におかれましては活発なご審議を賜りますようよろしくお願いを申し上げる次第でございます。
 最後に、今後とも委員の皆様方のご指導、ご協力、またご鞭撻を賜りますように心よりお願い申し上げまして、簡単ではございますが、私のご挨拶とさせていただく次第でございます。
 この後に予算委員会に呼ばれておりまして、大変恐縮でございますが中座させていただくことになると思いますので、よろしくお願い申し上げまして、国土庁長官としてのご礼と敬意と今後のいろいろな成果に期待を申し上げましてのご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
○田巻参事官 長官、ありがとうございました。今ほどございましたように、長官は所用のためにここで退席させていただきます。
○中山国土庁長官 申し訳ありません、どうぞよろしくお願いいたします。
○田巻参事官 それでは、この後の議事進行につきましては、委員長にお願いしたいと思います。
 成田委員長、よろしくお願いいたします。
 
3.議事
○成田委員長 今、事務局、大臣からご挨拶がございましたように、本日は年度末で大変ご多忙のところをご出席賜りましてありがとうございます。
 これから議事に入りたいと存じますが、今日、予定しております議題は、お手元の議事次第にございますように、第1は、小委員会におけるこれまでの検討状況等についてでございます。第2は、指定地区道県ヒアリングでございます。新産・工特地区の協議会の方々においでいただきましてヒアリングをしたいと思っているところでございます。第3は、新産・工特制度の今後の在り方についてということでございます。
 先ほどの中山長官のご挨拶にもございましたが、全指定地区の声を直接この委員会の審議に反映するようにするために、本日は2つ目の議題である指定地区のヒアリングに時間を割きたいと考えている次第でございます。
 このため、本日の会議は通例より1時間長い3時間という時間を予定しておりまして、途中、10分ぐらい休憩を取るつもりでございますけれども、ひとつ、最後までお付き合いいただきたいと存じます。
 それでは、最初の議題でございます「小委員会の検討状況等について」ということで事務局からご報告申し上げたいと存じます。
 これは、皆様の大変なご努力によりまして、21地区全体を視察いただくということにいたしたわけでございます。無事に調査が終わりまして、その結果等も含めて「小委員会のこれまでの検討状況等について」ということで、事務局から報告をお願いいたします。
 
(1)小委員会等報告
○田巻参事官 それでは「小委員会におけるこれまでの検討状況等について」ということでご報告申し上げたいと思います。
 その前に、本日は資料が大部でございますので、配付資料の確認を配付資料一覧に沿ってご紹介したいと思います。
 資料1は、小委員会におけるこれまでの検討状況についてという1枚紙でございます。 資料2が、新産・工特制度に関するこれまでの小委員会における主な意見という紙でございます。
 資料3が、新産・工特地区現地調査の結果についてという紙でございます。
 資料4は2つに分かれておりまして、資料4−1が、新産・工特制度の評価等に関するアンケート調査の集計結果〔概要版〕でございます。資料4−2が、新産・工特制度の評価等に関するアンケート調査の集計結果〔全体版〕でございます。なお、アンケートの全体版につきましては、各道県等の固有名詞等が出てきますので(委員限り)とさせていただいております。
 資料5が、新産・工特制度の評価及び今日的意義に関する意見〔総括表〕でございます。 資料3、4−1、5につきましては、資料4−2と同趣旨でございますが、都道府県等の固有名詞が出てまいりますので、委員の資料としましては固有名詞が入ったものをお配りしておりますが、傍聴席には固有名詞を抜いたものとなっております。その点、ご承知おきいただければと思います。
 資料6が、2番目の議題の関係でございますが、全国新産業都市建設促進協議会の配付資料でございます。
 資料7は、同じく2番目の議題でございます、工業整備特別地域開発促進協議会の配付資料でございます。
 資料8は、1枚紙でございまして、第2次道県アンケートの実施についてでございます。 その他、参考資料といたしまして、読み上げませんけれども参考1から10まで併せて配付しております。後ほどご覧いただきまして、乱丁、落丁等ございましたら、事務局までお申し出いただければと存じます。
 以上で配付資料の確認を終わらせていただきます。
 続きまして、本題のこれまでの小委員会等の活動報告に入らせていただきたいと存じます。
 資料1でございます。小委員会におけるこれまでの検討状況等について全体概要を整理してございます。
 まずはじめに小委員会の開催状況でございますけれども、平成11年10月15日に第1回小委員会を開催させていただいております。このときには、参考資料5の「地方産業の現状と課題」ですとか、参考資料6といたしまして、昨年3月に取りまとめていただきました地方産業の振興に関する研究会報告書ないしこの研究会の議論の過程を整理いたしました「新産・工特制度の評価及び今日的意義について」といったものを下敷きにご議論いただきまして、併せて今後の審議の進め方についてご確認いただいたということでございます。 昨年12月7日に第2回の小委員会を開催いたしております。このときに、参考資料7主要指標の推移ですとか、参考資料8最近の環境変化についてといった資料を踏まえまして、「新産・工特制度の評価及び今日的意義について」ご議論いただいたところでございます。 なお、この際に、先ほど申しました研究会の議論等をベースに論点を整理いたしました資料を併せて提示しております。それにつきましては、資料の〔総括表〕としましてお出ししておりますので、後ほど改めてご報告申し上げたいと思います。
 第3回小委員会は今年の1月27日に開催されております。このときには、資料4−1、あるいは4−2で準備しております道県に対します新産・工特制度の評価等に関するアンケート調査の集計結果を準備させていただいております。また、委員各位にお願いいたしました新産・工特地区の現地調査の結果につきましても、資料3ということで今日準備させていただいておりますけれども、こういったものを小委員会にも報告いたしましてご議論いただいたわけでございます。
 Bが新産・工特制度の今後の在り方についてということでございまして、先ほどちょっと申し上げました本日の資料5の〔総括表〕をベースにご報告いたしましてご議論いただいたということでございます。
 それから、若干重複いたしますけれども、2つ目の活動といたしまして、本委員会によります新産・工特地区の現地調査を実施しております。これは新産・工特地区の21地区全地区、道県数で23道県を対象といたしまして、昨年10月20日から今年1月25日まで都合14回に分けまして、一部ご参画いただけない委員もいらっしゃいましたが、16名の委員にご参画いただきまして実施したわけでございます。年末の大変お忙しい中を大変ありがとうございました。この結果につきましては第3回小委員会にご報告いたしました他、後ほど本特別委員会にご報告いたしたいと存じます。
 3番目の活動といたしまして、新産・工特制度の評価等に関するアンケート調査を実施したわけでございます。これは新産・工特地区に指定されております全23道県を対象といたしまして、参考9に添付しておりますアンケート表をお送りいたしました。平成11年11月2日に参考9のアンケート表を送付いたしまして、12月20日締切で回収いたしました。幸い回収率が100%ということでございまして、この結果を整理いたしましたものが本日の資料4−1と4−2でございます。本集計結果につきましては第3回小委員会において報告させていただきましたが、その他に本日の特別委員会においても後ほどご報告させていただく予定でございます。
 以上がこれまでの小委員会の検討状況等についての概要でございます。
 それでは、資料2以下に沿いまして具体的にご報告させていただきたいと存じます。
 資料2新産・工特制度に関するこれまでの小委員会における主な意見でございます。
 先ほど申しましたように小委員会は、これまで全部で3回開催いたしております。そのうち第1回と第2回は客観的な統計指標等に基づきましてご議論いただいております。その結果を1ページから5ページの「主な意見」ということでまとめております。
 第3回につきましては、先ほどもちょっと触れましたけれども、本日お配りしております資料5の前段階の資料でございますが、資料5に相当するものを小委員会にお出ししまして、それを踏まえてご議論いただいております。そのうち第1回、第2回は、先生方のご意見をいただく前の段階としてまっさらな状況でご審議いただいたわけでございますが、第3回は現地調査あるいは小委員会の結果をフィードバックした上でご審議いただいております。そういう意味では第1回と第2回とちょっと性格が違ってきているのかなと。先生方のご意見を見た上でご議論いただいておりますので、ちょっと性格が違うのかなということで、第3回につきましては〔議事概要〕を添付しております。オール  ということで整理しておりません。その違いをご理解いただければと思います。
 内容につきましては後ほど資料5の総括表でまとめてご報告したいと存じます。
 続きまして資料3現地調査の結果でございます。1ページから4ページまでが行程表でございます。くり返しになりますけれども、昨年の10月20日から今年の1月25日まで都合14回に分けまして精力的に現地調査をお願いしたわけでございます。
 新産・工特制度は臨界型の重厚長大型の産業施設の整備というものを念頭に置いた制度でございますので、行程をご覧いただきますとご理解いただけるかと思いますけれども、港湾あるいは港湾の背後地の工業団地といったものを直接拝見すると同時に、関係道県の方々と意見交換をするというプログラムで現地調査を実施したわけでございます。
 現地調査終了後、自由記入形式で報告書を全員の方々から頂戴しております。その結果につきましては、この5ページ以降でも整理しておりますが、その際に、単に事実だけを記入したもの、例えば「何とか県の方はこう言っていた」、あるいは「何とか港の整備状況はこうであった」というような単に事実に関するものは、大変恐縮でございますが、この5ページ以降のご意見のところから削除してございます。事実を踏まえた上での委員の先生方のご評価に関する分のみを整理させていただいております。
 5ページ以降のご意見の概要につきましては資料5の〔総括表〕でまとめてご報告させていただきたいと存じます。
 続きまして、道県に対するアンケート調査の結果でございます。資料4−1、(委員限り)で資料4−2とございます。資料4−1に沿いまして簡単に内容をご紹介したいと存じます。
 これは先ほど申し上げましたように23の道県に対してアンケートを実施しておりますが、回収率100%でございますけれども、一部の問につきましては道県の方から「答えがない」というようなお答えをいただいた項目もございます。そういう意味で問によりましては集計結果が全部で23になっていない、20とか、21の答えもございます。その点、あらかじめご承知おきいただければと存じます。
 1ページの問1−1でございます。「新産・工特制度は、貴道県の指定地区における工場立地にどれほど効果があったと考えますか?」という問でございます。11道県が「非常に効果があった」、12道県が「まあまあ効果があった」ということで、23道県いずれも工場立地に効果があった」というお答えでございます。
 今回のアンケートの特徴といたしまして、下にございますけれども〔客観的根拠の例〕あります問によりましては「回答の理由」というようなものを、なるべく定量的なデータをもってお示しいただくということをお願いしております。そういった中で特徴的な道県のコメントを〔客観的根拠の例〕等々として掲げさせていただいております。コメントにつきましては、また後ほど資料の方の〔総括表〕に出てきますので、今回は〔客観的根拠の例〕あるいは〔理由〕といったコメントにつきましては省略させていただきまして数字の方だけご紹介申し上げます。
 2ページにまいりまして問1−2でございます。「新産・工特制度は、貴道県の指定地区における産業基盤の整備にどれほど効果があったと考えますか?」ということでございますが、12道県が「非常に効果があった」、11道県が「まあまあ効果があった」ということで、これにつきましても23道県いずれもご評価いただいているところでございます。
 3ページにまいりまして、問1ー3「新産・工特制度は、貴道県の指定地区における生活基盤の整備にどれぼと効果があったと考えますか?」ということでございます。7道県が「非常に効果があった」、15道県が「まあまあ効果があった」、1道県が「あまり効果がなかった」ということで、前の2つの問に比べますと効果についてちょっと評価が低くなっているかなという感じがいたしております。
 5ページにまいりまして、問1−4でございます。この新産・工特制度は最初の全国総合開発計画において打ち出された拠点開発方式という理念を踏まえた制度でございます。ある特定の地区を指定いたしまして、そこを重点的に整備することにより、その効果が周辺地区に波及するだろうということを狙った制度でございますので、そういう意味で「貴道県内において、指定地区から周辺地域への経済的波及効果はどれほどあったと考えますか?」というお尋ねをさせていただきました。その結果、3道県が「非常に効果があった」、13道県が「まあまあ効果があった」、1道県が「あまり効果がなかった」、6道県が「どちらともいえない」ということで、前の3つと比べますと効果に対する評価がこれもかなり下がってきているのかなという感じがしております。
 7ページにまいりまして問1−5でございます。新産・工特制度は指定地区が一体的な取組みを実施するということが、法律上、新産法の中に明記されてますし、また、具体的に常磐郡山地区の磐城地区などは新産・工特制度の指定を契機として市町村合併が行われ、現在のいわき市が生まれたという経緯もございます。そういった意味で、指定地区について関係市町村の一体的・広域的な活動が行われてるかどうかについてお尋ねさせていただきました。その結果、18道県では「行われている」、5道県では「行われていない」ということで、かなりの道県で「一体的な活動が行われている」というお答えを頂戴したところでございます。
 8ページにまいりまして、問1−6でございますけれども、ここからはしばらく新産・工特制度に基づき個別の支援措置についてご評価を頂戴いたしました。@道県に対します支援措置でございます。新産等債の発行・利子補給が効果があったかどうかというお尋ねでございますが、16道県が「非常に効果があった」、7道県が「まあまあ効果があった」ということで、新産等債につきましてはかなり高い評価をいただいているところでございます。
 10ページにまいりまして、A市町村に対する特定事業に係る国庫補助率のかさ上げといった支援措置でございます。これに関しましても16道県が「非常に効果があった」、7道県が「まあまあ効果があった」ということで高い評価をいただいているところでございます。12ページまいりまして、B国税:事業用資産の買換特例でございます。これにつきましては「まあまあ効果があった」が8道県、「あまり効果がなかった」が2道県、「どちらともいえない」が10道県ということで、先ほどの新産等債あるいはかさ上げに比べますと、ちょっと評価が下がっているかなという感じがしております。
 13ページにまいりまして〔税制上の措置〕のうちの地方税分でございます。C地方税:特別土地保有税の非課税でございますが「非常に効果があった」が1道県、「まあまあ効果があった」が14道県、「あまり効果がなかった」が3道県、「どちらともいえない」が5道県ということで、国税よりはちょっと評価が高いのでございますが、新産等債、かさ上げに比べるとちょっと評価が低いという感じがしております。
 14ページにまいりまして、D日本政策投資銀行等による低利融資でございます。「非常に効果があった」が1道県、「まあまあ効果があった」が6道県、「あまり効果がなかった」が2道県、「全く効果がなかった」が1道県、「どちらともいえない」が10道県で、いままでと比べてやや評価が低いのかなという感じがいたしております。
 15ページにまいりまして、E地方税の不均一課税に伴う減収補填措置でございます。これは「固定資産税等、市町村等は独自に減免措置を講じることができる」となっているわけでございますが、その減免措置を講じた場合に国の方が市町村に対しまして減収補填を行うという制度でございます。これにつきましては「非常に効果があった」が8道県、「まあまあ効果があった」が10道県、「あまり効果がなかった」が3道県、「全く効果がなかった」が1道県、「どちらともいえない」が1道県ということで、これも評価が低い方の支援措置の1つかなという感じがいたしております。
 16ページにまいりまして、F大規模港湾工事の市町村負担免除でございます。これは港湾工事をする場合に、港湾法では一般的に受益者負担の考え方に基づきまして、当該港湾が立地する市町村が、道県によって違いますが10%、あるいは20%ぐらいの幅を持っておりますが、工事の一部を負担するようにということが港湾法で決められているわけでございます。それに対しまして地方財政法の施行例で特例を設けております新産・工特制度につきましては特例が設けられておりまして、先ほどちょっとございましたけれども新産・工特のメリットは、当該市町村だけではなくて周辺に波及するという考え方から、立地市町村だけに負担をさせるのはいかがなものかという考え方で、道県で肩代わりするようにという特例が設けられてございます。その効果について伺ったものでございます。
 14道県が「非常に効果があった」、2道県が「まあまあ効果があった」、2道県が「あまり効果がなかった」、4道県が「どちらともいえない」というものでございます。「どちらともいえない」の中には○○地区のようにそもそも港がない地区等も入っておりますから、その点、ご斟酌いただければと思います。そういったことで、全体としてこれもかなり評価が高かったのかなという感じがしております。
 以上が個別の支援措置に対する評価でございますが、以上のものとは別に、18ページの問1−7でございますけれども、各道県に改めて@からFの支援措置につきまして県ごとのプライオリティーを伺っております。一部の県は「答えられない」という答えが来ておりますけれども、お答えいただいた内容につきまして、私ども事務局で勝手に脚注の集計方法でございますけれども、各道県がつけた順位につきまして1位7点、2位6点、以下同様に7位1点ということでウエイト付けをして集計してみました。その結果が四角の中でございます。
 支援措置の重要度を各県別のウエイト付けしたものを集計した結果、1位が国庫補助率のかさ上げ、2位が新産等債の発行の利子補給、3位が大規模港湾工事の市町村負担免除ということで、ちょっとここには出てこないのですが点数が3位と4位で大きく開いておりますが、4位が地方税の不均一課税に伴う減収補填措置、5位が特別土地保有税の非課税措置、6位が事業用資産の買換特例、7位が日本政策投資銀行等による低利融資ということでございまして、先ほど問1−6で伺ったものと大体同じ傾向かなという感じがしております。そういう意味では、問1−7をご覧いただければ、大体問1−6と併せてイメージをつかんでいただけるかなという感じがしております。
 以上が、これまでの新産・工特制度の過去の評価に関するものでございます。
 20ページ以降が2.今後の地方産業振興策の在り方についてということで、今後について、未来について伺ったものでございます。
 20ページが問2−1でございます。「新産・工特制度のような、主に重厚長大型産業の誘致・育成を念頭に置いた制度は現在でも有効だと考えますか?」につきましては7道県が「非常に有効である」、11道県が「まあまあ有効である」、3道県が「あまり有効ではない」、2道県が「どちらともいえない」ということで、「非常に有効である」、「まあまあ有効である」が18道県ということで、有効性についてかなり高いご評価をいただいたのかなという感じがしておりますが、中には「あまり有効ではない」、「どちらともいえない」というところが5道県というところも、事務局としては気になったところでございます。
 21ページにまいりまして問2−2でございます。「新産・工特制度のように、国がある地域において特定の産業の振興等を支援する、いわゆるモデル型地域振興計画の制度は、地方自治体の自主性・独自性を発揮するうえで問題があると考えますか?」という問でございます。これにつきましては、「やや問題がある」が1道県、「あまり問題はない」が16道県、「どちらともいえない」が3道県ということでございまして、「問題はない」というのが合わせまして19道県で多かったわけでございますが、「どちらともいえない」というところが3道県あり、「やや問題がある」というお答えが1道県あったというところは、事務局としては「なるほど」という感じがしたところでございます。
 22ページにまいりまして問2−3で「貴道県において、今後重点的に振興すべき産業としてどのような産業を考えていますか?」というお尋ねをしております。また問2−4で「問2−3でお答えいただいた産業を振興するうえで重要だと考える施策は何ですか?」というお尋ねをさせていただいております。
 これにつきましては両方合わせてご覧いただいた方がわかりりやすいかと思いますので、両方合わせて特徴的な県を3つ、4つご紹介させていただいております。
 各県それぞれ「科学技術振興指針」ですとか、「21世紀産業ビジョン」、あるいは「長期ビジョン」というようなものを策定いたしまして、そういったものについて「重点産業分野等を決めて施策を講じる」というお答えをいただいております。ただ、その中で注目すべき点といたしまして、「今後の重点産業分野」というところで重厚長大型産業を掲げた県は1つもございませんでした。情報産業、環境産業、あるいは福祉産業というような産業分野を今後の支援すべき産業名として挙げているというのが1つの特徴かと思います。 また、「そういった産業を育成するための支援制度として県としてどういった制度で支援するか」という問につきましても、「ハードの整備は引き続き必要だ」というところもありますが、それと併せまして「産業のコーディネート機能を強化する」とか、「ネットワーク機能を強化する」とか、「研究開発拠点をつくる」とか、「創造的な研究者・技術者を育成・確保する」といった、どちらかと言いますとソフトウェア的な支援措置を掲げているところが多いのが1つの特徴かと思います。
 以上、概要でございますけれども、各県独自の取組みについてのお尋ねのお答えでございました。
 25ページにまいりまして、3.その他ということで、「その他、新産・工特制度を含めた地方産業振興策の今後の在り方について、ご自由にご意見をお書きください」ということでご意見を頂戴しております。
 これについては本当にさまざまなご意見を頂戴しておりますが、ここで挙がっておりますところを簡単にご紹介しますと、○○道県につきましては特殊事情でございますけれども、○○開発地域を抱えておりまして、これがようやくフレーズにきておりますので、そういった意味で「このプロジェクトを円滑に推進するために、今後とも新産・工特制度等の支援措置が必要である」という独自事情に基づくお答えを頂戴しております。
 2番目は○○道県でございます。○○道県はようやく高速道路が開通し新幹線が開業したところで、これによって「ようやく高速交通体系が整備されたところであるが、しかし、産業・生活基盤ともに県内の整備状況はまだまだである。こういったことから今後もよろしくお願いしたい」というお答えを頂戴しております。
 3番目は○○道県でございます。これまた特殊事情に近いかもしれませんが、「本県については新産制度をはじめ、地方拠点法、リゾート法、中部圏開発整備法などの各種地域振興立法を積極的に活用し地域振興を図っており、それぞれの制度の趣旨に合致した地域を選定した結果、県土のほぼ全域が何らかの指定地域になっているということで、仮に新産制度が廃止された場合、逆の意味で白地地域ができて、県内のアンバランスが生じて困る」というようなご意見を頂戴しております。
 26ページにまいりまして○○道県でございます。こちらは○○地域が新産地区となっておりまして、○○地域は産炭地域でございますけれども、産炭法が13年末で失効するということで、「この地域は非常に疲弊しているので産炭法が切れた後何らかの手当が必要なので、新産制度を今後ともよろしくお願いしたい」というお答えを頂戴しております。 最後に○○道県でございます。「○○道県は地理的に非常に大都市から離れている。また、高速道路等々の交通インフラが整備されていないということで、高速道路の整備といったものができてはじめて他の地域と同じようなスタートラインに立てるので、そういったところに対する高速交通に対するインフラが非常に高い」というようなお答えを頂戴しているところでございます。
 以上、大変駆け足でございましたけれども、道県に対するアンケート結果をご紹介したところでございます。
 引き続きまして資料5に基づきまして、先ほどはしょりました小委員会のご審議、意見の概要、現地調査で頂戴しました委員報告の概要、それから、先ほどご紹介いたしました道県アンケートのうち、コメント部分の典型的なものをまとめてご報告したいと存じます。 なお、〔総括表〕でございますけれども、大きく3つの論点を挙げております。その論点ごとに整理しております。
 まず1.制度の客観的評価について論点を、制度全体としての評価から制度実質的有効性まで4つの論点を整理しております。
 5ページにまいりまして2.社会経済環境の変化という論点でございます。これにつきましても、小論点といたしましては、5ページの?から6ページの?まで、社会経済環境の変化の内訳として5つほど小論点を準備させていただいております。
 7ページから3つ目の大きな変化といたしまして、3.従来の地方産業振興策(拠点開発方式を中心として)をめぐる環境の変化でございます。小論点といたしましては?地方自治体の国への依存から?の国土の均衡ある発展の実現手法まで、4つほど論点を整理させていただいております。
 9ページにまいりまして4.その他ということで1つ論点を整理させていただいております。
 以上、全部で14ほどの論点を掲げまして、これにつきまして小委員会のご意見、現地調査のご報告、道県アンケートの結果を整理させていただいております。
 事務局の方である程度「こういったご意見かな」ということで当てはめておりますので、場合によっては先生方の思いと違うところがあるかもしれませんので、もし、そういうところがあれば、この会議の席上でもけっこうですし、会議が終わった後でもけっこうですけれども、ご指摘いただければ、また整理させていただきたいと思います。
 そういうことで、とりあえず事務局限りでこれまでご議論いただいた論点に沿って整理したというものということでご覧いただければと思います。
 あともう2点、この表の見方でございますが、1点は、字体が明朝体とゴシック体とございます。明朝体につきましては、委員のご意見、すなわち小委員会でのご議論、あるいは現地調査のご意見を示しております。ゴシック体の部分につきましては、先ほど資料の4−2ではしょりました道県アンケートのコメント部分につきまして掲げております。
 最後に、表の見方でございますが、2つに縦軸に分けております。例えば1.の制度の客観的評価につきましては、左の縦が「意義なし」、右の縦が「意義あり」となっております。制度全体としての評価で意義があるかないか等々を整理したものでございます。
 あるいは5ページでございますが、2つ目の大きな論点であります2.社会経済環境の変化のところでは、左の縦軸は、社会経済環境の変化を踏まえて「制度の見直しの必要がある」というご意見ですし、右の縦軸が、社会経済環境の変化を踏まえて「制度の見直しの必要性はない」というご意見でございます。
 7ページにまいりまして、3つ目の大きな論点であります3.従来の地方産業振興策(拠点開発方式を中心として)をめぐる環境の変化を踏まえまして、左の縦軸は「制度見直しの必要性り」、右の縦軸は「制度見直しの必要性はない」ということです。
 こういったことでこの表を整理させていただいておりますので、そういったものを念頭に置きながらご覧いただければと思います。
 まず1.制度の客観的評価でございます。小論点として4つほどございますが、小論点の?制度全体としての評価でございます。「もう一定の役割を果たしたので、歴史的なこの制度、役割は終わったのではないか」というご意見と、「いや、まだこれからだよ」という両方のご意見がございます。右側の「意義あり」のところの道県アンケートが一番わかりやすいと思いますが、「国土の均衡ある発展や地域間格差の是正等の新産業都市建設法の目的は、いまだ達成されたとは言い難い」ということで、「意義がある」というご意見を頂戴しております。
 これに対しまして、「もう役割は終わったのではないか」というのは、2ページのCDあたりがわかりやすいかと思いますが、Cの4行目でございますが、「今後、これらの未利用地の活用が新産・工特制度の存続で効果的に進むとは期待できないように思われた。むしろ新産・工特地区の指定が、土地利用転換を妨げるおそれがはないかというような点について注意をする必要がある。」という現地調査でのご報告を頂戴いたしております。 Dでございますが、これは小委員会でのご意見でございますが、「制度発足当初は、地方において新たに臨界工業地帯のようなものを企画するという明確な目標があった。しかし、現在はそのような明確な目標はない。」というようなご議論もあったところでございます。
 先生方からは「一定の役割を果たしたのではないか」というご意見が多いのですが、これに対しまして、1ページにお戻りいただきまして、右側の現地調査の結果でございますが、Aの3行目でございます。「格差の解消は進まず、むしろ拡大している。このような開発が遅れている地域の格差是正のためには、面的な集中投資によるインフラ整備が必要と感じた。」、現地調査において先生方のご報告としてこういったご意見も頂戴しているところでございます。若干ですが、意見が割れているところかと思います。
 2ページにまいりまして?インフラ整備の進捗の観点でございます。ここにつきましては、「インフラ整備が概ね進んで一定の役割は終えたのではないか。」というご意見に対しまして、「いや、インフラ整備途上であり、今後も必要である。」というご意見がございました。
 左の欄で@Aの現地調査のご意見でございますが、「一般的に大体役割が終わったのではないか。ただし、港については息の長い制度なので、まだまだ必要だ」というご意見をいただいております。
 3ページにまいりまして、左側の「意義なし」のBCでございますけれども、「そうは言っても、港湾についても若干問題なしとしないのではないか。」というご意見を小委員会の場でいただいております。D下水道でございますが、「新産・工特で下水道をやることが必要かどうか、若干疑問である。」というようなご意見を小委員会の場で頂戴したところでございます。
 右側の欄でございますが、道県アンケートを中心としてでございますけれども、@Aは「港湾を中心に引き続き整備が必要である。」というご意見をいただいております。Bは「下水道について引き続き整備が必要である。」というご意見をいただいております。DEFは「インフラ整備一般につきまして引き続き整備が必要である。」という道県アンケートで回答をいただいております。
 FGHは港湾についてでございますけれども、現地調査、あるいは小委員会の場におきまして、「港湾についてはちょっと事情が別かな」というような委員会のご意見を頂戴しているところでございます。
 4ページにまいりまして?生産・生活関連投資割合の変化。「投資目的がもともとは道路・港湾といった産業インフラが中心であったが、最近は下水道にシフトしていて、こういったものはいかがなものか。」といったご意見があったわけでございます。@につきましては、「客観的事情として下水道にシフトするのは当たり前ではないか。」というご意見でございます。Aについては、「そういった下水道にシフトするのは、産業都市の建設という法目的からみて外れているとまでは言えないが、制度創設当初の考え方とはだいぶかけ離れていのくのではないか。」というご意見を小委員会で頂戴したところでございます。
 ・は制度の実質的有効性でございます。現地調査の結果といたしまして「最近において制度があまり機能していないという印象を持った。また、新産都市指定というブランド名が今も生きているとの印象もなかった。」というご意見を頂戴しております。
 右側の道県アンケートの結果といたしましては、「基盤整備に対する国の財政上の支援はかつてと比較して少なくなっているものの、国が指定した地区であるということは、間接的・心理的に企業誘致に対し一定の効果を有しており、一層の集積を図る上で、ある程度有効であると考えます。」というご意見を頂戴しております。
 以上が1.の制度の客観的評価をめぐるご議論でございます。
 5ページにまいりまして2.社会経済環境の変化をめぐって、この制度を見直す必要性があるかないかというご議論でございます。
 小論点の・三大都市圏の人口集中傾向の緩和。もともとこの制度は、大都市への集中を防止することを目的とした制度でございますが、それについてでございます。小委員会でいただいたご意見は「現在は人口の増え方が減ってきており、今後その傾向が加速することが見込まれている。つまり、三大都市圏への人口集中傾向の緩和が喫緊の政策課題であった制度創設時の状況とは大きく異なってきている。」というご意見でございます。
 ・経済の成熟化とグローバル化の進展。経済が成熟化した結果、制度の見直しが必要であるかないかということでございますが、道県アンケートの方で1点ご意見を頂戴しておりまして「新産・工特地域では、基盤整備が図られ、企業誘致も進んでいるが、経済のボーダレス化が今後とも進展するなかでは、外資の中心となる港湾を有する臨界部を中心とした新産・工特地域は、今後とも産業拠点となる条件を有する。」ということで、「今後とも必要である」というご意見でございます。
 ・産業構造の変化に伴う指定地区の位置づけの変化。産業構造が重厚長大型から、サービス化あるいは情報化等に変わったのを踏まえてどうかということでございます。
 「制度見直しの必要性あり」というところでは、Aが典型的かと思われますけれども、5行目でございます「従来の新産・工特地区指定と港湾との強い関連については、港湾を利用した素材型の重工業を念頭に置いた措置であったとかんがみれば、○○地区における今後の港湾整備は別の観点からの要求であるということができ、新産・工特制度終了後の経過措置の問題として何らかの対応をすれば足りる。」というご意見を頂戴しております。 また、6ページのCが典型的かと思われますが「新産・工特制度は、各地方に第2第3の○○工業地帯を形成することを目的として作られた制度と理解している。しかしながら、現在の○○工業地帯は雇用創出センターの機能を果たしておらず、土地も余っている状況。したがって、○○工業地帯に準ずるものを地方に形成しようとして作られた新産・工特制度は、その役割を終えたと明確に言い切ってもよいのではないか。」というご意見を小委員会で頂戴したところでございます。
 現地調査の結果として、5ページの右側の「制度見直しの必要性なし」では、「○○地区において、新産・工特地区として整備蓄積された人的、技術的集積は、指定地区の北に隣接する地域(○○地域)における工業開発の展開において不可欠のものとなっている。」ということで一定の評価があるという現地調査のご意見も頂戴しているところでございます。
 6ページの・製造業の雇用創出力の低下に関するご議論でございます。Aが典型的かと思いますが、2行目でございます。「実際のところ、現在工業はほとんど雇用を生み出さない地方における雇用の創出に対して国が支援を行うのであれば、新たな制度を考えなければならない。」というご意見を小委員会で頂戴しました。
 ・産業構造の変化と地方圏の就業構造の変化でございます。3番目の論点、4番目の論点を合わせたようなものかと思いますが、小委員会で頂戴したご意見でございますが、「例えば○○では、メーカー的発想で集客産業をやるから幾らいろいろなものを作っても客が集まらない。一方で、全く製造業を持っていない○○は、現在非常に活気がある街となっているが、それはメーカー的発想ではなく、消費主体でものを考える気質が育ってきているからである。工業都市を作るというのが国家の政策としてやる時代ではない。」ということでございます。
 7ページにまいりまして、3.従来の地方産業振興策(拠点開発方式を中心として)をめぐる環境の変化。小論点の・が地方自治体の国への依存でございます。国が指標を示して、それに基づいて県が計画を作る。それに基づいていろいろな事業を実施していくというような「モデル型地域振興計画制度」と仮に呼ばせていただきますと、こういったものが地方の自立の妨げになっているのではないかという点をめぐるご議論でございます。
 「制度見直しの必要性あり」のAが典型的かと思いますけれども、現地調査の結果といたしまして「新産・工特制度は、地方自治体の国への依存を強め、地方の真の自立・自律を阻害することになると考える。」というご意見を頂戴しております。
 右側でございますけれども、道県アンケートの結果といたしまして「モデル型地域振興計画の制度と地方自治体の自主性・独自性の発揮とは、一律に語れないものである。」ということで一定の評価をいただいておりますが、同じく道県アンケートの結果で注目されるのは、左側に戻りまして「制度の見直しの必要性あり」の@で「国における『モデル型地域振興計画制度』は、一定の制度体系、指定要件等が示され、地域に国の方針による制約等が生じ、それぞれの地域の実情を踏まえられない場合やまた長期的な公共投資を行う計画は、昨今のような社会経済環境の急激な変化への対応が困難な場合もあるので、やや問題があると考える。」というご意見も併せて道県からいただいたことは注目されてよかろうという感じがしております。
 8ページにまいりまして2番目の小論点?産業政策の手法の変化でございます。現地調査の結果、あるいは小委員会の結果といたしまして@Aでございますが支援策は今後ハードからソフトに変わってきているのではないかというニュアンスのご意見を頂戴しております。またBからDでございますが、小委員会でのご意見でございますがBが一番典型的かと思いますが「地域をあらかじめ指定するのではなく、頑張っている地域に対してうまくバックアップしていくようなシステムに政策の方向性が変わっている。」ということでございます。
 これに対しまして道県アンケートでは逆のご意見を頂戴しております。@Aはともにある程度同じご意見かと思いますけれども例えば@の後半でございますが「今後とも国主導による大規模工業の拠点開発を進める中で産業構造の高度化を図り、進出企業から地場中小企業への技術移転を一層進め、地場産業の高度化融合化を図る中で、中小産業の育成を行う必要性がある。」というご意見を頂戴したところでございます。
 ・不公平論でございます。「一部指定地区だけにかさ上げ等を行うのは不公平ではないか」というご意見があったわけでございます。@とBが下水道をめぐっての不公平論でございます。「下水道は新産地区以外のところでも整備が急がれているのに、なぜ、下水道を新産地区だけやるのか」というご意見でございます。Aは○○は特殊事情でございますけれども、港湾に目を向けまして、「他の地区でも港湾を整備する必要があるのではないか。新産地区だからといって港湾を手厚くやるのはいかがなものか」というご意見でございます。
 9ページの真ん中の・、小論点の4番目国土の均衡ある発展の実現手法といたしまして、新産・工特は有効か否かということでございます。小委員会におきましては「新産・工特制度が国土の均衡ある発展の手段として、現在も有効かどうか疑問である。」というご意見を頂戴しました。これに対しまして道県アンケートでは、先ほどアンケートでも申し上げたところでございますが、「新産制度を廃止した場合には、県内のバランスが崩れるので、今後も実施してほしい」という、県内バランスでございましてちょっと国土というのは別でございますが、ご意見を頂戴したところでございます。
 最後に4.その他でございます。昨今の厳しい経済情勢を踏まえてのご意見でございますが、道県アンケートの結果といたしまして、「仮に制度が廃止されるとすれば、長引く景気低迷の中、道県及び○○地区内の市街も厳しい財政状況にあり、財政負担増に伴う事業の進捗や地区内産業・経済への影響は非常に大きいものと考えられる。」ということで、景気情勢を踏まえて今後も続けてほしいというご意見を頂戴したところでございます。
 以上、かなりはしょりまして一部わかりにくいところもあったかと思いますけれども、次のヒアリングも予定されておりますので、これをもちまして、これまでの小委員会の活動状況、現地調査の結果、道県アンケートの結果報告を終了させていただきたいと思います。以上でございます。
○成田委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの事務局からの報告につきまして、ご意見、ご質問がございましたらお願いしたいと存じます。
○  委員 大変手際よくおまとめになっておりますが、5ページでございますが、一言だけご注意を喚起させていただきますが、・産業構造の変化に伴う指定地区の位置づけの変化ということで、左側の欄が「見直しの必要性あり」、右の欄が「必要性なし」と分かれておりますが、その下の方の○○地区のことに触れまして、その北に位置する○○の今後の開発のために、人的、技術的な資源の既存のものが大変役に立つという、そこのコメントはよろしいのですが、そのこと自体が「制度の見直しの必要性なし」ということを意味するものであるかどうか。そういう点の評価はいろいろあろうと思います。
 個人的には私は、そのことが直ちに「制度の見直しの必要性なし」ということでもなかろうと感じております。
○田巻参事官 そこは、また後ほど資料を整理させていただきます。
○  委員 資料の中で、資料4−1で支援措置の重要度についての順位付けをしていただいているのがあって、非常にわかりやすい結果だと思ったのですが、全部をきちんと読めばわかるのでしょうけれども、その解釈ですが、補助金系は非常に高い評価で、融資が低い評価となっています。見方によっては、事業をやるのには融資は必要なので、非常に活発に事業を展開していく、そういう状況であると開発銀行等の融資というのがもっと順位が上がるのではないかと思うのです。そう解釈すると、逆に補助金だけが高い評価を得ているというのは、全体として工場立地なり投資が活発ではなくて、使い勝手のいい補助金だけに関心が集まっているという、制度のやや否定的な側面があらわれているのではないかと解釈できるのかと思うのですが、そういう解釈が妥当なのかどうか、整理された方のコメントを伺えればと思います。
 もう一つ、これは私自身の感想ですが、全体としては卒業している制度だと思うのですけれども、一部、私が訪ねたところでも現在、工業団地がまだ立地しないで空いたままになっている。工業団地を開発した人からは企業に売却されているけれども、企業が建物を建てていない。そういう状況で相当低未利用地が残っているという感じですけれども、場合によっては、制度を残しておくと、そういった未利用状態が存続してしまうおそれもあるのかなと感ずるわけです。
 重厚長大型の産業でそれが埋まるという見通しが、全国的に見てもないわけですから、ぜひ早めに制度に見切りをつけて、新しい方向を探るという機運を醸成していく方がむしろ健全ではないかと、実際に現地を訪れたところについても感じたので感想を申し上げたいと思います。
○田巻参事官 2番目の感想は、私がそのコメントを出す立場にありません。
 1番目の資料4ー1の18ページの問1−7の解釈でございますけれども、先生のご指摘のとおりでございまして、このコメントを読むと、例えば、「日本政策投資銀行等による融資の実績は道県で把握しきれていない。よって、とりあえず道県で把握して価値・効果が大きいことがはっきりしている「かさ上げ」とか「新産等債」の方をプライオリティを高くしました、という回答がかなり多く寄せられています。
 これは、支援措置の重要度であると同時に、道県としての制度の利用実績の把握しやすさを反映した恰好になっているかと思います。そういう意味では、ちょっとバイアスがかかっている感じがするというのは、先生のご指摘のとおりかと思います。
 
(2)道県ヒアリング
○成田委員長 まだご質問があるかもしれませんが、既にヒアリングの方々がお見えになっていますので、またございましたら、後ほどの時間を利用してお願いしたいと存じます。
 それでは、予定の時間を少し過ぎておりますけれども、これから「指定地区の道県ヒアリング」を始めたいと存じます。
 本日の指定地区の道県ヒアリングは、全ての新産・工特指定地区の声を反映させるために、全国新産業都市建設促進協議会及び都市整備特別地域開発促進協議会の両方の代表の方にご出席願うことにしたわけでございます。
 ヒアリングの進め方としましては、まず初めに15分程度、新産・工特制度に関する協議会のご意見を伺い、その後15分間程度の質疑応答に移るという形で進めていきたいと存じます。
 それでは、最初に、全国新産業都市建設促進協議会を代表しまして、同協議会の世話人県であります宮崎県の鈴木副知事様より新産協議会のご意見を賜りたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○鈴木副知事 ただいまご紹介いただきました、宮崎県の副知事をしております鈴木でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 今、委員長さんの方からご紹介いただきましたように、全国15新産地区、関係道県としますと17になりますけれども、この17道県で新産都市の建設促進協議会を結成しておりまして、今年、私ども宮崎県がその幹事をさせていただいている関係で、本日この場で意見を述べさせていただくことになったわけでございます。
 まずもって、こういう形で私ども新産都市の関係県の意見を述べる機会をいただきましたことに対しまして御礼を申し上げたいと思います。
 それでは、時間も限られているようでございますので、早速、意見の陳述をさせていただきたいと思います。
 あらかじめ事務局の方から項目のご指示をいただいておりますので、そのご指示いただきました項目に沿いまして順次意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 まず、第1点目は、制度の評価についてということでございます。国土の均衡ある発展
あるいは国民経済の発達に資することを目的としました新産業都市建設促進制度につきましては、各種の支援措置等により、その促進が図られてきたところでございます。その結果としまして、指定地区における産業基盤あるいは生活基盤についても、それなりの充実を見ておりますし、また企業誘致等についても重要な役割を果してきたというのが、まず認識でございます。
 各県の意見等につきましては、既にこの審議会の方でアンケート調査もされて、各道県の方から回答がなされているところでございますけれども、今回、私の方で意見を陳述させていただくということで、それに先立ちまして、この審議会のアンケートを補足させていただくような形で、私ども協議会としてアンケートも実施しております。そのまとめにつきましては、お手元の資料の中の資料6にアンケート集計結果の簡単な要約を付けさせていただいておりますので、それもご覧いただきながらお聞きいただければと思っております。
 新産制度の評価でございますけれども、制度はさまざまな面を持っておりますので、まず、それぞれの側面に沿って順次申し上げたいと思います。
 評価の観点としまして、1番目に基盤整備に関する評価、2番目に各種の支援措置に関する評価、3番目に産業振興に関する評価、最後4番目に「国土の均衡ある発展」、こういう4つの観点から順を追って述べさせていただきたいと思います。
 まず、基盤整備に対する評価についてでございます。基盤整備につきましては、17の道県がその効果を認めている状況でございます。その理由としましては、第1次から第5次計画までの間に、全国の指定地区において総額約61兆円に上る投資が行われたわけですけれども、道路、港湾等、あるいは下水道、都市公園という生活関連基盤の整備がそれによってなされたこと、さらに、これらにより地方における産業立地条件の向上が図られたこと、また新産地区という看板により国や地方自治体における事業採択にそれなりの配慮がなされ、そういう観点からの整備の促進が図られたこと、このようなことが主な理由として挙げられてございます。
 2番目の各種の支援措置に対する評価でございます。まず、財政上の措置に関して申し上げますと、新産等債の起債充当率の引き上げと利子補給、国家補助率のかさ上げ、この2点の財政支援措置については、それぞれ脆弱な自治体財政を補完をするという形で円滑な事業推進に寄与したという点で、その効果を全部の道県が認めてございます。次に、税制・金融上の措置に関してですが、事業用途資産の買換特例措置あるいは特別土地保有税の非課税措置、金融機関による低利子制度については、企業誘致あるいは工業立地に一定のメリットがあったと評価をする一方で、制度の適用条件が厳しくて最近ではあまり利用されていないとか、また制度の利用実績の把握がなかなか困難で十分な判断ができない、このようなさまざまな評価がなされているのが実情でございます。
 次に、地方税の不均一課税に伴う減収補填措置についてでございます。この不均一課税の減収補填措置については、多くの道県がその効果を認めてございます。その理由としましては、企業誘致あるいは工業立地にメリットがあった、脆弱な自治体財政を補う効果があった、そういうことが理由として挙げられております。
 次に、港湾整備に係る市町村負担金の免除でございます。この制度については、それに該当するような市町村の多くが、これにより毎年、ほぼ億単位の負担金を免除されているような実情にございます。そういう観点から市町村の財政負担がかなり軽減されたということで、その効果については多くの道県がこれを認めているところでございます。
 次に、産業振興に対する評価でございます。先ほど申し上げました私どものアンケート結果、資料6の1番目の「新産制度の地方産業振興に対する評価について」をご覧いただきたいと思います。全ての道県がある程度の効果を認めているというのが結論でございますが、工業施設等の立地状況など、当然ながら効果に地域差がございます。そこで具体的には、工業集積等の飛躍的な伸びが見られた地区がある一方で、集積が伸び悩んだ地区、あるいはオイルショック以降には逆に集積が低下した地区、また、○○道県の○○地区などもその代表例の1つかと思いますが、大規模な遊休地を抱えている地区もある、そのようなさまざまな状況にございます。
 さらに、最後に、新産制度の目的であります産業振興による「国土の均衡ある発展」の側面については、すべての道県が未だその目的は達成されておらず、地域間格差が存在すると判断をしております。その理由としまして、ある程度の産業基盤なり産業振興は図られたものの、生産あるいは生活基盤の両面とも未だ整備途上であって、所得格差等が依然として存在している、こういうことをおもな理由として挙げております。
 以上申し上げましたことを総括させていただきますと、この新産制度がもたらしました基盤整備促進等に対する効果については、各道県とも高く評価しておりますが、産業振興の面で、先ほどもちょっと触れました大規模遊休地の問題に代表されるような未解決の課題もございまして、制度の目的であります「国土の均衡ある発展」という点につきましては今なお達成が十分にされたとはいえず、新産業都市建設については未だ整備途上にあるというのが共通した認識でございます。
 続きまして、ご指示いただきました項目の2番目、新産制度の今後の在り方についてでございます。同じく、アンケート資料の2番目のところをご参照いただきたいと存じます。
 各道県、ニュアンス等に微妙な違いはございますけれども、平成13年度以降も制度存続を求める意見が大勢でございます。ご案内のような長引く景気の低迷なり産業の空洞化等、最近、地方を取り巻く環境は非常に厳しいものがありまして、そうした中で高速交通体系の整備、港湾、下水道等の基盤整備、あるいは産業構造の高度化に伴う対応という必要性は一層高まっている状況が地方にございまして、そういう中で各地区においてそれぞれそれなりの整備促進に努めてございますけれども、それぞれ各地区毎に行われています事業については、新産制度の各種の支援措置を前提として中長期的な計画に基づいて実施しております関係から、例えば、この財政支援措置が直ちに廃止されることになりますと、当然ながら、事業の進捗に大変大きな支障を来すことになるわけでございます。さらに、整備が遅れるということで、企業誘致や工業立地等の面でも停滞等の状態を招いてくる。そのことがさらにその地区内の経済情勢の悪化を引き起こして、さらには地域間格差が拡大する。こういった悪循環に陥ることを大変懸念しております。
 近年は、整備のウェイトが産業基盤から生活基盤にシフトしてきている傾向は否めないわけですけれども、一方で、その点で産業振興に対するこの制度の効果を疑問視する、そういう意見もあろうかと思っております。ただ、例えば各地区の重要港湾等については近年では、国際物流拠点として新たな役割を担うということで、そうした面の整備も必要となってきておりますし、高速道路あるいは新幹線などがこれから整備をされる、そういう地区においては今後、産業関連基盤の整備が一層必要になってくるという状況もございます。さらに、工場等が立地する場合に際しても、下水道等の基盤整備に対する需要が従来にも増して高まってきている状況にもございます。そういった観点から産業振興に対するこの制度の持つ意味は、依然として大きなものがあると考えております。
 一方におきまして、地方分権の推進という観点から地方の産業振興は地方独自で行うべきである、こういった意見もあろうかと思いますけれども、税財源の配分等の議論は必ずしも十分ではないような現状におきましては、国の直接的な支援が不可欠であると考えております。
 それから、その他は、少数意見ではありますが、この制度の理念が時代に適応しなくなりつつあることから、新たな制度を求めるという意見もございました。しかしながら、平成13年度以降も何らかの支援措置を必要としているという点では、大方の存続要望と共通の考え方であると思っております。
 新産制度の今後の在り方につきましては、以上でございます。
 最後に、その他の事項ということで申し上げたいと思います。これまで申し上げましたとおり、この制度の担う役割は今なお重要であると考えておりまして、各15の指定地区におきましても、各種の支援措置等の下で地域間格差の是正を目指した取り組みを続けております。そういうことで、私ども17道県、新産都市建設促進議論会といたしましては、協議会全体の総意としまして、制度は存続されることを望んでおります。
 それから、お手元の資料6の3番目をご覧いただきたいと思います。各種の支援措置の中で何が特に重要であるかということに関する各道県の回答を掲げてございます。まず、国庫補助率のかさ上げ、次に、新産等債の起債充当率の引き上げと利子補給、最後に、港湾整備等に係る市町村負担金の免除、この3つが挙げられております。いずれも財政基盤の脆弱な地方自治体にとりましては、整備事業を進める上でいずれも重要なものであると考えております。
 資料6の最後の4点目では、その他、要望事項ということで、各県から出てまいりましりものを列挙させていただいておりますけれども、時間の関係もございますので、これにつきましては改めてご説明はいたしませんけれども、各道県の個別の意見ということですので、後ほどご一読いただければ幸いでございます。
 以上をもちまして、17道県建設促進協議会としての意見陳述を終わらせていただきたいと思いますけれども、今後のご審議に当たりまして、私ども地方の実情を十分にご賢察いただきましてご検討いただけるようにお願い申し上げます。
 以上でございます。
○成田委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの新産協議会のご意見につきまして、ご質問がございましたらどうぞ。
○  委員 一定の成果は上がったにしても、国土の均衡ある発展には不十分で、まだ存続の必要があるというお話でございましたが、かなり時間がもうたっているのですが、なぜそれほど、「まだ十分な完成に至っていない」と、その理由についてどのようにお考えでしょうか。
○鈴木副知事 これは既に先生の方は、資料等あるいは現地をご視察いただきまして、各地域の状況もご存じのことと思いますけれども、はっきり申し上げまして、15地区の状況はかなりバラツキがございます。いわゆる優等生といわれるような地域と、例えば、○○が抱えています○○地区などは恐らく劣等生の部類に入るだろうと思いますけれども、そのように中で地区毎にかなり差が出てきた理由というのは、それぞれ個別にいろいろな原因があろうかと思いますけれども、特に○○の地区等の実態から考えますと、1つには、産業立地のために必要な交通基盤の整備が、少なくとも○○の道県内の○○地区等では非常に遅れていたことが、十分な企業立地等が進まなかった大きな原因ではないかと考えております。
 全国的にいいますと、特に九州地方あるいは北海道、東北地方という、どちらかと言うと大都市圏から遠い地域がいずれも似たような状況にあろうかと思いますけれども、それぞれ個々の詳しい状況までは私どもは他地域については承知しておりませんけれども、恐らく、そういう基盤整備の点の遅れというのが、結果的にあまり大きな成果が上がらなかった地区については大きな原因になっているのではないかと思っております。
○  委員 そういたしますと、少数意見だとおっしゃるところにあったと思いますが、今の新産・工特というのは、現在においてはもう時代後れといいますか、若干そぐわなくなっているのではないかという意見もあるというお話でしたが、今おっしゃったような、高度化はなかなかうまくいかなかったというのがあるのですが、それが新産・工特がこのままの状態で存続した結果よい方向に行くという可能性があるとお考えでしょうか。
○鈴木副知事 結論的には、私どもとしてはそう思っております。
 といいますのは、さっき言ったことと重複しますけれども、それなりの大きな成果が上がった地域というのは、この制度に乗った整備に加えて、交通条件等が非常に整った地域が多かったのだと思います。そういう点で、それにいわば乗り遅れて今のところ劣等生にいる地域についても今後、それぞれ交通基盤等が整備されることによって、優等生になる可能性は大いにあると思っております。
 私ども、今日は17道県を代表する立場ということなので、あまり個別のことを言うのもいかがかと思いますけれども、一番よく承知しているという意味で、○○の○○地区のことについて少し言わせていただきますと、あそこの一番のネックは、港湾はそれなりに整備が進みつつありますけれども、高速道路が通っていないというのが、物流という点からも最大のネックだろうと思っております。
 これにつきましては、実は遅ればせながら、○○自動車道が今整備されつつありまして、今のところようやく今月に一部区間が開通するだけという状況ですけれども、○○から○○まで○○の東側を結ぶ高速道路ですけれども、これがある程度開通してくる状況になれば、一番弱点でありました交通基盤の点でかなりの改善がされる。そういう暁には、この新産制度を活用することによって、今まで立ち遅れていた分を取り戻す形で発展する余地があるのではないかと私どもとしては思っております。
○  委員 今日お聞かせいただいたご意見は、存続させるべきかどうかという議論を中心にお話があったように聞いたのです。国土庁の方でおやりいただいたアンケートも、どういう効果があったか、存続すべきか否か、こういう枠組みが中心のように感じるのです。
 今まで進めてこられた自治体の立場からすれば、まさに拠点開発として夢を担って、格差是正ということも考えてお進めになって、公共投資も集中してやってきておられるということだから、「これ、やめた」と簡単に言える話では恐らくないだろうと思うのです。
 そういう点からしますと、続けるにしても、一方で、遊休地が多いとか、今の産業環境の中ではこういうことの方が効果的ではないかという手法の変化もあるでしょうし、そういうことに対応して、続けるならばこのように改正してほしいというご希望もあるいはあるのではないかという気がしているのです。私どもの現地調査でもそういうところを十分に聞き出せたかどうかは忸怩たるものがあるのですけれども、続けるならばこういうことをやってほしいとか、あるいはこういうことをやった上で続けてほしいとか、例えば土地利用の転換にしても、あるいは産業的な手法の変化といいますか、選択の変化といいますか、そういうこともあるかもしれませんし、生活環境との問題もあるかもしれませんけれども、そういったご意見も、よく掘り出していけばあるのではないかという気もしているのです。そこら辺は、今日は協議会のお立場でどこまでお話しいただけるのかよくわかりませんが、そういうご議論もあるのではないかという気がしているのですが、いかがでございましょうか。
○鈴木副知事 お答えいたします。
 結論的に言いますと、今、委員の方からもちょっとお話がございましたけれども、17道県協議会という総意としてそういうアンケート等も実際にやっていないものですから、協議会の総意としての意見という形では申し上げられないわけでございますけれども、ほかの項目等を通じて全体的な傾向として考えますと、いずれにしても、具体的な個々の、例えば「この点をこうしたい」というのは、地域によって置かれた条件が違います、またはっきり言ってそれぞれの進捗度が違うものですから、当然、個別にそういうところまで掘り下げて審議会等でお聞きになればいろいろな意見があるいは出てくるのかと思いますけれども、最大公約数的に集約いたしますと、現行制度で最も自治体として効果あると考えいます補助率のかさ上げ、起債充当率の引き上げと利子補給、港湾整備に係る市町村の負担金の免除、この3つにつきましては、いずれにもしても大変効果的でもあり重要であるので存続をぜひしていただきたいというのが、やや消極的ではありますけれども、最大公約数的な意見かと思っております。
○  委員 いただいた資料の1ページの冒頭のところで、前の説明から気になっていたのですが、@の「非常に効果があった」というのは「非常に」かどうかはともかくとして、Aのところ、これは例だからこのように書いてあるのかもしれませんが、基盤整備を続けてくるのだから、基盤が整備されるのは当たり前の話です。それは効果でも何でもなくて、効果というのは、整備された基盤の上で産業活動が活発になるかどうか、それで人口が増えるかどうかという、@の観点が要するに効果であって、Aは効果でも何でもなく、当たり前の話です。
 特に下水道などが書かれていますが、下水道の整備を進めるのだから、下水道がよくなるのは当たり前の話で、そんなのは効果でも何でもないと思うのです。下水道が整備されたから企業が誘致されたかとか、人が増えたかとか、そういうことを考えないといけないときに、そのもの自体の整備をもって効果という見方はどうかなと思う。
 問題は、整備された基盤の上で産業活動が活発になったかどうかという議論をするときに、30数年間やってきて、今もって効果が上がっていない。この7県以外では、多分そういうことだと思うのです。30数年間同じことをやってきて効果がないときに、では、さらに何年続けたら効果が上がるのか。普通の民間会社だと、とっくにこんな事業からは撤退するか倒産するかのどちらかです。それを今のお話だと、高速道路ができたら……というお話ですが、それも一体どのくらいのタイミングでどうできるのか。
 そういうのんべんだらりとしたような考え方でいいのか、もうちょっと産業誘致的に考えるのなら、さっきちょっと意見が出ましたが、方法がないかどうか、それを考える方がよほど問題の解決に適切なのではないですか。このまま続けても……。
○鈴木副知事 大変率直な、私どもからすると厳しいご意見をいただきました。
 アンケートの整理の仕方については、はっきり言いまして、今ご指摘のようなことがあるのは否定できないと思います。要するに、効果があったと言った7県は、客観的に見てもそれなりの、いわば業績が上がっている地区でございます。それに対しまして、そういう産業の振興なり人口の集積なりという意味の効果では、残念ながら、客観的数字としては結果が出ていないというところが、恐らく○○道県も含めまして、Aの「一定の効果があった」に入れたということだろうと思います。
 これは何も効果でも何でもないではないか、そういうご指摘も当たっていなくはないなと思いますけれども、全体として、当然ながらこの協議会として、この制度の存続をお願いしたいというスタンスもございまして、そういう意味からすると「効果がなかった」と言うわけにもいかないなと。その辺は苦しいところもありますけれども、ぜひ事情をご賢察いただきたいと思うわけでございます。
 それから、今まで30年もやって効果がなかったのだから、今後も見込みがないのではないか、だらだらいつまでやってもしょうがないではないかというご指摘でございまして、これもなかなか厳しいご指摘でございますけれども、特に○○道県のように、今まで十分に成果が上がらなかったところにすると、上がらなかった理由というのを考えてみますと、一方でそれなりの成果が上がったところもあるわけですから、制度自体に大きな欠陥があったということではなく、個々に適用された側に、うまくいった地域にはあって、うまくいっていない○○道県のようなところには不足しているような何か条件があったのではないか。
 そういうふうに考えた場合に、先ほども申し上げましたように、少なくとも○○道県の○○地区のような場合は、交通基盤、輸送基盤が不十分であった。それが、先ほど申し上げましたように、ようやくその見通しがついてきたという状況もありますので、これが整備されれば、ほかの優等生地区に遅ればせながら追いつけるような条件が整うのではないかと期待をしているわけでございます。
 あまり個別のところばかりを言ってもあまり意味がないのですが、あえて申し上げますと、先ほど申し上げました○○自動車道、これは道路ですのでどのくらいで完成するのかというのはなかなか見通しが立ちませんけれども、例えば○○道県内で言いますと、計画区間から整備区間にほとんどの部分が格上げになっていますので、完全開通はもう少しかかりますけれども、○○の関係部分だけでいえば、10年ぐらいでほぼ開通することに、今の状況でいけばなるのではないかと思っております。そういう状況下になれば、何とかそれなりに産業集積等も遅ればせながら進んでくるのではないかと期待をしている状況でございます。
○成田委員長 まだいろいろご意見、ご質問がおありかと思いますけれども、今日は、お述べになった意見をもとにしての議論をするということではなく、ヒアリングでございます。次の工特関係のヒアリングもございますので、よろしければ、この辺で一応ご退席いただきまして、次のヒアリングを始めたいと存じます。
 本日は、鈴木副知事さん、どうもありがとうございました。特に年度末でご多忙のところ、東京までわざわざおいでいただきまして本当にありがとうございました。本委員会を代表しまして心から御礼申し上げます。
○鈴木副知事 どうもありがとうございました。またよろしくお願いいたします。
○成田委員長 引き続きまして、工業整備特別地域開発促進協議会を代表いたしまして、この協議会の世話人県であります兵庫県の井戸副知事様から工特協議会のご意見を承りたいと存じます。
 お忙しいところをどうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○井戸副知事 それでは、早速に、工業整備特別地域の協議会の世話人県といたしまして、本日のヒアリングに当たりまして代表してまいりましたのでご報告をさせていただきたいと存じます。
 初めに、工業地域の振興をはじめ各地域の振興に当たりまして、成田委員長をはじめとして特別委員会の皆様方、あるいは国土庁をはじめとする関係省庁の皆様方に、平素よりご指導いただいておりますことを改めてお礼を申し上げる次第でございます。
 また、兵庫県といたしましては、この1月17日に阪神淡路大震災から5か年を迎えたわけでございますけれども、お蔭をもちまして、仮説住宅ゼロという状況で5か年目を迎えることができまして、いわゆる緊急応急対策の時期から本格的な復興の時期を迎える運びになりましたこと、これも皆様方のご支援のお蔭だと心からお礼を申し上げる次第でございます。
 お手元に資料としまして、本日のレジュメを配らせていただいておりますので、これを参酌していただきながらお聞き取りいただければ幸いでございます。また、各県の意見につきましては、資料7をご覧いただきまして、ご説明を申し上げる次第でございます。
 まず、工特制度の成果と工特地域の現状についてでございますが、・の産業生活関連基盤の整備と現状としまして、国の財政上の特別措置により、6つの工特地域で、第5次整備基本計画の終了した平成7年度までに、国庫補助のかさ上げで509億円、新産業都市等の建設事業債で1,926億円、新産債に伴う利子補給額で309億円のご支援をいただいていまして、約21兆円の公共投資を行っております。特に産業関連基盤につきましては、道路や港湾を中心に整備が促進され、工特地域は全国を上回るスピードで整備が進められてきたと考えております。
 生活関連基盤につきましては、上水道、教育施設、厚生施設などは全国の伸びを上回る整備が図られていますものの、公共下水道では、平成9年度の普及率が全国57%に対して、工特地域は47%と約10%下回っております。また都市計画区域内人口1人当たり都市公園面積では、全国8.3uに対して、工特地域はその約3/4の7.1uであるなど、都市的生活環境の整備ではまだ不十分さが認められるのではないかと考えております。
 人口、工業出荷額、企業立地の状況等でありますけれども、いずれも全国を上回る増加となっております。そのような意味では、国土の均衡ある開発なり発展に一定の役割を果してきたと言えるのではないかと存じます。
 ○○道県の○○工特地域におきましては、産業団地での立地は過去5年間で、全体で22件ほどございますけれども、その内訳としては、基礎素材型産業、加工組み立て型産業、生活関連型産業がそれぞれ1/3ずつになっていまして、最近では、いわゆる重厚長大型産業だけではなく、それ以外の産業の集積が図られつつある、このように見ております。
 続きまして、お手元に資料7としまして「工特制度の評価及び今後の在り方について」関係府県の意見を集約させていただいた資料がございますので、ご覧いただきたいと存じます。
 まず、1ページ目でございますが、基盤整備に関する評価については、全県が効果があったことを認めております。
 それから、財政上の特別措置等に関する調査については、「新産債の発行なり利子補給」あるいは「特定事業に係る国庫補助のかさ上げ」について、全県が効果があったと認めております。「特別土地保有税の非課税」についても、6県がその効果を認めております。「地方税の不均一課税に伴う減収補填措置」については、半数以上の県がその効果を認めております。
 2ページ目に移らせていただきまして、「事業用資産の買換特例」及び「日本政策投資銀行等による低利融資」については評価が分かれているわけですけれども、この調査の性格上、その利用実績を十分に把握しにくかったことが原因ではないかと考えております。現実の企業のビヘイビアからみましたとき、買換特例あるいは低利融資というのは非常に大きなインセンティブ効果を発揮するということは言うまでもないと考えております。
 それから、「大規模港湾工事の市町村負担免除」については、半数以上の県がその効果を認めております。特に市町村の負担の免除の効果については、その実施している県においては非常に高く評価してございます。
 工特制度の今後の在り方については、そこに書かせていただいていますように、地域内において産業の空洞化等の課題も依然として抱えていますので、その解決のための工特制度の存続の必要性について、新しい時代潮流に合ったメニューの見直し等についての要請が強くございます。
 以上が各県のアンケート調査等に基づきます意見の概要でございます。
 市町村におきましても、大半の市町村が工特地域における基盤整備や企業立地に成果があったと評価するとともに、今廃止になると問題となる事業があると言っております。ちなみに、○○道県の○○工特地区の市町でも23市町中84%に当たります19市町が、基盤整備に効果があったと評価しておりますし、今廃止になると困るという事業として下水道や道路などを挙げております。
 4番目の工特地域を取り巻く課題について、若干述べさせていただきたいと存じます。まず、産業の構造変化と空洞化の問題でございます。国際化なり情報化などの進展の中で、臨海部を中心にこれまで集積を図ってきた鉄鋼、化学、繊維等の基礎素材産業が、生産縮小や海外への生産拠点の移転が進行しまして、地域からみたとき産業の構造変化、空洞化が見受けられます。特に工特地域は製造業の比率の高い地域でありますためにその影響が大きく、一層の対策と国際的な立地促進を視野に入れた立地競争力の強化が求められていると考えております。
 ○○道県の○○地区においても、○○の○○の停止とか、あるいは○○の○○部門の合理化ということに伴いまして、ピーク時に比べますと1万人以上の従業員数の減少がみられておりまして、これとの関連で産業構造の転換に伴います未利用地の有効活用が課題になっております。その未利用地の有効活用に当たりましては、単に未利用地のままで利用・活用が図られるかといいますと、そのための追加的な対応が必要になっているのではないかと考えております。
 2番目に、特定産業に偏った企業集積という課題がございます。産業の空洞化の一因は、特定産業なり、その関連産業に特に集中した立地集積が行われたことによる効果、影響ということも考えられます。このため、今後の課題としましては、既存集積なり地場産業と連携した多様な産業を創出して総合的な地域整備を、まちづくりの一環としても考える必要があるのではないか、このように受け止めております。
 3番目は、内陸部における工業集積が十分に進んでいないという点でございます。地域全体でみましたときに、臨海部では産業の新しい課題は抱えていますが、一定の集積がなされてきておりますけれども、内陸部では、高速交通体系や産業団地あるいは都市基盤などの社会資本の整備の遅れもありまして工業集積も進まず、まだこれからという状況でございます。したがいまして、内陸部の振興をどう考えていくかが課題でございます。
 4番目は、生活社会基盤の整備が十分だったかという点でございます。国際化なり情報化に対応する必要がある中で、外国企業も視野に入れた企業集積を一層図っていくためには、情報ネットワーク等を含めた情報関連の基盤整備とあわせ、国際的にも魅力のある町づくりを進める必要があると考えております。そのためには、これまでの成果なり社会基盤を活用しながら、情報基盤、あるいは下水道、教育施設、都市公園などの社会基盤を整備した快適な生活空間を創出することが不可欠ではないかと考えられます。
 5番目は、産学官の連携による技術開発支援と人材育成等のソフト面での対策の必要でございます。これは、ことさら説明申し上げるまでもないと思います。
 5としまして、今後の工特制度の在り方について、協議会としまして次のような意見を申し述べさせていただきたいと存じます。まず、「工特制度の必要性」と書かせていただいておりますが、以上述べましたような課題、状況を考えましたときに、工特制度の成果は、先ほども申し上げましたように、全国6地区において、基盤整備、工業集積はそれぞれ一定の成果を上げてきたと存じます。そして、工特制度は主として基礎産業、重厚長大産業の育成に効果を発揮した制度だとすると、現在ではその役割は終えたのではないかという意見もありますけれども、現実には、基盤整備の重点が産業関連基盤から生活関連基盤へと移っていく中で、産業構造の変化ですとか、ライフスタイルの変化に対応しながら、新しい産業の誘致促進に役立ってきておりまして今後とも、産業構造の改革に対応するためには必要な手法ではないだろうかと考えております。特に新しい課題、地区内での産業の構造変化に伴う空洞化の問題とか、内陸部での工業集積の不足あるいは生活社会基盤の整備等の課題がありますので、そのような意味では総合的な都市機能を備えた工業開発拠点地区を整備していくという観点での制度の有効性は、今でも残っているのではないかと存じます。
 そのような観点で先導的なプロジェクトとして、例えば、○○地区では○○団地とまちづくりとあわせた工業立地が図られています。○○地区でも○○、産学が交流するまちづくりとあわせた工業立地を図っております。例えば、○○地区では、高速道路体系の整備にあわせ、○○等、科学拠点施設との連携での整備促進を図ろうとしております。そのような意味で、工特地域の役割は、ある意味でまだまだ残っているのではないと考えております。
 その制度の在り方にあわせ、私どもとしては、そのメニューなりについては見直し、充実を図っていただく必要があるのではないかと考えております。1つは、国庫補助のかさ上げや、新産債等の利子補給について、その適用要件を緩和していく必要があるのではないか。そして対象も、情報基盤などの整備も対象に付け加えていただく必要があるのではないかと考えております。
 2番目は、海外企業も含めた企業誘致のインセンティブともなる初期投資や立ち上がり期の負担軽減のための税制上の優遇措置、これらの措置の必要性でございます。
 3番目は、産学官連携の技術開発とその支援システム、あるいは人材養成プログラム等の充実の面でございます。
 今後の地方産業振興策としても、原則として地方が主体となって行えばいいのではないかというご意見もあることは承知しておりますが、基本的に地方の主体的な取り組みで進めていくべきだと考えておりますけれども、現在の状況において、地方分権一括法の施行がこの4月からだと申しましても、国と地方との税財源配分等の現状からみましたときに、国としての総合的な支援対策の仕組みというのは現状では必要ではないかと考えます。いずれにいたしましても、何らかの新たな制度に移行していく場合には、道路、港湾、下水道などの整備計画や現在進めています各プロジェクトの推進への影響等から、経過的な措置を設けていただく必要があるのではないかと考えます。
 最後といたしまして、以上協議会としての意見を申し上げたところでありますけれども、地方経済、一部明るさが見られていますけれども、全体としては未だ厳しい状況にございます。とりわけ基礎産業部門の役割の大きい工特地域ではその影響が大きく、特に構造的な問題の解決が急がれております。私どもいたしましては、経済対策を含め地域振興に努力しているところでございますが、そのような努力が実を結ぶような制度、受け皿をぜひ整備していただきますことをお願い申し上げる次第でございます。
 意を尽くしませんけれども、協議会を代表しての意見陳述とさせていただきます。
 国土審議会地方産業開発特別委員会の皆様方には、何とぞ意のあるところをお汲み取りいただきまして、適切なご検討を賜りますようお願い申し上げます。
 どうもありがとうございました。
○成田委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの工特協議会から述べられましたご意見につきまして、質問等がございましたらお願いいたします。
○井戸副知事 委員長、1つだけお話しさせていただきたいと思います。
 先ほども意見の中で申し上げましたけれども、産業構造の変化に伴い非常にドラスティックな産業再編が行われつつございます。例えば、○○の○○地区で申しましても、○○の工場跡地等については、約200haぐらいの未利用地が現に存在しております。実を申しますと、この未利用地をそのまま放置しておくことの是非を考えましたときに、基盤的な投資はある程度進んでいる地域でもありますので、いわばせっかくの投資が十分に活用されていないという実態にあるわけです。しかし、利用するためにはさらに、例えば○○を整備するとか、あるいはもう少し基幹的な道路を整備するとかという追加投資がいるわけです。そういう未利用地をそのままの状況の中で放置しておくような対策は果していいのだろうか、というのが1つでございます。
 もう一つは、この5年間の阪神・淡路大震災の復興過程でもいろいろ議論になったわけですけれども、外国企業等の進出をもっと促進させようという投資の国際的なインバランスの問題を考えましたときに、ある一定の呼び水対策をやらない限りなかなか外国企業は来てくれない。
 この間も、兵庫県に進出しています外国企業のトップと協議会をもったのですが、税制上の措置、金融の措置、それと規制緩和、この3本柱を強く言っておりまして、「このままではシンガポールにしか目が向かなくなりますよ」と言われたところでもございます。
 そのような意味からも工特地域の制度に焦点を当てていただくというのはいかがだろうか、このように考えている次第でございます。
○  委員 私、○○港を見学させていただきました。あのときのお話は非常に印象的で、当初は素材産業の港湾をつくろうとしたら遅れてしまった。それが自動車という形で再生して、加工組み立てで再支援になった。外国企業も来て今、日本一の輸入港であり輸出港である。
 つまり、ある意味では工特というのは、私からみますと、ここに書いてありますが、日本の地方の工業地域ではかなりの優等生というか、比較的うまくいっているという感じがかなりあります。そのときに、ここにも「メニューの見直し」「制度の充実」「新制度」という形で書かれているように、現在の工特制度というものが、先ほどは「素材産業の構造改革」ということでおっしゃっていたと思うのですけれども、その辺との関係。つまり、旧来産業とは、もはや工特の場合には日本の産業構造の転換をうまく先取りしているところも一部にあるかと思うのです。そういうところと、工特の現状の制度を続けることの、県からみたときにどういうメリット・デメリットがあるか教えていただきたい。
 もう一つ、下水道で言われているように、下水道のようなものは、例えば今工特で言えば、新しい産業でのまちづくりとか、新しいものをやるとすると、さっきの情報とか、知的インフラとか、生活環境ということはそうなのですけれども、何となく下水道ということでそういうものが代表されていることは、実は工業振興とやや離れているのではないかという印象を受けております。
 逆に言えば、ちょっととりとめないですけれども、工特が今でも、いわゆる従来型産業との関係で制度が不可欠だという点に絞って、何かあれば教えていただきたい。むしろ、方向が出ているので……。
○井戸副知事 私も、明確なお答えになるかどうかと存じますけれども、まず、ある意味で、先生ご指摘のように工特が非常に効果があった基礎素材産業あるいは重厚長大産業等については今、非常に構造変化を迫られている。そのような中で、現行制度のメリットとの比較をいたしますと、従来は産業基盤投資が中心だったと存じますけれども、今は、下水道で代表されているような生活基盤投資がほとんどで、それが整備されることによってまちづくりといいますか、都市整備と一体となった地域振興に重点が移ってきているのではないか。それには、投資の必要性からみますと意義があるのではないかと思っております。
 2番目のソフト面での対策の重要性、これは私も補足意見で述べさせていただいたとおりで、今の工特制度の場合は、若干ソフト面での対策の面が不十分ではないだろうか。ですから、もう少しソフト面での対策を正面に出すような仕掛けをご検討いただけますとより効果が上がり、インセンティブが働くのではないかと考えております。
○  委員 ソフトな情報産業的なものにシフトした新しい対応ということは、従来型の工特制度がもはや、ある意味では必要ない、新しい形に踏み出すべきである、というようなことだと理解してよろしいでしょうか。
 もう一点、生活関連で下水道等のことをおっしゃいましたが、下水道についてはどこの地方都市においても、恐らく整備したい。生活関連ですから、人が居住している限りは思われるところだと思いますが、工特だけ取り立てて特に生活関連が「整備されるべきだ」ということ、そういうふうに言えるかということについてはどうお考えでしょうか。
○井戸副知事 まず第1は、工特制度を従来どおりの発想と仕掛けで、そのまま延長することの是非からすれば、工特制度の社会資本整備を進めるという意味での効果を認めながら、更にどんな充実を図っていくかということを考えていくべきではないか、と申し上げたつもりでございます。従来型の工特制度はいらない、ということを申し上げたつもりはございません。
 2番目のご指摘については、実を言いますと先ほどもちょっと申し述べましたように、全国平均に比べまして、工特地域は下水道整備は10%ほど整備率が劣っております。そういう状況の中で、その実態をどう評価するかということではないだろうかと思いますが、一般的に、工特整備地区だからほかの地区よりも下水道整備を上げなければいけないということよりは、これからの時代というのは、生活基盤がある水準以上に至っていないと、なかなか新しい産業というのは芽を吹いてこないという面があります。そのような意味で、その部分を早く埋めさせていただきたいという意味で申し上げたつもりでございます。
○成田委員長 ほかにございませんでしょうか。
 ございませんようでしたら、時間の関係上、これで工特協議会の意見聴取を終わりたいと思います。
 本日は、井戸副知事さんをはじめとして工特協議会の関係者の皆様には、遠路わざわざ、ご多用中のところをお出でいただきまして、本当にありがとうございました。本委員会を代表して心より御礼申し上げます。
○井戸副知事 どうもありがとうございました。
○成田委員長 時間が長くなっておりますので、ここで10分間休憩させていただきまして、次の予定に入りたいと思います。
                            ──10分間・休憩──
 
(3)今後の在り方について
○成田委員長 委員会を再開いたします。
 皆様大変お疲れのことと存じますが、あと1時間ほどお付き合いいただきたいと存じます。
 これから、今日の3番目の議題であります「新産・工特制度の今後の在り方について」皆様からご意見を賜りたいと存じます。
 今日報告がありました小委員会の検討状況とか、皆様に担当いただきました現地調査、関係道県に対するアンケートの結果、さらに今日のヒアリングの結果を踏まえまして、時間があまりないのですけれども、50分ごろまで、自由にご論議いただければ幸いに存じます。
 どなたからでも結構ですので、積極的にひとつご意見をお述べいただきたいと存じます。
○  委員 各都道府県からのヒアリングを聞いていますと、私の印象ですけれども、一番最初の指定時点における政策目的から外れて、最初にまず地域あり、その地域をどう整備するかというところに行ってしまって、法律の目的なり制度の趣旨からずいぶん離れてきているのではないか。では、もう一度原点に戻って、今の新産なり工特なりの法律の趣旨に沿って改めて地域指定をしたら、今の工特なり新産地域に皆さんが賛成するかどうか。そこからみると、どうも結果は違っているのではないか。
 そういう意味でいくと、今日のヒアリングを聞いていても思うのですけれども、現在の指定された地域をどうするかばかりに今、焦点が合っていて、その結果、その目的とかなり外れた議論をしていることになるのではないかと感じましたが、いかがございましょうか。
○成田委員長 指定地域は、そういうふうに思っていると思うのです。ここは日本全国のことを考えて、国全体としての施策の在り方を考えるべきところですので、私は、おっしゃったようなことではないかと思っております。
○  委員 今と同じような意見になろうかと思うのですが、新産・工特地区をどうするかというときに、私自身の意見については、さっきいろいろ説明された、真ん中に書いてあった「意義なし」とかの意見ですが、そこの意見ではなくて、意見の集約の仕方、まとめ方をちょっと疑問に思った点がございます。
 さっき言った新産・工特地区の意見は、もちろん聞きますし、この場で議論していくのですが、要するに、その地区で基盤整備しても、その上に実際の産業活動をやるのは企業です。企業側の意見というのはどこで聞かれるのだろうか。普通、今の世の中だと、事業者の意向を踏まえてどういうものをつくるか、どういう基盤をつくるかということになるのに、そこが全然ないのが……。
 ちょっと見たら、都道府県には第2次アンケートというのが用意されているようですが、意見を聞かれる相手がちょっと片寄っている、片側だけになっているのではないか。実際にそれを使う事業者の意見をもうちょっと聞いてみないとまずいのではないか。
 ただ、こういう時期ですから、設備過剰と言われているから「全然企業立地は考えてない」なんて言われるかもしれませんが、それはもうちょっと中長期的に見て、国内立地を全然考えていない企業など、多分ないと思いますから、どうするのだと……。
 そのときに、アンケートがいいのか、聞き取りがいいのか、それと大きいところだけではなくて中堅も、小さいところも。それから、各県が今非常に期待している電気産業というのか、ソフトというのか、そういう会社も聞いてみればいいと思うのです。多分、県側が期待している感じと、企業側の考えと食い違いが相当あるのではないかと思うのです。そこを調整した上でどうするかを考えないと、ちょっと違うようになるかなという気がしました。
○成田委員長 その点、私も気になって、この前の現地調査に行ったときに、わざわざ企業の方にそういう質問をいろいろ出してみたのですけれども、企業の方は新産・工特というのはあまり意識されていないと思いました。
 そういった意味で、日本全体の経済団体等からのご意見をお聞きすることも大事だと思いますけれども、私は、同時にもう一つ、指定を受けていない都道府県市町村、これは不公平論がかなりありますから、どれを選ぶかというのはいろいろ問題がありますけれども、そういうところからもし意見が聞ければ万全ではないかと思うのですが、この辺は事務局でひとつお考えいただけますか。
○田巻参事官 企業の方からのご意見ということでは、現地調査の中で、今、成田委員長からちょっとお話がございましたけれども、その各地区内の企業の方と意見交換をする場を設けたつもりでございますけれども、全体まとめてということでございましたら、実はこの特別委員会のミッションにも関係するのでございますけれども、この委員会で「新産・工特制度の今後の在り方について」、この制度をどう議論するかというところでご議論いただきたいと思います。
 先ほど、○○委員の「新しい方向に向けて」というご発言もあったわけですけれども、新しい方向という意見の前に、まず制度をどうするかを議論していただき、その上で新しい方向の議論が必要ならばそういったことをご議論いただく、という段階を踏んでご議論いただくのがこの委員会のミッションに立ち返りますと適切なのかという感じがしています。
 そういう意味で、最後の方で「今後の進め方について」もお諮りしようかと思っていたのですけれども、先取りするようでございますけれども、この夏までに中間答申をおまとめいただき、その後12月までに最終答申をおまとめいただきたい。これは前回の特別委員会のときにお願いしていたかと思いますが、そういった意味で、この夏の中間答申に向けて、この制度そのものをどうするかという在り方をご議論いただき、その先について、必要であれば中間答申以降、そういったものをご議論いただくという段階でご議論させていただくと整理できていいかなという感じがしておりますので、もし必要であれば、その段階で改めてご相談させていただければと思っておりますが、いかがでございましょうか。
○  委員 そうではなくて、これを存続するという意見が非常に強いです、現在新産・工特をやっておられる地域は。存続されて、例えば、企業の立地の整備が中途半端だからやりたい、と。本当にそれを整備されて、その上に出て行く企業があるのかどうかということ。これは、現にそこに立地している企業ではなくて、一般的に産業界の意見も聞いてみないと……。
 今は途中だからやめるのは大変だとおっしゃるのですが、立派な土地をつくって、なおかつ企業は来ないという方がもっと大変ではないかと思うのです。
 そこは、今のうちからもうわかるのですから、企業立地なんて4、5年先のことが、聞いてみたらどうかということです。
○成田委員長 制度は、今指定を受けているものだけのためのものではないです。国全体としてこういう制度を考えるわけですから、その制度を経済界や企業はどう受け止めるかということを見直すのは、非常に大事なことだと私は思うのです。考えてみてください。
○田巻参事官 ただいまのご意見を踏まえまして、また委員長のご指摘がございますので、検討させていただきます。
○  委員 今回の私の出張は、○○と○○の2つの工特地域に行かせていただきました。そこでの視察あるいは議論の印象は、これまでの委員会への参加などを通じて抱いておりました印象と大体同じで、「やはり、そうかな」という感じがいたしました。
 どういうことかというと、これまでの長期にわたる新産・工特制度の下で、社会資本整備のための公共投資を中心に、大きな財政資金が投入されてきましたが、その効果は非常にあったと思います。もちろん地域や対象によっても違いますが、全体としては、大変有効であったことは、いろいろな調査にも出ているとおりです。道県側のお話もありましたが、この点の認識は同じだと思います。他方そうした中で、時代が過ぎ、産業構造や経済体制も変わってきており、相当、状況に変化が生じていることも確かです。
 ある制度を作るときには、活用できる政策資源に限りがあるので、そのときの事情にできるだけマッチするような方向で、政策目的、対象地域、対象業種、対象施設などを限定せざるをえませんから、財政資金の配分などにも制度的な割切りが必要になります。制度的な割切りは、割切りである以上、必ず不公平な面や不合理なところがある程度でてきますが、政策とはそういうものだと思います。特に、長い間には、そのあたりがぼやけてくるのも当然です。しかし、ぼやけても、財政資金の配分効果をもつ制度が継続すれば、それなりの効果もあり、ゼロにはなっていないことも事実です。その程度は地域によっても違いましょうが。
 一方、今この制度をやめて、新しい制度的な割切りの下で財源資金配分の政策効果を持つ別の制度がつくれるかというと、なかなか簡単ではないと思います。
 地方サイドからの見方にも、建前と本音があろうかと思いますが、この法制度自体が現在のニーズにきちっと合っているとはいえなくても、とにかく財源配分効果はあるということでしょうか。ひるがえって、今の日本の状況を考えてみると、明らかに新しい条件も加わって、地方全体ではないかもしれませんけれども、大都市と地方の間に、依然として、大きな格差は残っているし、また新たな格差が増えてきているという事実もあります。ですから、「何らかの形で財源の再配分をしてほしい。今やめられたら、そのマイナス効果が出るので困る」ということもわからないではありません。
 さきほど、新産地域、工特地域全体の立場からのお話もあり、上手に集約されておりますが、なかなか言いにくい部分もあるのではないかと思います。ですから、これまで調査された中にも、いろいろな有益な資料がありますので、そこに含まれている本音の部分もさぐりながら、最終的には、この委員会が事務局のご協力をえて、考え方を整理し、割切りを行うということでまとめるほかないのではなかろうかという感じがいたします。
○  委員 この間、調査にも行かせていただきましたし、10年以上前から見直しに関わっているのですけれども、全く一貫して意見は変わってなくて、15年ぐらい前からこういうことがもう言えていたのに、まだ引きずっていて、しかも、この4月1日というのは、一括法が進まなければいけなくて、国全体としてもいろいろな制度の見直し、つまり、考えなければいけないときになっているわけです。
 見直すための理由というのがいくつか必要だと私は思いますけれども、1つは、こういう政策自体が、つまり、政策の評価をしてみて効果があったかどうかというのが1つです。
 今日の話でいうと、「まだまだ差があるから」という話ですが、差があるというのは、この指定21地域の話の「差がある」という話と、国全体の中で「差がある」という話が混ざっていて、その議論というのは日本全体に当てはまる話なのだけれども、つまり、「劣等生のところもあるから何とかしてほしい」というロジックになるのは、説明になっているようにとても思えなかったこと。
 もう一つ見直さなければいけない最大の理由は、こういうタイプのというか、かさ上げとか、財特法に係わる問題で、財源を国が措置する方法というのが本当にいいかどうかという問題です。
 本当に財政調整するのだったら、もっと本格的にこの時代に合った形に直さなければいけなくて、これがある種の補助金で、それもほとんど使われているのが下水道とか都市基盤の整備のことで、本来の目的とは違うことで、「ラッキーに補助金がもらえて下水道がこの地域にやりやすい」という意味の既得権の活用だけで議論されているという感じが、私はしてしまう。
 少なくとも、そういう影があってはいけないと僕は思うのです。そういう雰囲気が出てしまうこと自体が制度の問題だと思っているのに、そのことが一番前面に押し出されて議論されていることに関して、すごく制度のゆがみを感じています。
 3つ目の重要なことは、この制度のよかったことの1つだと思うのですけれども、ある程度この政策を打っていた、この制度を持っていたことが効果を上げたことの一番大きな問題です。私の回ったところはどこの地域も、つまり、高度経済成長期の我が国のある時点において、私たちの地域を新産都市あるいは工業特別地域として指定してもらったというプライドがある。「これは永久に日本の歴史の中で忘れないでください。とても重要で、この地域が国土の中でこういう位置として位置づけられたことが大事なんだ」ということを盛んにおっしゃる。補助をもらったことの金額は大したことはないと。つまり、全国でこの地域をこういう地域だと認定されたことに関する意義とかプライドとかいうのをすごく持っていて、この地域の意義というのを忘れないでほしいと。そのことと、制度から出てくる経済的な意味とは全然違う、ということを言われているところはたくさんありました。
 大事なのは、今の地域に何回も見直しの意見ができてきて、やっと今一番本格的に何か最後の判断をしなければいけない時期というのが、ちょうどこの時期に当たっていて、地方分権という制度を本格的に国全体で考えなければいけない時期に、あるエポックメーキングになるような判断というのを必要としていると私は思います。
 そういう意味で、この制度を見直す絶好の機会だし、しかも、次の時代に合った形に何らかの形で、この財政調整とか、独自に地域で頑張れるような新しいタイプの制度を作り出すことのきっかけにすることも重要な時期であって、このまま既得権を認めて、「今、もう少し頑張れば何とかなるのだから」という意見に引きずられてこの制度が残ることに関しては、私は何か納得いかない。
 すごくセンチメンタルな議論をしているかもしれないですけれども、もう議論の中身については、15年ぐらい前に考えていたことと何も変わっていない、私にとってみると。産業構造の問題もそうだし、我が国の経済の構造もそうだし、こういう調整の仕方についてもそうですけれども、では、この15年間に続けていたことでプラスになったかということ自体を考えても、その当時に議論され、言われて、説明を受けたことと、初めて○○先生と○○に行ったときに聞かされた話と今日は変わっていませんでしたし、初めて○○、○○に行ったときに 200haの空き地を見たときの話と今日と、また何も変わっていないのです。そのことは、僕に言わせると、今のこんな深刻な経済の状態のときに何も変わっていない状態をそのまま「変わっていない」という議論をすること自体が、やや犯罪的ではないかと思うぐらい、ずごく深刻な問題を抱えていて、この制度の問題ではないかと私は思ってしまうぐらいです。
 この委員会、なかなか結論を出せないで後ろ後ろへ来ていること自体、これも、こういう問題を考えることに当たっての判断の仕方として非常にまずいと私は思っています。
○成田委員長 「後ろに後ろへ来ている」というふうには私は理解していないで、進めるために、いろいろな手当てを講ずるということだと思うのです。
○  委員 私は、現地調査を○○委員とご一緒させていただいて大分感化されて帰ってきたのですが、いずれにせよ、この制度をずるずる引き延ばしていくということについてはいかがなものかと。このことは、皆さんの認識も共通しているのではないかと思うのです。
 ただ、今後どうするかということになると、なかなか難しいところです。そこで、現在確たる考えを持つに至っていないのですが、今、○○委員がおっしゃいましたように、指定を受けたことのノミネートの効果、財政的な効果は別として、そういう効果があるのではないか。
 それから、地域に行きますと、仮にこの制度がどうかなるにしても、経過措置だけはある程度考えてもらえないかと。これは現実的な要望だと思います。
 その2つにつきまして特に申し上げておきたいと思います。
○  委員 今、○○先生から、企業の意向を確認することが先であろうというお話が出ましたけれども、○○先生からもお話が出ましたけれども、地方に行って今回の視察の場合に、私も初めて2か所行かせていただきまして、その中に企業のヒアリングをする機会が何ケ所かあったのです。企業の立場からすれば、新産・工特か何かわかりません。その地域に行くということが、自分たちの企業の投資のメリットを考える観点だけでありまして、新産・工特か、テクノポリスか何でもいいわけです。
 私は○○ですけれども、各県に地方都市がありまして、そこで地方の○○の声を下げていって、その下にある傘下の企業の声を聞いて、どうかと聞いたら、恐らく、生に聞いたらよくわからない、企業さんのご意向は。新産・工特の評価というのは、ストレートに出てこない。逆に、例えば地域の○○とか、あるいは○○でも同じでしょうけれども、○○というのはその地域に根ざしていますから、そこは何らかの形で県とかの関係があって、「この制度の評価はどうか」と聞いたらば、是と答えている。さっきの総論と各論の話と同じようなことが出てくると思うのです。そういう意味で、個別企業に「この制度の評価はいかに」と問うた場合には、答えにくい。知っているところは、ごくわずかだと思うのです。
 そういう意味で、今の段階、質問を投げてどれだけの意味ある、価値ある答えが返ってくるかというと、なかなか難しいという感じが率直にします。
○  委員 私の言った意味が誤解されているみたいだから……。
 私が聞いたのは、この新産・工特制度の評価という意味ではなく、まだ新産・工特地域がいろいろやりたいとおっしゃっていますから、「こういう助成措置をやっていたら、あなたはうちに来ていただけますか」という意向調査です。
 だから、現に出ている企業よりも、これから出る可能性のある企業に聞かれたらいいと思うのです。
 結論的に言っては悪いけれども、多分「そんなの関係ない」という企業が、むしろ多いのではないかと思うのです。そうしたら、一体この制度をどうするかというのは、おのずから見えてくるのではないか。
 ここで議論していてもいいのですが、聞く相手が必ず新産・工特地域だし、このままの議論だと、今ちょっと意見が出ましたが、ぐるぐる戻りそうになる。一方、使い手側さんの意見も聞いてみて、「そんなの、私どもに全然関係ない」というのなら、この制度を存続する理由というのが、そちらから片一方の足が崩れ落ちるということになってくるのではないか。
 そうでないと、新産・工特地域の人も、この場で「いらない」と言われただけでは、ちょっと納得し難いのかなという気がしたものですから、企業側の意見も聞かれたらということですから、現在の制度の評価ではございません。これから使ってもらえるかどうかということです。
○  委員 今回のアンケートを見て僕が非常に感心したのは、ここには財政措置が必要だということがみんな書いてあるけれども、後ろの方に、各県がこれからどういう重点産業をつくるかというアンケートを見ますと、産業のことで素材産業ということを言う人はいなくて、全部、新しい産業だと言っています。それに伴って必要な事業はどういうことがあるかというと、産学官も含めていろいろなことを考えられている。それから、ここで「各県が制度についてどう思われるか」と書いてあると、「新しい産業政策が必要」と書いているところがずいぶん多いです、このアンケートから見ても。そういうことに鑑みると、今、確かに地方が新しい自分たちの産業ビジョンができていないし、それを作りたいということはすごい要望があるけれども、こういうアンケートを見ればわかるように、各県ともそういうことは認めているというのが実態だと思うのです。そういう意味では、次の姿を見つつこの話をしていかないとつらいのかな。
 もう一つ、今お話が出ました工業立地の面で我々も調べているのですけれども、今、工業立地というのは 1,000件ぐらいです。1,000件というのは、過去のピークの1/4ぐらいになっているのです。例えば、○○で調べてみますと、○○の企業のうち○○以外から来ているのは1/4しかないです。つまり、多くの企業の立地を考えたときには、自分たちの地域の企業を育てるというこがすごく重点になっているので、案外、企業立地からだけだと産業の姿がなかなか出てこないというのが実態で、内発的な企業への転換というのをみんな各地域が求めている時代なので、そういう意味では、地域の産業政策自体が誘致型から内発型に持っていくというのが1つの流れかと思います。
○  委員 私、今回、地方視察を4か所に行かせていただきまして、先ほどの分類で言いますと、優等生組を3か所、劣等生組を1か所、見せていただいたのですけれども、今回の調査でもそうですけれども、地域によって大きな差があると思います。それで、今の制度をそのまま、今の地域を含めて存続していくべきかという点についていえば、私は、そうはもう必要ではないのではないかと。
 特に○○に位置する、いわゆる優等生組の多くは、非常に効果はあったけれども、今さらに引き続き延長していく必要はなかなか認め難い。あるいは、あるとすれば、それはエンドレスにあると言わざるを得ないという感じを持ちました。
 ただ、地方での「均衡ある発展」という点で、格差解消という点について考えたときに、この格差の中にも「大きな格差」と「小さい格差」とがあると思います。地域によっていろいろですけれども、小さい格差は、今回までの中で格差の解消というのは相当進んできた。しかし、大きな格差はなお残っている。そういうところについてどうするのかという点については、やはり考えないといけないのではないか。
 いわゆる優等生組に相当する○○の、あるいはそれの延長に位置する相当に開発されてきたところについて、生活基盤、下水道とか、そういうものに重点的にやっていかなければいけないかという点については、その必要性はもうないと言ってもいいのではないかと思いますが、大きな格差のあるところについて、これを解消していくための対策はもう必要ではないと言っていいだろうか。ただ、今の制度をそのまま存続させてそれが有効かどうかというのは、いろいろと議論する必要がありますけれども、大きな格差のある地域についての問題をどのようにしていくかということは、やはり考えていく必要があるのではないかという感じがいたしました。
○成田委員長 今の「大きな格差」というのは、新産・工特相互間のお話でしょうか。
○  委員 新産・工特間の中でもそうですが、全体的に見ても。今、地域でみれば、先ほども出ていました○○のああいう地域とか、まだかなり格差の大きい地域という意味です。
○成田委員長 わかりました。
○  委員 見直し論が強い中で多少気後れがするのでありますが、感じたことを申し上げさせていただきたいと思います。
 確かに、いろいろな意味で現状とマッチしない面が出てきている制度だと思いますし、見直しが必要ということは、私もそう感じているわけですが、しからば、どこへ行くのだということなしに「存続か」「廃止か」という議論をするのは、いささか現実性という点からみてどうなのかという感じが率直にするわけでございます。
 これは財政支援のメカニズムだとみれば、何らかの経過措置がいるかどうかという議論に収斂するのかもしれませんけれども、今までの経過を見てみると、地方の側は、地方の地域開発、拠点開発、格差是正の観点で眺めて多年、行政的に積み上げをやってきているという事実があると思うのです。そういう中で、この制度の本来の趣旨に従って、それに則して目標をかなり達成したところと、その面では目標を達成しなかったけれども、何らかの軌道修正なり、用途転換なり、あるいは投資の追加ということもあるかもしれませんが、そういうことをやっていけば何か活路が開けそうだというところもあるかもしれない。
 産業政策上の位置づけとしては、今までの重厚長大をベースにした産業論との関係は、もちろん展望が開けないかもしれないのですが、こういうことをやれば展望が開けるという、産業面あるいはレクリエーション施設とか、いろいろな可能性があるのではないかという気もするのですけれども、そのように地域開発として何か軌道修正をしながら、生きていく道を探したいという地域もあるのではないか。
 それから、今までのこの手法では、およそ見込みがないので、もっと別の産業開発の視点に切り換えて、今、拠点都市とかいろいろな制度がありますけれども、そういう制度との融合なり、乗り換えなりをやりながら、これも軌道修正の1つかもしれませんが、やっていかざるを得ないという、いろいろな地区があるのではないかと思うのです。
 そういうある程度の分類をしながら、卒業するところは卒業させていく、軌道修正するところはさせていく、それから、産業政策上ほかの政策とのバッティングが起こって問題があるところについては、ほかの制度への乗り換えをある程度強制するなり、あるいは強く進めるなりという制度が必要かもしれませんけれども、そういういろいろな視点からこれをいろいろな形で分類をし、地方の自主的な選択といいますか判断も尊重しながら解決策を見いだしていく、こういう方法を探究するのが現実的ではないか。
 結論にとんでいくようなことを今から言うべきではないかもしれませんが、「見直し、見直し」と言うだけではなかなか埒が明かないことではないかという気がいたしますので、申し上げさせていただいたわけであります。
 それから、産業政策的には、私もよくわかりませんけれども、今回、○○で○○の事業を見せていただきましたし、前に○○とか○○で○○の関係等を見せていただきました。そういう基礎素材産業というのは今かなり苦労わけですけれども、国家としてはなかなか重要なパートを担っているのではないか。かつてはそういう産業政策的視点と地域開発とがマッチしてセットだったのが今、産業政策の方向がパイオニアが変わってきたということで、地方の今までの積み重ねを見捨ててしまうというのはいささか非現実的であるし、産業政策としてもやや問題ありとしないのではないか。先端産業ばかりを追いかけていればいいというわけのものでもないのではないかという気が、素人考えでありますが、しているのでありまして、産業政策的にみた場合に基礎素材産業というものを一体どう考えるのだということも、しかるべき段階でお聞かせいただいて、そういう面からの判断も加えていく必要があるのではないかという気がしておりますので、まとまりのない感想で恐縮ですけれども、申し上げさせていただきます。
○  委員 2点ほど申し上げたいと思います。
 先ほど来、○○委員がニーズがあるかないかというお話をされて、私も、実はその点については、「ニーズに則して考えた方がいい」という考えについては、全くそのとおりなのですが、実態として、先ほど○○委員が補足をした1,000件というのは、3,000u以上の工場立地で全国で1,000件単位の時代ですが、一方、新産・工特制度ができたときに考えていた、誘致した企業というのは、○○の200haではありませんが、100 haとかいう単位の企業を誘致していた時代での制度です。ですから、今現在100ha単位のニーズがある企業があるかと、それを探すのが大変。3,000u以上の1,000件をどうやって自分のところに持ってくるかという、どういう企業がそういう意向を持っているかを調べることの方が、むしろ誘致する側にとって重要な課題なのが現実で、実際には、これに合うようなニーズのものはない。今あるとすれば、せいぜい数百haではなくてはならない、数千uあるいは何万・何千・何百uという単位のものだろうと思います。
 とりわけ、産業構造自体も変わっていますし、もう一つ実際的に立地するときの話としては、その後の大きな変化でいえば環境アセスメント、そういうものの制度もできて、対象範囲になるような企業立地というのはもうなかなかない。
 これは一例にすぎませんけれども、産業構造も違っているし、社会の受け入れ側の仕組みも変わってきている、これだけを申し上げます。規模が変わったということが1つ。
 もう一点、○○先生が先ほど「看板効果」のような話をされましたが、看板効果が逆に作用しているという例を1つご紹介したいと思います。
 私、今回はいろいろ所用が重なって現地に行けなかったのですが、先日、○○に行ってきました。○○に行った理由は、○○を含む○○地域が今、第5次の新しい全総計画の中に少し位置づけられた。○○基本計画にも「○○地域」という字句が出てくる。○○は、行ってみると、○○の向こう側に○○の臨海コンビナートが全部見えるのです。ですから、最初の全総ができたときに明記された○○があのように変わったので、新しい21世紀のグランドデザインで○○地域ができると、「これで○○も○○みたいになるのか」というので、全総を契機に○○誘致運動がまた盛り上がってきたというような事情の中で、全総とは何か少し話をしろといわれたものですから、ちょっと話をしてきたのです。
 結論としては、今の全国総合開発計画という新しいものは、新産・工特のような制度を次に用意したものではない。しかも、ハードを大きな製造業を○○のようにつくる、全総そのものがもうそういう仕組みではなくなっていますというところから、何か地元の熱に水を掛けるような話をずっとしてきてしまったのです。
 そのように、いつまでも看板効果がある○○はそれでいいかもしれませんが、逆に今日の地域づくりについては、○○を挟んで、ちょうどカーブしているから○○からよく見える、そういうところに、逆に、指定外の地域にいろいろ不公平感とかを植えつけていることも実態としてありますから、そういうことも考えあわせて今後引き続き議論していくべきだろうと思います。
○  委員 ○○の話が出ましたので、○○を視察してきた者として別の観点から申し上げたいと思います。
 ○○は、優等生の中でもかなりランクの高い地区と、皆さんもご覧になっていると思います。また、掘り込み港湾がいち早く完成して、そのまわりに素材産業が立地した。私もそう思っていたのですが、現地に行ってみまして、実はあの港がまだ完成していないことを知りました。土地収用が進まないために、掘り込んだ一番奥の部分の工事が最盛期を迎えようとしています。あと3、4年はかかるだろうと思われます。
 もう一つ、我々の世代は、○○といえば臨海工業地帯をつくったことで有名になった地区だと思っているのですが、我々より30年とか40年若い人たちは、○○といえば「○○」なんです。では、臨海工業地帯と○○の間をつなぐ都市が○○のまわりにできたかというと、残念ながらできていない。この点が非常に残念に感じられました。
 次の日に○○を見せてもらい、ここで一番感じたことは、立派な住宅団地ができており、○○にはない高専などの教育施設もあり、内発的に発展するポテンシャリティが生まれつつあると感じました。
 こういうものを今後とも伸ばしていくにはどうしたらいいか、現在議論している制度とは違う制度かもわかりませんが、両地区を対比し感じました。
 もう1か所、○○地区を視察しましたが、○○道県と○○道県の2道県で1つの地域になっているところです。この地区では別の大変深刻な問題があるなと感じました。というのは、○○は産炭法に依存しまして、今日の報告にもありましたけれども、新産都市関係の優遇措置を使ってこなかった。しかし、産炭法が廃止されると、今後は「新産法に依存したい」と県がおっしゃっている。
 ○○道県については、○○港の整備が遅れており、後背地への立地はほとんどなくて、計画を2度にわたって縮小している、港についてはそういう状況ですが、内陸部の立地がかなり進んで、内発的に発展できる状況になっていると感じました。
 そういうことで、○○道県は新産都市について大変評価をしている。片や、○○道県は○○は大変具合が悪いということを認め、しかし、産炭法がなくなるので新産はぜひ残してほしいと言っている。今日の報告をお聞きしますと、○○道県も同じような問題を県が指摘しているようです。
 我々が問題を考えるとき、核心的な問題ではないと思いますが、私が申し上げたいのは、地域振興に関する幾つかの制度があるが、今回2つの制度をどうするかというとき、他の制度との整合性を考えなければならないことと、かなり長期間にわたる投資をしている港湾のようなプロジェクトについては、経過措置をぜひ検討しなければならない。以上、2点を感じましたので、申し上げたいと思います。
○  委員 皆様方のご意見と大体同じことですので、簡単に結論だけを申し上げます。
 私は、今回、○○と○○の現地調査に行ってまいりました。○○は優等生というところですが、○○でも工場用地の1/3以上、半分に近いとまでは言いませんが、かなりの未利用地が現在残っていまして、それについて今後どういうふうにするのかということですが、この新産・工特の制度がプラスに寄与するとは思えなかったということ。
 それから、○○地区については、まさにこれだけ長い間、新産・工特の制度の中で努力してきたにもかかわらず、むしろ高速道路の整備が遅れたということですので、これは高速道路の整備がまさに地域にとって重要なことは間違いないと思いますが、同じように新産・工特制度によって今後高速道路の整備が促進されるようにはならないだろう、これはまた別の話として考えないといけないということでございますので、新産・工特制度の存続については、大変疑問な意見を持っております。
 それから、今日、そういう中で地元の代表の方にご説明いただいたわけですが、そのご説明についても、特にそういう考え方に対してプラスになるような、覆すようなご説明はなかったように伺いました。
 むしろ、新産・工特制度というものがあるがために、必要とされる新しい取り組みに向かう妨げになっているということの方を、これから問題にしないといけないのではないだろうか。世の中には厳しい風が吹いているわけですけれども、この新産・工特の制度の中にあるところについては、やや恵まれた環境にあることで、新しい取り組みに対する遅れが生ずる心配の方があるのではないかと感じました。
 それから、財政支援ということがかなりウェイト高く評価されているわけですけれども、財源の配分ということについては、この対象地域だけを対象に考えるのではなくて、全ての自治体を対象にした新しいやり方を考えるべきときではないかと思います。
 なお、経過措置が必要になると思いますけれども、私の見たところから申しますと、港湾負担金の免除ということが、急激になくした場合には、地元にとっては大きな負担になるかなという印象を持ちました。
○  委員 時間がございませんので、簡単に話させていただきます。
 私は、○○と、○○と、○○にご一緒させていただきました。○○委員からご発言がありましたように、新産・工特を一律に今後どうあるべきかという議論ができないところがあるだろうと思います。○○、○○とか○○の現状を考えますと、「これでおしまい」というようにいくのかどうかという点はあると思います。
 もう一つ、○の方、○○の方へ行って、特に私は○○で感じたのですが、○○の○○道県ですが、この道県にとってはたまたま新産・工特のこの制度があって、助成制度もあるので活用する。それは新産・工特の地区のみを道県の中で優先して政策的に押し進めるというのではなくて、たまたまこの制度があるからやるのである。例えば、道県内を5か所に分けまして、あとの4か所は別の制度なり道県の独自の財源でもってやらざるを得ないからやるのである。それは等しくやらないと、道県の論理としておかしくなります。こういうことですので、その地域、その道県にとってはこの制度が今後、当初の制度目的に合う形で活用されている、あるいは必要であるということではなくて、有効な手段があるのでこの地区には適用しています、こういうことだろうと思います。
 それから、経過措置としては、多大な基盤投資をやっておりますので、ここでポツンと言うにはいきませんので、今まで行った投資の有効性という点からも、少なくとも経過的な措置は講じられるべきであることは、皆様方も同じお考えだろう、こういう感想を持ちました。
○  委員 私も、今のお2人の意見に同意見でございます。
 
(4)その他
○成田委員長 一わたりご意見を賜りましたので、皆様のご意見をさらに事務局の方でまとめていただいて、また全体の結論を出すときの参考にしたいと考えております。
 続きまして、これからの進め方等について、事務局の方からご説明を手短にお願いします。
○田巻参事官 今後の進め方でございますけれども、参考資料の「参考4」をご覧いただければと思います。今後につきましては、今日が第27回特別委員会でございますけれども、今日のご議論を踏まえまして、引き続き小委員会でご議論いただきたいと思います。
 その際、「参考3」でございますけれども、この委員会の諮問のミッションを考えますと、1ページの「1.諮問内容」にございますけれども、「第6次基本計画の終了を12年度末に控え、第2次地方分権推進計画も踏まえ……今後の在り方について……意見を求めます」と諮問を受けておりますが、その踏まえるべき第2次地方分権推進計画はその資料の4ページで最後の2行ですが、「平成12年度末の現行計画終了後の在り方について、廃止を含めた抜本的見直しを行うこととする」と計画にうたわれているわけです。そういう意味で、この委員会としましては、仮に新産・工特制度を廃止した場合の問題点及びその対応策について、引き続き小委員会で検討していただく必要があるかという感じがしております。
 そういった意味で、「資料8」にございますような、「第2次道県アンケート」を実施させていただければと思います。「3.調査項目の概要」ですけれども、「新産・工特地区における個別事業の進捗状況及び今後の見通しについて」、そのほかに支援措置別に、新産等債の支援措置の実績及び今後の見通し、かさ上げの実績及び今後の見通し、先ほどもちょっとご意見がありましたが、港湾関連の実績と今後の見通し、不均一課税の実績と今後の見通し、個別事業毎に問題点のそういったものの洗い出しをしていく必要があるかと思いますので、そういうものをさせていただければと思っております。
 また、先ほど  委員の方から、企業のニーズも踏まえてということがございましたので、それにつきましては、委員長とご相談しながら適切に対応していきたいと思っております。
 「参考4」に戻りますけれども、今後のスケジュールでございますが、先ほどの第1次の道県アンケート、あるいは企業の意向調査を踏まえて今後の小委員会を開催し、その場でご審議いただきたいと思います。
 当初、本特別委員会を開催するにあたってお願いしたところでございますが、この夏ぐらいに中間答申をおまとめいただきまして、それを踏まえて今後の開催につなげていきたいと思っておりますので、この夏の中間答申を目途に引き続きお願いできればと思っております。
 今後の具体的な委員会の日取りでございますけれども、アンケート調査がかなり膨大にわたることが予想されますので、そこのメドがつきませんと次の開催見通しが立ちませんので、アンケート調査の方が大体メドが立ったところを見計らいまして、小委員会は小委員会、特別委員会は特別委員会の先生方に個別に私どもの方から日取りのご相談をさせていただきたいと思っております。そのようなことで今後の進め方をお願いできればと思っております。
 あと、参考資料の「参考10」ですけれども、新産・工特制度とちょっと離れますが、たまたま昨年暮れに中小企業基本法関係が改正されています。中小企業施策の理念が見直され、また支援対象の中小企業の範囲が拡大されています。ご参考までに資料配付させていただきましたので、後ほどご覧いただければと思います。
 以上、今後の進め方等についての事務局からの説明でございます。
○成田委員長 今の事務局のご説明がございましたように、この問題につきましては、引き続き小委員会で検討していただくことにしたいと思います。
 最終的な問題は、中間答申をして最終答申をすることになるのですけれども、ここでは“廃止を含め”云々となっておりますので、仮に廃止した場合に、その問題点をどうつかまえるか、その対応策をどうするかという問題は当然あるわけです。今日も、軟着陸のための経過措置を考えるべきであるというご意見が幾つかございました。そういうことを含めて検討することが必要ですので、小委員会の検討に先立って、今お話がありましたように、第2次道県アンケートを実施したいと考えております。その際、調査票の設計、その他実施方法については、事務局の方でお考えでしょうけれども、委員会としましては、私にご一任いただきたい思いますが、いかがでしょうか。
              (「異議なし」の声あり)
○  委員 最終答申の前に、中間答申がありますが、この段階で「中間答申」をとりまとめ、公表する、そういうものと考えていいのですか。
○田巻参事官 そのとおりでございます。今後の第2次道県アンケートとか小委員会の議論を踏まえて、仮に廃止された場合の問題等も含めて改めて、この新産・工特制度を延長する、廃止する、あるいは経過措置を講ずるかということについてご議論いただく。それをこの委員会としては最終的に取りまとめていただいて、それはもちろん公表されるという扱いになろうかと思います。
 
4.閉会
○成田委員長 それでは、全体としてご異議はございませんようでしたので、引き続き小委員会で検討いただくことと、第2次道県アンケートを実施することで進めていきたいと存じます。
 今日はいろいろなことがございまして予定の時間をちょっと超えてしまいましたが、これで、今日予定されていた議題は終わります。
 次回につきましては、日程の調整等をさせていただきまして、改めてご通知申し上げます。
 今日はご多忙のところ、非常に長時間にわたりまして最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。次回もよろしくお願い申し上げます。
                              ──以  上──