国土交通省
 
運輸審議会答申書(国運審第2号)
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  主  文

 埼玉高速鉄道株式会社の申請に係る鉄道の旅客運賃の設定については、次の額を最高額として認可することが適当である。
1.普通旅客運賃
3キロメートルまで 210円
3キロメートルを超え5キロメートルまで 260円
5キロメートルを超え15キロメートルまでの部分
                   2キロメートルまでを増すごとに
40円加算
2.定期旅客運賃(1か月)   前記の普通旅客運賃を基礎に次の割引率を適用して算定した額
(1) 通勤定期                                     35パーセント
(2) 通学定期                                     50パーセント

  理  由

 申請者は、平成4年12月17日に免許を受けた赤羽岩淵駅〜浦和美園駅間(14.6キロメートル)の鉄道について、平成13年3月28日から運輸営業を開始できる見込みとなったので、同区間の鉄道の旅客運賃を設定しようとして、この申請に及んだものである。
 当審議会に提出された資料その他によって検討した結果、運賃の算定の基礎となるべき適正な総括原価及びこれに基づく平年度である平成13年度から15年度までの3年間の合計の収支状況は、次のとおりである。
 沿線人口等を考慮して推定した輸送需要について主文のとおりの運賃を適用した場合の総収入は26,340百万円、総括原価は83,752百万円と推定されるので、差引き57,413百万円の不足を生じるものと見込まれる。
 以上のように、申請者の当該事業については、多額の資本費を必要とするため、開業当初の収支の均衡は得られないが、長期的には収支が均衡すると考えられること、利用者の運賃負担力等諸般の事情を考慮すれば、この申請は、鉄道事業法第16条第2項の基準に適合するものと認められる。

 

  要望事項

 埼玉高速鉄道株式会社の赤羽岩淵駅〜浦和美園駅の新線開業に伴う上限運賃の設定に当っては、同社が多額の資本費負担等により厳しい経営環境下に置かれることにかんがみ、一層の鉄道利用の増進を図るため、関係自治体の協力を得て、沿線における計画的な街づくり、地域住民の暮らしを支える魅力ある駅づくり等のため適切な措置を講じるとともに、増収策や経費削減策の強力な実施により、安定的な経営を確保し、できるだけ長期にわたり認可された上限運賃が維持できるよう、同社を指導することを要望する。
 なお、同社がこの要望に対して講じた措置及びその結果については、必要に応じ報告を求めるとともに、その内容については、本審議会に報告することとされたい。

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