国土交通省
運輸審議会答申書(国運審第10号)

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 主  文 

 オレンジカーゴ株式会社の申請に係る混雑飛行場(東京国際空港)を使用して運航を行うことについては、許可することが適当である。

 理  由 

1.  申請者は、東京(東京国際空港)〜長崎間及び東京(東京国際空港)〜鹿児島間において貨物の運送を目的として国内定期航空運送事業を経営するため、本件申請に及んだものである。
 申請者の運航計画によれば、当該路線において平成15年10月1日からビーチクラフト式1900C型機により、それぞれの路線において1日1往復の運航を行おうとするものである。
 
2.  当審議会に提出された資料その他によって検討した結果は、次のとおりである。
 
(1)  東京国際空港においては、1時間当たりの航空機の発着回数について、6時から22時台までの間は出発を32回(この出発回数の外枠でA滑走路(34L)からの左旋回離陸対象機に係る回数として、ジェット機にあっては7時台に4回、8時台に1回、また、プロペラ機にあっては1日に2回)、到着を29回(6時台及び22時台は26回)と、また、23時から5時台までの間は発着22回(うち到着10回)とそれぞれ定めるなどの発着調整基準が設けられている。
 申請者は、23時から5時台までの時間帯を利用して運航を行おうとするものであり、他の本邦航空運送事業者を含む同空港の時間帯ごとの使用状況から判断すれば、申請者の運航計画に定める同空港での発着は、この発着調整基準に合致するものと認められる。
 また、申請者の運航計画は、東京国際空港における航空機整備等の所要時間並びに長崎空港及び鹿児島空港の運用時間からも妥当なものであり、前記発着調整基準に反する恐れはないものと認められる。
 以上により、申請者の運航計画は航空機の運航の安全上適切なものと認められる。
 
(2) 申請者による東京(東京国際空港)〜長崎間及び東京(東京国際空港)〜鹿児島間の新規路線の開設は、当該路線において競争を促進しつつ、他の本邦航空運送事業者による旅客便を利用した貨物運送とあいまってより一層の多頻度運航の実現が図られるとともに、東京国際空港における深夜早朝時間帯が有効に利用されることとなり、これにより利用者利便の向上に資するものであること等を勘案すると、本件申請に係る運航は東京国際空港を適切かつ合理的に使用するものであると認められる。
 
3. 以上に掲げる理由により、本件申請は航空法第107条の3第3項各号に掲げる基準に適合するものと認める。
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