1.諮問事項
「今後の鉄道技術行政のあり方について」

2.諮問理由
 近年、鉄道システムを支える様々な技術分野で技術革新が進んでおり、我が国の鉄道は大きく変化してきている。例えば、ハード面では、エレクトロニクス技術の活用により、システムの高度化、ブラックボックス化が進展し、ソフト面でも、保守や運行管理手法の近代化が図られている。このような技術の高度化は、システムとしての鉄道をより高度化し、安全性や快適性の向上をもたらしたが、一方で、技術の伝承を困難なものとしたり、高度な技術を導入できる鉄道とできない鉄道の二極分化を生じさせる等の新たな問題ももたらしている。また、このような技術の進展にもかかわらず、重大な事故が今なお発生している状況でもある。さらに、鉄道を取り巻く経営環境の変化に伴い、省力化、低コスト化も極めて強く求められている。
 このような状況を受け、鉄道技術行政についても、旧来からの技術体系を前提に構築されているしくみから、鉄道技術の変化を踏まえた新たなしくみへと変革していくことが求められている。
 また、地球環境問題、高齢化社会への対応等、利用者のみならず国民全般からの要請もますます高度化、多様化しており、これらの問題への対応も喫緊の課題である。
 さらに、運輸省においては、経済社会環境の変化に対応して交通運輸における需給調整規制廃止を行うこととしたところであり、この効果を最大限発揮するため、技術分野においても、適切な対応が必要である。
このように、鉄道技術行政を取り巻く環境が大きく変化している中にあって、さらなる安全の確保、利便の増進、新たなニーズへの対応、規制緩和の一層の推進等の諸課題に対処するため、今後の鉄道技術行政の基本的なあり方を明らかにする必要がある。

3.主な審議事項
(1)鉄道技術行政の基本的な方向性
 ・ 安全確保のあり方
 ・ 環境問題、利便の増進その他の技術分野における行政のあり方
(2)具体的な対応方策のあり方
 ・ 許認可、保安監査、事故予防、情報提供等個々の施策のあり方

4.スケジュール
平成9年12月 運輸技術審議会へ諮問(12月19日鉄道部会開催)
平成10年6月 中間整理(6月11日鉄道部会開催)
平成10年 秋 答申


運輸技術審議会鉄道部会の委員等一覧


委員 井口 雅一 東京大学名誉教授
 〃  伊能 忠敏 金沢工業大学工学部教授
 〃  漆原 美代子 環境デザイナー、随筆家
 〃  栗原 啓一 小田急電鉄(株)常務取締役
 〃  佐々木 敏明 (財)鉄道総合技術研究所専務理事
 〃  正田 英介 東京大学大学院工学系研究科教授
 〃  松本 嘉司 東京理科大学理工学部教授
 〃  吉本 堅一 東京大学大学院工学系研究科教授
特別委員 家田 東京大学大学院工学系研究科教授
 〃  今城 愛知環状鉄道(株)専務取締役
 〃  浦川 道太郎 早稲田大学法学部教授
 〃  河村 篤男 横浜国立大学工学部教授
 〃  谷藤 克也 新潟大学工学部教授
 〃  種村 直樹 レールウェイライタ−
 〃  原山 清己 東日本旅客鉄道(株)代表取締役副社長鉄道事業本部長
 〃  村本 理恵子 専修大学経営学部助教授
 〃  森地 東京大学大学院工学系研究科教授
(旧) 〃  山田 桑太郎 川崎重工業(株)代表取締役専務
(新) 〃  淳雄 日本車輌製造(株)専務取締役


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