【講評】
受賞者は、障害者、健常者が共に海の魅力を味わい楽しめる機会を提供する場として「海のバリアフリーまつり」を毎年開催することや、現場のアイデアや創意工夫を取り入れたマリーナのバリアフリー化を推進するなど、全国的にもユニークな取組みを行い、障害の有無に関わらず、誰もが安全に海を楽しめる環境づくりに取り組んだ点を高く評価し、表彰することとした。
【受賞者の取組み】
●取組みの概要
特定非営利活動法人「海の達人」は、小中高大学生一般市民に対して、海に関する事業を行い、すべての人が自然に親しみ健やかに暮らせる地域社会作りとスポーツの振興に寄与することを目的として設立された。高齢者や障害者、健常者を問わず海の魅力を味わい共に楽しめる「海のバリアフリーまつり」を開催するほか、セイリング支援活動(セイラビリティ)を実施している。
●「海のバリアフリーまつり」、「セイラビリティ」の実施
「海のバリアフリーまつり」は、海の世界のバリアフリーを紹介しつつ、マリンレジャーを中心に「元気に楽しむ障害者」たちを紹介することにより、海というフィールドが決して一部の人の世界ではなく、障害のある人もない人も、格差なく楽しめる場であることを広く周知することを意図している。平成18年に初めて開催して今年度で7回目となり、障害の有無、年齢、性別に関係なく多数の方が来場し、小型ヨット(アクセスディンギー)操船体験、カヌー操船体験、海の運動会や、福祉車両、福祉機器等の展示などを実施した。また、平成19年に障害者と障害のない者が触れ合いながらともに海で楽しむことを目的として、「セイラビリティ河芸」を発足させ、4月から11月までの月2回、障害者を含む子供から大人までが、アクセスディンギーやシーカヤックなどを楽しんでいる。
●マリーナのバリアフリー化の推進
障害者がアクセスディンギーやシーカヤックに容易に乗り降りできるよう、現場のアイデアや創意工夫を取り入れ、スロープ付きバリアフリー桟橋などを整備するとともに、高齢者や障害者でも安全に操船を行うことが出来るアクセスディンギーやシーカヤックを導入した。また、海の達人が活動を始めて以降、マリーナにおける障害者用トイレの設置、乗船用リフトの整備等や、車いすごと乗船できるハウスボート、バリアフリー化された船舶免許教習艇の導入など、マリーナ全体のバリアフリー化が進められている。
【今後期待される取組み】
「海のバリアフリー化」の普及啓発として、今後も継続的に実施されるとともに、同様の取組みが全国各地に広がることが期待される。
【連絡先】
三重県津市河芸町東千里854-3
TEL 059-245-5001
【Web-URL】
http://www.umi-tatsujin.net/
海の運動会
車いすごと乗船できるハウスボート
バリフリ「げんき舞」
バリアフリー対応したシーカヤック乗船桟橋
障害者も容易に操船可能なアクセス・ディンギー