【講評】
受賞者は、埼玉県戸田市のJR埼京線戸田駅周辺の市街地に点在する未利用地などにおいて、ベンチからなる休憩スポット「おやすみ処」を約50箇所設置することにより、高齢者や障害者などの移動困難者の休憩や多世代の交流が行えるスペースとしてネットワーク化するなど、全国的にもユニークな活動を行い、住民主体でまちのバリフリー化に取組んだ点を高く評価し、表彰することとした。
【受賞者の取組み】
●取組みの概要
埼玉県戸田市は、東京都に隣接した首都圏近郊の市街地であり、JR埼京線戸田駅周辺には、市役所・福祉センター・病院などが多くある。NPO法人「まち研究工房」は、街中において、足腰の弱った高齢者、乳児を抱いた
人や幼児を連れた人などが辛そうに歩いていたり、地ベタに座り込んでいる様子を見かけたことを契機に、生活道路上や沿道に休憩スポットを数多く創出しネットワーク化するなどの、以下の取組みを進めた。
●まちなかにおける休憩スポット「おやすみ処」のネットワーク化
「まち研究工房」が中心となり、まちなかの沿道に散在する、JR高架下、医療施設、店舗、公道等のデッドスペース(未利用地等)を、主に移動困難者のための休憩スポット「おやすみ処」として、市内約50箇所にベンチを設置し、植栽を整備・維持管理などを進めてきている。これらの休憩スポットは、移動困難者の歩行距離を勘案し、沿道50~100m間隔で設置するなどのネットワーク化を目指している。
民間主体で進めているため、さまざまな民間事業者・ボランティアからの協力や県からの助成を受けながら柔軟に運営してきている。
整備の効果としては、退院後の歩行リハビリとして役に立っているという声があったり、高齢者や障害者などの移動困難者の休憩ポイントとなるとともに、さまざまな世代の交流が行えるスペースとしても役立っている。
【今後期待される取組み】
今後も、ベンチのネットワーク化を進め、市や関係事業者と連携した面的かつ一体的なバリアフリー化に取組むとともに、同様の取組みが全国に広がることが期待される。
【連絡先】
埼玉県戸田市新曽1442
TEL 048-445-9038
【Web-URL】
http://www.machi-ken-kou.net/
「おやすみ処」ネットワーク・マップ
JR高架下の休憩スポット(とだ1番地)
JR高架下の休憩スポット(とだ3番地)
公道上におけるベンチの設置(バス停前)
店舗前のベンチでくつろぐ歩行者