バリアフリー

北大阪急行電鉄株式会社・吹田市・豊中市 鉄道事業者と複数自治体の連携による桃山台駅及び周辺のバリアフリー化

【講評】
 受賞者らは、両側を幹線道路に挟まれた谷部にあり、市境に位置する鉄道駅において、協働で移動等円滑化基本構想を作成し、計画から整備に至るまで関係機関と協議を重ねた上で、駅舎を新設し、エレベーターや国道を立体横断する通路等を整備して周辺住宅地への段差の無いルートを確保し、条件の厳しい中、事業者と地方公共団体が一体となったバリアフリー化を実施したことを評価し、表彰することとした。

【受賞者の取組み】
●基本構想の協働作成
 桃山台地区では、駅構外からホームまでの経路に多くの段差があり、車いす利用者や高齢者の方にとって使いにくく、駅舎の早急な改善が望まれてきた。このため、吹田市と豊中市の市境においても連続した移動経路を確保し、切れ目のない一体的なエリアとしてバリアフリー化を進めるため両市が協働で基本構想の策定を行った。

●駅舎の新設および連絡通路の整備
 桃山台駅のバリアフリー化は既存の駅舎では構造上困難なため、基本構想において新たに駅舎を新設することにした。さらに、実施段階においても関係機関等との協議を継続し、より安全な移動ルートが確保できるよう、交通量の多い国道の平面横断を避け、立体横断とする橋上形式に計画変更し整備を行った。
 具体的には、駅舎を新設して構内にエレベーターとエスカレーターを設置、構外においては橋上の新駅舎に接続する連絡通路から地上の歩道へ通じるエレベーターを設置した。さらに、鉄道事業者と吹田市・豊中市が連携しながら、既存の歩道橋を延伸し連絡通路に接続した。その結果、国道の平面横断を避け、周辺住宅地から新駅舎までの安全なルートを確保するとともに、利便性の向上につながる立体的なバリアフリー化を実現した。

●整備にあたっての周辺住民の意見の反映
 北大阪急行電鉄株式会社は、吹田市・豊中市と互いに協力し、周辺住民に対し基本構想策定後も事業計画説明会、進捗状況説明会等の話し合いの場を随時に設けるなど、整備にあたって周辺住民の意見の反映に努めた。
 その結果、駅舎から周辺住宅地までの快適な移動ルートを確保するための既存歩道橋の連絡通路への延伸接続、寄り付きのよい車いす対応券売機の設置等に結びつけた。

【今後期待される取組み】
 今後は、視覚障害のある方への配慮の充実や各種設備の整備を含めた、既存駅舎における更なるバリアフリーの取組みが期待される。

【連絡先】
[北大阪急行電鉄株式会社]大阪府豊中市寺内2丁目4番1号
 TEL 06-6865-0601
[吹田市]大阪府吹田市泉町1丁目3番40号
 TEL 06-6384-1231(代表)
[豊中市]大阪府豊中市中桜塚3丁目1番1号
 TEL 06-6858-2525(代表)

【Web-URL】
[北大阪急行電鉄株式会社] http://www.kita-kyu.co.jp
[吹田市] http://www.city.suita.osaka.jp/
[豊中市] http://www.city.toyonaka.osaka.jp/

 

  • 事業前の桃山台駅周辺(北側より撮影)

  • 現在の桃山台駅周辺(北側より撮影)

  •        南側より撮影

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