バリアフリー

佐賀嬉野バリアフリーツアーセンター ハード・ソフトの両面における温泉地のバリ アフリー化

【講評】
 受賞者は、日本三大美肌の湯として有名な佐賀県・嬉野温泉において、市や観光協会等と連携・協力をしながら、温泉地のバリアフリー化をハード・ソフトの両面で進めてきたことにより、これまで温泉旅行をあきらめていた高齢者や障害者などの受け入れを可能とした。このように、温泉地のバリアフリー化モデルを構築したことは、他地域の温泉に対して大きな示唆をもたらしている点を高く評価し、表彰することとした。

【受賞者の取組み】
■ 取組みの概要
 嬉野バリアフリーツアーセンターでは、高齢者、車椅子利用者、その他の障害者、外国人など様々な人にとってやさしい温泉地を目指して、宿泊施設や商店街のユニバーサルデザイン化などのハード整備に加え、温泉での入浴介助を中心に、宿泊施設の選定や予約、必要な介助器具のレンタルなどのソフト整備を進めている。近年は韓国の自閉症児の団体を受け入れるなど、より幅広い方に対してサービスを行っている。温泉地の整備以外にも、市民参加型の福祉、教育、文化、スポーツに関するイベントや研修を開催するなど、多面的な活動を行っている。

● 温泉地のハード整備
 嬉野温泉では誰でも快適に利用できる「ユニバーサルデザイン客室」として13旅館20室を整備したことに加え、館内案内を視覚障害者向けに点字でも作成している。また、温泉街の足湯に車椅子の方でも利用できるスペースを設けたり、「湯のまちユニバーサルデザインのお店」のサインボードを店頭の目立つところに掲出して、各店舗が提供できるサービスを明示している。

● 入浴介助
 嬉野温泉では障害者や高齢者に配慮した設備が整った温泉施設で、へルパーによる入浴介助が受けられる。これにより、嬉野温泉には3世帯・4世帯の親孝行家族旅行や、老老介護夫婦のリフレッシュ旅行等の新たなマーケットが生まれてきている。さらに、車椅子利用者や身体に障害のある方でも簡単に着脱可能なUD 浴衣を開発した。このUD浴衣は健常者向けと車椅子利用者向けの2種類で、一般の浴衣と違い、ツーピースで構成されており、腰回りでの折り返しが不要なため、着付け等が簡単である。

● イベントの開催
 嬉野バリアフリーツアーセンターでは、「ひとにやさしい嬉野温泉」のまちづくりとともに、ハンディキャップのある観光客の方々が楽しめる嬉野温泉でありたいとの想いから様々なイベントを行っている。
○湯らっくすコンサート
 ハンディキャップを持つミュージシャン、プロ・アマ、様々なジャンルを超えて開催されるコンサート。音楽によって、心のバリアを少しでも無くそうという想いから始められた。
○ニューミックステニス大会
 健常者のテニスプレーヤーと車いすテニスプレーヤーがダブルスを組んで試合を行う、新しいスタイルのテニス大会を毎年開催している。

【今後期待される取組み】
 情報障害などの課題にさらに丁寧に取り組むとともに、バリアフリーツアーセンターの継続的な運営のための人材育成にも注力されることが期待される。

【連絡先】
 佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿乙2202-55
 TEL 0954-42-5126

【Web-URL】
 http://ud-uresino.org/udweb/

  • 車椅子で利用できる足湯

  • 「湯のまちユニバーサルデザインのお店」のサインボード

  • ユニバーサルデザイン客室内の浴室

  • UD 浴衣

  • UD 浴衣

  • 湯らっくすコンサート

ニューミックステニス大会

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