バリアフリー

鳥取県 JR西日本とともに取り組む手話を通じた心の バリアフリーの推進

講評
 受賞者は、手話言語条例を全国に先駆けて制定し、JR 西日本米子支社などとともに鳥取駅等9カ所にタブレット型端末を設置し、テレビ電話機能を活用した遠隔手話通話サービスや音声文字変換システムを導入するなど、公共交通機関における聴覚障害者とのコミュニケーションツールの充実に取り組んでいる。また、JR 西日本米子支社における手話研修の実施など、公共交通事業者の自主的な取組みを強く喚起した。このように、手話施策を中心とした聴覚障害者への理解の推進を通じて、心のバリアフリーが他地域や民間事業者に浸透し、大きな波及をもたらしている点を高く評価し、表彰することとした。
受賞者の取組み
■ 取組みの概要
 鳥取県では、全国で初めて「鳥取県手話言語条例」を制定し、手話の普及について、行政、県民、事業者等の役割を定め、幅広い者との連携を推進している。
 公共交通事業者との連携では、駅、バスターミナルにおいて遠隔手話通訳サービスや音声文字変換システムを導入するなどの取組みを進めており、これを契機に、JR 西日本米子支社職員により手話研修が実施され、JR 鳥取駅においては毎朝の点呼時に手話を10 覚えるという取組みが実施されるなどの自主的な取組みも始まった。
 また、「あいサポート運動」の開始、「全国高校生手話パフォーマンス甲子園」の開催、障害者の芸術・文化活動の振興など、福祉、教育、文化、スポーツ分野における市民参加型の多面的な活動を行っている。
● 遠隔手話通訳サービス、音声文字変換システムの公共交通機関等への導入
 短時間の用事や急に必要に迫られた場面など、手話通訳者の派遣を頼みにくい場面でも手話を利用できるよう、タブレット型端末のテレビ電
話機能を通じてろう者と窓口職員がコミュニケーションをとるためのシステムを導入している。
 また、声を文字に変換してタブレット型端末の画面に表示する音声文字変換システムを全国で初めて自治体窓口に導入し、手話を使わない難
聴者や中途失聴者も円滑にコミュニケーションできるようにしている。(現在、JR 鳥取駅、倉吉駅、米子駅、鳥取バスターミナル、倉吉バスプラザ、米子バスターミナル、県立図書館、県庁総合受付、県障がい福祉課の9カ所に端末を配置)

JR 鳥取駅等に表示している案内

遠隔手話通訳サービスのイメージ

音声文字変換システムを活用した文字でのやりとり
●「 あいサポート運動」の開始
 鳥取県では、県民が多様な障害の特性の理解に努め、障害がある方が困っているときに「ちょっとした手助け」を行うことにより共生社会を目指す「あいサポート運動」を2009 年に開始した。
 島根県、広島県、長野県、奈良県、山口県、埼玉県(2市5町)、韓国江原道などとあいサポート運動連携協定を締結しており、同運動は全国的に広がっている。(あいサポーター数は2015 年11 月末現在で272,014 人)

バッチ
● 全国高校生手話パフォーマンス甲子園の開催
 鳥取県では、全国初の手話を使ったダンス、歌、演劇、落語などの高校生によるパフォーマンスのコンテストの大会を2014 年から開催している。
 また、障害者の芸術・文化活動の振興にも取り組んでおり、あいサポート・アートとっとり祭りの開催など県内での行事の開催のほか、全国的な取組みとして、2020 年東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラムの中で障害者の芸術・文化振興について、他の都道府県とも連携して取り組むこととしている。

全国高校生手話パフォーマンス甲子園
今後期待される取組み
 今後、聴覚障害者施策に更に丁寧に取り組むとともに、他の障害者の一層の理解促進に取り組んで頂きたい。また、基本構想の策定などを通じて、ハード面のバリアフリー化にも注力されることが期待される。
連絡先
鳥取県鳥取市東町一丁目220 番地
(鳥取県地域振興部交通政策課)
TEL 0857-26-7641
(鳥取県福祉保健部障がい福祉課)
TEL 0857-26-7867
Web - URL】 
http://www.pref.tottori.lg.jp/239848.htm

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