日本・タイ経済連携協定交渉について


2005年9月
国際交通政策室・国際建設経済室


1.  経緯等
  • 2003年12月、小泉総理とタクシン首相との首脳会談において、二国間の経済連携協定の締結交渉を開始することを合意。
  • 2004年2月の第1回交渉以来、両国間で交渉を重ね、2005年9月1日、両国首脳会談で日タイ経済連携協定の主要点について大筋合意に達したことを確認。
  • 国土交通省としても交渉会合に出席し、建設分野では外国人事業許可の取得手続きの改善、運輸・観光分野ではホテルサービスの外資緩和等、下記3の成果を得た。
  • 今後、大筋合意に基づき条文交渉を行っていく予定。

2.  協定の概要

 両国間の物品、人、サービス、資本の自由な移動を促進し、双方の経済活動の連携を強化するとともに、観光等の分野での二国間協力を含む包括的な経済連携を推進することを目的とし、物品の貿易、サービス貿易、投資、人の移動、二国間協力(観光、貿易・投資促進、金融サービス、中小企業、農林水産、情報通信技術、教育人材育成、科学・技術・エネルギー・環境)、政府調達、知的財産、競争政策、ビジネス環境整備、基準認証・相互承認等の章で構成。


3.  国土交通省関連事項

(1) サービス貿易

(建設サービス)
 外国人事業法に基づく個別案件許可手続について以下の点を合意。
a) 許可手続の改善
契約書に代わり内示書の添付で許可申請を認めるとともに、契約後速やかに許可を発効すること
b) 大筋合意以降の議論の継続
許可手続の改善に向けて、複数案件に対する一括申請の容認や申請時の添付書類の省略について、協定署名までの間、引き続き協議すること
c) ビジネス環境小委員会での協議
現行の個別案件許可制度について、協定発効後に設置されるビジネス環境小委員会で議論すること

(運輸・観光サービス)
 タイ側より以下の点を約束。
a) ホテルサービス
一定の条件の下、外資上限を49%から60%に緩和
b) 外航海運(貨物)サービス
タイ−中国及びタイ−ベトナム間の外航海運(貨物)に係る貨物留保措置の撤廃
c) マリーナ施設サービス
外資上限49%を明示

 また、運輸・観光分野については、自由化を進めるためのレビューの枠組みで再協議することとなった。さらに、観光分野については、観光当局間で、外資規制等の規制緩和の可能性について協議することに合意。

(2) 二国間協力(観光)

両国間の観光交流促進のため、以下の内容の観光協力を実施することについて合意。

  • 観光マーケティング及びプロモーション
  • 専門家等の派遣、人材養成
  • 情報交換
  • 合同セミナー、ワークショップ等の実施

(3) 政府調達

 両国は、政府調達に関する情報を交換し、双方にとって利益となる協力を促進するための課題及び方途について協議するためのメカニズムを設置する。

(以上)