2.IT革命の推進
         事業費6,657億円(1.41倍)、国費3,642億円(1.38倍)

 21世紀の繁栄の鍵であるITについて、国民生活や産業社会におけるIT化とともに、電子政府の実現など行政サイドのIT化を進め、誰もが恩恵を享受できる「日本型IT社会」の実現に寄与する。

 

(1)光ファイバー収容空間ネットワークの整備によるFTTHの支援[連携]

 IT革命の進展に対応して、民間事業者等による家庭やオフィスまでの高速大容量の情報通信ネットワーク(FTTH)の早期実現を支援するため、道路、河川、下水道、港湾等の施設管理用光ファイバー収容空間の積極的な整備、開放を推進する。

 *インターネットの通信速度を現在の1万倍(64kbps→1Gbps)に向上し、家庭における動画や福祉・医療データの受発信、  家庭内LANや情報家電の普及等を可能にする。

 道路、河川、下水道、港湾等の光ファイバーの収容空間により、早急に、国土の骨格を成すとともに家庭やオフィスを面的に結ぶ収容空間ネットワークを形成する。

 * 道路、河川、下水道等の収容空間等について、平成13年度末までに、約3万kmを整備し、開放する。

 

(2)国民生活・産業社会のIT化

@ITSの積極的展開など交通・観光分野のIT化の推進[連携]

 安全性の向上や都市問題、環境問題等の諸課題に対応した質の高い交通システムの実現や、国内外の観光客の利便性向上のため、ETCの整備、スマートウェイ技術とスマートカー技術が融合した走行支援システムの実道実験、ナンバープレートの電子化等のITS(高度道路交通システム)の推進や、道路情報、公共交通情報、物流情報、観光情報を統合的に処理しインターネット等を通じて国民に提供するシステムの構築、海のITS(ITを活用した海上交通のインテリジェント化)、IT革命推進のための国際共同プロジェクトなどを推進する。

 

A防災分野のIT化の推進[連携]

 水害、高潮、地震、火山・土砂災害等の被害の最小化や車両通行の安全確保を図るため、関係行政が連携し、ITを活用したリアルタイムの観測・監視体制の強化と観測情報等の共有化を進め、インターネット、携帯電話等多様な手段により、的確な防災活動、避難行動が直ちにとれるよう、国民がきめ細かな防災情報を常時確実に入手できる体制を整備する。

 

B電子商取引の進展等経済社会のIT化のための環境整備[連携]

 民間分野における電子商取引を促進するため、これらの阻害要因となり得る書面主義などの規制の総点検、見直しを適切に行うほか、建設業、不動産業などの事業者の情報格差(いわゆる「デジタルディバイド」)の解消のための施策を着実に講じる。

 

CIT都市の構築による大都市構造の再編

 大都市圏のIT産業、交通基盤の整備状況等について総合的な情報提供を行いながら、IT関連コンテンツ産業等の立地メカニズムの解明とその集積に向けた具体的な導入推進方策を検討するとともに、テレワークのためのオフィスの提供、研修・セミナーなど技術サポートの実施等により、地域における女性・高齢者のSOHO、テレワークを支援する。また、ITの活用による防災性の高い首都機能都市のあり方を検討し、それを提示する。

 

D北海道における広域分散型社会を活かす情報通信ネットワークの形成

 北海道において「距離」のデメリットを克服し、新産業の創出や情報格差の解消、高次都市サービスの地域への提供等を実現するため、高度情報通信基盤のネットワークの形成を図るとともに、医療情報等北海道の特性に対応した情報通信システムの構築を図る。

 

(3)GISの整備・普及の推進[連携]

 数値地図、電子海図、国土数値情報など空間データ基盤等を整備し、それらをインターネットを通じて流通・利用するしくみ(「電子国土」)を構築し、国、地方、民間にわたり国土管理、環境保全、ハザードマップ作成、福祉・医療、救急活動、マーケティングなど様々な分野においてGISが活用できる環境を積極的に整備する。

 *以下の情報をインターネットを通じて提供。

  ・平成13年度までに国土数値情報

  ・平成13年度以降全国の都市計画区域内の1/2,500地図情報、平成15年度から全国の1/25,000地図情報

  ・クリアリングハウスに登録した国土交通省保有の地理情報

 

(4)国土交通省版「電子政府」の実現

@申請・届出等のオンライン化、調達・施工・維持管理の電子化[連携]

 国民負担の軽減、行政の簡素・効率化を推進するため、旅行業の登録、道路占用許可など申請・届出等行政手続や調査・統計のオンライン化、自動車保有関係手続・港湾諸手続のワンストップ化を進める。また、公共施設に係る建設コストの縮減や品質の確保・向上等を図るため、CALS/ECの導入など調達・施工・維持管理の電子化を推進する。

 

A航空管制や海上保安の情報化

 航空交通量の増大に対応した安全で効率的な航空管制業務を行うため、航空衛星システム等を活用した次世代航空保安システム等の整備を推進するほか、多発する海上犯罪や海上事故等の各種事案に対する一層の効果的な対応を可能にするため、海上保安庁情報システムの高度化を推進する。