懇談会の詳細

 
長谷川 逸子委員
 
●ショートスピーチ 「コラボレーション」
 ブリテンの教会オペラ『Curlew River』のアートデザインを担当した。能の櫻間金記氏からの能的演出を修得するため世界中から集まった約30人が長岡市にホームステイをしてつくり上げた。長岡リリックホールとブリテン初演のイギリスオーフォード教会で数回上演し、高い評価を得て私も感激している。この異分野への参加を通じて日本の現場では経験主義とヒエラルキーがコラボレーションを難しくしていた。セクショナリズムの強いイギリスはさぞ難しいだろうと思って出かけたが、新しいものをつくるためにそうしたものを取払うリーダーがいて、思い通り出来た。異文化交流の為の環境を支えてくれたリリックホールの中矢館長とオールドバラのディレクター、ジョナサン・リーキー(Jonathan Reekie)氏に感謝したい。
長谷川逸子委員
 
●ショートスピーチに対する投稿
○焼き肉の会会員 30歳代男性(放送・出版)
 日本社会における経験主義やヒエラルキーは悪しき伝統でありながら、かつ重要な文化でもあると思います。先輩、上司の経験から「学ぶ」ことは多くそれが重視されるのも事実です。しかしながら強制的に学ばされてしまうことで自分のアイデンティティーが失われてしまう状況も多くあるのではないでしょうか。自分自身を持ちながら、ヒエラルキー主義の中で学んでいくことが、今の世の中をうまく生き抜くコツなのでしょうね。
 
○奈菜子 20歳代女性 
 焼肉会の会員さんのご意見は、とても的を得ていると思いますが、その反面実現するのは相当に難しい課題であると思います。専門委員の先生方は、すばらしい個性をいかして活躍なさりつつ、そのご専門の基礎というのをしっかりおもちのかたがただと思うのですが、どのように「学ぶ」んでこられたのでしょうか。とても気になります。ぜひ教えてください。
 
○ぺこちゃん 20歳未満女性(サービス) 
 私は以前上下関係の厳しい会社で働いていました。それが嫌になって今の事務所に移ったのですが、ここは外資系ということもあってか上下関係のほとんど存在しない「個人主義」の世界です。確かに全てを自分で学ばなければならないので大変ですが、自由にのびのびと仕事ができることが何よりも私のやりがいにつながっています。自分自身の目標のためなら、自分自身で「学ぶ」のもいいかな、なんて思っています。
 
○20歳代女性(放送・出版) 
 「学ぶ」ってとても重要なことだと思います。でも、個人の資質や気持ちの持ち方で「学ぶ」姿勢はすぐ変わってしまうものと思います。私の身近に目標となる人がいれば、その人に追いつきたいって思って「学ぶ」姿勢がでてくるけれど、そういう人が身近にいないときには、ただ生きてるって感じで過ごしていまいます。私の周りの人はみんなそんな感じで、ある程度自分の生活に満足しているから、なにか強い魅力がなければ、これ以上「学ぶ」ってことに興味をもたないかもしれませんね。
 
○ひろ 20歳代女性(金融) 
 すみません。私がその「ただ生きてるって感じ」の人です。「学ぶ」が楽しいって皆さんは仰いますが、私には何が楽しいのかさっぱりわかりません。社会に出て、夢や目標が見えなくなっている今の私には、「学ぶ」の楽しさなんて夢のまた夢です。
 
○奈菜子 20歳代女性 
 私はぺこちゃんさんとはちょっと違う意見を持っています。(というより自分の体験が違うだけなんですけど)私はいま、周りのひとから学ぶことの「ハッピー」を感じています。仕事の仕方、ものの考えかた、仕事も含めた生き方についての考えかた、、、、、やはりひとと(それも尊敬できるすばらしい人たち)接することで自分が変わっていく「学び」には、独学とは違う楽しさがあるように思います。
 
○中山りょうこ 20歳代女性 
 ひろさんがあまりにもちょっと前の自分に似ているので、思わず投稿してしまいました。私も一時仕事も何もかもぜんぜん楽しくなくて、「まなぶ」どころか、なんか生きてて楽しいという実感もないなーという日々を送っておりました。でも、今は毎日が「ハッピー」です。理由は自分のやりたいことが見つかったから。べつにライフワークとかそういう壮大なのではないんですが、ささやかな目標でも、あると毎日が違うみたい。ひろさんも、あまり難しく考えず、ささやかな目標や、ちょっと学んでみたいことからトライしてみては?
 
○ある地方公務員 30歳代男性(官公庁)
 どんな制度や仕組みも歴史があります。他の分野、他の地域などのものを「学ぶ」でいくと大変勉強になります。そうした「学ぶ」姿勢を植え付けるのが、教育ということになるのでしょうか。
 
○奈菜子 20歳代女性
 「ある地方公務員」さんのご意見に共感します。しかし、自分の身にひきつけて考えると、「学ぶ」ことは、とても楽しいことだけれど、同時にとてもしんどいことだと思う今日この頃です。専門委員の先生方は、どのようにして「学んで」こられたのでしょうか。大いに興味があります。
 
○かずみ 20歳代女性(通信・コンピューター)
 こんにちは。初めて投稿します。「学ぶ」にはまっている28歳OLです。いま私は英会話の学校に通い、英語を学んでいます。学生のころは大嫌いだった英語をまさか自分でお金を払って勉強することになろうとは、、、きっかけは私のアパートに、ブラジル人のお隣さんが引っ越してきたこと。本当はスペイン語を勉強したかったんだけど、教えてくれるところがなくて、英語にしました。今までテスト勉強のために英語を学んでいた時にはぜんぜんおもしろいなんて感じたことがなかったのに、今は学んだ英語を(片言レベルですが)使えるので、勉強するのが楽しくてたまりません。やはり「まなぶ」楽しさって、目的意識があってのことなんだなーと実感してしまいました。
 
○市川さなえ 20歳代女性(放送・出版)
 どんなことからであっても、自分の学ぶ姿勢自体で、学ぶことも出来る反面、どんなに恵まれた環境を与えられても、学ぶ姿勢がなければ意味がないということを最近実感しています。結局学べるかどうかは、自分の心がけ次第なのでは?と思います。
 
○冨永栄一 20歳代男性(通信・コンピューター)
 「学ぶ姿勢」について、専門委員の先生方に質問させていただきたいのですが、先生方は、「学ぶ姿勢」つまり学びに対するやる気や興味を失いそうになったとき、どのようにされていますか?長く一つのことを究めてこられたと同時に、常に新しいテーマに挑戦されている先生がたの「学ぶ」気持ちを持続させるコツや考え方にとても興味があります。
 
○うめこ  20歳代女性(その他)
 私も留学して英語を習い始めました、、、、駅前で。私の場合海外旅行にいってひとことも英語がしゃべれなかったのが悔しくて。サンキューとアイムソーリーしかいえなかったなんて、、、一体何のために高校まで出たんでしょうか?でも今になって英語が楽しいです。なんで中学高校って、あんなに英語嫌いだったのかなー?学ぶのも悪くないかもなんて、遅いかもしれないけど思ってます。
 
○ぱりこ 20歳代女性(サービス)
 先日新しく「学ぶ」をはじめて見ました。始めたのはフランス語。先日フランスに行って、その魅力にはまり、また行くときには絶対フランス語で会話する!と決意したからです。正直先生に教えていただきつつもちんぷんかんぷんなんですけど、でも語学学校に通うひと時が一週間で一番の私のいきがい時間なんです。
 
○市川さなえ 20歳代女性(放送・出版)
 確かに、今どんなに懸命に学んだことでも、10年後にそれが時代遅れになっていないという保証はないと思います。でも、そこで学んだものの考え方などは、次のなにか(例えば技術)を吸収するときにも、土台として実は役に立ってくれるのではないでしょうか?
 
○よっしー 20歳未満女性(学生)
 初めて投稿します。今年の4月から大学生やってます。「これから10年後の暮らし」ですか、、、私には想像つかないな〜。このお題って、これから10年後の幸せのために今どう学ぶか?みたいなこと?でもそれって難しいですよねー。だって今学んだことなんて10年後には古くなっちゃってるかもしれないし、、という私は大学に入っていまだに5月病しちゃってるのでしょーか?
 
○市川さなえ 20歳代女性(放送・出版)
 先日この懇談会の専門委員をなさっている井上先生の「美人論」と「パンツが見える。」を一気に2冊読んでしまいました。どちらの本も、今まで自分が何の疑問もなくあたりまえだと思ってきた(思い込んで来た)ことが事実とは異なることを丁寧に解き明かしていて、目からうろこ!でした。「学ぶ」とは新しいことを知ることでもあると同時に、古い知識や思い込みに揺さぶりをかけてくれることでもあることを発見しました。この2冊、お勧めです!
 
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